企業経営理論 製品戦略 価格・チャネル戦略 プロモーション・応用マーケティング 財務・会計 財務諸表

亀のようなスピードですが前回よりも少し正解率が上がっていることを励みとします。

価格の影響要因に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 完全市場における市場均衡理論では、需要が供給よりも大きい場合は価格が上昇し、需要が供給よりも小さい場合は価格が低下する。

イ 需要の価格弾力性が高い場合は、価格を高くすることによって、売上高を増加させることができる。

ウ 製品の製造や販売にかかるコストにどれぐらい利益を上乗せするかで、価格戦略は変わってくる。

エ 価格に影響を及ぼす要因には、市場における競合の存在や、法的な規制などが挙げられる。

製品の製造や販売にかかる製品コストは、価格設定の際の基準となります。製品コストにどれぐらい利益を上乗せするかで、価格戦略は変わってきます。

価格の基本戦略に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア コスト志向の価格設定では、あらかじめ想定していた価格を設定し、その価格から製品の原価を控除することによって、利益が計算される。

イ 需要志向の価格設定では、消費者の需要が生産者の供給よりも大きければ低い価格を設定する。

ウ 消費者が価格差に敏感な製品に良く使われる方法に実勢型価格設定というものがあるが、これは競合企業の実勢価格に従う方法である。

エ 入札型価格設定は、心理的価格設定の一つで、契約が入札で決定される場合に用いられる。

 実勢型価格設定は、競合企業の実勢価格に従う方法です。一般的には、価格を支配的に決定しているリーダー企業、すなわちプライスリーダーの価格に、プライスフォロワーが追随します。実勢価格型価格設定は、消費者が価格差に敏感な製品に良く使われる方法です。

 入札型価格設定は、契約が入札で決定される場合に用いられる価格設定ですが、心理的価格設定の一つではありません。入札では最も価格が低い企業が契約を受注できるため、入札に参加する競合企業の価格を予想しながら入札価格を設定する必要があり、これは競争志向の価格設定の一つです。

Hi-Low価格政策に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア Hi-Low価格政策は、集客のために、セールや特売など一時的に低価格で販売する方法である。

イ Hi-Low価格政策では、採算を度外視した値段をつけた目玉商品を設定し、その商品目当てに来店した顧客に、目玉商品以外の商品も購入してもらうことで、利益を確保する。

ウ Hi-Low価格政策では、原価の低減を図るために、前もって大量に商品を購入し、通常より安い価格で仕入れるフォワード・バイイングが行われる。

エ 消費者が製品やサービスに関する知識や情報を多く持つようになり、価格の品質バロメーター機能が作用しにくい状況が生じている。


Hi-Low価格戦略は、集客のために、セールや特売など一時的に低価格で販売する方法です。同一商品の価格が時期によって上下に変動することから、このように呼ばれます。原価の低減を図るために、前もって大量に商品の購入を行って、通常より安い価格で仕入れることをフォワード・バイイングと言います。

採算を度外視した値段をつけた目玉商品を設定し、その商品目当てに来店した顧客に、目玉商品以外の商品も購入してもらうことで、利益を確保する政策はHi-Low価格戦略ではなく、ロスリーダー政策です。

参照価格に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 参照価格とは、消費者が実際の価格(実売価格)と比較する価格を表す。

イ 外的参照価格は、メーカー希望小売価格や当店通常価格など、消費者の購買環境から外的に入手できる参照価格である。

ウ 外的参照価格により値引セールを行った後に、定価に戻した場合、消費者は定価を「高い」と感じる。

エ 内的参照価格は、消費者個人の内的な感覚を基にした参照価格で、消費者の過去の経験等から作られる。


参照価格とは、消費者は実際の価格(実売価格)と比較する価格を表し、実売価格が、参照価格より高い場合は「高い」と感じ、参照価格より低い場合は「安い」と感じます。

外的参照価格ではなく内的参照価格により値引セールを行った後に、定価に戻した場合、消費者は定価を「高い」と感じる。

値引セールを行った後に、定価に戻した場合、消費者は定価を「高い」と感じる理由は、値引セールを行ったことで、その消費者の内的参照価格が低下したためです。

垂直的マーケティングシステムに関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア メーカーや卸売業者、小売業者を含めて垂直的に組織された流通システムのことを、VMSと呼ぶ。

