経営法務 事業再編と持分会社 契約とその他の法律知識

吸収合併 【平成23年 第3問】

 A株式会社(以下「A社」という。)と、B株式会社(以下「B社」という。)は、A社を吸収合併消滅会社、B社を吸収合併存続会社として、おおむね以下のスケジュールで吸収合併を実施する予定である。その際、A社の吸収合併の手続に関する記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、A社の定款には、関連する事項についての特段の定めはなく、また、A社は、発行する株式の全てが譲渡制限株式であり、かつ、取締役会設置会社であるものとする。

 平成24 年2月20 日(月) 吸収合併契約の調印

 平成24 年3月14 日(水) 吸収合併契約承認の株主総会

 平成24 年4月1日(日) 吸収合併の効力発生日

[解答群]

ア A社では、吸収合併契約書を本店に備え置く必要があるが、本件の場合、吸収合併契約調印の翌日の平成24 年2月21 日から備置きを実施しなければ、本吸収合併は無効となる。?〇×合併契約に関する書面を備え置く期間は、原則として、合併の承認を受ける株主総会の日の2週間前の日から、合併の効力発生日後6ヶ月を経過する日まで。

イ A社の株主に対しては、株主総会の招集通知と株式買取請求権に関する通知をしなければならないが、前者は株主総会の1週間前まで、後者は吸収合併の効力発生日の20 日前までと決まっているので、同時に通知することはできない。×3月6日(火)までに、同時に行うことが可能

ウ A社の債権者が1社だけの場合であっても、A社では、その債権者に対して本件吸収合併について通知するだけでなく、吸収合併の公告を行わなければならない。?×〇債権者が1社だけであっても同様

エ 今回の吸収合併の場合、効力発生日が日曜日にあたり、法務局で登記を受け付けてもらえないため、A社の登記上、解散の理由は、実際に登記申請した日に合併した旨記載され、平成24 年4月1日に合併した旨は記載されない。×会社間で定めた効力発生日に発生

会社分割 【平成22年 第4問】

 甲株式会社(以下「甲社」という。)では、営業部門を会社分割の手続を利用して分社化することとしているが、その中で、従業員A~Dの所属について、以下の対応を検討している。これら従業員のうち、「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」第2条第1項に基づく通知が必要となる者の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、分社化により新たに設立される会社を乙株式会社(以下「乙社」という。)とする。

 従業員A:入社以来、営業部門に従事している者であるため、会社分割に際しても、乙社所属とする。〇?×〇分割する事業に従事する労働者に該当するため、会社の分割契約に関する通知が必要

 従業員B:総務部門に従事する者であるが、乙社での総務担当者がおらず、従業員Bは過去に営業部門に関連する総務業務も担当していたことがあるため、会社分割に際しては、乙社所属とする。〇会社分割後は乙社の所属となります。従って、通知が必要

 従業員C:経理部門に従事し、営業部門に関連する経理も若干担当していたことはあるものの、会社分割に際しては、甲社所属とする。〇×

 従業員D:一昨年の人事移動で、営業部門に異動となり、その後約2年間その業務に従事していたが、適性の問題もあることから、会社分割に際しては、甲社所属とし、異動前の部署に戻す。〇乙社に承継される事業に従事していますが、会社分割後は甲社の所属となります。従って、通知が必要

[解答群]

ア A、B、C

イ A、B、D×〇

ウ A、C、D

エ B、C、D〇×

 新設分割 【平成28年 第3問】(設問1)

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X社は、αの製造販売事業(以下「α事業」という。)を営んでいる。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲氏:「おかげさまで弊社のα事業は好調です。そこで、業容を拡大したいと考えていたところ、先日ちょうど、取引銀行を通じて、弊社と同じα事業を営んできたY社から、事業の選択と集中を進めたいから同事業を買収しないかという話をもらいまして、現在前向きに検討しています。Y 社は、α事業以外の事業も営んでいるので、新設分割でα事業をいったん切り出して子会社Z社を設立し、弊社がY社からZ社の全株式を現金で買い取るスキームを考えています。何か注意しておいた方がいいことはありますか。」

 あなた:「(A)。それから、同業他社から競合する事業を買収することになりますから、独占禁止法に抵触するかどうかも問題になります。少なくとも公正取引委員会への届出の要否については検討しなければなりません。」

 甲氏:「(B)。」

 あなた:「(C)。いずれにせよ、事業の買収、特に買い手の場合には、大小様々なリスクを伴いますから、その分野に詳しい専門家からアドバイスを受けないと後で痛い目を見ますよ。ちょうどいい人を知っていますから紹介しますよ。」

 甲氏:「ありがとうございます。」

(設問1)

 会話の中の空欄Aに入る記述として、最も不適切なものはどれか。

ア α事業に関係する債務は、Z社が承継する債務から除外することはできないので、α事業に関係する簿外債務がないかどうかの調査が重要になります×

イ Y社がα事業に関して締結している契約の中に、会社分割が解除事由として定められているものがないかの確認が重要になります〇

ウ Z社においてα事業を営むのに新たに許認可を取得することが必要な場合には、その許認可を得るのに必要な期間やコストを把握しておく必要があり、そのコストをX社が負担するのかY社が負担するのか交渉する必要があります〇

エ 契約の分割等の要否を検討するために、Y社が、α事業とそれ以外の事業の双方で、同一の契約に基づいて使用しているリース資産やシステムがないかどうかの確認が必要になります〇

新設分割 【平成28年 第3問】(設問2)

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X社は、αの製造販売事業(以下「α事業」という。)を営んでいる。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲氏:「おかげさまで弊社のα事業は好調です。そこで、業容を拡大したいと考えていたところ、先日ちょうど、取引銀行を通じて、弊社と同じα事業を営んできたY社から、事業の選択と集中を進めたいから同事業を買収しないかという話をもらいまして、現在前向きに検討しています。Y 社は、α事業以外の事業も営んでいるので、新設分割でα事業をいったん切り出して子会社Z社を設立し、弊社がY社からZ社の全株式を現金で買い取るスキームを考えています。何か注意しておいた方がいいことはありますか。」

 あなた:「(A)。それから、同業他社から競合する事業を買収することになりますから、独占禁止法に抵触するかどうかも問題になります。少なくとも公正取引委員会への届出の要否については検討しなければなりません。」

 甲氏:「(B)。」

 あなた:「(C)。いずれにせよ、事業の買収、特に買い手の場合には、大小様々なリスクを伴いますから、その分野に詳しい専門家からアドバイスを受けないと後で痛い目を見ますよ。ちょうどいい人を知っていますから紹介しますよ。」

 甲氏:「ありがとうございます。」

(設問2)

 会話の中の空欄BとCに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア B:株式買取りのスケジュールには影響しますか

  C:公正取引委員会が短縮を認めてくれない限り、最短でも届出を受理されてから、30日を経過するまでは、株式を取得することはできないので、スケジュールに影響しますね?×〇原則として公正取引委員会の株式取得の届出受理の日から30日を経過するまで、会社は株式取得を禁止

イ B:届出を行うのは、X 社ですか。Y社ですか

  C:Y社です×

ウ B:届出を行う前に、公正取引委員会に相談に行くことはできるのですか

  C:できません×

エ B:どんな規模でも届出が必要になるのですか

  C:X社の企業グループ全体の国内売上高が10億円以上の場合で、かつ、Z社とその子会社の国内売上高の合計が1億円以上の場合に、届出が必要になります?〇×企業結合集団の国内売上高の合計額が200億円を超える会社が、国内売上高が(子会社も含めて)50億円を超える会社の株式を取得しようとする場合で、一定の要件に該当するときに、株式取得の届出が必要

