経営法務 特許権と実用新案権 意匠権と商標権 著作権と不正競争防止法

特許権と実用新案権

問題 1 特許権(職務発明1) 【平成19年 第8問改題】

 特許法は、その第35条で職務発明について規定を置いている。この規定の内容

として、最も不適切なものはどれか。

ア 従業者等は、就業規則等の定めにより、職務発明について使用者等に特許を受ける権利を承継させたり、もしくは当該職務発明についての特許権を承継させたりした場合には、使用者等より相当の利益を受ける権利を有する。

イ 職務発明でない場合に、あらかじめ勤務規則等で使用者等が特許を受ける権利を承継できる旨を定めても、それは無効である。

ウ 職務発明とは、従業者等が、その性質上使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至った行為がその使用者等における従業者等の現在または過去の職務に属する発明をいう。

エ 職務発明に関する相当の利益を決定するための基準は、重要な事項であるから、必ず勤務規則で定めなくてはならない。

使用者が特許を受ける権利や特許権を承継するには、あらかじめ勤務規則などに定めを置く必要があります。しかし、相当の利益の基準については、勤務規則の必須事項ではありません。

特許権(職務発明2) 【平成28年 第7問】

 以下の文章は、特許法等の一部を改正する法律(平成27年7月10日法律第55号)のうち、主に職務発明に関するものである。

 文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 グローバル競争が激化する中、わが国のイノベーションを促進するためには、研究者の研究開発活動に対するインセンティブの確保と、企業の競争力強化を共に実現するための環境整備が重要である。このような事情に鑑み、知的財産の適切な保護及び活用を実現するための制度を整備し、わが国のイノベーションを促進することを目的として、まず、職務発明制度の見直し、次に、特許料等の改定、さらには、(A)及び商標に関するシンガポール条約の実施のための規定の整備を行うこととした。

 なお、従来の職務発明制度の柱は、まず、特許を受ける権利は(B)に帰属し、(C)が特許出願をするには、その権利を譲り受ける形となる点、及び、(B)は、特許を受ける権利を(C)に承継させた場合、その対価を請求することができる(いわゆる「対価請求権」)というものであった。

 また、従来の職務発明制度では、異なる(C)における共同発明者甲及び乙が存在する場合、(C)が、自社の発明者(甲)から特許を受ける権利を承継する場合、他社の発明者(乙)の同意も得る必要があるため、権利の承継に係る手続負担が課題となっていた。また、例えば共同研究の途中で、従業者(共同発明者)の人事異動が発生した場合は、再度、当該従業者から同意を取り直す等、権利の承継に係る手続がより複雑化していた。これらは、昨今共同研究の必要性が高まる中、企業のスピーディーな知財戦略実施の阻害要因のひとつとなっていた。

 そこで、特許を受ける権利を初めから(C)に帰属させることにより、この問題を解決することとした。

[解答群]

ア A:特許協力条約 B:使用者等 C:発明者

イ A:特許協力条約 B:発明者  C:使用者等

ウ A:特許法条約  B:使用者等 C:発明者

エ A:特許法条約  B:発明者  C:使用者等

商標に関するシンガポール条約とは、商標登録出願等に関する手続の統一化と簡素化を目的とした条約です。特許出願に関しても、同じく手続の統一化と簡素化を目的とした条約があります。その条約とは、特許法条約(PLT)です。

特許権(効力) 【平成20年 第6問】(設問1)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 特許権も( A )であるから、特許発明を自由に使用し、収益、処分することができる。これを特許権の効力の1つとしての( B )という。そして、このことを特許法は第68 条で規定している。特許権のもう1 つの効力は( C )である。この( C )のなかには差止請求権、損害賠償請求権、侵害物廃棄請求権、不当利得返還請求権、( D )等がある。

(設問1)

 文中の空欄A~Dに入るものとして、最も不適切なものはどれか。

ア A:財産権

イ B:専用権

ウ C:排他権

エ D:特許権の取消請求権


 特許法第68条には、「特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する」と記載されています。簡単に言えば、特許権は、事業として独占的に発明を実施できる「専用権」であることを表します。

排他権に基づく権利として、特許権者には差止請求権、損害賠償請求権、侵害物廃棄請求権、不当利得返還請求権、信用回復措置請求権が認められます。しかし、「特許権の取消請求権」は認められていません。

4 特許権(効力) 【平成20年 第6問】(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 特許権も( A )であるから、特許発明を自由に使用し、収益、処分することができる。これを特許権の効力の1つとしての( B )という。そして、このことを特許法は第68 条で規定している。特許権のもう1 つの効力は( C )である。この( C )のなかには差止請求権、損害賠償請求権、侵害物廃棄請求権、不当利得返還請求権、( D )等がある。

(設問2)

 文中の下線部の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 差止請求権とは、特許権が侵害され、又は侵害されるおそれのある場合にその停止又は予防を請求する権利である。

イ 侵害物廃棄請求権とは、権利侵害物の廃棄や侵害の行為に供した設備の除去を請求する権利である。

ウ 損害賠償請求権とは、権利侵害によって生じた損害の賠償を請求する権利であり、この権利は損害発生の事実を知った日から5年で時効により消滅する。

エ 不当利得返還請求権とは、法律上の原因なくして他人の特許権を利用して利益を受けた者に対し、その利益の返還を求めることのできる権利であり、故意過失を要件とはしない。

特許権侵害に対する損害賠償請求権は、損害および加害者を知ったときから3年で時効となり消滅してしまいます。

不当利得返還請求は、相手の故意や過失を要件とせず、時効も権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10 年と長いため、損害賠償請求が認められない場合を補完する役割を果たしています。

特許権(警告書への対処) 【平成21年 第7問】

 A社の代表取締役社長からの次の質問に対する回答として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【A社の代表取締役社長からの質問】

 「当社は、平成16 年(2004 年)7月に設立され、設立時から苛性ソーダの製造・販売を主な事業としていますが、このたびB社から『貴社の苛性ソーダの製造方法について弊社の保有する苛性ソーダの製造方法に関する特許権に抵触するので直ちに製造・販売を中止し、現在市場に出回っている苛性ソーダを回収するように。』との警告を受け取りました。当社内で調べたところ、この警告書に記載されたB社の保有する特許権の番号から特許出願がなされたのは平成17 年(2005 年)5月であることが分かりました。この警告書に対してどのように対処すればよいでしょうか。」

[解答群]

ア B社の特許権に係る特許出願の時点で、すでに御社がB社の特許と同一の方法により苛性ソーダの製造を行っていたことを立証できれば、B社の特許権が存続していても将来にわたり苛性ソーダの製造方法を実施する権利があります。

イ B社の特許権は、平成17 年(2005 年)5月に出願されており、まだ特許出願日から20 年を経過していないため、現在でも有効に存続していることから、すぐに製造・販売を中止し、市場に出回っている御社の苛性ソーダを回収しましょう。

ウ 御社が用いている苛性ソーダの製造方法が、B社の保有する特許権に係る特許発明の技術的範囲に属するか否かの判定を特許庁に請求するのがよいと思います。

エ 御社は、B社の特許権に係る特許出願前から苛性ソーダの製造方法を実施していたので、B社の特許権に係る特許発明は特許出願前に公然実施された発明に該当するとして特許無効の審判を裁判所に請求して、B社とのライセンス交渉を行うことがよいと思います。