イ 自動車メーカーが自動車の販売ディーラーを系列会社として所有しているのは、チャネルリーダーの支配力が最も強い管理型システムに該当する。

ウ 契約型システムは、独立した企業同士が契約によって結びつくシステムなので、企業型システムに比べると、チャネル内のつながりが強い。

エ 企業型システムは、チャネルリーダーが他のメンバーを契約によらず組織化するもので、3つの垂直的マーケティングシステムの中では、最もチャネルリーダーの支配力が弱い。


垂直的マーケティングシステム(VMS:Vertical Marketing System)とは、メーカーや卸売業者、小売業者を含めて垂直的に組織された流通システムのことをいいます。

 垂直的マーケティングシステムには、次の3つの種類があります。

●企業型システム

 チャネル全体が一つの資本によって垂直統合されているもの

●契約型システム

 独立した企業同士が契約によって結びつくシステム

・フランチャイズチェーン

 本部であるフランチャイザーと加盟店であるフランチャイジーが契約を結んだ事業

・ボランタリーチェーン

 独立した企業同士が結合して、経営の合理化をはかるもの

●管理型システム

 チャネルリーダーが他のメンバーを契約によらず組織化するもの

 メーカーや卸売業者、小売業者を含めて垂直的に組織された流通システムのことを、VMS(Vertical Marketing System、垂直的マーケティングシステム)と呼びます。垂直的マーケティングシステムを築くことで、チャネル全体で競争力を高めることが狙いです。

 自動車メーカーが自動車の販売ディーラーを系列会社として所有しているのは、企業型システムに該当します。管理型システムではありません。企業型システムは、チャネル全体が一つの資本によって垂直統合されているものです。企業型システムは、3つの垂直的マーケティングシステムの中で、チャネルリーダーの支配力が最も強いのが特徴です。

 契約型システムは、企業型システムに比べるとチャネル内のつながりが弱いです。強いのではありません。企業型システムがチャネル全体を一つの資本によって垂直統合し、チャネルリーダーの強い支配力を持つのに比べ、契約型システムは、独立した企業同士が契約によって結びつくシステムだからです。

 チャネルリーダーが他のメンバーを契約によらず組織化するもので、3つの垂直的マーケティングシステムの中では、最もチャネルリーダーの支配力が弱いのは、管理型システムです。企業型システムではありません。

プロモーションに関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア プロモーションとは、顧客や流通業者に対して情報伝達を行うことにより購入を促進することであり、情報をどのように伝えるのかということを、口コミと呼ぶ。

イ 広告、パブリシティ、人的販売、販売促進等を目的に合わせて適切に組み合わせていくことを、統合マーケティングコミュニケーションと呼ぶ。

ウ プル戦略とは、消費者の需要を喚起する戦略で、この手段には、広告とパブリシティが挙げられる。

エ プッシュ戦略とは、消費者に自社の製品に興味・関心をもたせ、消費者から購買行動をとってもらおうとする戦略である。

プロモーションとは、顧客や流通業者に対して情報伝達を行うことにより購入を促進することをいいます。

 プロモーションでは、情報をどのように伝えるのかということを扱います。これを、マーケティングコミュニケーションと呼びます。

 プロモーションでは、様々な手段によって情報を伝達します。この手段には、広告、パブリシティ、人的販売、販売促進等があります。これらを目的に合わせて適切に組み合わせていくことが重要です。この組み合わせのことを、プロモーションミックスと呼びます。

 プロモーションミックスは、大きく次のものに分けられます。

●プル戦略

 消費者の需要を喚起する戦略

〈手段〉広告、パブリシティ

●プッシュ戦略

 製品を売り込んでいく戦略

〈手段〉人的販売、販売促進

 統合マーケティングコミュニケーション(IMC:Integrated Marketing Communications)とは、多岐に渡るメディアにおける企業発信のメッセージを統一・統合して展開するマーケティングコミュニケーションのことをいいます。