組織再編 【平成24年 第4問】

 あなたの顧客であるX 株式会社(以下「X 社」という。)の代表取締役甲氏からの、X 社の組織再編に関する以下の相談内容を前提に、Y 株式会社(以下「Y 社」という。)のC 部門を独立した1つの会社とする手続きとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【甲氏が持参した書面】

 X 社では、100 パーセント子会社としてA 株式会社(以下「A 社」という。)を保有している。

 一方、Y 社では、B 部門とC 部門の2つの事業を行っており、このうち、C 部門の事業は、A 社の事業と同じである。

 X 社としては、事業を拡大するため、Y 社のC 部門を譲り受けたい。

 譲り受けるにあたっては、A 社とY 社では、従業員の処遇に違いがあることから、一度に統合することは難しい可能性もある。そのため、C 部門をそのまま切り出して、直接1つの独立した会社とした後に、その株式を譲り受け、A 社と同様に、X 社の100 パーセント子会社とすることとしたい。

[解答群]

ア 吸収合併×

イ 吸収分割〇×分割した事業を別の会社が承継する方法

ウ 事業譲渡×

エ 新設分割〇完全親会社と完全子会社の関係を作ることができるのは、新設分割 新設分割は、事業を切り離して分社化したい時などに使われます。

 事業譲渡 【令和元年 第2問】

会社法が定める株式会社の事業譲渡に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、反対株主の買取請求権に関する会社法第469条第1項第1号及び第2号については考慮しないものとする。

  1. 事業譲渡の対価は、金銭でなければならず、譲受会社の株式を用いることはできない。×
  2. 事業譲渡をする会社の株主が、事業譲渡に反対する場合、その反対株主には株式買取請求権が認められている。〇
  3. 事業の全部を譲渡する場合には、譲渡会社の株主総会の特別決議によって承認を受ける必要があるが、事業の一部を譲渡する場合には、譲渡会社の株主総会の特別決議による承認が必要となることはない。×事業を全部譲渡する場合のほか、事業のうち重要な一部を譲渡する場合にも、株主総会の特別決議の承認が必要
  4. 当該事業を構成する債務や契約上の地位を譲受人に移転する場合、個別にその債権者や契約相手方の同意を得る必要はない。×当該事業を構成する債務や契約上の地位まで譲受人に移転するには、個別にその債権者や契約相手方の同意を得る必要

事業譲渡と会社分割 【平成20年 第4問】(設問1)

 中小企業診断士であるあなたは、X株式会社の全株所有者である甲社長から相談を受けた。以下は、あなたと甲社長との会話の一部である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲社長:「私もだいぶ高齢になったので、そろそろ引退しようと思っているんですが、会社にはどうも適当な後継者がいないんですよ。
それで、どうしようかと思っていたら、どうもY株式会社が引き継いでくれそうな感じなんです。私が持っている100 パーセントの株式をY株式会社に譲渡しようかと思ったのですが、当社は、若干ですが、不動産の賃貸業もやっていますから、Y株式会社に引き継いでもらうとしても本業だけにして、不動産の賃貸業は残しておこうかと思うんです。
賃貸業でもちょっとした収入になりますから、私の生活の足しにもなりますし、私一人でできますから。そういったこともできますかね。」

 あなた:「事業譲渡、会社分割の方法で可能になると思いますよ。」

 甲社長:「事業譲渡というのは、わかるのですが、会社分割というのを使うとどういう形に進めるわけですか。」

 あなた:「( A )」

 甲社長:「なるほど。事業譲渡と会社分割なら、どちらの方がいいわけですか。」

 あなた:「どちらにも一長一短ありますし、Y株式会社の都合にもよりますから、何ともいえません。」

 甲社長:「じゃあ、この2つの方法で、何か違うところがあるのですか。」

 あなた:「ありますよ。例えば、( B )」

(設問1)

 会話の中の空欄Aに入る文章として最も適切なものはどれか。

ア 不動産業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、本業を行う子会社を作ります。それから、その子会社の株式をY株式会社に譲渡します。〇〇

イ 本業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、不動産業を行う子会社を作ります。その子会社設立と同時に、その子会社の株式を全部Y株式会社に割り当てます。×

ウ 本業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、不動産業を行う子会社を作ります。それから、X株式会社の株式をY株式会社に譲渡します。〇×

エ 本業を分割して、当然にY株式会社の一部門とすることができますから、その結果、甲社長もY株式会社の株主となることができます。〇×Y社株式の交付先は甲氏ではなくX社となるため、甲氏がY社の株主となるわけではありません。

事業譲渡と会社分割 【平成20年 第4問】(設問2)

 中小企業診断士であるあなたは、X株式会社の全株所有者である甲社長から相談を受けた。以下は、あなたと甲社長との会話の一部である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲社長:「私もだいぶ高齢になったので、そろそろ引退しようと思っているんですが、会社にはどうも適当な後継者がいないんですよ。
それで、どうしようかと思っていたら、どうもY株式会社が引き継いでくれそうな感じなんです。私が持っている100 パーセントの株式をY株式会社に譲渡しようかと思ったのですが、当社は、若干ですが、不動産の賃貸業もやっていますから、Y株式会社に引き継いでもらうとしても本業だけにして、不動産の賃貸業は残しておこうかと思うんです。
賃貸業でもちょっとした収入になりますから、私の生活の足しにもなりますし、私一人でできますから。そういったこともできますかね。」

 あなた:「事業譲渡、会社分割の方法で可能になると思いますよ。」

 甲社長:「事業譲渡というのは、わかるのですが、会社分割というのを使うとどういう形に進めるわけですか。」

 あなた:「( A )」

 甲社長:「なるほど。事業譲渡と会社分割なら、どちらの方がいいわけですか。」

 あなた:「どちらにも一長一短ありますし、Y株式会社の都合にもよりますから、何ともいえません。」

 甲社長:「じゃあ、この2つの方法で、何か違うところがあるのですか。」

 あなた:「ありますよ。例えば、( B )」

(設問2)

 会話の中の空欄Bに入る文章として最も適切なものはどれか。

ア 事業譲渡の場合は、金銭が対価でなければなりませんが、会社分割の場合は、法律上、Y株式会社の株式が対価でなければなりません。Y株式会社にとっては、会社分割の方が、資金手当てが必要でない点がメリットとなります。×

イ 事業譲渡の場合は、譲渡した部分は、Y株式会社の一部として組み込まれますが、会社分割の場合は、法人格を保ったまま、会社ごと、Y株式会社の子会社になります。〇

ウ 事業譲渡の場合は、譲渡の対価は当然にY株式会社から甲社長に支払われますが、会社分割の場合は、譲渡の対価は当然にY株式会社からX株式会社に支払われることになります。×

エ 事業譲渡の場合は、取引先も従業員も当然にY株式会社に引き継がれますが、会社分割の場合は、取引先や従業員から個別の同意が必要となります。×

 事業譲渡 【平成25年 第14問】

 中小企業診断士であるあなたと、顧客である SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)運営会社の社長甲氏との以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「今度、当社の SNS事業を、乙社に譲渡することになりました。」

あなた:「やはり、最近外資系の SNS サイトや無料通話アプリに押され気味でしたものね。」

甲 氏:「これからいろいろ面倒な手続があるみたいですけど。」

あなた:「そうですね、譲渡資産の帳簿価額が御社の総資産額の( A )であれば、株主総会の( B ) による事業譲渡契約の承認が必要ですし、従業員の雇用の引継ぎについても、( C )が適用されるのは( D )の場合ですから、事業譲渡では原則に戻って労働者から個別に乙社への移籍について同意を得る必要があります。」

