1ヶ月ぶりの再テストで少し定着してたり逆に微減してたり(汗)、早く3周4周と重ねていきたいです。
高年齢者等雇用安定法に関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア 高年齢者等雇用安定法は、高年齢者の雇用を安定させる必要があるので、制定された趣旨を一貫して保っており、これまで制度改正は行われていない。
イ 高年齢者等雇用安定法によると、企業は雇用延長について、定年の延長、継続雇用制度、定年制の廃止の3つの制度のいずれかを行わなければならない。
ウ 継続雇用制度とは、定年の年齢になった従業員を引き続き雇用する勤務延長制度のことをいう。
エ 高年齢者等雇用安定法には、継続雇用制度の対象者を限定することができる仕組みが整備されている。
高年齢者等雇用安定法の改正により、企業は雇用延長について、定年の延長、継続雇用制度、定年制の廃止の3つの制度のいずれかを行わなければならないこととなりました。
継続雇用制度とは、定年後も継続して雇用する制度のことをいいます。これには、定年の年齢になった従業員を引き続き雇用する勤務延長制度の他に、定年の年齢になった従業員をいったん退職させた後で再び雇用する再雇用制度があります。
高年齢者等雇用安定法の改正により、継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みが廃止されました。継続雇用制度の対象者を限定することはできません。事業主は、事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、継続雇用制度を導入したものとみなすものとしている仕組みを廃止することになりました。
人事評価に関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア 成果主義とは、仕事を遂行する能力をもとに、給与や昇格などの処遇を決定するものである。
イ 成果主義によると、優秀な従業員のモチベーションを高めることができるが、人件費が増大する。
ウ 目標管理制度とは、上司と面談の上で個人の業績目標を設定し、自主的に目標を達成する管理方法である。
エ コンピテンシー評価とは、営業員であれば、売上高や新規顧客開拓件数などの仕事の成果で評価をするものである。
コンピテンシー評価は、高い業績を上げるための行動特性を明らかにし、その行動特性を基準にして人事評価を行うものをいいます。この行動特性のことをコンピテンシーと呼びます。
能力開発に関する次の文中の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
( A )を行う際の留意点として、( B )開発の視点を持つことが重要となっている。長期的な( B )を設計し、計画的に異動や( A )を行っていくことが必要である。( C )の導入・適切な運用により、社員は自身の( A )を積極的に行っていくことが促され、上司は( D ) 能力の伸張を促されるといった育成面が重要な要素となっている。( C )を導入する際には、評価制度だけではなく、( A )制度として機能させることが重要である。目標を設定し、その目標を達成する過程で能力を向上させたり、自律的に管理する能力を高めたりしていくことがポイントになる。( C )は、( D )において極めて有意義な実践の場と上司が密接にかかわる機会を提供する。( C )の運用を最適化しつづけることで、社員から望ましい行動をより多く引き出し、上司に適切な育成行動を取らせることができる。
ア A:能力開発 B:キャリア C:職能資格制度 D:マネジメント
イ A:能力開発 B:キャリア C:目標管理制度 D:人材育成
ウ A:キャリア開発 B:自己 C:職能資格制度 D:マネジメント
エ A:キャリア開発 B:自己 C:目標管理制度 D:人材育成
目標管理制度(MBO:Management By Objectives)とは、上司と面談の上で個人の業績目標を設定し、自主的に目標を達成する管理方法のことをいいます。この制度は、本来、経営者の視点からは自律性を高める企業文化を形成し、人事部の視点からは能力開発を行わせ、管理者の視点からは人材育成やマネジメントの能力を向上させ、社員の視点からは自己の能力開発をし、組織への貢献を図る効果が期待されているものです。目標管理制度を導入する際には、評価制度だけではなく、能力開発制度として機能させることが重要です。目標を設定し、その目標を達成する過程で能力を向上させたり、自律的に管理する能力を高めたりしていくことが重要になります。
労働条件に関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア 労働基準法による労働条件の効力は、労働基準法などの法令が最も強く、続いて労働契約、労働協約、就業規則の順となる。
イ 労働契約を結ぶときには、就業規則や労働協約、法令に違反しなければ、労働者に対して賃金や労働時間などの労働条件を明示する必要はない。
ウ 労働協約とは、労働者と使用者の間で結ぶ協定のことをいう。
エ 就業規則には必ず記載しなければならない絶対的記載事項があるが、これには、労働時間に関する事項、賃金に関する事項、退職に関する事項がある。
労働基準法による労働条件の効力は、労働基準法などの法令が最も強く、続いて労働協約、就業規則、労働契約の順となります。労働契約、労働協約、就業規則の順番ではありません。