 プル戦略とは、消費者の需要を喚起する戦略です。つまり、消費者が自らお店に足を運んだり、自ら製品を購入したりするように導くことです。これは、広告やパブリシティによって消費者に働きかけ、消費者に自社の製品に興味・関心をもたせ、消費者から購買行動をとってもらおうとする戦略です。顧客の購買を引き出そうとするので、プル戦略と呼ばれます。なお、パブリシティとは、マスコミなどに対して積極的に情報公開などを行ない、メディアに報道されるよう働きかけることをいいます。

プッシュ戦略とは、製品を売り込んでいく戦略です。つまり、積極的に消費者に対して製品を売り込むことで製品を購入してもらうことです。これは、製造業者が卸売業者や小売業者へ自社の販売員を送り、販売店援助を行い、消費者に積極的に販売してもらおうとする戦略です。製品を押し込もうとするので、プッシュ戦略と呼ばれます。プッシュ戦略の手段には、人的販売と販売促進があります。

広告の評価に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 20代でインターネットを使う女性がターゲットの広告を配信した場合、対象者が50万人だとすると、10万人の人が広告を視聴した場合は、リーチは20%となる。

イ フリークエンシーは、1回だけでなく複数の回数、広告を視聴した人が何人いるかを表す指標である。

ウ 心理効果には、広告がどれぐらい認知されているかという理解度や、顧客がどれぐらい興味や関心を持ったかを示す興味関心度がある。

エ 売上効果は、広告の実施により、どれぐらい収益率が増加したかということを示すものである。


広告の評価には、次のような3つの段階があります。

●接触効果

 消費者がどれぐらい広告に接触したか、広告をどれぐらいの人が目にしたか

・リーチ:広告の到達率

・フリークエンシー:1人あたりの広告の平均視聴回数

●心理効果

 消費者の心理面への影響を測定する

・認知度:広告がどれぐらい認知されているか

・理解度:製品がどれぐらい理解されているか

・興味関心度:顧客がどれぐらい興味や関心を持ったか

●売上効果

 広告の実施により、どれぐらい売上が増加したか

 接触効果を測定する指標であるリーチは、広告の到達率を表します。これは、一定期間の間に広告が見込み視聴者の目に触れた割合を表します。広告を視聴した対象者10万人÷対象者50万人=リーチ20%となります。

 フリークエンシーは、広告を1回だけでなく複数の回数、視聴した人が何人いるかを表す指標ではありません。フリークエンシーは、1人あたりの広告の平均視聴回数です。一般的に、広告は一度よりも複数回見る方が記憶に残りやすいため、媒体によっては複数回の広告を行い、フリークエンシーを高めるようすることがあります。

 広告がどれぐらい認知されているかというのは、理解度ではありません。認知度です。心理効果には、広告がどれぐらい認知されているかという認知度や、製品がどれぐらい理解されているかという理解度があります。さらに、顧客がどれぐらい興味や関心を持ったかを示す興味関心度があります。

サービスの品質評価や顧客満足に関する次の文の内容を表す語句として、最も適切なものはどれか。

 顧客と従業員の満足を収益性に結びつけようとするもので、組織が従業員を大切にして従業員の満足を高めれば、従業員は顧客によりよいサービスを提供し、顧客満足や顧客ロイヤルティの向上につながるという考え方がとられている。