甲 氏:「知的財産の権利関係はどうなりますか。当社は独自開発した SNSの機能について特許を複数取得しており、その一部は SNS の運用ソフトウェアやデザインの著作権とまとめてライセンスに出しているんですが。」

あなた:「特許については登録をしなくてもライセンシーが乙社に通常実施権を対抗できます。著作権については、登録制度はライセンシーから乙社に対して利用権を対抗するための手段ではないので、ライセンシーが利用を継続するには乙社の許諾が必要です。」

会話の中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

ア A:15% 超 B:普通決議 C:労働契約法 D:会社整理

イ A:20% 超〇 B:特別決議〇 C:労働契約法 D:合併

ウ A:20% 超〇 B:特別決議〇 C:労働契約承継法〇 D:会社分割〇

エ A:30% 超 B:普通決議 C:労働契約承継法 D:支配株主の変更

簡易組織再編 【平成21年 第2問】

 A株式会社(以下「A社」という。)は、100 パーセント子会社であるB株式会社に対し、A社の事業の一部を分割し、吸収させることを検討している。A社の貸借対照表及び分割を検討している資産等の状況は下記のとおりである。これを前提とした簡易吸収分割(会社法第784 条第3項)に関する説明のうち、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

A社貸借対照表 (単位:百万円)

A社が分割を検討している資産、負債の項目及び帳簿価額 (単位:百万円)

[解答群]

ア 分割対象となる資産合計額から負債合計額を控除した額は1億3,000 万円で、A社の総資産額の5分の1を下回っているが、20 分の1を超えるので、簡易吸収分割の規定が適用とならず、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がある。?×

イ 分割対象となる資産合計額から負債合計額を控除した額は1億3,000 万円で、A社の純資産額の5分の1を下回っているので、簡易吸収分割の規定が適用となり、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がない。?〇

ウ 分割対象となる資産額合計は2億3,000 万円で、A社の純資産額の5分の1を下回っているが、20 分の1を超えるので、簡易吸収分割の規定は適用とならず、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がある。?×

エ 分割対象となる資産額合計は2億3,000 万円で、A社の総資産額の5分の1を下回っているので、簡易吸収分割の規定が適用となり、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がない。?〇?〇

分割会社の場合は、純資産額ではなく総資産額の5分の1
承継会社では、分割の対価が承継会社の純資産額の5分の1

簡易組織再編と略式組織再編 【平成30年 第2問】

 下表は、合併及び会社分割の各手続において、簡易手続及び略式手続の有無を整理したものである。空欄A〜Dに入る記号の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 なお、該当する手続があるものについては「○」、ないものについては「×」を記載することにしている。

〔解答群〕

ア A:○  B:×  C:×  D:○

イ A:○  B:×  C:×  D:×

ウ A:×  B:○  C:○  D:○?〇×

エ A:×  B:○  C:○  D:× ×〇

吸収合併消滅株式会社は対価を支払う立場にありませんから、簡易組織再編はできません。
吸収合併消滅株式会社で株主総会の特別決議を行うことに意味はありません。したがって、略式組織再編が可能
会社分割の場合は、事業の一部のみを分割することがありえます。このとき、その一部が新設分割株式会社にとって重要でなければ、株主への不利益は大きくありません。そこで、承継させる資産の額(事業の一部)がその会社の総資産額の5分の1以下であれば、新設分割株式会社でも簡易組織再編を可能
新設分割株式会社が新設分割を行う場合、その会社分割を決定する時点では新設分割設立株式会社は存在していません。したがって、支配関係が生じる余地はありませんので、略式組織再編はできません。

持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問1)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問1)

 合同会社と有限責任事業組合は共通点も多い。次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。

ア 合同会社、有限責任事業組合の債権者は、当該会社または組合の営業時間内は、いつでも、作成した日から5年以内の計算書類または財務諸表の閲覧または謄写の請求をすることができる。×〇

イ 合同会社の常務に属する業務以外の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。有限責任事業組合も重要な財産の処分および譲受けや多額の借財という業務執行を決定するには、総組合員の過半数の同意によらなければならない。?〇×有限責任事業組合の場合、業務執行には原則として総組合員の同意が必要

ウ 合同会社の設立手続きは、社員になろうとする者が定款を作成し、設立の登記をする時までにその出資の全額を払い込みまたは給付を行う。有限責任事業組合では、各当事者が組合契約書を作成し、それぞれの出資に係る払込みまたは給付の全部を履行する。いずれも、設立時に公証人の定款認証を受ける必要はない。〇?

エ 合同会社は定款、有限責任事業組合は総組合員の同意により、その出資者の損益分配の割合を出資の価額に応じたものと異なる割合に定めることができる。〇?

持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問2)

 合同会社と有限責任事業組合との相違点の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 合同会社は、合同会社名義で特許権の出願ができる。これに対し有限責任事業組合では、有限責任事業組合名義で特許権の出願をすることはできない。〇?有限責任事業組合は、組合員同士の契約という位置付けとなり、法人格はありません。そのため、組合名義での特許出願を行うことはできません。

イ 合同会社は、合名会社、合資会社、株式会社に組織変更することができる。これに対して有限責任事業組合は、このような組織変更ができず、当該有限責任事業組合を解散し、新たに会社を設立しなければならない。〇有限責任事業組合は法人格が無いため、合併などの事業再編や、株式会社への移行といった組織変更ができません。

ウ 合同会社は社員1名でも設立できる。これに対し有限責任事業組合は、2名以上の個人または法人の組合員が必要となる。ただし、組合員のうち過半数以上は、日本の居住者または内国法人でなければならない。?×1人以上が日本の居住者または内国法人でなければならない

エ 合同会社は、配当額が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。有限責任事業組合の組合財産は、その分配の日における純資産額から組合員の出資総額と300 万円のいずれか小さい額を控除した額を超えて分配することができない。?×〇

 持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問3)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問3)

 特定非営利活動法人の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 特定非営利活動法人の役員として、理事3名以上および監事1名以上を置かなければならない。なお、役員のうち報酬を受ける者の数は役員総数の3分の1以下でなければならない。?×〇

イ 特定非営利活動法人は、特定非営利活動を目的としなければならないが、特定非営利活動の事業に支障のない範囲で、その他の事業を行うことができる。〇

ウ 特定非営利活動法人は、毎事業年度初めの3か月以内に、前事業年度の事業報告書等ならびに役員名簿等を作成し、定款等とともに、その社員その他の利害関係人が閲覧できるよう主たる事業所に備え置かなければならない。?〇

エ 特定非営利活動法人を設立するためには、定款、役員名簿、社員7名以上の名簿、設立趣旨書などの必要書類を添付した申請書を所轄庁に提出して、設立の認証を受けなければならない。×社員10 名以上

持分会社 【令和元年 第1問】

 合同会社、合名会社、合資会社の比較に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、会社成立後に新たに社員を加入させることができる。〇?
  2. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、社員は2名以上でなければならない。×
  3. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、定款の定めによっても、一部の社員のみを業務執行社員とすることはできない。×定款の定めによって、一部の社員のみを業務執行社員とすることができます。
  4. 合同会社と合名会社の社員は無限責任社員のみで構成されるが、合資会社の社員は無限責任社員と有限責任社員により構成される。×

吸収合併 【平成23年 第3問】

 A株式会社(以下「A社」という。)と、B株式会社(以下「B社」という。)は、A社を吸収合併消滅会社、B社を吸収合併存続会社として、おおむね以下のスケジュールで吸収合併を実施する予定である。その際、A社の吸収合併の手続に関する記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、A社の定款には、関連する事項についての特段の定めはなく、また、A社は、発行する株式の全てが譲渡制限株式であり、かつ、取締役会設置会社であるものとする。