特許庁の判定には法的拘束力がないことから、引き続き苛性ソーダの製造方法を実施する権利を得られる先使用権を主張するアの記述のほうが、最適であると判断できます。


A社は、B社の特許出願前から苛性ソーダの製造方法を実施していたので、特許無効審判を請求することが可能です。ただし、特許無効審判は、裁判所ではなく特許庁に請求するものです。

特許権(特許を受ける権利) 【平成25年 第7問】

 特許を受ける権利に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 産業上利用することができる発明をした場合であっても、その発明について特許出願がなされなければ、発明者に特許を受ける権利が発生しない。

イ 特許を受ける権利が A とBの共有に係る場合、A と B は、それぞれ他の共有者の同意を得ずに、自己の持分について譲渡することができる。

ウ 特許を受ける権利は、譲渡により移転することができる。

エ 特許を受ける権利は、抵当権の目的とすることができる。

特許を受ける権利は譲渡可能です。特許を受ける権利を譲り受けた者は、「出願人」として特許庁に出願することができます。

 特許を受ける権利は、発明の完成と同時に発生します。つまり、特許出願がなされなくても、特許を受ける権利は発生します。


特許を受ける権利については抵当権の目的とすることはできません。

特許権(実施権) 【平成25年 第8問】

 特許権及び実施権に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 特許権者 A が保有する特許権について、B に専用実施権の設定の登録がなされた。この場合、当該設定行為で定めた範囲内において、特許権者Aと専用実施権者 B とは、当該特許発明の実施をする権利を共有する。

イ 特許権者 C から専用実施権の設定の登録を受けた D は、当該特許権を侵害する者に対して、差止請求権を行使することができる。

ウ 特許権者は、専用実施権者があるときは、当該専用実施権者の承諾を得た場合に限り、その特許権を放棄することができる。

エ 日本国内において、特許権の設定の登録の日から継続して3年以上、その特許発明の実施が適当にされていないとき、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。ただし、その特許発明に係る特許出願の日から4年を経過しているものとする。

専用実施権を与えた場合は、実施権者は独占的に特許発明を実施することができます。つまり、特許権者といえども、設定行為で定めた範囲内では、特許発明を実施することができません。

 差止請求権は、特許権者と専用実施権者に与えられています。専用実施権者は自己の専用実施権を侵害する者に対して、差止請求権を行使することができます。なお、通常実施権者は専用実施権者と異なり、差止請求権は与えられていません。


特許法では、「特許発明の実施が継続して3年以上日本国内において適当にされていないときは、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。ただし、その特許発明に係る特許出願の日から4年を経過していないときは、この限りでない。」と記載されています。この協議は裁定請求の前提となるもので、この協議が成立しないか、協議をすることができない場合に裁定請求をすることができます。

特許権と実用新案権 【平成21年 第6問】

 特許法における発明(特許法第1条、第2条)と実用新案法における考案(実用新案法第1条、第2条)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 実用新案法における考案には、方法の考案も対象となっている。

イ 特許法における発明及び実用新案法における考案には、ニュートンの万有引力の法則のような発見や自然法則を利用していない人為的な取り決めは該当しない。

ウ 特許法における発明には、物の発明ばかりではなく、方法の発明も対象となる。

エ 特許法における発明は技術的思想の創作のうち高度のものをさしているが、実用新案法における考案については高度という限定はなく、技術的思想の創作の程度のいかんを問わない。

 特許権は、「高度のなもの」を保護しますが、実用新案権は、必ずしも「高度のなもの」ではなくても取得できます。


特許法における発明では、「方法の発明」も対象に含まれます。しかし、実用新案法における考案は「物品の形状、構造または組み合わせに係る」ものに限定されており、「方法」は対象に含まれません。

考案には「高度のもの」という要件がありません。したがって、技術的思想の創作の程度のいかんを問いません。なお、考案に該当するかどうかと言う点では創作の程度を問いませんが、実用新案権の登録要件としては一定の程度が要求されることには注意が必要です。


特許権と実用新案権 2【平成30年 第10問】

 特許と実用新案に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 権利侵害に基づく差止請求権を行使する場合、特許権は事前に相手方に警告を行わなければならないが、実用新案権はその際、さらに技術評価書を提示しなければならない。

イ 他人の特許権又は実用新案権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定する。

ウ 特許権の存続期間の起算日は出願日であるが、実用新案権の存続期間の起算日は登録日である。

エ 方法の発明は特許を受けることができるが、方法の考案は実用新案登録を受けることができない。


事業を行う者は特許権くらいは調べておくべきですので、警告なくいきなり差止請求されても仕方がありません。一方、実用新案権までは調べていないと思われますので、権利行使の前に実用新案技術評価書を提示しての警告をさせるようにしています。

特許権については事業を行う者に調査義務があると考えられるため、侵害したのであればこの義務を怠った過失があったと推定されます。一方、実用新案権では調査義務が課されていないと考えられるため、過失も推定されません。

特許権の存続期間は特許出願の日から20年、実用新案権は実用新案登録出願の日から10年です。

特許法の保護対象となる発明には、物の発明、方法の発明、物を生産する方法の発明の3つの類型があります。一方、実用新案法の保護対象となる考案は、物品の形状、構造又は組合せに係るものに限られ、方法の考案は対象となりません。

実用新案権 【平成21年 第8問】

 X社の代表取締役社長からの次の質問に対する回答として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。

【X社の代表取締役社長からの質問】

 「当社は、以前からその製造・販売に係る特殊な構造を有するシャープペンシルについて実用新案権を保有していますが、競争会社Y社が最近同一の構造を有すると思われるシャープペンシルを製造・販売するようになりました。この製造・販売を止めさせたいと思いますが、どのようにすればよいでしょうか。」

[解答群]

ア 御社の実用新案権に係る登録実用新案と競争会社Y社の製造・販売に係るシャープペンシルの構造が同一であるか調べる必要があります。

イ 実用新案権の存続期間は、特許権の存続期間より短く、実用新案登録出願の日から10 年で終了するので、実用新案登録出願の日がいつだったかを確認することが必要です。

ウ 実用新案権は、特許権と同様に排他的独占権の性質を有しているので、特許庁の審査官が作成した実用新案技術評価書を提示しなくても、競争会社Y社の製造・販売の中止を求めることはできます。

エ 当初3年間分の登録料は、実用新案登録出願時に一時に納付されていますが、実用新案権は、第4年分以降の各年分の登録料を特許庁に納付しないと消滅しますから、確認が必要です。

実用新案権の存続期間は、出願日から10年となっています。


 実用新案権の侵害が行われた場合に、警告や差止請求、損害賠償請求などの手段で対抗するには、特許庁から「実用新案技術評価書」を発行してもらい、それを相手方に提示してから対抗措置を行う必要があります。

実用新案権は、出願した場合は原則として登録されるため、出願時に3年分の登録料を納める必要があります。その後は各年分の登録料を、特許庁に納付しないと権利が消滅するため、確認が必要となります。

