経営法務 特許権と実用新案権 意匠権と商標権

特許権 【令和元年 第13問】

 特許権に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 他人の特許権又は専用実施権を侵害しても、その侵害の行為について過失があったものと推定されない。×
  2. 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得なければ、特許発明の実施をすることができない。×
  3. 特許権について専用実施権を設定した場合には、特許権者は専用実施権者が専有する範囲について業として特許発明の実施をすることができない。〇
  4. 特許権の存続期間は、登録の日から20年をもって終了する。×

特許権(職務発明2) 【平成28年 第7問】

 以下の文章は、特許法等の一部を改正する法律(平成27年7月10日法律第55号)のうち、主に職務発明に関するものである。

 文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 グローバル競争が激化する中、わが国のイノベーションを促進するためには、研究者の研究開発活動に対するインセンティブの確保と、企業の競争力強化を共に実現するための環境整備が重要である。このような事情に鑑み、知的財産の適切な保護及び活用を実現するための制度を整備し、わが国のイノベーションを促進することを目的として、まず、職務発明制度の見直し、次に、特許料等の改定、さらには、(A)及び商標に関するシンガポール条約の実施のための規定の整備を行うこととした。

 なお、従来の職務発明制度の柱は、まず、特許を受ける権利は(B)に帰属し、(C)が特許出願をするには、その権利を譲り受ける形となる点、及び、(B)は、特許を受ける権利を(C)に承継させた場合、その対価を請求することができる(いわゆる「対価請求権」)というものであった。

 また、従来の職務発明制度では、異なる(C)における共同発明者甲及び乙が存在する場合、(C)が、自社の発明者(甲)から特許を受ける権利を承継する場合、他社の発明者(乙)の同意も得る必要があるため、権利の承継に係る手続負担が課題となっていた。また、例えば共同研究の途中で、従業者(共同発明者)の人事異動が発生した場合は、再度、当該従業者から同意を取り直す等、権利の承継に係る手続がより複雑化していた。これらは、昨今共同研究の必要性が高まる中、企業のスピーディーな知財戦略実施の阻害要因のひとつとなっていた。

 そこで、特許を受ける権利を初めから(C)に帰属させることにより、この問題を解決することとした。

[解答群]

ア A:特許協力条約 B:使用者等 C:発明者

イ A:特許協力条約 B:発明者〇  C:使用者等〇

ウ A:特許法条約  B:使用者等 C:発明者

エ A:特許法条約?〇  B:発明者〇  C:使用者等〇

特許法条約(PLT)

特許権(効力) 【平成20年 第6問】(設問1)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 特許権も( A )であるから、特許発明を自由に使用し、収益、処分することができる。これを特許権の効力の1つとしての( B )という。そして、このことを特許法は第68 条で規定している。特許権のもう1 つの効力は( C )である。この( C )のなかには差止請求権、損害賠償請求権、侵害物廃棄請求権、不当利得返還請求権、( D )等がある。

(設問1)

 文中の空欄A~Dに入るものとして、最も不適切なものはどれか。

ア A:財産権〇

イ B:専用権×?〇

ウ C:排他権〇

エ D:特許権の取消請求権〇×

「特許権の取消請求権」は認められていません。なお、他者の特許の無効を主張する制度として、特許無効審判があります。特許無効審判は、利害関係人であればいつでも請求可能になっています。

特許権(効力) 【平成20年 第6問】(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 特許権も( A )であるから、特許発明を自由に使用し、収益、処分することができる。これを特許権の効力の1つとしての( B )という。そして、このことを特許法は第68 条で規定している。特許権のもう1 つの効力は( C )である。この( C )のなかには差止請求権、損害賠償請求権、侵害物廃棄請求権、不当利得返還請求権、( D )等がある。

(設問2)

 文中の下線部の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 差止請求権とは、特許権が侵害され、又は侵害されるおそれのある場合にその停止又は予防を請求する権利である。〇

イ 侵害物廃棄請求権とは、権利侵害物の廃棄や侵害の行為に供した設備の除去を請求する権利である。〇

ウ 損害賠償請求権とは、権利侵害によって生じた損害の賠償を請求する権利であり、この権利は損害発生の事実を知った日から5年で時効により消滅する。〇×特許権侵害に対する損害賠償請求権は、損害および加害者を知ったときから3年で時効となり消滅

エ 不当利得返還請求権とは、法律上の原因なくして他人の特許権を利用して利益を受けた者に対し、その利益の返還を求めることのできる権利であり、故意過失を要件とはしない。×〇不当利得返還請求は、相手の故意や過失を要件とせず、時効も権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10 年