 平成24 年2月20 日(月) 吸収合併契約の調印

 平成24 年3月14 日(水) 吸収合併契約承認の株主総会

 平成24 年4月1日(日) 吸収合併の効力発生日

[解答群]

ア A社では、吸収合併契約書を本店に備え置く必要があるが、本件の場合、吸収合併契約調印の翌日の平成24 年2月21 日から備置きを実施しなければ、本吸収合併は無効となる。×

イ A社の株主に対しては、株主総会の招集通知と株式買取請求権に関する通知をしなければならないが、前者は株主総会の1週間前まで、後者は吸収合併の効力発生日の20 日前までと決まっているので、同時に通知することはできない。×

ウ A社の債権者が1社だけの場合であっても、A社では、その債権者に対して本件吸収合併について通知するだけでなく、吸収合併の公告を行わなければならない。〇

エ 今回の吸収合併の場合、効力発生日が日曜日にあたり、法務局で登記を受け付けてもらえないため、A社の登記上、解散の理由は、実際に登記申請した日に合併した旨記載され、平成24 年4月1日に合併した旨は記載されない。

 会社分割 【平成22年 第4問】

 甲株式会社(以下「甲社」という。)では、営業部門を会社分割の手続を利用して分社化することとしているが、その中で、従業員A~Dの所属について、以下の対応を検討している。これら従業員のうち、「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」第2条第1項に基づく通知が必要となる者の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、分社化により新たに設立される会社を乙株式会社(以下「乙社」という。)とする。

 従業員A:入社以来、営業部門に従事している者であるため、会社分割に際しても、乙社所属とする。〇

 従業員B:総務部門に従事する者であるが、乙社での総務担当者がおらず、従業員Bは過去に営業部門に関連する総務業務も担当していたことがあるため、会社分割に際しては、乙社所属とする。〇

 従業員C:経理部門に従事し、営業部門に関連する経理も若干担当していたことはあるものの、会社分割に際しては、甲社所属とする。×

 従業員D:一昨年の人事移動で、営業部門に異動となり、その後約2年間その業務に従事していたが、適性の問題もあることから、会社分割に際しては、甲社所属とし、異動前の部署に戻す。〇

[解答群]

ア A、B、C

イ A、B、D〇

ウ A、C、D

エ B、C、D

新設分割 【平成28年 第3問】(設問1)

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X社は、αの製造販売事業(以下「α事業」という。)を営んでいる。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲氏:「おかげさまで弊社のα事業は好調です。そこで、業容を拡大したいと考えていたところ、先日ちょうど、取引銀行を通じて、弊社と同じα事業を営んできたY社から、事業の選択と集中を進めたいから同事業を買収しないかという話をもらいまして、現在前向きに検討しています。Y 社は、α事業以外の事業も営んでいるので、新設分割でα事業をいったん切り出して子会社Z社を設立し、弊社がY社からZ社の全株式を現金で買い取るスキームを考えています。何か注意しておいた方がいいことはありますか。」

 あなた:「(A)。それから、同業他社から競合する事業を買収することになりますから、独占禁止法に抵触するかどうかも問題になります。少なくとも公正取引委員会への届出の要否については検討しなければなりません。」

 甲氏:「(B)。」

 あなた:「(C)。いずれにせよ、事業の買収、特に買い手の場合には、大小様々なリスクを伴いますから、その分野に詳しい専門家からアドバイスを受けないと後で痛い目を見ますよ。ちょうどいい人を知っていますから紹介しますよ。」

 甲氏:「ありがとうございます。」

(設問1)

 会話の中の空欄Aに入る記述として、最も不適切なものはどれか。

ア α事業に関係する債務は、Z社が承継する債務から除外することはできないので、α事業に関係する簿外債務がないかどうかの調査が重要になります×

イ Y社がα事業に関して締結している契約の中に、会社分割が解除事由として定められているものがないかの確認が重要になります〇

ウ Z社においてα事業を営むのに新たに許認可を取得することが必要な場合には、その許認可を得るのに必要な期間やコストを把握しておく必要があり、そのコストをX社が負担するのかY社が負担するのか交渉する必要があります〇

エ 契約の分割等の要否を検討するために、Y社が、α事業とそれ以外の事業の双方で、同一の契約に基づいて使用しているリース資産やシステムがないかどうかの確認が必要になります〇

新設分割 【平成28年 第3問】(設問2)

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X社は、αの製造販売事業(以下「α事業」という。)を営んでいる。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲氏:「おかげさまで弊社のα事業は好調です。そこで、業容を拡大したいと考えていたところ、先日ちょうど、取引銀行を通じて、弊社と同じα事業を営んできたY社から、事業の選択と集中を進めたいから同事業を買収しないかという話をもらいまして、現在前向きに検討しています。Y 社は、α事業以外の事業も営んでいるので、新設分割でα事業をいったん切り出して子会社Z社を設立し、弊社がY社からZ社の全株式を現金で買い取るスキームを考えています。何か注意しておいた方がいいことはありますか。」

 あなた:「(A)。それから、同業他社から競合する事業を買収することになりますから、独占禁止法に抵触するかどうかも問題になります。少なくとも公正取引委員会への届出の要否については検討しなければなりません。」

 甲氏:「(B)。」

 あなた:「(C)。いずれにせよ、事業の買収、特に買い手の場合には、大小様々なリスクを伴いますから、その分野に詳しい専門家からアドバイスを受けないと後で痛い目を見ますよ。ちょうどいい人を知っていますから紹介しますよ。」

 甲氏:「ありがとうございます。」

(設問2)

 会話の中の空欄BとCに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア〇 B:株式買取りのスケジュールには影響しますか

  C:公正取引委員会が短縮を認めてくれない限り、最短でも届出を受理されてから、30日を経過するまでは、株式を取得することはできないので、スケジュールに影響しますね

イ B:届出を行うのは、X 社ですか。Y社ですか

  C:Y社です

ウ B:届出を行う前に、公正取引委員会に相談に行くことはできるのですか

  C:できません

エ B:どんな規模でも届出が必要になるのですか

  C:X社の企業グループ全体の国内売上高が10億円以上の場合で、かつ、Z社とその子会社の国内売上高の合計が1億円以上の場合に、届出が必要になります

組織再編 【平成24年 第4問】

 あなたの顧客であるX 株式会社(以下「X 社」という。)の代表取締役甲氏からの、X 社の組織再編に関する以下の相談内容を前提に、Y 株式会社(以下「Y 社」という。)のC 部門を独立した1つの会社とする手続きとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【甲氏が持参した書面】

 X 社では、100 パーセント子会社としてA 株式会社(以下「A 社」という。)を保有している。

 一方、Y 社では、B 部門とC 部門の2つの事業を行っており、このうち、C 部門の事業は、A 社の事業と同じである。

 X 社としては、事業を拡大するため、Y 社のC 部門を譲り受けたい。

 譲り受けるにあたっては、A 社とY 社では、従業員の処遇に違いがあることから、一度に統合することは難しい可能性もある。そのため、C 部門をそのまま切り出して、直接1つの独立した会社とした後に、その株式を譲り受け、A 社と同様に、X 社の100 パーセント子会社とすることとしたい。

[解答群]

ア 吸収合併

イ 吸収分割

ウ 事業譲渡

エ 新設分割

事業譲渡 【令和元年 第2問】

会社法が定める株式会社の事業譲渡に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、反対株主の買取請求権に関する会社法第469条第1項第1号及び第2号については考慮しないものとする。