意匠権と商標権

問題 1 意匠権と画面デザイン 【平成20年 第10問】(設問1)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 画面デザインとは、家電や各種情報機器等の表示部に表示される画像のデザインのことをいうが、意匠法では、( A )と密接な関係にある画面のデザインについて機器に表された状態で物品を構成する要素として保護の対象としている。具体的には、携帯電話機、デジタルカメラ、カーナビ、炊飯器、掃除機、複写機等において、( B )に用いられる画像や、その画像がなければ機器として成り立たないような画像が保護の対象となる。

 しかし、意匠法は物品の( C )、模様若しくは色彩又はこれらの( D )を保護の対象としており、物品ごとに意匠が成立し、物品を離れて意匠は存在しないものである。

(設問1)

 文中の空欄A~Dに入るものとして、最も不適切なものはどれか。

ア A:機器の機能

イ B:操作

ウ C:構造

エ D:結合

 「画面デザインとは、家電や各種情報機器等の表示部に表示される画像のデザインのことをいうが、意匠法では、「機器の機能」と密接な関係にある画面のデザインについて機器に表された状態で物品を構成する要素として保護の対象としている。具体的には、携帯電話機、デジタルカメラ、カーナビ、炊飯器、掃除機、複写機等において、「操作」に用いられる画像や、その画像がなければ機器として成り立たないような画像が保護の対象となる。しかし、意匠法は物品の「形状」、模様若しくは色彩又はこれらの「結合」を保護の対象としており、物品ごとに意匠が成立し、物品を離れて意匠は存在しないものである。」

 目で見えないものは意匠とはなりません。このことからも、「構造」が適切でないことが判断できます。

意匠権と画面デザイン 【平成20年 第10問】(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 画面デザインとは、家電や各種情報機器等の表示部に表示される画像のデザインのことをいうが、意匠法では、( A )と密接な関係にある画面のデザインについて機器に表された状態で物品を構成する要素として保護の対象としている。具体的には、携帯電話機、デジタルカメラ、カーナビ、炊飯器、掃除機、複写機等において、( B )に用いられる画像や、その画像がなければ機器として成り立たないような画像が保護の対象となる。

 しかし、意匠法は物品の( C )、模様若しくは色彩又はこれらの( D )を保護の対象としており、物品ごとに意匠が成立し、物品を離れて意匠は存在しないものである。

(設問2)

 画面デザインに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 画面デザインの意匠でも部分意匠の登録出願をすることができる。

イ グラフィカルユーザインタフェース(GUI)のソフトウェアによって表示される画像は、特定の物品と結び付きがないので、画面デザインとして保護の対象とはならない。

ウ ゲームを行っている状態の画面は、ゲーム機そのものの制御や設定を行う操作のための画面ではないので、画面デザインとして保護の対象とはならない。

エ ビデオディスクプレーヤーの録画のための画面デザインを、自社のカーナビの目的地設定の画面デザインとして使用する場合、どちらか一方の物品で意匠の登録をしておけば、両物品共保護される。

 ソフトウェアは、GUIソフトウェアによって表示される画像を含めて、特定の物品に結び付くものではありません。意匠法では、画面デザインを物品の部分として保護しています。従って、特定の物品に結び付かない、物品の部分として認められないソフトウェアは、画面デザインとして保護の対象とはなりません。

 意匠法によると、画面デザインについては「当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。」としています。

 ゲーム機でゲームを始める前には、制御や設定といった操作を行います。この制御や設定といった操作は、ゲーム機が「その機能を発揮できる状態にする」ための操作となるため、意匠法における保護対象の画面デザインとなります。一方、ゲームを行っている状態の画面は、ゲーム機が「その機能を発揮している状態」となるため、意匠法における保護対象の画面デザインには該当しません。

 ビデオディスクプレーヤーとカーナビは、その用途や機能が異なるため、同じ物品とは認められません。画面デザインが同じであっても、異なる物品で表示する場合は、それぞれの物品ごとに意匠を登録する必要があります。

意匠の類似 【平成30年 第8問】

 意匠制度における「意匠の類似」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 出願前に頒布された刊行物に記載された意匠に類似する意匠は、登録を受けることができない。

イ 類似の意匠について同日に2 以上の意匠登録出願があり、意匠登録出願人間で行われる協議が成立しなかった場合は、特許庁長官が行う公正な方法によるくじにより定めた一の意匠登録出願人のみが意匠登録を受けることができる。

ウ 意匠権者は、業として登録意匠の実施をする権利を専有するが、これに類似する意匠についてはそれを実施する権利を専有しない。

エ 意匠登録を受けようとする関連意匠にのみ類似する意匠についても関連意匠として意匠登録を受けることができる。

出願前に頒布された刊行物に記載された意匠は新規性を喪失しています。そして、新規性を喪失した意匠と類似する意匠も登録を受けられません。

意匠法では、出願人の協議によりどちらが意匠登録を受けるかを決めるとしています。ここで協議が整わなかったり、そもそも協議ができなかった場合には、誰も意匠登録を受けることはできません。なお、商標法では選択肢にあるようなくじ引きが実施されます。

意匠法では意匠権の効力を類似の範囲にまで拡大しています。したがって、意匠権者は登録意匠に類似する意匠についても業として実施する権利を専有します。

関連意匠制度は先願主義の例外として、先願である本意匠と類似する関連意匠の登録を認めるというものです。

関連意匠にのみ類似する意匠は、その関連意匠を本意匠とする関連意匠として意匠登録を受けることができます。

意匠権の特徴 【平成25年 第10問】

 意匠権に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア Aは組物の意匠として一組の飲食用ナイフ、スプーン及びフォークのセットの意匠登録を受けた。Aの当該意匠権の効力は、ナイフのみの意匠には及ばない。

イ 意匠権の効力は、商標権の効力とは異なり、登録意匠に類似する意匠には及ばない。

ウ 関連意匠の意匠権の存続期間は、関連意匠の意匠権の設定の登録の日から 20年をもって終了する。

エ 業として登録意匠に係る物品を輸出する行為は、意匠権の侵害とはならない。

組物意匠制度は、複数の物品、建築物又は画像をセットにして組物意匠として登録できる制度です。構成物品ごとに保護したい場合には、個々の物品ごとに意匠登録をする必要があります。

意匠権の場合は、同じ意匠だけでなく、類似する意匠にも効力が及びます。

関連意匠制度は、ある意匠に類似する意匠も合わせて登録できる制度です。関連意匠制度では、元の意匠である本意匠に類似する関連意匠を意匠登録できます。関連意匠の意匠権の存続期間は、本意匠の出願日から25年となります。

意匠法では、「この法律で意匠について「実施」とは、意匠に係る物品を製造し、使用し、譲渡し、貸し渡し、輸出し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。以下同じ。)をする行為をいう。」と記載されています。そのため、登録意匠にかかる物品を輸出する行為は、意匠権者から許諾を受けていなければ、意匠権の侵害となりえます。

意匠登録制度 【平成27年 第12問】

 意匠登録制度に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 関連意匠制度とは、本意匠及び関連意匠に類似する意匠について意匠登録を受けることができる制度である。

