成功は1日で捨て去れ

「「成功」というものを取り違えている人が増えた気がする。本当は大した成功でもないのに、自分が相当大きなことをやり遂げたような錯覚をしているのだ。これらは、決して「成功」と呼ぶべきものではなく、むしろ「成功という名の失敗」をしたのではないだろうか。ちょっとした成功なら、すぐに捨て去るぐらいの強い意志が必要だ。一番大事なお客様そっちのけで、小さな成功だけで満足していてはいけない。「成功」は、そう呼ばれた瞬間から陳腐化していくものである。経営環境が絶えず変化しているので、人真似の考え方や方法、あるいは他人任せという安易な手法を繰り返すだけでは絶対に成功などしない。成功という目の前のまやかしにとらわれたり、過去の小さな成功にしがみつこうとしている限り本当の成功などありえない。ちょっとうまくいった程度で成功したと勘違いしてはならない。ちょっとした成功は満足に通じ、満足は安定志向につながる。あらかじめ計画する安定成長などはありえない。さらに大きな本当の成功に向かって経営者自らが手足を動かし、もがき、挑戦し続けなければ安定成長さえおぼつかないだろう。

「(経営コンサルタントの)安本先生の指導で、譲らなかったのは経営理念だ。…先生は『社員が覚えないと意味がない。十七では覚えにくい。五つくらいにまとめるべきだ』というが、絶対に必要な理念なので、一つが欠けてもダメ、他社が少ないのは当社とは関係ないと反論し、納得してもらった。会社で働く社員全員がこの理念に心底共感し、共通認識として持って欲しい考え方だ。これは譲れなかった」


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