労働協約とは、労働組合と使用者の間で結ぶ協定のことをいいます。労働者と使用者の間で結ぶ協定のことではありません。
就業規則に記入するものには、必ず記載しなければならない絶対的記載事項、その定めをする場合は記載する必要がある相対的記載事項、使用者が自由に記載する任意的記載事項があります。絶対的記載事項には、労働時間に関する事項、賃金に関する事項、退職に関する事項があります。これらは就業規則に必ず記載する必要があります。
働き方改革に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」として、同一企業内における正社員と非正規社員の間の不合理な待遇の差をなくし、どのような雇用形態を選択しても待遇に納得して働き続けられるようにすることで、多様で柔軟な働き方を「選択できる」ようにすることが目的となっている。
イ 不合理な待遇差の禁止とは、同一企業グループ内において、正社員と非正規社員の間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることが禁止される。
ウ パートタイム労働者・有期雇用労働者についても均衡待遇規定の明確化が定められ、新たに有期雇用労働者も対象として適用される。
エ 非正規社員は、正社員との待遇差の内容や理由などについて、事業主に対して説明を求めることができる。
働き方改革は大きく2つのポイントから構成されます。
ポイント1は「労働時間法制の見直し」で、働きすぎを防ぐことで、労働者の健康を守り、多様な「ワーク・ライフ・バランス」を実現することが目的です。
ポイント2は「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」で、同一企業内における正社員と非正規社員の間の不合理な待遇の差をなくし、どのような雇用形態を選択しても待遇に納得して働き続けられるようにすることで、多様で柔軟な働き方を「選択できる」ようにすることが目的です。
ポイント2の「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」では、「不合理な待遇差の禁止」を「同一企業内において、正社員と非正規社員の間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けること」とし禁止します。
パートタイム労働者・有期雇用労働者に対して、「均衡待遇規定の明確化」、「新たに有期雇用労働者も対象とする均等待遇規定」が定められ、派遣労働者に対しても、「派遣先の労働者との均等・均衡待遇」「一定の要件を満たす労使協定による待遇」のいずれかが義務化されました。あわせて、派遣先になろうとする事業主に対し、派遣先労働者の待遇に関する 派遣元への情報提供義務を新設します。
変形労働時間に関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア 1ヶ月単位の変形労働時間制は、1ヶ月以内の労働時間を平均して、1週間あたりの労働時間が45時間を超えない限り、特定の1日の労働時間が8時間を超えてもよい。
イ フレックスタイム制を導入するには、就業規則に記載し、労使協定で総労働時間などの内容を定めることが必要である。
ウ 1年単位の変形労働時間制では、1年以内の一定期間の労働時間を平均して、1週間あたりの労働時間が50時間を超えない限り、特定の1日の労働時間が8時間を超えてもよい。
エ 1週間単位の変形労働時間制は、労働者が50人未満で、特定の業種のみ導入できる制度である。
1ヶ月単位の変形労働時間制とは、1ヶ月間以内の労働時間の平均が、1週間の法定労働時間(40時間)を超えない限り、特定の1日の労働時間が8時間を超えても良い制度のことをいいます。1週間あたりの労働時間が45時間を超えない限りという点が不適切です。なお、平均して週40時間以内であれば、特定の週の労働時間が40時間を超えても問題ありません。
フレックスタイム制とは、1ヶ月以内の一定期間の総労働時間を定めておき、労働者が始業や終業の時刻を自主的に決定できる制度のことをいいます。フレックスタイム制を導入するには、就業規則に記載し、労使協定で総労働時間などの内容を定めることが必要です。
1年単位の変形労働時間制は、1年以内の一定期間の労働時間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間を超えない限り、特定の1日の労働時間が8時間を超えても良い制度のことをいいます。1週間あたりの労働時間が50時間を超えない限りという点が不適切です。
1週間単位の変形労働時間制は、労働者が30人未満で、特定の業種のみ導入できる制度です。労働者が50人未満ではありません。
働き方改革に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とする。臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできない。
イ 原則である月45時間を超えることができるのは、年間6か月までである。
ウ 労働時間の上限を超えた場合、行政指導を受ける。
エ 「勤務間インターバル」制度は、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に一定時間以上の休息時間を確保する仕組みであるが企業の努力義務とされる。
残業時間の上限を法令で定め、上限を超える残業はできません。