イ 組物意匠制度とは、セットで販売される物品であって、組物全体として統一感があるものについて一意匠として意匠登録を受けることができる制度である。

ウ 部分意匠制度とは、物品の部分に関する意匠について意匠登録を受けることができる制度である。

エ 秘密意匠制度とは、意匠権の設定の登録の日から5年以内の期間に限り、意匠を秘密にすることを請求することができる制度である。

組物意匠制度は、必ずしもセットで販売される物品である必要はありません。

部分意匠制度は、物品の一部分についての意匠を登録できる制度です。

秘密意匠制度は、登録日から最大3年間、意匠を公開せずに秘密にしておくことのできる制度です。

関連意匠にのみ類似する意匠は、その関連意匠を本意匠とする関連意匠として意匠登録を受けることができます。

組物意匠制度は、複数の物品、建築物又は画像をセットにして組物意匠として登録できる制度です。

意匠法には、経済産業省令で定めるものを構成する物品、建築物又は画像に関して、組物全体として統一があるときは、一意匠として意匠登録を受けることができると記載されています。

秘密意匠制度 【平成28年 第9問】

 意匠法に規定される秘密意匠制度は、意匠登録出願人が、意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる制度である(意匠法第14条)。これは、先願により意匠権を確保しておく必要があるものの、直ちに当該意匠の実施を行わない場合に意匠公報が発行されることによる第三者の模倣を防止しようとする趣旨によるものである。

 このような秘密意匠制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 甲は、出願公開された特許出願を意匠登録出願に変更した。この場合、当該変更出願に係る意匠はすでに新規性を失っている。したがって、これを秘密にすべき利益を失っているため、甲は、その意匠登録出願について秘密にすることを請求することができない。

イ 乙は、本意匠Aとそれに類似する関連意匠Bを同日に意匠登録出願した。この意匠登録出願の際、乙は、Aのみを秘密にすることを請求していた。この場合、その期間が経過するまで、Bについても秘密にすべき利益を保護する必要が生じる。したがって、Bに係る意匠登録出願の願書に添付した図面の内容が意匠公報に掲載されることはない。

ウ 丙は、意匠登録出願前に意匠が記載されたカタログを重要顧客に頒布した場合であっても、その意匠を秘密にすることを請求することができる。

エ 丁は、パリ条約の同盟国において意匠登録出願をした。その意匠が公報に掲載された後に、丁が日本国においてこの意匠登録出願に基づきパリ条約による優先権主張を伴う意匠登録出願をするときは、既に当該意匠を秘密にすべき利益を失っている。したがって、丁は、その意匠を秘密にすることを請求することができない。

特許法の出願公開によって公知となった場合でも、秘密意匠制度が利用できないとの規定はありません。

秘密意匠制度によって保護されるのは、あくまで秘密意匠とする請求を行った意匠に限定されます。

秘密保持契約を結ばずに顧客にパンフレット等を配布して意匠が公知となった場合、新規性を喪失したとして、登録が認められない可能性があります。ただし、あくまで登録に関する新規性の判断であり、秘密意匠制度を利用する(つまり、秘密意匠にする請求を行う)ことは可能です。また、意匠法には新規性喪失の例外規定があり、出願人の行為で公知となった場合、必要な手続きを行うことで、新規性を失わないように扱う例外規定を受けられることがあります。

外国の出願公開によって公知になった場合でも、秘密意匠制度の利用はできないとの規定はありません。

特許権、意匠権、商標権 【平成23年 第7問】

 特許・意匠登録・商標登録制度に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 意匠登録出願人は、特許出願人と異なり、意匠権設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にするよう請求することができる。

イ 特許権の存続期間の始期は、意匠権及び商標権と同様に設定登録の日から起算される点で共通し、設定登録の日から20 年をもって終了する。

ウ 特許出願は、意匠登録出願及び商標登録出願と異なり、出願審査の請求を待って審査官により特許を受けることができる発明であるかについて審査が行われる。

エ 特許出願は、意匠登録出願と異なり、特許出願の日から1年6月を経過したときは特許掲載公報の発行したものを除き、願書に記載した事項及び願書に添付した明細書等に記載した事項並びに図面の内容等が出願公開される。

特許権の存続期間は、登録によって権利が発生し、終了は「出願日」から20 年となっています。一方、意匠権の存続期間は出願日から25 、商標権の存続期間は登録日から10 年と「登録日」が権利終了に係る起算日となっています。

特許権は、取得するためには実体審査を受ける必要があります。実体審査は、審査請求をすることで開始されます。審査請求は、出願日から3年以内に行う必要があり、3 年間審査請求が無かった場合は、出願は取り下げになります。

 一方、意匠権、商標権の場合は、審査請求は必要なく、方式審査を通過すると自動的に実体審査が行われます。

特許出願は、方式審査が終了し、出願日から1年6ヶ月が経つと、出願公開となります。出願公開とは、出願した発明の内容が、特許庁の発行する「特許公報」に掲載されることです。一方、意匠法には出願公開制度はありません。

商標の要件 【平成29年 第10問】

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社の代表取締役甲氏との間で行われたものである。

 会話の中の空欄に入る語句として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

甲 氏:「立体商標というものがあると聞きました。うちの商品の容器の形状は他社とは違う独特の形をしていますから、登録を受けられると思うのですが。」

あなた:「通常の商標は、識別性を有していれば登録される可能性があり、これは通常の立体商標も同じです。しかし、商標法は『商品の形状(包装の形状を含む)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標』については、原則として登録を認めないと規定しているので、商品の容器の形状自体を立体商標として登録するのはハードルが高いようです。」

甲 氏:「しかし、ある清涼飲料水や乳酸菌飲料の容器の形状は立体商標として登録されている、と新聞で読みましたよ。」

あなた:「そのようですね。(    )と認められれば、例外的に登録が認められるようです。おつきあいのある弁理士に相談してみたらどうでしょう。」

甲 氏:「なるほど。それでは、早速担当部署に対応を取らせましょう。」

〔解答群〕

ア 容器の形状等が創作性を有し、需要者が何人かの業務に係る商品であると認識できるに至った

イ 容器の形状等が創作性を有し、同業者が何人かの業務に係る商品であると認識できるに至った

ウ 容器を使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であると認識できるに至った

エ 容器を使用した結果、同業者が何人かの業務に係る商品であると認識できるに至った

識別力があることを証明できれば商標登録を受けることができます。これを「使用による特別顕著性の発生」といい、「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」については、商標登録を受けることができると規定されています。

商標法は、創作性の有無ではなく、使用を重視した法律です。

 なお、使用により特別顕著性が発生した場合であっても、商品等(商品若しくは商品の包装又は役務をいう。)が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標は登録を受けることができません。政令で定めるものには立体的形状が掲げられているため、本問の容器の形状が立体商標として商標登録を受けるためには、使用により特別顕著性が発生したことを証明することに加えて、その立体的形状が当然に備える特徴でないことが必要となります。

商標登録 【平成22年 第10問改題】

 商標登録を受けることができる商標に関する記述として、最も適切なものはどれ

か。

ア 種苗法第18条第1項の規定による品種登録を受けた品種の名称と類似の商標であって、その品種の種苗に類似する商品について使用するものは、品種登録の期間が経過したときには、品種登録を受けたものに限って商標登録を受けることができる。

イ 商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標と同一の商標であって、その商標登録に係る指定商品に類似する商品について使用するものは、その他人が当該商標を商標登録することに承諾している場合には、商標登録を受けることができる。