  1. 事業譲渡の対価は、金銭でなければならず、譲受会社の株式を用いることはできない。×
  2. 事業譲渡をする会社の株主が、事業譲渡に反対する場合、その反対株主には株式買取請求権が認められている。〇
  3. 事業の全部を譲渡する場合には、譲渡会社の株主総会の特別決議によって承認を受ける必要があるが、事業の一部を譲渡する場合には、譲渡会社の株主総会の特別決議による承認が必要となることはない。×
  4. 当該事業を構成する債務や契約上の地位を譲受人に移転する場合、個別にその債権者や契約相手方の同意を得る必要はない。×

 事業譲渡と会社分割 【平成20年 第4問】(設問1)

 中小企業診断士であるあなたは、X株式会社の全株所有者である甲社長から相談を受けた。以下は、あなたと甲社長との会話の一部である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲社長:「私もだいぶ高齢になったので、そろそろ引退しようと思っているんですが、会社にはどうも適当な後継者がいないんですよ。
それで、どうしようかと思っていたら、どうもY株式会社が引き継いでくれそうな感じなんです。私が持っている100 パーセントの株式をY株式会社に譲渡しようかと思ったのですが、当社は、若干ですが、不動産の賃貸業もやっていますから、Y株式会社に引き継いでもらうとしても本業だけにして、不動産の賃貸業は残しておこうかと思うんです。
賃貸業でもちょっとした収入になりますから、私の生活の足しにもなりますし、私一人でできますから。そういったこともできますかね。」

 あなた:「事業譲渡、会社分割の方法で可能になると思いますよ。」

 甲社長:「事業譲渡というのは、わかるのですが、会社分割というのを使うとどういう形に進めるわけですか。」

 あなた:「( A )」

 甲社長:「なるほど。事業譲渡と会社分割なら、どちらの方がいいわけですか。」

 あなた:「どちらにも一長一短ありますし、Y株式会社の都合にもよりますから、何ともいえません。」

 甲社長:「じゃあ、この2つの方法で、何か違うところがあるのですか。」

 あなた:「ありますよ。例えば、( B )」

(設問1)

 会話の中の空欄Aに入る文章として最も適切なものはどれか。

ア 不動産業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、本業を行う子会社を作ります。それから、その子会社の株式をY株式会社に譲渡します。〇

イ 本業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、不動産業を行う子会社を作ります。その子会社設立と同時に、その子会社の株式を全部Y株式会社に割り当てます。×

ウ 本業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、不動産業を行う子会社を作ります。それから、X株式会社の株式をY株式会社に譲渡します。

エ 本業を分割して、当然にY株式会社の一部門とすることができますから、その結果、甲社長もY株式会社の株主となることができます×

事業譲渡と会社分割 【平成20年 第4問】(設問2)

 中小企業診断士であるあなたは、X株式会社の全株所有者である甲社長から相談を受けた。以下は、あなたと甲社長との会話の一部である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲社長:「私もだいぶ高齢になったので、そろそろ引退しようと思っているんですが、会社にはどうも適当な後継者がいないんですよ。
それで、どうしようかと思っていたら、どうもY株式会社が引き継いでくれそうな感じなんです。私が持っている100 パーセントの株式をY株式会社に譲渡しようかと思ったのですが、当社は、若干ですが、不動産の賃貸業もやっていますから、Y株式会社に引き継いでもらうとしても本業だけにして、不動産の賃貸業は残しておこうかと思うんです。
賃貸業でもちょっとした収入になりますから、私の生活の足しにもなりますし、私一人でできますから。そういったこともできますかね。」

 あなた:「事業譲渡、会社分割の方法で可能になると思いますよ。」

 甲社長:「事業譲渡というのは、わかるのですが、会社分割というのを使うとどういう形に進めるわけですか。」

 あなた:「( A )」

 甲社長:「なるほど。事業譲渡と会社分割なら、どちらの方がいいわけですか。」

 あなた:「どちらにも一長一短ありますし、Y株式会社の都合にもよりますから、何ともいえません。」

 甲社長:「じゃあ、この2つの方法で、何か違うところがあるのですか。」

 あなた:「ありますよ。例えば、( B )」

(設問2)

 会話の中の空欄Bに入る文章として最も適切なものはどれか。

ア 事業譲渡の場合は、金銭が対価でなければなりませんが、会社分割の場合は、法律上、Y株式会社の株式が対価でなければなりません。Y株式会社にとっては、会社分割の方が、資金手当てが必要でない点がメリットとなります。×

イ 事業譲渡の場合は、譲渡した部分は、Y株式会社の一部として組み込まれますが、会社分割の場合は、法人格を保ったまま、会社ごと、Y株式会社の子会社になります。〇

ウ 事業譲渡の場合は、譲渡の対価は当然にY株式会社から甲社長に支払われますが、会社分割の場合は、譲渡の対価は当然にY株式会社からX株式会社に支払われることになります。×

エ 事業譲渡の場合は、取引先も従業員も当然にY株式会社に引き継がれますが、会社分割の場合は、取引先や従業員から個別の同意が必要となります。×

事業譲渡 【平成25年 第14問】

 中小企業診断士であるあなたと、顧客である SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)運営会社の社長甲氏との以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「今度、当社の SNS事業を、乙社に譲渡することになりました。」

あなた:「やはり、最近外資系の SNS サイトや無料通話アプリに押され気味でしたものね。」

甲 氏:「これからいろいろ面倒な手続があるみたいですけど。」

あなた:「そうですね、譲渡資産の帳簿価額が御社の総資産額の( A )であれば、株主総会の( B ) による事業譲渡契約の承認が必要ですし、従業員の雇用の引継ぎについても、( C )が適用されるのは( D )の場合ですから、事業譲渡では原則に戻って労働者から個別に乙社への移籍について同意を得る必要があります。」

甲 氏:「知的財産の権利関係はどうなりますか。当社は独自開発した SNSの機能について特許を複数取得しており、その一部は SNS の運用ソフトウェアやデザインの著作権とまとめてライセンスに出しているんですが。」

あなた:「特許については登録をしなくてもライセンシーが乙社に通常実施権を対抗できます。著作権については、登録制度はライセンシーから乙社に対して利用権を対抗するための手段ではないので、ライセンシーが利用を継続するには乙社の許諾が必要です。」

会話の中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

ア A:15% 超 B:普通決議 C:労働契約法 D:会社整理

イ A:20% 超〇 B:特別決議 C:労働契約法 D:合併

ウ A:20% 超 B:特別決議 C:労働契約承継法〇 D:会社分割

エ A:30% 超 B:普通決議 C:労働契約承継法 D:支配株主の変更

簡易組織再編 【平成21年 第2問】

 A株式会社(以下「A社」という。)は、100 パーセント子会社であるB株式会社に対し、A社の事業の一部を分割し、吸収させることを検討している。A社の貸借対照表及び分割を検討している資産等の状況は下記のとおりである。これを前提とした簡易吸収分割(会社法第784 条第3項)に関する説明のうち、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

A社貸借対照表 (単位:百万円)

A社が分割を検討している資産、負債の項目及び帳簿価額 (単位:百万円)

[解答群]

ア 分割対象となる資産合計額から負債合計額を控除した額は1億3,000 万円で、A社の総資産額の5分の1を下回っているが、20 分の1を超えるので、簡易吸収分割の規定が適用とならず、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がある。×

イ 分割対象となる資産合計額から負債合計額を控除した額は1億3,000 万円で、A社の純資産額の5分の1を下回っているので、簡易吸収分割の規定が適用となり、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がない。×

ウ 分割対象となる資産額合計は2億3,000 万円で、A社の純資産額の5分の1を下回っているが、20 分の1を超えるので、簡易吸収分割の規定は適用とならず、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がある。

エ 分割対象となる資産額合計は2億3,000 万円で、A社の総資産額の5分の1を下回っているので、簡易吸収分割の規定が適用となり、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がない。〇