残業時間の上限は、原則、月45時間・年360時間ですが、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、年720時間以内 ・複数月平均80時間以内(休日労働を含む) ・月100時間未満(休日労働を含む)を超えられません。原則である月45時間を超えることができるのは、年間6か月までです。
行政指導ではなく、法律で残業時間の上限を定めこれを超える残業はできません。
賃金に関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア 労働基準法では、賃金の支払方法について、通貨払いの原則、直接払いの原則、全額払いの原則、毎月1回払いの原則、後日払いの原則の5つが設けられている。
イ 法定労働時間以外の労働に対する割増賃金は、時間外労働の場合は15%以上、休日労働の場合は25%以上、深夜労働の場合は25%以上である。
ウ 労働基準法によると、休日かつ深夜労働の場合は、35%と25%を加算して60%以上の割増賃金を支払う必要がある。
エ 労働基準法によると、一時帰休の期間中は、使用者が労働者に平均賃金の50%以上の休業手当を支払わなければならない。
後日払いの原則ではなく、「一定期日払いの原則」です。
法定労働時間以外の労働に対する割増賃金は、時間外労働の場合は25%以上、休日労働の場合は35%以上です。深夜労働の場合は25%以上です。
休日かつ深夜労働の場合は、35%と25%を加算して60%以上の割増賃金を支払う必要があります。
労働基準法では、一時帰休の期間中は、使用者に平均賃金の60%以上の休業手当の支払義務を設けています。
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」に関する次の記述として最も適切なものはどれか。
ア 月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置は継続されることになった。
イ 使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えるよう努めなければならない。
ウ 高度プロフェショナル制度では、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととする。また、対象労働者の同意の撤回に関する手続を労使委員会の決議事項とする。
エ 事業主は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保をしなければならないこととする。
月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置は廃止されることになりました。
「使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこと」、と義務規定です。なお、労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はありません。
高度プロフェショナル制度
- 職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,075万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、年間104日の休日を確実に取得させること等の健康確保措置を講じる
- 本人の同意や委員会の決議等を要件として、 労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする
- 健康確保措置として、年間104日の休日確保措置を義務化。加えて、①インターバル措置、②1月又は3月の在社時間等の上限措置、 ③2週間連続の休日確保措置、④臨時の健康診断のいずれかの措置の実施を義務化(選択的措置)
- 在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととする。(※労働安全衛生法の改正)
- 対象労働者の同意の撤回に関する手続を労使委員会の決議事項とする
労働保険に関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア 労災保険は、労働者が50人以上の場合に加入が義務となり、事業主は労働保険料を政府に納める必要がある。
イ 業務災害に関し労災保険が支給されるためには、住居と就業場所の間を合理的な経路および方法で移動した場合であることが必要である。
ウ 雇用保険は、雇用保険法で定められており、事業所規模にかかわらず、①1週間の所定労働時間が20時間以上で②31日以上の雇用見込がある人を雇い入れた場合は適用対象となる。
エ 求職者給付には、高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付の3種類がある。
住居と就業場所の間を合理的な経路および方法で移動した場合であることが必要なのは、通勤災害に関する労災保険です。
雇用保険は、事業所規模にかかわらず、①1週間の所定労働時間が20時間以上で②31日以上の雇用見込がある人を雇い入れた場合は適用対象となります。
求職者給付(失業保険)とは、失業した際に支給される保険です。これは、新しい仕事を探して再就職することを目的に支給されるものです。高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付の3種類があるのは、雇用継続給付です。