ウ 商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標に類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品に類似する商品について使用するものは、その商標登録出願後に他人の商標権が消滅して消滅後1年を経過した後でなければ、当該商標について商標登録を受けることができない。

エ 他人の著名な芸名と同一の商標について商標登録出願をした場合には、その他人が当該商標の商標登録を承諾しているときには他人の人格権の保護が図られていることから、商標登録を受けることができる。


商標法では、種苗法に基づいて品種登録を受けた品種の名称について、それと類似した商標を、その品種の種苗に類似する商品に使用するものは、不登録事由とされています。

種苗法で品種登録を受けた品種の名称については、その登録期間が経過した後は、普通名称化するとされています。そのため、その品種名を商標登録することはできないと解されています。

商標登録無効審判や商標権の放棄などにより他人の商標権が消滅すれば、1年を経過していなくとも商標登録を受けることができます。

商標法では、他人の著名な芸名と同一の商標については不登録事由となっています。ただし、商標法では、その他人の承諾を得ているものは登録可能と定めています。

商標権の効力 【平成24年 第7問】

 商標権の効力に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 指定商品「菓子」についての登録商標「恋人」の商標権者は、「菓子」と「パン」は相互に類似する商品と見なされているとしても、他人に「パン」について登録商標「恋人」を使用する権利を許諾することはできない。

イ 他人の商品「おもちゃ」に係る商標「スター」についての商標登録出願前から、商標「スター」を周知性を得られないまま善意で商品「おもちゃ」について使用していた者は、たとえその商標登録出願が商標登録された後でも商標「スター」を商品「おもちゃ」について継続的に使用することができる。

ウ 他人の著名な漫画の主人公の図柄について商標登録した場合でも、商標権者は、他人の承諾を受けることなく、漫画の主人公の図柄から成る登録商標をいずれの指定商品についても使用することができる。

エ 他人の登録商標と同一であっても、自己の氏名であれば、商標として使用することができる。

禁止権の範囲については他人の使用を制限できるだけですので、使用許諾をすることはできません。

他人の商標登録出願前から商標の使用をしていた者の継続使用を認める要件はいくつかあり、①日本国内で使用していること、②不正競争の目的でないこと、③他人の商標登録出願の際現に自身の商標が自己の業務に係る商品・役務を表示するものとして周知であることが挙げられます。

自己の肖像や自己の氏名等を普通に用いられる方法で表示する場合には商標権の効力が及びません。ただし、商標権の設定登録後に不正競争の目的でする場合は除かれます。


商標権 【平成19年 第6問】

 Y市で古くから製麺業を営むA製麺所は、4年ほど前からその材料と製法に工夫を凝らした生麺を「○○○」という商品名で売り出し、A製麺所の店先や、Y市のスーパーで販売をしていたが、商標「○○○」については商標登録出願をしていなかった。A製麺所の生麺「○○○」は、今年に入って、ようやくY市でも味と食感に優れたおいしい生麺として人に知られるところとなり、売れ行きも好調になってきていた。

 そのような矢先突然、株式会社B製麺所(以下、「B製麺所」という。)というところから、A製麺所のものと同じ商標「○○○」で商品区分・第30類について商標権を取得したので、A製麺所の商標「○○○」の使用を直ちに中止して欲しい旨の内容証明が送られてきた。

 そこで、A製麺所から相談を受けたあなたが商標公報を見たところ、確かにB製麺所は生麺、生そばを含む商品区分・第30類について商標「○○○」について商標権を取得しているが、出願日はA製麺所が生麺を商標「○○○」で売り出した日から2年後であることが判明した。

 A製麺所に対するアドバイスとして最も適切なものはどれか。

ア A製麺所が、商標「○○○」をB製麺所の登録出願日よりも先に使用を開始していたといっても、わが国は先願主義によっており、先に出願され、商標権が取得された以上、B製麺所の登録商標と同一のA製麺所の商標使用は中止せざるを得ないと思います。

イ A製麺所の商標「○○○」を付した生麺は、味と食感に優れているということで、今ではY市で知られた存在となっていることから、周知商標として保護され、そのまま使用できるはずです。

ウ A製麺所は、B製麺所の商標登録出願日よりも前に商標「○○○」の使用を開始していたのですから、B製麺所の登録商標「○○○」は当然無効であるので、商標登録無効審判を提起できるはずです。

エ A製麺所は、B製麺所の商標登録出願日よりも前に商標「○○○」の使用を開始していたのである以上、当然使用する権利があるはずですから、その旨の回答をしたらよいでしょう。

周知商標とは「自己の業務に係る商品または役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標」を言い、一般的には隣接都道府県程度の範囲内で知られている商標を指します。

商標の使用 【平成24年 第11問】

 商標の使用に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 家庭用テレビゲーム機用プログラムを記憶させたCD-ROM に標章を付して販売する行為は、役務についての商標の使用にあたる。

イ 商標は、業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用するものであるため、商品の生産準備中に、使用予定の商標を雑誌などに広告することは商標の使用にあたらない。

ウ 電気通信回線を通じて提供されるダウンロード可能な「電子出版物」のデータに標章を付して販売する行為は、商品についての商標の使用にあたる。

エ 標章を付した商品をわが国から輸出する行為は、その商品は輸出先国での販売が予定されているので、わが国での商標の使用にあたらない。

商標法には、「商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する」と記載されています。使用というのは、商品や商品の包装に標章を付ける行為や、標章が付いた商品の譲渡、展示、輸出、輸入のほか、電気通信回線を通じて提供する行為などを含みます。役務商標の場合は、役務を提供するために必要な物に標章を付けることを含みます。また、商品や役務に関する広告、価格表などに標章を付けて展示、頒布したり、広告、価格表などを内容とする情報に標章を付けて電磁的方法により提供する行為も使用に含むとされています。

  家庭用テレビゲーム機用プログラムを記憶させたCD-ROMは、役務ではなくて商品となります。

標章が付いた商品を、電気通信回線を通じて提供する行為は、商標の使用に含むとされています。

商標が付いた商品を輸出する行為は商標の使用に含むとされています。

商標権の制度 【平成20年 第9問】

 中小企業診断士のあなたは、地方都市の野菜の卸会社であるE株式会社を訪問した際に、そこの社長との間で次のような会話を交わした。この会話の中の空欄A~Dに入るものとして、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。

 社長:「うちの会社で取り扱っている、この地域の地名○○に野菜の普通名称▽▽を組み合わせてこれを商品「○○▽▽」とする野菜▽▽は、この地域の特産品ですが、2~3年前から隣接他県でも知られるところとなり、引き合いも多く、取扱高も増えています。ところが、人気が出てきたせいか、最近この地域以外で生産された野菜▽▽にまで○○の地名を付けて「○○▽▽」の商品名で出荷されてくるようになってきています。この地域の活性化を図る旗振り役を務めている私としては、これ以上他地域で生産された野菜▽▽に、この地域の地名○○を組み合わせた「○○▽▽」の商標が使用されないようにするために、何とかしたいと考えていますが、何か方法はありませんか。ほら、何とかという地域ブランドの登録制度があると聞いていますが。」

