平成20年度 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例4(財務・会計を中心とした経営戦略・経営管理に関する事例)で粉体塗装(パウダーコーディング)を主力とする工業製品の塗装業を行っているD社

与件文

D社は資本金1,500万円、従業員35人の企業で、工業製品全般の塗装を行っており、高い技術力により多くの取引先から工業製品の塗装を受注してきた。株式はほぼ100%社長一族が所有している。

 D社の主力は粉体塗装(パウダーコーティング)であるが、その技術力が主要取引先であるZ社から高く評価され、Z社にとって欠くことができないサプライヤーとして安定的に受注を得ている。D社は定期的に設備の更新を行っており、主力設備を5年前に更新したがこの主力設備は当時の最新機能を備えたものではなかった。最近では、老朽化による故障が多発しているためメンテナンス費用が増大している。

 また熟練した従業員の高齢化が長年の経営上のリスクであった。しかしながら、ここ数年で若手従業員への技術移転が進み、最新設備への更新が可能であれば、メンテナンス費用の減少が見込まれ、平成21年度以降は売上の増大も期待できる。その主力設備の更新には8,000万円を要する。D社にとって設備更新に要する資金が体力に比べて過大であることが重要課題である。なお、工場面積の関係で、新主力設備を導入した場合には、現主力設備は売却される。

 このような経営環境下で、Z社からは事業継続を要請され、必要であれば出資を含む資本面での支援をしてもよいとの申し出を受けている。D社は今日まで同業他社に比べて従業員を手厚く処遇しており、従業員の技術力が競争上の優位性でもある。仮に経営権がZ社に移動した場合、従業員の退職の引き金にもなりかねない。

 平成20年度のD社の予想財務諸表(現設備の稼動を前提とする)と、同業他社の予想財務諸表は次のとおりである。D社の社長は、これらの問題の解決策を求めて中小企業診断士に診断・助言を依頼した。

与件文&問題読込4分。

第1問(配点30点)D社の平成20年度の予想財務諸表を用いて経営分析を行い、D社の問題点のうち重要と思われるものを3つ取り上げ、問題点①、②、③ごとに、それぞれ問題点の根拠を最も的確に示す経営指標を1つあげて、その名称を(a)欄に示し、経営指標値(小数点第3位を四捨五入すること)を(b)欄に示した上で、その問題点の内容について(c)欄に60字以内で説明せよ。

①桁を間違える痛恨のケアレスミス!2回づつ検算したんですが。。売上高経常利益率を挙げましたが、与件文の、メンテナンス費用(修繕費)の増大と従業員の高齢化(労務費の増加)から、製品の当期製造費用の増加、つまり売上原価が増加していることが考えられる為、収益性についてD社にとって重要と思われる指標は、売上高総利益率と判断すべきでした。

②棚卸資産回転率を挙げましたが、与件文からピックアップ出来るD社の問題となりそうな記述としては、老朽化による故障の多発が記述されており、一方で棚卸資産回転率もD社にとって問題ですが、与件文に関連する記述が明記されていないため、問題の原因が特定できない為、与件文にある問題点を優先させるべきでした。

③安全性で固定費率=固定資産÷総資産ではなくて自己資本でした。固定長期適合率計算式を書けるようになったのは成長です。しかし電卓計算で四捨五入は最後にすべきであったのと計算ケアレスミスが発生させてしまいました。

安全性の経営指標として、短期支払能力の観点から流動比率と当座比率、長期支払能力の観点から固定比率と固定長期適合率、資本構成の観点から自己資本比率を算出すべきでした。

この中で、与件文からD社の問題となりそうな記述をピックアップすると、設備更新による資金が体力に比べ過大の記述があることから、資本の安全性が問題となっていることを考えるべきで、したがって、安全性についてD社にとって重要と思われる指標は、自己資本比率と判断すべきでした。

