企業経営理論 現代の戦略 組織の構造 組織と人材 中小企業経営・政策 経営革新と創業支援 経営法務 著作権と不正競争防止法

企業の社会的責任 【平成22年 第5問】

 企業は経済社会の一員として多面的に社会的な責任や期待を負いつつ、経済活動を展開している。そのような社会的存在としての企業の経営行動に関する記述として最も適切なものはどれか。
ア 企業価値は株式時価を中心に測定されるが、株価は企業が直接操作できない証券市場で形成されるため、企業価値は具体的な数値目標で表される目的にはなりにくいので、株価にとらわれない自社のビジョンに基づく経営を維持するべく上場を廃止する例が見られるようになった。〇MBO を行って上場を廃止する例、経営者は株価を気にせずに、長期的なビジョンに基づく経営



イ 企業の利益極大化の追求は、納品業者や販売業者さらには労働者に厳しいコスト削減を強いることになるので、利益計画は公表しないことにしている。×



ウ 長期の不況の中で賃金コストの抑制が図られ、安価な労働力として非正規雇用が増えたが、企業は雇用不安を抑えるべく、近年ではワークシェアリングを盛んに導入している。〇



エ 日本では同業者間で同質な技術や商品の開発競争が激化しやすく、その競争を一挙に海外でも展開する傾向があり、集中豪雨的な進出として批判されることがあるばかりか、技術力の低下が起こっている。×開発競争が盛んに行われた結果、技術力の向上という効果をもたらしたことも否定できません。

イノベーション2【平成30年 第9問】

 技術のイノベーションは発生してから、いくつかの特徴的な変化のパターンをとりながら進化していく。イノベーションの進化に見られる特徴に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  1. 技術システムが均衡状態にあることが、技術開発への努力を導く不可欠な力になるので、技術間の依存関係や補完関係に注意することは重要である。〇×持続的イノベーションを重ねている間は、技術システムは均衡状態にあると言えます。この状態は、技術開発への努力を導くのではなく、妨げる力となっていることがわかります。
  2. 技術進歩のパターンが経時的にS字型の曲線をたどることがあるのは、時間の経過とともに基礎となる知識が蓄積され、資源投入の方向性が収斂(しゅうれん)するからである。〇技術開発のS字カーブ
  3. 優れた技術が事業の成功に結びつかない理由として、ある技術システムとそれを使用する社会との相互依存関係が、その後の技術発展の方向を制約するという経路依存性を挙げることができる。〇その技術システムを利用する既存顧客を含めた「社会」との相互依存性関係が新しい発想を妨げて、その後の技術発展の方向を制約する「経路依存性」につながる
  4. 製品の要素部品の進歩や使い手のレベルアップが、予測された技術の限界を克服したり、新規技術による製品の登場を遅らせることもある。〇予測された技術の限界克服や、新規技術による製品の登場を遅らせるのは、まさにイノベーションのジレンマによる現象
  5. 連続的なイノベーションが成功するのは、漸進的に積み上げられた技術進化の累積的効果が、技術の進歩や普及を促進するからである。×〇連続的なイノベーションは「持続的イノベーション」を指しており、順を追って(漸進的に)積み上げられた技術進化の累積的効果が、技術進歩や普及を促進することによって、持続的なイノベーションは成功

企業統治(コーポレート・ガバナンス) 【平成26年 第20問】

 企業経営における意思決定の不正を防止したり、企業価値の向上を目指すために企業統治(コーポレート・ガバナンス)の重要性が高まっている。企業統治を強化するために有効な方法として、最も不適切なものはどれか。

ア 業務に関係して違法行為や背任行為を起こさないよう内部統制制度を導入する。〇内部統制制度を導入すると、業務に関係して違法行為や背任行為を起こさないようにすることができ、企業統治を強化することができます。


イ 取締役会に社外取締役を、監査役会に社外監査役を導入する。〇取締役会に社外取締役を、監査役会に社外監査役を導入すると、外部の視点により企業経営のチェック機能を果たすことができるため、企業統治を強化することができます。


ウ 取締役会の中に指名委員会、監査委員会、報酬委員会を設置する。〇委員会設置会社は、企業統治を強化し、経営の透明性を高めるために、経営の監督機能と業務執行機能を分離した会社


エ 取締役のほかに執行役員をおき、取締役会に参加させる。×執行役員とは、取締役や取締役会が決定した重要事項や方針・戦略を、実行(執行)する役割や責任を担う者のことです。したがって、取締役のほかに執行役員をおき、取締役会に参加させたとしても、企業統治を強化することにはなりません。