簡易組織再編と略式組織再編 【平成30年 第2問】

 下表は、合併及び会社分割の各手続において、簡易手続及び略式手続の有無を整理したものである。空欄A〜Dに入る記号の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 なお、該当する手続があるものについては「○」、ないものについては「×」を記載することにしている。

〔解答群〕

ア A:○  B:×  C:×  D:○

イ A:○  B:×  C:×  D:×

ウ A:×  B:○  C:○  D:○

エ A:×  B:○  C:○〇  D:×〇

持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問1)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問1)

 合同会社と有限責任事業組合は共通点も多い。次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。

ア 合同会社、有限責任事業組合の債権者は、当該会社または組合の営業時間内は、いつでも、作成した日から5年以内の計算書類または財務諸表の閲覧または謄写の請求をすることができる。〇

イ 合同会社の常務に属する業務以外の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。有限責任事業組合も重要な財産の処分および譲受けや多額の借財という業務執行を決定するには、総組合員の過半数の同意によらなければならない。×

ウ 合同会社の設立手続きは、社員になろうとする者が定款を作成し、設立の登記をする時までにその出資の全額を払い込みまたは給付を行う。有限責任事業組合では、各当事者が組合契約書を作成し、それぞれの出資に係る払込みまたは給付の全部を履行する。いずれも、設立時に公証人の定款認証を受ける必要はない。

エ 合同会社は定款、有限責任事業組合は総組合員の同意により、その出資者の損益分配の割合を出資の価額に応じたものと異なる割合に定めることができる。

持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問2)

 合同会社と有限責任事業組合との相違点の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 合同会社は、合同会社名義で特許権の出願ができる。これに対し有限責任事業組合では、有限責任事業組合名義で特許権の出願をすることはできない。〇

イ 合同会社は、合名会社、合資会社、株式会社に組織変更することができる。これに対して有限責任事業組合は、このような組織変更ができず、当該有限責任事業組合を解散し、新たに会社を設立しなければならない。〇

ウ 合同会社は社員1名でも設立できる。これに対し有限責任事業組合は、2名以上の個人または法人の組合員が必要となる。ただし、組合員のうち過半数以上は、日本の居住者または内国法人でなければならない。×

エ 合同会社は、配当額が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。有限責任事業組合の組合財産は、その分配の日における純資産額から組合員の出資総額と300 万円のいずれか小さい額を控除した額を超えて分配することができない。

 持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問3)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問3)

 特定非営利活動法人の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 特定非営利活動法人の役員として、理事3名以上および監事1名以上を置かなければならない。なお、役員のうち報酬を受ける者の数は役員総数の3分の1以下でなければならない。

イ 特定非営利活動法人は、特定非営利活動を目的としなければならないが、特定非営利活動の事業に支障のない範囲で、その他の事業を行うことができる。

ウ 特定非営利活動法人は、毎事業年度初めの3か月以内に、前事業年度の事業報告書等ならびに役員名簿等を作成し、定款等とともに、その社員その他の利害関係人が閲覧できるよう主たる事業所に備え置かなければならない。

エ 特定非営利活動法人を設立するためには、定款、役員名簿、社員7名以上の名簿、設立趣旨書などの必要書類を添付した申請書を所轄庁に提出して、設立の認証を受けなければならない。×

持分会社 【令和元年 第1問】

 合同会社、合名会社、合資会社の比較に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、会社成立後に新たに社員を加入させることができる。〇
  2. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、社員は2名以上でなければならない。×
  3. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、定款の定めによっても、一部の社員のみを業務執行社員とすることはできない。×
  4. 合同会社と合名会社の社員は無限責任社員のみで構成されるが、合資会社の社員は無限責任社員と有限責任社員により構成される。×

 契約の成立

 契約に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 契約とは、2つ以上の意思表示が合致することによって、当事者間に債権・債務(権利と義務)が発生するものである。〇?意思表示が合致

イ 原則として契約書などの書面がなくても契約は成立する。〇

ウ 未成年者は、行為能力が不十分(制限行為能力者)とされ、このような人が行った法律行為は取り消す事ができる場合がある。〇?×〇法律行為を取り消した場合は、契約は無効

エ 契約の内容の重要な部分について錯誤があった場合、その契約は錯誤した者が無効を主張することができる。〇×錯誤による意思表示は以前は「無効」とされていましたが、民法改正により「取り消すことができる」へと変更

契約の種類とその周辺

 契約に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 契約の基本法には民法があり、民法の原則として契約自由の原則がある。〇

イ 契約自由の原則とは、契約等の行為を自分の自由に決めることができることをいう。〇

ウ 民法は、よく使用される契約を典型契約として規定している。〇

エ 典型契約には13種類あり、売買や賃貸借はこれに入っているが、単独で行える贈与はこれに入っていない。×?贈与も入っています。贈与契約は「あげましょう」「もらいましょう」という意思表示が合致した契約です。

契約の種類

 各種契約に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 委任契約は、一方が相手方から依頼された仕事を完成させ、相手方がこれに対して報酬を与える契約である。×請負契約

イ 寄託契約は、一方が相手方に物を交付し、その保管を依頼する契約である。〇一方が相手方に物を交付し、その保管を依頼する契約です。例として、倉庫業者

ウ 終身定期金契約は、一方が、自己、または相手方もしくは第三者の死亡に至るまで、定期的に金銭その他の物を相手方または第三者に給付する契約である。

エ 雇用契約は、一方が相手方の労働に従事し、相手方がこれに対して報酬を与える契約である。〇

国際取引1

 国際取引に関する次の文中の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

( A )では、国際貿易の統一規則が規定されている。( B )とは、商品を本船に船積された時に、引渡し義務が終了する取引条件である。CIFでは、( C )は、貨物を荷揚げ地の港で荷揚げするまでの運賃、海上保険料等を負担し、荷揚げ以降の費用は( D )の負担となる。

ア A:インコタームズ〇 B:FOB〇 C:買主 D:売主

イ A:インコタームズ B:FOB C:売主? D:買主〇

ウ A:準拠法 B:CFR C:買主 D:売主

エ A:準拠法 B:CFR C:売主 D:買主

CIFとは、Cost Insurance and Freightの略で、運賃保険料込みのことです。運賃、保険料を売主が負担する条件

インコタームズ(International Commercial Terms)では、国際商業会議所 (ICC) が策定した国際貿易の統一規則が規定されています。貿易取引を円滑に行うため、運賃、保険料等の条件に関して、国際的に統一的な定義

策定機関である国際商業会議所 (ICC) 

国際取引2

 国際取引に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ウィーン売買条約は、国際的な物品売買に関する条約であり、締約国間の取引では個別の契約書に記載されていなくても原則として適用される。?〇ウィーン売買条約は、国際的な物品売買に関して取り決めを行っている条約です。締約国間の取引では、条約で規定されている内容が原則として適用となり、個別の契約書に記載されていなくても有効

イ マドリッドプロトコルは、商標の国際出願制度であり、日本での商標登録出願をしなくても制度を利用して外国での商標権の取得をすることができる。×?日本での商標登録出願が必要です。なお、日本での出願と並行して国際登録出願をすることもできます。

ウ インコタームズは、国際貿易の統一規則であり、強制力があるため契約書中に適用を記載していなくても効力が発生する×法律のように強制力はないため、インコタームズの規定を使うには、契約書の中で適用する旨を記載する必要

エ パリ条約は、産業財産権の国際的な保護を目的としており、ある加盟国にて出願していれば、その後に他の加盟国で出願したときはいつでも、最初に出願した時を基準として優先権が認められる条約である。?×この優先権は最初の出願の日から一定期間内に申請を行った場合に適用されるもの