 あなた:「それは( A )のことではないかと思います。確か平成18 年の4月から登録が認められるようになっています。」

 社長:「そうそう、それそれ、それってうちの会社でも出願することができるのですかね。会社でだめならば私個人でも構いませんが‥‥。」

 あなた:「いや、この( A )も( B )ですから、確か株式会社ではだめだと思いますよ。社長個人でもだめだと思います。」

 社長:「それでは一体誰が登録出願をすればよいのですか。」

 あなた:「この場合は、この地域の( C )が最適と考えます。」

 社長:「あ、そう、なるほどね。それではこの地域の( C )には私の幼なじみがいるので、早速話をしてみましょう。その他に、この( A )を取得するのに必要なことはありませんか。」

 あなた:「そうですね。この野菜▽▽の商品名「○○▽▽」は隣接他県にも知られているようですが、ただ出願しただけでは足らず、必ず( D )を証明する資料が必要のようです。詳しくは私の友人である弁理士を紹介いたしますので、相談してみてください。」

[解答群]

ア A:地域団体商標

イ B:団体商標

ウ C:農業協同組合

エ D:著名性

地域団体商標制度は、地域名に商品の普通名称を組み合わせた商標を登録できる制度です。

地域団体商標の登録には、全国的な知名度は必要ありませんが、隣接する都道府県程度に及ぶ周知性は必要になります。

地域団体商標 【平成25年 第9問】

 地域団体商標に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 地域団体商標に係る商標権者は、その商標権について、「地域団体商標に係る商標権を有する組合等の構成員」 (地域団体構成員)以外の他人に専用使用権を許諾することができる。

イ 地域団体商標に係る商標権は譲渡することができる。

ウ 「地域団体商標に係る商標権を有する組合等の構成員」 (地域団体構成員)は、当該地域団体商標に係る登録商標の使用をする権利を移転することができない。

エ 地域の名称のみからなる商標も、地域団体商標として登録を受けることができる。

地域団体商標の商標権には専用使用権の設定はできません。これは、「地域団体商標に係る商標権を有する組合等の構成員」(地域団体構成員)以外の者に専用使用権を設定すると、地域団体構成員がその商標を使えなくなってしまうためです。

 地域団体商標の商標権は、譲渡することができません。これは、譲渡を許すと地域団体商標の商標登録出願人を一定の者に制限した趣旨に反することとなるためです。

登録商標の使用をする権利は、地域団体構成員に認められている権利です。よって、使用する権利についても移転することはできません。

地域の名称だけでは、地域団体商標として登録することはできません。

著作権と不正競争防止法

問題 1 著作権 【平成18年 第6問改題】(設問1)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 著作物は、思想又は感情を( A )に表現したもので、著作権は( B )の時に発生し、個人の著作権は( C )の経過によって消滅する。著作者には、著作者人格権が認められており、この著作者人格権には( D )が認められており、著作権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対して、その( E )を請求することができる。

(設問1)

文中の空欄Aに入る語として、最も適切なものはどれか。

ア 技術的

イ 創作的

ウ 独創的

エ 美的

著作権は、創作と同時に著作者に対して発生します。

著作権の存続期間は、個人の場合、原則は著作者の生存中および死後70年となっています。 なお、著作者名を表示しない無名または変名(本名以外)で公表した著作物の存続期間は、公表後70年となります。また、法人が権利を持つ、法人名義の著作物の存続期間も、公表後70年となります。

著作者人格権には、公表権、氏名表示権、同一性保持権が含まれています。

著作権を侵害するおそれがある者に対しては、その予防を請求することができます。また、実際に著作権が侵害された場合は、最初に警告を行い、その後に必要に応じて、差止請求、損害賠償請求、不当利得返還請求、名誉回復措置請求、刑事告訴を行うことが出来ます。

著作権侵害の対応 【平成20年 第11問】

 A株式会社(以下「A社」という。)は、B株式会社(以下「B社」という。)から、携帯電話上に表示されるB社ホームページのサイト運営に使用する目的で、ソフトウェアに関する開発業務の委託を受け、新規にプログラミングをしたソフトウェアXを2000 年12 月15 日にB社に納入し、その代金を受領した。

 しかし、B社がA社に無断で、このXをB社ホームページのサイトから切り離して、パソコン上でも利用できるように改変したソフトウェアYを2007 年12 月から製造し、これをコピーして一般消費者に販売しているという事実が、最近、判明した。

 A社・B社いずれにも、すでに開発業務委託を受けた当時の詳細を知るものはおらず、開発業務委託契約についての書面も、2000 年6月1日付けのB社からの簡単な発注書以外には残っていない。当時発注書には「使途:B社ホームページのサイト運営」との記載がある。

 この場合、A社が取りうる手段について最も適切なものはどれか。

ア A社がXについて有する著作権のひとつである翻案権を根拠に、B社に対してYの販売差し止めの請求をする。

イ A社がYについて有する著作権のひとつである複製権を根拠に、B社に対して損害賠償の請求をする。

ウ B社の秘密情報に関する秘密保護義務違反という債務不履行を根拠に、B社に対して損害賠償の請求をする。

エ ソフトウェアの開発委託については、著作権法の規定により、その著作権が発注者(この場合はB社)に帰属することとされているので、B社に対してなんら請求することはできない。

翻訳権・翻案権等とは、著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、その他翻案などをすることによって、二次的著作物を創作するための権利です。本問のようなソフトウェアの改変は、翻案に該当します。

 著作権法では、著作権を譲渡する契約において、翻案権が譲渡の目的である旨が記載されていないときは、譲渡した者に留保されたものと推定すると規定されています。つまり、設問では、開発業務委託契約についての書面が、簡単な発注書以外には残っていないような状況であるため、A社が有するXの翻案権はA社に留保されていると考えられます。従って、ソフトウェアXを改変してソフトウェアYを作ることは、A社の翻案権を侵害することになります。

著作権法上、複製権については、翻案権のようにA社に留保されると推定するような規定はありません。そのため、A社がB社に複製権侵害を主張しても、根拠に乏しいため、損害賠償の請求は困難です。

 著作権法上には、ソフトウェア開発委託における著作権が、発注者に帰属するといった規定はありません。


知的財産権の保護 【平成18年 第8問】

 ケーキ、チョコレートの専門店Xを経営するパティシエ(菓子作り専門の職人)甲は、生クリームとチョコレートとフルーツを用い、スポンジケーキの上にデコレートして『女性の憧れ』をイメージするモチーフを創作し、図案化した。このモチーフをチョコレートケーキに具現化するには、機械を用いて製作できるものではなく、人手によらなければできないものであるため、パティシエ甲は、この自ら創作したモチーフに基づいてチョコレートケーキaを1つ1つすべて手作りで製作し、バレンタインデー(2月14 日)に販売することにした。

 そこで、パティシエ甲は、チョコレートケーキaが素晴らしいデザインに仕上がっており、このまま販売すると他のパティシエに模倣される恐れがあるので、自分が職人技で作り上げたチョコレートケーキaのデザインを何とか保護したいと考えた。

 そこで、あなたは、パティシエ甲から、このデザインの保護はどのようにして受けられるのか相談を受けた。この相談に対するあなたのアドバイスとして最も適切なものはどれか。