ア SERVQUAL

イ サービス・スケープ

ウ サービス・エンカウンター

エ サービス・プロフィット・チェーン


SERVQUAL

 サービス(Service)と品質(Quality)を組み合わせた造語が、SERVQUALです。これは、次の5つの面からサービス品質を評価するものです。

信頼性(Reliability):約束されたサービスを確実に提供すること

対応性(Responsiveness):顧客に迅速なサービスを提供すること

確実性(Assurance):従業員のしっかりした知識と対応の丁寧さ

有形性(Tangibles):施設、設備、従業員の外見

共感性(Empathy):顧客に対する気遣いや注意


●サービス・スケープ

 店舗の外見、店やデザイン、明るさや色、音楽、香りなど、サービスを提供する物理的環境すべてのもの

●サービス・エンカウンター

 顧客がサービスを提供される場面のこと

●サービス・プロフィット・チェーン

 顧客と従業員の満足を収益性に結びつけようとするもの

 サービス(Service)と品質(Quality)を組み合わせた造語が、SERVQUALです。

 店舗の外見、店やデザイン、明るさや色、音楽、香りなど、サービスを提供する物理的環境すべてのものが、サービス・スケープです。

 顧客がサービスを提供される場面が、サービス・エンカウンターです。このサービス・エンカウンターは、顧客がサービスに接し、企業に対する印象を抱く機会として重要ですので、「真実の瞬間」ともいわれます。

顧客と従業員の満足を収益性に結びつけようとするものが、サービス・プロフィット・チェーンです。このサービス・プロフィット・チェーンでは、組織が従業員を大切にして従業員の満足を高めれば、従業員は顧客によりよいサービスを提供し、顧客満足や顧客ロイヤルティの向上につながるという考え方がとられています。


計算書類(財務諸表)に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 株式会社が会社法により作成することが義務付けられている計算書類には、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表がある。

イ 株式会社が会社法により作成することが義務付けられている計算書類等には、計算書類、事業報告並びにこれらの付属明細書がある。

ウ 「中小企業の会計に関する指針」に記された内容は、中小企業が計算書類を作成する際に遵守する義務がある。

エ 取締役会設置会社では、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、計算書類及び事業報告を提供しなければならない。


 株式会社は、会社法により計算書類(財務諸表)を作成することが義務付けられています。計算書類には、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表(計算書類を読む際の注意事項を記したもの)があります。

株式会社には、計算書類として、計算書類の他に、事業報告並びにこれらの付属明細書の作成が会社法により義務付けられています。

「中小企業の会計に関する指針」は、中小企業が計算書類を作成する際のガイドラインであり、義務ではありません。

 取締役会設置会社では、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、計算書類及び事業報告(監査報告又は会計監査報告を含む)を提供しなければなりません。

中小企業の会計に関する指針に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 中小企業の会計に関する指針は、中小企業が、計算書類の作成に当たり、拠ることが望ましい会計処理や注記等を示すものである。

イ 中小企業は、中小企業の会計に関する指針に拠り計算書類を作成しなければならない。

ウ 会計参与設置会社が計算書類を作成する際には、中小企業の会計に関する指針に拠らなければならない。

エ 中小企業の事務負担の軽減を図る観点から、中小企業の多様的な実態に配慮し、中小企業の会計に関する指針の水準についてばらつきのあるものとなっている。

 中小企業の会計に関する指針は、中小企業が、計算書類の作成に当たり、拠ることが望ましい会計処理や注記等を示すものです。

 中小企業の会計に関する指針の目的に照らし、中小企業の会計に関する指針は、一定の水準を保ったものとすると規定されています。

企業会計原則に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 一般原則に規定されている正規の簿記の原則は、企業会計の究極目標を示したものであり、企業会計の実質的、形式的なすべての原則および手続を統括する地位にある基本原則である。

イ 一般原則に規定されている明瞭性の原則は、資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならないというものである。

ウ 一般原則に規定されている保守主義の原則とは、企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を保守的に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならないというものである。

エ 重要性の原則とは、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められるというものであるが、この重要性の原則は一般原則には規定されていない。

 企業会計の究極目標を示したものであり、企業会計の実質的、形式的なすべての原則および手続を統括する地位にある基本原則であるのは、真実性の原則です。正規の簿記の原則ではありません。なお、真実性の原則とは、企業会計は、企業の財政状態および経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならないというものです。また、正規の簿記の原則とは、企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならないというものです。

 資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならないというのは、資本取引・損益取引区分の原則です。明瞭性の原則ではありません。明瞭性の原則とは、企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならないというものです。