契約の履行

 AはBから100万円のつぼを買い、まだその代金は支払っていない。この場合に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア AはBに100万円を貸していた。この金銭債権の弁済期が到来していれば、Aは、Bの承諾なく、この金銭債権をもって、つぼの代金債務と相殺をすることができる。×?〇相殺は、一方的な意思表示で可能

イ Aは100万円の宝石を所有していた。Aは、Bの承諾なく、この宝石をもって、つぼの代金債務の弁済にあてることができる。×Bの承諾があれば、代物弁済

ウ Bは、このつぼの代金に関し、Aの承諾なく、Aの債務を免除することができる。〇「免除」は、債権者が債権を無償で消滅させる意思表示

エ Aは、一定の場合に、Bの承諾なく、供託所に100万円を預け、債務から免れることができる。〇供託によって、債務が消滅

保証

 AはBから100万円を借り受け、CはAの債務を連帯保証した。この場合に関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア BC間で保証契約を締結する際、Aの承諾は不要であるが、契約書は作成しなければ第三者に対抗することはできない。〇?×BC間の保証契約は、BA間の契約とは別個独立のものですから、Aの承諾は不要 保証契約は、書面または電磁的記録でされない限り無効です。対抗要件の問題ではありません。

イ BがAに対する債権をDに譲渡し、その旨をAに通知したとき、DはAに対し100万円の請求はできるがCに対しては請求できない。×?保証債務の随伴性の問題です。随伴性は、主債務が債権譲渡等によって移転すれば、保証債務も一緒に移転

ウ AがBに100万円の弁済をした場合、CのBに対する保証債務も消滅する。〇保証債務の附従性の問題です。附従性は、主債務が消滅すれば保証債務も一緒に消滅

エ BがCに請求してきた際、CがAに弁済の資力があり、かつ執行が容易であることを証明すれば、BはまずAに履行を請求しなければならない。×連帯保証では、保証人には「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」がありません

契約の不履行1

 AはBに1000万円の債務を負っている。この場合に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア Aは事業資金としてBから1000万円借り受け、10月1日に返済する予定であったが、失念している。これは履行遅滞の問題である。〇

イ Aは事業資金としてBから1000万円借り受け、10月1日に返済する予定であったが、事業に失敗し、全ての財産を清算したが、1000万円は絶対に返済できないことが分かった。これは履行不能の問題である。〇×金銭債権の場合、お金自体がなくなったわけではないので、履行不能の問題は起きません。金銭債権では履行不能の問題は起きないので、履行遅滞

ウ AはBから別荘を買ったが、引渡しを受ける前日に山火事で別荘が焼失した。これは、危険負担の問題である。〇

エ AはBから別荘を買い、引渡しを受けた後に別荘にBも知らない白アリが巣食っていることを発見した。これは、契約不適合責任の問題である。〇

契約の不履行2

 AはBに絵画を売却した代金として100万円の債権を持っているが、期日になってもBは支払わない。この場合に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア Aは強制履行により代金を取り立てることができる。〇?強制履行は、債権者が、国家機関の力を借りて強制的に履行をさせることです。強制履行には、「直接強制」、「代替執行」、「間接強制」という3つの方法

イ AはBに対して損害賠償の請求ができる。損害賠償請求権の消滅時効は、原則として権利を行使できることを知った時から5年間である。〇?債務不履行による損害賠償請求権の消滅時効は、原則として権利を行使できることを知った時から5年

ウ AはBとの契約を解除することができる。その場合は、損害賠償の請求はできなくなる。×?「法定解除権」と呼びます。しかし、解除権を行使したのちも損害があればその賠償請求はできます

エ 契約が解除された場合は、契約は最初から無かったものとされるため、A・Bは互いに受け取っていた物や金銭を返却する必要がある。〇?契約は最初から無かったものとされるため、当事者同士は互いに受け取っていた物や金銭を返却する必要があります。これを原状回復義務

 不法行為

 Aは歩行中、わき見運転をしていたピザ宅配会社B社の社員Cのバイクにはねられ、負傷した。この場合に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア Aは、治療費等の損害をCに対し、賠償請求することができる。〇?一般不法行為 被害者に損害が発生していること、加害者に故意または過失があること、加害者に責任能力があること、加害行為が違法なものであること、損害と加害行為の間に因果関係

イ Aは、Cがピザの配達中の事故であれば、Bに対して損害賠償の請求ができる。〇使用者責任

ウ Bは、Cの選任・監督について相当な注意をしたときは、Aに対する損賠賠償責任を負わない。×?〇民法は、使用者責任において、使用者が従業員の選任・監督について相当な注意をした時は、使用者は責任を負わなくても良いと規定

エ Aは、損害及び加害者を知らない限り、損害賠償請求権は消滅することはない。×損害賠償請求権の消滅時効は、被害者または法定代理人が、損害および加害者を知ったときから5年となっています。さらに、不法行為の時から20年を経過した場合も、権利は消滅

担保物権

 担保物権に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 抵当権には、優先弁済効力はあるが、留置的効力はない。×〇?

イ 質権には、優先弁済効力はあるが、留置的効力はない。×

ウ 留置権には、優先弁済効力はないが、留置的効力はある。〇

エ 先取特権には、優先弁済効力はあるが、留置的効力はない。〇?

独占禁止法

 独占禁止法に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 独占禁止法は、一部の企業による独占や、不公正な取引などを規制する法律で、公正で自由な競争を促進することで、一般消費者の利益を実現することを目的としている。〇?

イ 私的独占は、事業者が強力な資金力を用いて、他の事業者を市場から排除したり、支配することである。〇?

ウ 不公正な取引方法というのは、公正な競争を阻害するおそれがあるもので、法律に規定される取引方法や公正取引委員会が指定した取引方法がある。その内容はたとえば、取引拒絶、不当廉売、抱き合わせ販売などであり、高額で購入することは含まれない。×

エ カルテルや入札談合等に関与した事業者対して、違法行為の申し出や、調査協力をした場合に、課徴金が減免される制度がある。〇

消費者保護に関する法律

 消費者保護法制に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 消費者契約法は、事業者と消費者の契約の際に、契約の重要事項について不実告知があったり、不当な勧誘がされたことにより、消費者が誤認または困惑して契約をした場合には、その契約は無効である旨を規定している。?×取消

イ 消費者契約法は、事業者は消費者にとって一方的に不利益な契約条項を定めることはできないと規定する。〇

ウ 割賦販売法は、割賦販売では、消費者が後で申込みの撤回ができる「クーリング・オフ」の制度を設けている。〇

エ 特定商取引法は、訪問販売や通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売といった特定商取引について、それぞれに規制を設ける法律である。〇?

景品表示法

 景品表示法に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 優良誤認表示とは、商品・サービスの内容が、実際のものや競合他社よりも著しく優良であると誤認させることであり、有利誤認表示とは、 商品・サービスの価格や取引条件が、実際のものや競合他社よりも著しく有利であると誤認させることである。?〇

イ 内閣総理大臣は、景品表示法の違反行為があるとみとめたときは、その事業者に対して、誤認の排除,再発防止策の実施,今後同様の違反行為を行わないことなどを命ずる措置命令をすることができる。?〇

ウ 商店街が実施する福引などの共同懸賞は、以前からの風習であることや、個別事業者の不当な利益の獲得にはつながりにくいことなどから、景品規制から除外されている。×?

エ 景品表示法における景品類は、顧客を誘引する手段として、事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する、物品・金銭その他の経済上の利益を指す。?〇

倒産に関する法律1

 倒産に関する法律について、最も不適切なものはどれか。

ア 倒産は企業が経済的に破たんすることであり、一般的には、手形が不渡になって銀行取引停止処分となった場合などをさす。〇?