ア チョコレートケーキaのデザインは、『女性の憧れ』をイメージするモチーフとして図案化したものの著作物に該当し、著作権法で保護を受けることができます。

イ チョコレートケーキaのデザインは、パティシエ甲が手作りによって製作したチョコレートケーキa(物品)の形状に特徴を有するものですから、物品の形状の意匠に該当し、意匠法で保護を受けることができます。

ウ チョコレートケーキaのデザインは、パティシエ甲が独自の製作技術を駆使して考案したもので独創性を有しており、物品(チョコレートケーキa)の形状に係る考案に該当し、実用新案法で保護を受けることができます。

エ チョコレートケーキaのデザインは、パティシエ甲が独特の手順(方法)に基づいて製作することによって完成するものですから、パティシエ甲の独特の製作手順が物(チョコレートケーキa)を製造する方法の発明に該当し、特許法で保護を受けることができます。

チョコレートケーキaのデザインが図案化され、鑑賞の対象として純粋美術と同視しうる程度のものであれば著作物に該当する可能性があります。本肢では、「デザインは『女性の憧れ』をイメージするモチーフとして図案化したもの」といった記述から、この点を肯定的に捉えたい意図が見えます。また、後述するように他の選択肢を検討すると消去法的に選択肢アを適切と判断せざるをえません。

 
意匠法で保護される意匠は、「工業上利用できる」必要があり、これは工業的に反復して量産できるものであることを要件とします。

 実用新案法では、考案は「自然法則を利用した技術的思想の創作」と定義されています。また、考案は「物品の形状、構造または組み合わせに係る」ものに限定されています。

 チョコレートケーキそのものは考案となる可能性もあり、必ずしも実用新案法で保護されないとも言い切れません。しかし、本問で保護したいのは「チョコレートケーキのデザイン」であり、これが「自然法則を利用した技術的思想の創作」といえるかは疑問があります。

特許法によれば、発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されています。

不正競争防止法(商品形態模倣行為) 【平成23年 第10問】

 次の文章は、不正競争防止法の解説である。空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 不正競争防止法第2条第1項第3号は、商品の形態を模倣から保護する規定である。その形態が意匠法における登録の要件を( A )。ただし、その形態が( B )形態である場合には、保護を受けることができない。また、保護を受けることができる期間は、最初の( C )の日から( D )である。

[解答群]

ア A:満たさなくてもよい  B:商品の通常有する C:販売 D:3年間

イ A:満たさなくてもよい  B:新規性のない   C:製造 D:3年間

ウ A:満たす必要がある  B:商品の通常有する C:販売 D:5年間

エ A:満たす必要がある  B:新規性のない   C:製造 D:5年間

不正競争防止法では、権利の登録とは関係なく、不正競争行為を禁止したり、対抗措置を取ることが可能です。商品の形態を模倣から保護する際も、意匠法における登録の要件を満たす必要はありません。

 不正競争防止法によって、商品形態模倣行為から保護される期間は、最初に販売した日から3年です。

不正競争防止法(営業秘密不正行為) 【平成19年 第11問】(設問1)

 企業甲は、社長乙氏が代表取締役となり設立された携帯電話用のソフトウェアのプログラムを開発する株式会社であり、開発部門の部長丙氏を含む20名の従業員が就業している。

 社長乙氏が中小企業診断士のあなたに、従業員にかかわる企業甲の営業秘密の保護の仕方について相談している。

 下記の設問に答えよ。

 社長乙:「うちの営業を担当していた従業員が辞めるらしくてね。うちでもそろそろ、企業秘密について何か対策を取らなくてはならないと考えているところなんだ。この従業員からは辞めるに際して、守秘義務をうたった誓約書を取ったら十分かな。」

 あなた:「もちろん、誓約書はあった方がいいですね。でも、誓約書を退職時に取るだけでは不十分ですよ。就業中から秘密情報は企業の重要な財産の一つとして守っていくべきですから、御社で企業秘密としたいものを、ちゃんと、法律によって保護される「営業秘密」という形にした方がよいと思いますよ。」

 社長乙:「営業秘密管理などといわれているものですか。マル秘マークを付けて、文書を保存したりするんでしょう。うちでも、重要な文書については「CONFIDENTIAL」というハンコを押してますよ。でも、実のところ、我が社の場合、一番重要な情報はプログラムなどのデジタルデータでしょう。パソコンの中に入っているものまでは、ハンコは押せなくて…。」

 あなた:「ハンコを押すかどうかということは、営業秘密であることを示す一つの事情にすぎないんです。「営業秘密」と認められる情報といえるためには、もっとたくさんのことをする必要があります。判例や経済産業省による指針などで示されている3要件を満たさなければなりません。」

 社長乙:「何ですか。それは。」

 あなた:「( A )、( B )、( C )の3つになります。」

 社長乙:「最初は( A )ですか。それは当然ではないですか。」

 あなた:「そうですが、実はこの点が認められないために、営業秘密には該当しないとして、情報漏洩(ろうえい)された会社側が負けている判決が結構多いんですよ。」

 社長乙:「判決っていうぐらいだと、会社の方は、当然、営業秘密になるんだと思って訴えているんでしょう。( A )について詳しく教えてもらいたいですね。」

 あなた:「まず、( A )があると認められるためには、さらに( D )と( E )という要件が要求されています。先ほどのハンコの話は、文書情報に接した者にそれが秘密であると認識できるようになっているので、文書については( E )の要件を満たすということがいえますね。ただ、御社は、デジタルデータについては何もしていないということになるかもしれません。」

 社長乙:「どうすればよいですか。」

 あなた:「まず、情報に接することのできる人を制限するなど、( D )の要件を満たすことができるような社内体制を整えること、それについてマニュアルを作成し、社内で周知徹底することなど、物理的管理や技術的管理を行い、これと並行して人的管理を行います。具体的には、就業規則で明示して、従業員や新入社員から秘密保持誓約書を取りつける。そのほか、従業員教育を行い、それぞれの責務を明確にすることです。」

 社長乙:「営業秘密とすべき情報自体は、どのようなものでなければならないのですか。」

 あなた:「( B )の要件があります。情報自体が、客観的に事業活動に利用されていたり、利用されることによって、経費の節減、経営効率の改善等に役立つものでなければなりません。御社で開発したプログラムはもちろん、営業活動に資する顧客情報なども含まれることがあります。」

 社長乙:「そういうものを、営業秘密として他の雑多な情報と区別して管理しなければいけないということですね。」

 あなた:「そのとおりです。最後に( C )という要件も満たしていなければなりません。これも、秘密というくらいですから一般に入手できない情報であることが必要となります。当たり前といえば、当たり前ですね。」

 社長乙:「いろいろ大変そうですけど、情報は我が社の生命線ですから、早速、取りかからないといけないですね。」

(設問1)

 文中の下線部の法律においては、営業秘密の定義およびこれに関連して損害賠償請求や刑事罰などの規定がある。この法律の名称として最も適切なものはどれか。

ア 個人情報の保護に関する法律

イ 商法

ウ 不正アクセス行為の禁止等に関する法律

エ 不正競争防止法


営業秘密について定義をし、これに関連して損害賠償請求や刑事罰などの規定があるのは、不正競争防止法です。

 不正競争防止法では、「「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」と規定しています。他人の不正競争行為によって、自社の利益が侵害された場合には、損害賠償請求や刑事告訴を行うことができます。