 保守主義の原則とは、企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならないというものです。

重要性の原則は、企業会計原則に規定されていません。重要性の原則は、企業会計原則注解に規定されています。

貸借対照表における資産の部項目に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 「流動資産」には、「現金預金」、「受取手形」、「売掛金」、「貸倒引当金」、「有価証券」、「棚卸資産」、「短期貸付金」などが含まれる。

イ 「棚卸資産」とは、流通業では主に「商品」、製造業では「製品」、「原材料」、「仕掛品」などの在庫のことをいう。

ウ 「無形固定資産」には、「特許権」「のれん」「ソフトウェア」など、物理的な形が無い資産が含まれる。

エ 「繰延資産」には、「株式交付費」「社債発行差金」「創立費」「開業費」「研究開発費」などがあり、その支出が将来に渡って価値を生む可能性がある費用を振り替えて、資産計上しておくものである。

 「流動資産」には、比較的短期間に現金化される資産が含まれます。その基準としては、正常営業循環基準または1年基準に当てはまる資産を表します。正常営業循環基準は、通常の営業サイクルで発生する資産を表し、現金、売掛金、受取手形、貸倒引当金、商品、製品、原材料、仕掛品などを含みます。1年基準は、決算日の翌日から1年以内に決済期日が到来する資産を表し、短期貸付金などを含みます。

 記述の中で、「その支出が将来に渡って価値を生む可能性がある費用を振り替えて、資産計上しておくもの」という部分は、繰延資産の説明として適切です。ただし、「社債発行差金」と「研究開発費」については、繰延資産ではありません。繰延資産として正しいのは「社債発行費」と「開発費」です。

「社債発行差金」は、社債の額面金額と、発行価額に差額がある場合に、その差額を調整するための科目で、旧商法では繰延資産として計上することが認められていましたが、新会社法施行後は、繰延資産から除外されています。

また、「研究開発費」と「開発費」については、共に商品の研究開発などにかかった費用を表しますが、通常、毎年行う研究開発活動の費用は原則「研究開発費」として費用計上します。一方、画期的な新技術・新商品・新市場を開発するなど特別に支出した費用の場合、「開発費」という繰延資産として計上することが認められています。

貸借対照表における負債の部項目に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 「負債」とは、将来返済する義務がある債務のことをいい、他人資本と呼ばれることもある。

イ 「流動負債」の代表的なものとしては「支払手形」、「短期借入金」、「前受収益」などがある。

ウ 「仕入債務」とは、「支払手形」と「買掛金」をあわせたものである。また、負債の部に表示される「経過勘定」には「前受収益」、「未払費用」などがある。

エ 「固定負債」には、返済義務が1年を超える債務の項目が表示されている。代表的なものには「社債」「長期借入金」「退職給付引当金」「貸倒引当金」などがある。


一般的に「資産の部」「負債の部」は、現金化しやすいものから順に上から記載されます。現金化のしやすさのことを流動性と呼びますので、この配列法は「流動性配列法」と呼ばれています。

 「支払手形」、「短期借入金」「前受収益」は流動負債に属する勘定科目です。

「支払手形」と「買掛金」をあわせて、仕入債務と呼びます。一方「受取手形」と「売掛金」を売上債権といいます。また、経過勘定のうち、「前受収益」は翌期にその分の役務を提供する債務を負い、「未払費用」はその費用分を翌期に支払う義務を負うので、両者とも流動負債に表示されます。

「固定負債」には、「社債」や「長期借入金」、「退職給付引当金」など返済義務が1年を超える債務の項目が表示されています。「退職給付引当金」は負債性引当金なので、負債の部に記載されますが、「貸倒引当金」は評価性引当金として、資産の部のマイナス項目として表示されます。

以下の資料より、M社の平成×1年3月31日現在の貸借対照表を作成せよ。その上で、A流動資産、B固定資産、C負債、D純資産にあてはまる数値の組み合わせとして適切なものを選べ。(単位:百万円)

【資料(単位:百万円)】

(なお、繰延資産は一括償却せず、貸借対照表に記載するものとする。)