労働者派遣法に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 注文主と労働者との間に指揮命令関係がある場合には、請負形式の契約により行われていても労働者派遣事業に該当し、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の適用を受ける。
イ 現行の労働者派遣法において、労働者派遣では、登録している労働者の中から派遣する一般労働者派遣事業と、常時雇用している労働者の中から派遣する特定労働者派遣事業がある。
ウ 同一の派遣先の事業所に対し、派遣できる期間は、原則、3年が限度であり、派遣先が3年を超えて受け入れようとする場合は、派遣先の過半数労働組合等からの意見を聴く必要がある。
エ 同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は、3年が限度である。
注文主と労働者との間に指揮命令関係がある場合には、請負形式の契約により行われていても労働者派遣事業に該当し、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の適用を受けます。
改正労働者派遣法では、これまでの一般労働者派遣事業(許可制)と特定労働者派遣事業(届出制)の区別は廃止され、すべての労働者派遣事業が許可制となりました。
同一の派遣先の事業所に対し、派遣できる期間は、原則、3年が限度となりました。派遣先が3年を超えて受け入れようとする場合は、派遣先の過半数労働組合等からの意見を聴く必要があります。なお、1回の意見聴取で延長できる期間は3年までです。
同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は、3年が限度となりました。
マーケティングの定義に関する次の文中の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
AMA(米国マーケティング協会)が2007年に改訂したマーケティングの定義では、「マーケティングとは、( A )、依頼人、パートナー、社会全体にとって( B )のある提供物を創造・伝達・配達・( C )するための活動であり、一連の制度、そして( D )である。」としている。
ア A:顧客 B:ニーズ C:回収 D:仕組み
イ A:顧客 B:価値 C:交換 D:プロセス
ウ A:ステークホルダー B:ニーズ C:回収 D:仕組み
エ A:ステークホルダー B:価値 C:交換 D:プロセス
マーケティングの定義には、次のようなものがあります。
●P.コトラー
「マーケティングとは、個人や集団が、製品および価値の創造と交換を通じて、そのニーズや欲求を満たす社会的・管理的プロセスである」
●AMA(米国マーケティング協会)2007年改訂
「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである」
●P.F.ドラッカー
「マーケティングの究極の目標は、セリングを不要にすることである」
●T.レビット
「マーケティングとは、顧客の創造である」
マーケティングとは、一言で表せば「売れる仕組みづくり」ということになります。
マーケティング・コンセプトに関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 生産志向のマーケティング・コンセプトは、モノが不足していた時代で、供給が需要に追いつかない状況を背景にしており、生産性を向上させることが重視される。
イ 製品志向のマーケティング・コンセプトは、供給が需要に追いついた状況を背景にしており、品質改善や消費者に安定的に製品を提供することが重視される。
ウ 販売志向のマーケティング・コンセプトとは、顧客のニーズを探り、顧客満足を満たす製品を提供していこうとするものをいう。
エ 社会志向のマーケティング・コンセプトでは、消費者の長期的な利益を満たし、社会全体に利益を提供する考え方が重視される。
生産志向のマーケティング・コンセプトとは、効率的に製品を生産し、大量生産を実現することを目的とするものです。このコンセプトは、モノが不足していた時代で、供給が需要に追い付かない状況を背景にしています。供給が需要に追い付かない状況では、売手市場になります。売手市場では、生産された製品はみな売れることになるので、マーケティングはあまり重視されず、生産性を向上させることが重視されます。
製品志向のマーケティング・コンセプトとは、品質を改善し、消費者に安定的に製品を提供することを目的とするものです。新規企業が参入し、各企業の生産量が増加すると、供給が需要に追い付かない状況から、供給が需要に追い付く状況に移行します。このコンセプトは、供給が需要に追い付いた状況を背景にしています。このような状況では、品質の高い製品しか売れなくなるため、品質改善や消費者に安定的に製品を提供することが重要となります。
販売志向のマーケティング・コンセプトとは、製品をいかに販売するかを重視するものをいいます。顧客のニーズを探り、顧客満足を満たす製品を提供していこうとするものは、顧客志向のマーケティング・コンセプトです。
マーケティング3.0に関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア マーケティング2.0が製品中心のマーケティングであるのに対し、マーケティング3.0は消費者志向のマーケティングである。