不正競争防止法で規定された「営業秘密」というのは、秘密として管理されている秘密管理性、有用な情報である有用性、公然と知られていない非公知性を満たすものを表します。

 秘密管理性については、施錠やパスワードなどによる「アクセス制限の存在」と、秘密情報である旨が表示されているなどの「客観的認識可能性の存在」が必要とされています。

 一般に公表されている取引先の企業名やその住所については、「非公知性」には該当しません。しかし、公表されている情報が、その他の情報と一体となって管理されている場合で、その他の情報に有用性や秘密管理性が認められるのであれば、営業秘密として保護されると考えられます。

 部長丙氏自らが職務上創作した情報であっても、アクセス制限の存在の要件を満たし、営業秘密として管理されているのであれば、第三者に開示することはできません。

 デジタルデータは、設問文のようなアクセス制御を設けることで、そのデータが秘密として管理されていることが客観的に認識できるのであれば、「客観的認識可能性の存在」の要件を満たしていると言えます。

不正競争防止法(商品等表示) 【平成24年 第10問】

 不正競争防止法の不正競争に該当する商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 外国でのみ著名な商品等表示の使用を第三者に許諾している甲は、その商品等表示と類似の商品等表示である標章を付した商品を譲渡して、当該第三者の商品と混同を生じさせる行為を行った乙に対して、その標章を付した商品の引き渡し及び損害賠償を請求することができる。

イ 関西地方の需要者の間に広く認識されている商品等表示の使用を第三者に許諾している甲は、その商品等表示と同一の商品等表示である標章を付した商品を譲渡して、当該第三者の商品と混同を生じるおそれがある行為を行った乙に対して、その標章を付した商品の廃棄及び標章を製造する装置の除却を請求することができる。

ウ 関東地方の需要者の間に広く認識されている商品等表示を使用している甲は、その商品等表示と非類似の商品等表示である看板を使用した商品を譲渡した乙に対して、その看板の廃棄と謝罪広告を請求することができる。

エ 世界中の需要者に広く認識されている商品等表示を使用している甲は、その商品等表示と非類似の商品等表示である看板を使用して営業を行った乙に対して、不当利得の返還及びその看板の廃棄を請求することができる。

商品のネーミングではなく、パッケージのデザインや看板などを真似することで、消費者に他人の商品と混同を招いたような場合でも、不正競争行為となります。

「著名表示冒用行為」は、特に全国的に著名になった商品等表示に関するものです。この場合は、「混同を生じさせる」ではなく、使用すること自体が不正競争行為となります。

判例ではライセンス事業におけるライセンサーも、不正競争防止法の保護対象として認められています。

「周知表示混同惹起行為」とは、需要者に広く認知されている他人の商品等表示に関するものであり、これは一地方における認知でも良いとされています。選択肢イの場合、関西地方で広く認知されているため、「周知表示混同惹起行為」に該当します。

世界中の需要者に広く認識されている商品等表示と非類似の商品等表示に関する使用であり不正競争防止法の保護対象外となります。

不正競争防止法(適用除外) 【平成30年 第11問】

 不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 真正品が外国で最初に販売された日から3 年を経過すれば、不正競争法防止法第2条第1項第3号に規定する、いわゆるデッドコピー行為の規定は適用されない。

イ 不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する、いわゆる周知表示混同惹起行為において、商品の包装は「商品等表示」に含まれない。

ウ 不正競争防止法第2条第1項第2号に規定する、いわゆる著名表示冒用行為と認められるためには、他人の商品又は営業と混同を生じさせたか否かは問われない。

エ 不正競争防止法第2条第1項第4号乃至第9号に規定される営業秘密となるには、秘密管理性、独自性、有用性の3つの要件を満たすことが必要である。

不正競争防止法(適用除外) 【平成29年 第13問】

 不正競争に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 ア 他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものであっても、自己の氏名を使用する行為は不正競争になることはない。

 イ 他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものであっても、需要者の間に広く認識される前からその商品等表示と同一の商品等表示を使用する者がその商品等表示を使用する行為は不正競争になることはない。

 ウ 日本国内において最初に販売された日から起算して三年を経過した商品について、その商品の形態を模倣した商品を譲渡する行為は不正競争になることはない。

 エ 不正の手段により取得した技術上の秘密を使用する行為に対する差止請求権が時効によって消滅した後に当該使用行為に基づいて生じた物の譲渡行為は不正競争になることはない。

自己の氏名の使用であっても、不正の目的であれば不正競争になることがあります。

周知性獲得以前からの使用であっても、不正の目的であれば不正競争になることがあります。

商品形態模倣行為に関しては、日本国内において最初に販売された日から起算して3年を経過した商品について、その商品の形態を模倣した商品を譲渡する行為等を適用除外としています。したがって、本肢が商品形態模倣行為になることはありません。しかし、その商品の形態が商品等表示として需要者の間に広く認識されているものとなっていれば、周知表示混同惹起行為として不正競争になる可能性があります。

平成27年法改正により、不正に取得した技術上の秘密を利用して製造された物品を製造した者がその物を譲渡等する行為が不正競争と位置づけられました。そして、これに対応して、差止請求権が時効によって消滅した後にその営業秘密を使用する行為により生じた物を譲渡等する行為が適用除外となりました。

知的財産権の存続期間 【平成26年 第13問】(設問1)

 産業財産権(工業所有権)の存続期間に関する下記の設問に答えよ。

(設問1)

 次のa~dの各権利とその存続期間の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、法改正に伴う経過措置、存続期間の延長及び更新については考慮しないものとする。

[権利]

a 意匠権    b 実用新案権    c 特許権    d 商標権

[解答群]

ア  a:出願日から20年  b:出願日から10年  c:登録日から10年  d:登録日から10年

イ  a:登録日から10年  b:出願日から6 年  c:出願日から20年  d:出願日から10年

ウ  a:登録日から15年  b:登録日から10年  c:登録日から20年  d:出願日から10年

エ  a:登録日から20年  b:出願日から10年  c:出願日から20年  d:登録日から10年

特許権の存続期間は、登録によって権利が発生し、終了は出願日から20年となっています。

 実用新案権の存続期間の終期は、出願日から10年となっています。

 意匠権の存続期間は、出願日から25年となっています。

 商標権の存続期間は、登録日から10年となっています。

知的財産権の存続期間 【平成26年 第13問】(設問2)

 産業財産権(工業所有権)の存続期間に関する下記の設問に答えよ。

(設問2)

 産業財産権のうち、(1)存続期間の更新登録制度があるもの、(2)存続期間の延長登録制度があるものの組み合わせとして最も適切なものはどれか。

ア  (1):意匠権  (2):特許権

イ  (1):実用新案権  (2):意匠権

ウ  (1):商標権  (2):特許権

エ  (1):特許権  (2):意匠権

特許権では存続期間の終期は出願の日から20年と定められていますが、医薬品や農薬などの分野に限って、一定の要件を満たせば最長5年間まで存続期間を延長することができます。これは、安全性の規定を満たすための治験や許認可などに相応の期間を要するため、発明の実施が長期間できない場合があるためです。

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