オ 倫理憲章や行動規範などを作成周知し、社員の意思決定における判断基準として制度化する。〇企業経営における意思決定の不正を防止したり、企業価値の向上をさせたりすることになるため、企業統治を強化することになります。

危機管理 【平成29年 第12問】

 自然災害や大事故などの突発的な不測の事態の発生に対応することは、企業にとって戦略的な経営課題であり、停滞のない企業活動の継続は企業の社会的責任の一環をなしている。そのような事態への対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア カフェテリア・プランは、多くの場合、ポイント制によって福利厚生メニューを自主的に、また公平に選択できるようにしているので、突発的な災害などの支援に活用できるメニューは盛り込めない。×社員自身が自分のポイントの範囲内で自主的に希望するメニューを選択して利用する制度

イ クライシス・マネジメントは、想定される危機的事象を予測し、事前にその発生抑止や防止策を検討して危機への対応を図ろうとするものである。×?想定できる危機的事象に対して、事前に発生抑制や防止策を検討するのは「リスク・マネジメント」、「クライシス・マネジメント」は不測の事態に対する危機管理で、事前に発生抑制や防止策を検討することは困難

ウ コンティンジェンシー・プランでは、不測の事態や最悪の事態を想定して、その事態が与える業務間の影響を測るべく、事業インパクト分析を重視して危機対応の計画を策定するのが一般的な方法である。×コンティンジェンシー・プランは、予期しない事態が起きた時のために、事前に対応方法などを定めておく計画。コンティンジェンシー・プランでは継続業務を決定する際、必ずしも事業インパクト分析を行なうわけではありません。

エ 事業継続計画(BCP)では、事業停止の影響度を評価分析して、業務の中断が許される許容期限を把握して業務の復旧優先順位を導くために事業インパクト分析の実施が行われる。〇事業継続計画(BCP)では事業インパクト分析に基づいて、業務の中断が許されるべき許容期間を把握し、業務の復旧優先順位を導きます。

オ 事業継続計画(BCP)は、災害時のロジスティクスの確保を重視した企業間ネットワークの構築を目指すものとして策定されている。×災害時のロジスティクス確保が不必要な、規模が大きくないサービス業等あらゆる業種において事業継続計画(BCP)は必要とされるので、事業継続計画(BCP)が必ずロジスティクス確保を重視した企業間ネットワークの構築を目指すわけではありません。

組織の均衡

 組織の均衡に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア バーナードは、組織が成立するためには、共通の目的、誘因、コミュニケーションの3つが成立しなければならないとした。×?C.Iバーナードは、組織を2人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力の体系と定義し、近代管理論を提唱。公式組織フォーマル組織)が成立するためには、共通の目的貢献意欲コミュニケーションの3つが成立

イ バーナードは、組織が存在するためには、有効性と効率性の両側面を達成することが必要であると主張した。×?有効性とは組織の目的達成度のことをいい、能率とは個人的動機の満足度のことをいいます。

ウ 個人の協働システムとして組織を認識し、組織を、個人間の相互作用が共通の目的に対して継続的になされるシステムとして捉える考え方を、クローズド・システムという。×システム・アプローチ

エ 組織の均衡条件は、組織のメンバーにとって誘因が貢献以上になっている状態である。〇等しいか、あるいは誘因が大きい必要

組織の設計原則

 組織の設計原則に関する次の文中の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


 組織を設計するには、次の5つの原則がある。すなわち、仕事を分業化することにより専門性を高め、仕事の効率を向上させるという専門化の原則、組織の各メンバーの権限と責任は等しくなければならないという( A )、1人の管理者の下には、適正な人数のメンバーを配置する必要があるという( B )、メンバーは1人の直属の上司から命令を受け、それ以外の人からは命令を受けないという( C )、管理者は定型的な業務の意思決定を下位に権限委譲し、戦略的な業務の意思決定に専念するという( D )である。


ア 
A:権限・責任一致の原則〇 B:統制範囲の原則
C:命令一元化の原則〇 D:例外の原則〇

イ 
A:権限・責任一致の原則 B:統制範囲の原則
C:例外の原則 D: 意思決定の原則

ウ 
A:権限・責任一致の原則 B:適正規模の原則
C:指揮命令の原則 D:業務範囲の原則

エ 
A:組織権限の原則 B:適正規模の原則
C:指揮命令の原則 D:管理者の原則

管理者は定型業務の意思決定を下位に権限委譲し、例外的な意思決定に専念するという原則を、例外の原則権限委譲の法則

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