イ マーケティング2.0の目的が、製品を販売することであるのに対し、マーケティング3.0は消費者を満足させ、つなぎとめることである。
ウ 企業のマーケティングガイドラインは、マーケティング2.0が企業と製品のポジショニングであるのに対し、マーケティング3.0は企業のミッション、ビジョン、価値である。
エ 消費者との交流について、マーケティング2.0は1対多数の取引であるのに対し、マーケティング3.0は、多数対多数の協働である。
マーケティング2.0は製品中心ではなく、消費者志向のマーケティングです。また、マーケティング3.0は消費者志向ではなく、価値主導のマーケティングです。
マーケティング2.0の目的は、製品を販売することではなく、消費者を満足させ、つなぎとめることです。また、マーケティング3.0は消費者を満足させ、つなぎとめることではなく、世界をよりよい場所にすることです。
企業のマーケティングガイドラインは、マーケティング2.0が企業と製品のポジショニングであるのに対し、マーケティング3.0は企業のミッション、ビジョン、価値である。
消費者との交流について、マーケティング2.0は1対多数の取引ではなく1対1の関係とします。
マーケティング戦略に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア マーケティング機能要素別戦略は、Product、Price、Place、Preferenceの4つのものから構成される。
イ マーケティング・マネジメント戦略は、マーケティングの4Pを統合する戦略である。
ウ マーケティング・ミックスとは、各種のマーケティング要素を組み合わせることをいう。
エ マーケティングの3階層において一番上の階層は戦略的マーケティングで、これは、企業全体の方向性を決める企業戦略に近い戦略である。
E.J.マッカーシーは、顧客の要求に満足を与えることのできる手段として、①Product(製品)、②Price(価格)、③Promotion(販売促進)、④Place(販売チャネル)の4つを挙げました。これらは、企業がコントロールできる要因です。これらの要素は、マッカーシーの4Pと呼ばれることもあります。
マーケティング・マネジメント戦略とは、マーケティングの4Pを統合する戦略のことをいいます。
各種のマーケティング要素を組み合わせることをマーケティング・ミックスと呼びます。
AIDMAとAISASモデルに関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア AIDMAモデルとは、Access→Interest→Desire→Memory→Actionといった購買行動をとるというものである。
イ AIDMAモデルの最後のAは、実際に購入した製品を使用してみて評価するということである。
ウ AISASモデルとは、Attention→Interest→Share→Action→Searchといった購買行動をとるというものである。
エ AISASモデルの最後のSは、購入して使用した後の感想や評価をネット等で共有することである。
AIDMAは、Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字を取ったものです。
AIDMAモデルの最後のAは、Action(行動)で、購買するという行動のことです。最後のAは、実際に購入した製品を使用してみて評価するということではありません。AIDMAモデルでは、消費者が新しい商品を購入する時は、まずその存在を知り(注意を払う)、興味・関心を持ちます。さらに欲しいという欲求が生まれ、記憶の中で吟味することによって、購買という行動につながるという流れとなります。
購買決定のタイプに関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 購買決定行動のタイプは、日常的反応行動、限定的問題解決、拡大的問題解決の3つに分類される。
イ 日常的反応行動は、低価格で購買頻度が高い製品、つまり最寄品に多い購買行動である。
ウ 限定的問題解決は、消費者はその製品については良く知っているものの、ブランドについてはあまり知らない場合の購買行動で、専門品に多い購買行動である。
エ 拡大的問題解決は、消費者が製品やブランドのことを良く知らない場合の購買行動である。
購買決定行動のタイプは、日常的反応行動、限定的問題解決、拡大的問題解決の3つに分類することができます。
限定的問題解決とは、消費者はその製品については良く知っているものの、ブランドについてはあまり知らない場合の購買行動です。いくつかの製品を比較した上で購入される製品、つまり買回品に多い購買行動です。専門品に多い購買行動ではありません。
拡大的問題解決とは、消費者がその製品分野の知識がほとんどない場合の購買行動です。一般的には、専門的で購買頻度が低い製品、つまり専門品に多い購買行動です。
消費者行動と関与に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 関与は、ある商品に関して、個人が持つこだわりや関心の度合いを表し、こだわりの度合いが高い場合は高関与と呼ぶ。
イ 認知的関与が高い人は、商品に対して少ない情報しか持っていない傾向にあるため、情報の収集や分析を楽しむ傾向がある。
ウ 認知的関与は、商品の機能やコストを追求するといった功利的動機に基づく関与であり、情報を収集したり分析したりすることに重きを置いている。