イ 特別清算は、清算中の株式会社について、清算の遂行に著しい支障があるか、債務超過の疑いがある時に行われる特殊な清算手続きである。?〇

ウ 民事再生は、経済的に窮地にある債務者の事業の再生をすることを目的とし、法人だけでなく個人も行うことができる。〇

エ 会社更生は、倒産に至る前の比較的早期の段階にある会社を再建する手続きで、全ての会社が対象で、個人は行うことができない。?×株式会社に限って認められている倒産処理

倒産に関する法律2

 倒産に関する次の文中の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 倒産は企業が経済的に破たんすることである。ただし、法律的には「倒産」という概念は厳密に規定されていない。

 倒産処理の種類には様々なものがある。倒産した企業の財産を清算する( A )の手続きと、倒産した企業の組織などを変更して事業の継続を図る( B )の手続きがある。
( A )の倒産処理には( C )と( D )があり、( B )の倒産処理には( E )と( F )がある。

ア 
A:清算型〇 B:再建型〇 C:民事再生 D:会社再生 E:特別清算 F:破産

イ 
A:再建型 B:清算型 C:民事再生 D:特別清算 E:会社更生 F:破産

ウ 
A:清算型〇 B:再建型〇 C:破産〇 D:特別清算 E:民事再生 F:会社更生


A:再建型 B:清算型 C:破産 D:会社更生 E:民事再生 F:特別清算

相続

 相続に関する法律について、最も不適切なものはどれか。


ア 個人事業主が死亡した場合、事業上のものであるか否かを問わず、その者の積極財産、消極財産はすべて相続の対象となる。〇

イ 相続人が、相続によって得た財産の限度においてのみ、被相続人の債務を弁済すべきことを留保して相続の承認をすることができ、これを限定承認という。〇

ウ 負債を相続したくないときには、家庭裁判所で相続放棄の手続きを行うと、初めから相続人にならなかったとみなされる。?〇×〇

エ 遺産分割協議によって、相続人は遺産を分割することができる。この場合の遺産とは積極財産ばかりではなく、消極財産も含まれる。〇×消極財産(マイナスの財産、つまり負債)は遺産分割の対象とはなりません。負債は、各相続人の相続分に応じて分割して相続されることになります。

相続2

 被相続人Xが死亡し、相続が生じた。AはXの配偶者であり、BはX及びAの子である。また、CはBの子である。Xには兄弟姉妹Dがおり、EはDの子である。さらに、Xには内縁関係のGがいる。その他の親族はXの死亡より前にすべて死亡している。

 この場合、Xの相続財産について、それぞれの相続人が相続する割合として、最も適切なものはどれか。

 なお、特に断りがない限り、各相続人は相続について承認したものとする。

 また、遺言はなく、遺産分割協議も整っておらず、相続人はいずれも廃除されていないものとし、寄与分及び特別受益についても考慮しないものとする。

ア Xの死亡以前にBが死亡していた場合、Aが4分の3、Dが4分の1を相続する。×?Aが2分の1、Cが2分の1を相続(代襲相続)

イ Bが相続放棄をした場合、Aが2分の1、Cが2分の1を相続する。〇?×相続放棄の場合には代襲相続はありません。

ウ Xの死亡以前にDが死亡しており、Bが相続放棄をした場合、Aが4分の3、Eが4分の1を相続する。×〇代襲相続があり、Eが相続人

エ Xの死亡以前にA、B、C、D、Eのすべてが死亡していた場合に、GがXの相続財産のすべてを相続する。×

(1) 配偶者:2分の1、子:2分の1

 (2) 配偶者:3分の2、直系尊属:3分の1

 (3) 配偶者:4分の3、兄弟姉妹:4分の1

経営承継円滑化法1

 遺留分に関する法律について、最も不適切なものはどれか。

ア 遺留分は、被相続人の財産のうち、一定の割合の承継を法定相続人に保証する制度である。〇直系尊属のみが相続人である場合には、相続財産全体の3分の1、それ以外の場合には2分の1が遺留分権利者全体の遺留分となります。なお、被相続人の兄弟姉妹には、遺留分はありません。

イ 被相続人が遺言などで遺留分に反する相続を行った場合、直ちに無効になるわけではなく、遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求権を行使することで初めて、遺言によって侵害された遺留分を取り戻すことができる。〇「遺留分侵害額請求権」を行使することで初めて、遺言によって侵害された遺留分を取り戻すことができます。

ウ 中小企業の事業主が亡くなり、その後継者が事業を承継する場合は、事業主が持っていた会社の株式等を後継者が相続するが、他の相続人が、遺留分侵害額請求権を行使すると会社の株式や資産が分散するおそれがある。〇

エ 近時制定された経営承継円滑化法では、生前贈与株式を遺留分の対象に加えることによって、会社資産や株式の分散を未然に防止することが可能になった。×逆

経営承継円滑化法2

 中小企業経営承継円滑化法に関する説明として、最も適切なものはどれか。

先代経営者甲が死亡し、その子であるA、B、Cが甲の財産を相続することになった。甲の有する財産は、不動産3,000万円のみである。また、Aは後継者として甲の死亡の半年前に当時の価額で3,000万円の自社株式の贈与を受けており、当該株式は相続開始の時に1億2,000万円に価値が上昇していた。

ア Aが生前贈与を受けた自社株式3,000万円について除外合意の対象となっている場合、Bの遺留分の額は750万円である。3000/3=1000/2=500×

イ Aが生前贈与を受けた自社株式3,000万円についてこの額で固定合意の対象となっている場合、Bの遺留分の額は1,500万円である。3000+3000=6000/3=2000/2=1000×

ウ 除外合意や固定合意などの特段の合意がない場合、Bの遺留分の額は2,500万円である。12000+3000=15000/3=5000/2=2500〇

エ Aが生前贈与を受けた自社株式3,000万円のうち、1,500万円が除外合意の対象となり、残りの1,500万円がこの額で固定合意の対象となっている場合、Bの遺留分の額は1,125万円である。1500+3000=4500/3=1500/2=750×

行為能力 【平成29年 第14問】

 行為能力に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 制限行為能力者が、自らが制限行為能力者であることを告げずに契約を締結したことのみをもって、当該制限行為能力者は当該行為を取り消すことができなくなる。?×制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができません。

イ 被保佐人と契約をする場合には、その保佐人を代理人として締結しなければならない。?〇×保佐人の同意

ウ 不動産業を営むことを許された未成年者が、その営業に関して不動産を売却する場合は、法定代理人の同意を得る必要はない。〇

エ 未成年者が債権者との間で当該未成年者の債務を免除する契約を締結するには、法定代理人の同意を得なければならない。×

相殺 【平成30年 第19問】

 相殺に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はないものとする。

ア 時効によって消滅した自働債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていたとしても、相殺の意思表示をしたのが時効消滅後である場合は、相殺することはできない。〇?×債権が時効消滅した後であっても消滅以前に相殺に適するようになっていたときは相殺を可能

イ 相殺の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。?×〇相殺の意思表示の時ではなく、相殺に適するようになった時にさかのぼる

ウ 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合で、受働債権が弁済期にあれば、自働債権の弁済期が到来しなくても、相殺することができる。?×自働債権の弁済期前に相殺をすることはできません。

エ 不法行為から生じた債権を自働債権として相殺することはできない。〇×自己の損害賠償請求権を自働債権とする相殺をすることは可能 悪意による不法行為や人の生命または身体に対する不法行為に基づく損害賠償請求権を受働債権とする相殺(加害者からの相殺)はできません。

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