ア A:277 B:71 C:150 D:250

イ A:282 B:68 C:95 D:256

ウ A:252 B:100 C:75 D:227

エ A:250 B:98 C:100 D:250


「資産の部」には、「流動資産」(「現金」、「棚卸資産」等)、「固定資産」(「土地」、「建物」等)、「繰延資産」(「開業費」等)
資産をマイナスする項目として「貸倒引当金」や「減価償却累計額」
「負債の部」には「流動負債」に「短期借入金」や「買掛金」等
「固定負債」には「長期借入金」等が入ります。負債性引当金である「退職給与引当金」も「固定負債」に入ります。
最後に「純資産の部」には、株主資本である「資本金」や利益準備金と、新株予約権等も記載されます。

「流動資産」には、「現金」100、「売掛金」52、「商品」(期末商品棚卸高)70、「短期貸付金」30とマイナス項目として「貸倒引当金」△2が入り、合計250となります。

「固定資産」には、「有形固定資産」として「車両」43、マイナス項目として「減価償却累計額」△4、「無形固定資産」として「ソフトウェア」32、「投資その他の資産」として「投資有価証券」27が入り、合計98となります。

問題には問われていませんが、「繰延資産」には「開業費」2が計上されます。

 「流動負債」には、「買掛金」25、「短期借入金」50が、「固定負債」には「長期借入金」20と「退職給与引当金」5が入ります。「負債合計」は100となります。

「純資産の部」には、「株主資本」として、「資本金」200、「資本準備金」20、「利益準備金」2と「任意積立金」6、「繰越利益剰余金」27が、マイナス項目として「自己株式」△6が表示され、「新株予約権」1もこの部に入ります。

売上高と売上総利益に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 「売上高」とは商品の販売額のことである。

イ 期末の在庫が多くても、その分は前期からの商品繰越高と当期の仕入高の合計から差し引かれるため、当期の売上原価が減ることになる。ただし翌期の期首の商品が増えるので、翌期以降に影響を及ぼすことになる。

ウ 当期投入した「材料費」や「労務費」は売上原価に全額反映される。

エ 「売上総利益」は、「売上高」から「売上原価」を差し引いて求める。「売上原価」には当期の仕入高やその仕入れた商品を販売するためにかかる費用が含まれる。


「売上高」には、商品の販売額だけでなく、役務の提供金額を含みます。

 「売上原価」は当期の仕入高に期首の商品棚卸高を足し、期末の商品棚卸高を差し引き、そこに商品評価損(正常なもの)と棚卸減耗費(販売費に入れる場合もあります)を足して求められます。販売にかかる費用は「販売費および一般管理費」となり、「売上原価」には入りません。

経常利益、営業外収益、営業外費用に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 「営業外収益」は、「受取利息」や「受取配当金」「前期損益修正益」など本来の営業活動以外の活動から生じる収益のことをいう。

イ 「営業外費用」は、「支払利息」や「減価償却費」「有価証券売却損」など本来の営業活動以外の活動から生じる費用をいう。

ウ 「経常利益」は、本業で稼いだ利益に加えて、金融で稼いだ収益や事業を拡大する際の資金調達にかかる利子等を含めて計算する。ただし通常発生しない臨時の収益や費用は含まない。

エ 「経常利益」には、「売上総利益」に「営業外収益」を加え、「営業外費用」を差し引いた利益の額が示されている。


 本来の営業活動から生じる収益ではない「営業外収益」には、たとえば、「受取利息」「受取配当金」などがありますが、「前期損益修正益」は特別利益です。

 「営業外費用」には、たとえば、「支払利息」「有価証券売却損」などがあります。「減価償却費」は販売費及び一般管理費です。 「経常利益」は、経営活動全般を通じた利益を表します。このような資金調達にかかる費用を含めて計算した利益が、「経常利益」となります。通常では発生しない費用や収益は特別損失、特別利益になります。

 「経常利益」には、「売上総利益」ではなく、「営業利益」に「営業外収益」を加え、「営業外費用」を差し引いた利益の額が示されています。

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