瀬戸内国際芸術祭を更に深く感じたく、鑑賞しました。
◎『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』 作品概要
生きていることは、それ自体、祝福であるのか―
存在の神秘を問うアーティスト・内藤礼と、その世界に誘われる者たちの物語が交差する
世界が存在することの奇跡に触れるドキュメンタリー
瀬戸内海に浮かぶ美しい島、豊島(てしま)。
海を望む棚田の一角に、建築家・西沢立衛の建築と、美術家・内藤礼の作品《母型》、そして周囲の自然が一体となった豊島美術館が存在する。
目をこらさなければ見えてこない、かすかな存在のあり方を、われわれに気づかせてきた美術家・内藤礼。彼女はこれまで自らを撮影されることを殆ど拒んで来た。物語は、取材者が内藤に取材依頼をするところからはじまる。しかし、次第に内藤はカメラで写されることに違和感を抱くようになる。「撮られると、”つくること”が失われてしまう」。
取材者は惑いながらも、内藤にカメラを向けず、「地上に存在していることは、それ自体、祝福であるのか」という内藤のアートの本質に迫る映画を作ろうと決意する。それは豊島美術館《母型》の脈打つような空間と、水のふるえ、光の躍動、そしてその作品世界に誘われる5人の女性の物語だった——。
2年という長期に渡る内藤とのやり取りを軸に、女性たちの存在が交差していく。幾多の有形無形のものたちが物語を織り成す、フィクションともドキュメンタリーともつかない新しい映像表現がここに誕生する。