計算記入54分、配点30点中自己採点20点。

第2問(配点25点)D社がおかれた状況を仔細に分析するため、現在の主力設備で事業を継続した場合の分析を以下の条件で行う。

•現主力設備は5年前の平成15年度期首に3,500万円で購入したものであり、耐用年数10年、残存価額を取得原価の10%とする定額法による減価償却を行っている。

•現主力設備は今後平成24年度末まで5年間の稼動が可能で、それがもたらす年間売上高収入は毎期26,000万円と予想される。

•平成20年度の現金支出を伴う操業費(ランニングコスト)は22,000万円であるが、今後10%ずつ増加すると予想される。•運転資金の増減はないものとする。

•5年後の現主力設備の処分価額は0円と予想される。

•すべてのキャッシュフローは各年度末に生じる。

なお、n=5、r=0.1の年金現価係数は3.7908である。

(設問1)現主力設備の平成20年度以降の税引前営業キャッシュフローの現在価値を求めよ。ただし、加重平均資本コストを10%とし、四捨五入によって万円単位まで求めよ。

操業費(ランニングコスト)が販管費を含むのか不明で早々にリタイア(苦笑)。

キャッシュインフローの現在価値は、毎年同じ売上高収入であるため、26,000(万円)に年金現価係数3.7908を乗じて98,560.8(万円)と計算すべきでした。

キャッシュアウトフローの現在価値は、ランニングコスト毎年10%増加と加重平均コスト10%が相殺されて、22,000×(1/(1+0.1))×5で100,000(万円)と簡単に計算できるようになるとのことでした。

計算記入1分、配点12.5点中自己採点0点。

(設問2)現主力設備をそのまま稼動させた場合のD社の経営状況を予想し、とるべき対策を50字以内で答えよ。

税引前営業キャッシュフローの数値の通り、悪化することが予想されますので取るべき対策は、新主力設備を導入することで、操業費を削減し、売上高を増加させることで、税引前営業キャッシュフローを増やす必要があると記載すべきでした。

計算記入1分、配点12.5点中自己採点0点。

第3問(配点25点)平成20年度期首に現主力設備を売却して新主力設備を導入する。新主力設備の導入には8,000万円が必要であるが、それにより、平成21年度以降の決算では税引前純利益が黒字に転ずると予想される。なお、設備投資は期首に行われ、代金は期首に支払われる。

 設備投資資金の全額を負債(借入れ)によって調達すると仮定する。資金は年利率8%で平成20年度期首に調達され、年間利息は各年度末に支払われる。資金の返済は半額を3年後の平成22年度期末に、残りの半額を6年後の平成25年年度期末に行う予定である。

 法人税等の実行税率を40%と仮定し、税の繰越控除は考えないものとして以下の設問に答えよ。

(設問1)

新主力設備の平成20年度の現金支出を伴う操業費(ランニングコスト)は20,000万円と予想される。このとき固定資産売却損を(a)欄に、平成20年度の予想税引前純利益を(b)欄に、それぞれ四捨五入によって万円単位まで求めよ。

なお、現主力設備の売却価額は100万円である。売却は期首に行うが、代金の受け取りは期末となる。新主力設備の耐用年数は10年で、残存価額を0円として定額法によって減価償却を行う。

(a)現主力設備の購入価格が不明でしたが、第2問の記載金額を使うということでした。

(b)同じく減価償却費も第2問の記載金額を使うということでした。

計算記入1分、配点12.5点中自己採点0点。

年金現価係数を使用して、平成23年度から平成25年度の負債の節税効果の現在価値=128×0.7938×2.5771=261.8499(万円)で、負債の節税効果の現在価値=659.7376+261.8499=921.5875(万円)とすべきでした。

計算記入1分、配点12.5点中自己採点0点。

第4問(配点20点)D社のおかれた状況に照らし合わせて、設備更新に必要な資金調達に関する以下の設問に答えよ。

(設問1)資金調達を全額負債に依存した場合の問題点を60字以内で述べよ。

負債の節税効果があるものの、借入金の割合が増え、自己資本比率がさらに低下し、資本の安全性が低下することを記載すべきでした。

計算記入5分、配点10点中自己採点7点。

(設問2)社長一族が過半数を超える出資を受け入れつつも経営権を維持するには、どのような方法があるか。40字以内で答えよ。

議決権の一部または全部を制限した株式名の議決権制限株式と記載すべきでした。

計算記入4分、配点10点中自己採点7点。

読込&全記入120分(0分超過)、自己採点時間内34点。

未だまだボロボロですが、まずは第1問が5分短縮した点だけでも成長です。。

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