エ 感情的関与は、物事を感覚的に捉えようとする関与であり、知識でなく経験を楽しむことに重きを置いている。
こだわりの度合いが高い場合は「高関与」、こだわりの度合いが低い場合は「低関与」と呼びます。
認知的関与が高い人は、商品に対して豊富な情報を持つ傾向にあり、さらに情報の収集や分析を楽しむ傾向があります。商品に対して少ない情報しか持っていない傾向にあるわけではありません。
認知的関与は、商品の機能やコストを追求するといった功利的動機に基づく関与です。これは、論理的に情報を捉えようとする関与であり、情報を収集したり分析したりすることに重きを置いています。
セグメンテーションに関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア 地域別の商品を企画したり、特定の国をターゲットとしたマーケティングを開発したりする場合は、細分化する基準として、地理的基準が用いられる。
イ 人口統計的基準とは、住民の嗜好をアンケート調査によりデータを集め、それを統計的に分析した基準で細分化を行うものである。
ウ アパレルメーカーが、アウトドア志向というライフスタイルで市場を細分化するといった場合には、細分化する基準として、行動変数基準が用いられていると言える。
エ 購買状況や、使用頻度、購買パターン、求めるベネフィットなどで市場を細分化するといった場合には、細分化する基準として、サイコグラフィック基準が用いられていると言える。
地理的基準(ジオグラフィック基準)とは、地域や気候、人口などの地理的な基準のことをいいます。地域別の商品を企画したり、特定の国をターゲットとしたマーケティングを開発したりする場合は、細分化する基準として、地理的基準が用いられます。
人口統計的基準は、年齢や性別、家族構成、職業、所得などの人口統計的な基準で細分化を行うものです。住民の嗜好をアンケート調査によりデータを集め、それを統計的に分析した基準で細分化を行うものではありません。
アウトドア志向というライフスタイルで市場を細分化するといった場合には、行動変数基準ではありません。心理的基準(サイコグラフィック基準)です。
消費者の製品に対する知識や態度、反応など行動にかかわる基準は、行動変数基準です。
ターゲティングに関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア ターゲット・マーケティングでは、最初にポジショニングを行い、次にターゲティングを行い、最後にセグメンテーションを行う。
イ 無差別型マーケティングは、全ての人に対して差別することなく単一のマーケティング・ミックスを行うため、様々な消費者ニーズに対応することができる。
ウ 差別型マーケティングは、細分化したそれぞれのセグメントに対し、別々のマーケティング・ミックスを投入するため、売上が抑えられるのがデメリットである。
エ 集中型マーケティングによると、限られた経営資源を有効に活用できるというメリットがあるが、リスクが分散できないというデメリットがある。
ターゲット・マーケティングには、3つのプロセスがあります。最初に、市場を細分化するセグメンテーションを行います。次に、標的とするセグメントを決めるターゲティングを行います。最後に、自社をどのように差別化するかを決めるポジショニングを行います。最初にポジショニングを行い、最後にセグメンテーションを行うのではありません。
差別型マーケティングは、細分化したそれぞれのセグメントに対し、別々のマーケティング・ミックスを投入する方法のことをいいます。これは、いわゆるフルライン戦略となります。差別型マーケティングは、全てのセグメントのニーズに対応するため、売上が最大化されるのがメリットです。売上が抑えられるわけではありません。
集中型マーケティングは、特定のセグメントにターゲットを絞り込み、そこに全ての経営資源による単一のマーケティング・ミックスを投入する方法です。集中型のメリットは、限られた経営資源を有効に活用できることです。逆にデメリットは、全ての経営資源を1つのセグメントに集中するため、リスクが分散できないことです。
ポジショニングに関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア ポジショニングとは、市場を細分化し、標的とするセグメントを決めるものなので、選択したセグメントでは競合他社よりも優位性を築くことができる。
イ ポジショニング・マップは、2つの軸を持ったマップで、この2つの軸により、競合との差別化を表現する。
ウ ポジショニングが異なっていても、同じセグメントであれば、別のマーケティング・ミックスは不要である。
エ フルライン戦略を取り、製品ラインを多くしている企業では、カニバリゼーションが発生するおそれは少ない。
市場を細分化するのはセグメンテーション、標的とするセグメントを決めるのはターゲティングです。市場の中で自社の製品がどのように位置づけられるのかを示すのが、ポジショニングです。
同じセグメントであっても、ポジショニングが異なっていれば、別のマーケティング・ミックスが必要となります。ポジショニングのポイントは、有効な差別化をするための軸を見つけることです。また、ポジショニングを決定したら、それに基づいたマーケティング・ミックスを構築し、顧客に統一されたポジショニングを伝達することが重要です。
フルライン戦略を取っており製品ラインが多い企業では、自社の製品間での差異を確認しておかないと、カニバリゼーションが発生するおそれがあります。