特許権(警告書への対処) 【平成21年 第7問】

 A社の代表取締役社長からの次の質問に対する回答として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【A社の代表取締役社長からの質問】

 「当社は、平成16 年(2004 年)7月に設立され、設立時から苛性ソーダの製造・販売を主な事業としていますが、このたびB社から『貴社の苛性ソーダの製造方法について弊社の保有する苛性ソーダの製造方法に関する特許権に抵触するので直ちに製造・販売を中止し、現在市場に出回っている苛性ソーダを回収するように。』との警告を受け取りました。当社内で調べたところ、この警告書に記載されたB社の保有する特許権の番号から特許出願がなされたのは平成17 年(2005 年)5月であることが分かりました。この警告書に対してどのように対処すればよいでしょうか。」

[解答群]

ア B社の特許権に係る特許出願の時点で、すでに御社がB社の特許と同一の方法により苛性ソーダの製造を行っていたことを立証できれば、B社の特許権が存続していても将来にわたり苛性ソーダの製造方法を実施する権利があります。〇

イ B社の特許権は、平成17 年(2005 年)5月に出願されており、まだ特許出願日から20 年を経過していないため、現在でも有効に存続していることから、すぐに製造・販売を中止し、市場に出回っている御社の苛性ソーダを回収しましょう。×

ウ 御社が用いている苛性ソーダの製造方法が、B社の保有する特許権に係る特許発明の技術的範囲に属するか否かの判定を特許庁に請求するのがよいと思います。?×特許庁の判定には法的拘束力がない

エ 御社は、B社の特許権に係る特許出願前から苛性ソーダの製造方法を実施していたので、B社の特許権に係る特許発明は特許出願前に公然実施された発明に該当するとして特許無効の審判を裁判所に請求して、B社とのライセンス交渉を行うことがよいと思います。?×特許無効審判は、裁判所ではなく特許庁に請求するもの

特許権(特許を受ける権利) 【平成25年 第7問】

 特許を受ける権利に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 産業上利用することができる発明をした場合であっても、その発明について特許出願がなされなければ、発明者に特許を受ける権利が発生しない。×

イ 特許を受ける権利が A とBの共有に係る場合、A と B は、それぞれ他の共有者の同意を得ずに、自己の持分について譲渡することができる。×

ウ 特許を受ける権利は、譲渡により移転することができる。〇

エ 特許を受ける権利は、抵当権の目的とすることができる?

特許権(実施権) 【平成25年 第8問】

 特許権及び実施権に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 特許権者 A が保有する特許権について、B に専用実施権の設定の登録がなされた。この場合、当該設定行為で定めた範囲内において、特許権者Aと専用実施権者 B とは、当該特許発明の実施をする権利を共有する。×

イ 特許権者 C から専用実施権の設定の登録を受けた D は、当該特許権を侵害する者に対して、差止請求権を行使することができる。〇通常実施権者は専用実施権者と異なり、差止請求権は与えられていません。

ウ 特許権者は、専用実施権者があるときは、当該専用実施権者の承諾を得た場合に限り、その特許権を放棄することができる。?〇

エ 日本国内において、特許権の設定の登録の日から継続して3年以上、その特許発明の実施が適当にされていないとき、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。ただし、その特許発明に係る特許出願の日から4年を経過しているものとする。?〇

特許権と実用新案権 【平成21年 第6問】

 特許法における発明(特許法第1条、第2条)と実用新案法における考案(実用新案法第1条、第2条)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 実用新案法における考案には、方法の考案も対象となっている。×、実用新案法における考案は「物品の形状、構造または組み合わせに係る」ものに限定されており、「方法」は対象に含まれません。

イ 特許法における発明及び実用新案法における考案には、ニュートンの万有引力の法則のような発見や自然法則を利用していない人為的な取り決めは該当しない。〇

ウ 特許法における発明には、物の発明ばかりではなく、方法の発明も対象となる。〇

エ 特許法における発明は技術的思想の創作のうち高度のものをさしているが、実用新案法における考案については高度という限定はなく、技術的思想の創作の程度のいかんを問わない。〇考案に該当するかどうかと言う点では創作の程度を問いませんが、実用新案権の登録要件としては一定の程度が要求されることには注意が必要です。

特許権と実用新案権 2【平成30年 第10問】

 特許と実用新案に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 権利侵害に基づく差止請求権を行使する場合、特許権は事前に相手方に警告を行わなければならないが、実用新案権はその際、さらに技術評価書を提示しなければならない。×事業を行う者は特許権くらいは調べておくべきですので、警告なくいきなり差止請求されても仕方がありません。一方、実用新案権までは調べていないと思われますので、権利行使の前に実用新案技術評価書を提示しての警告をさせるようにしています。

イ 他人の特許権又は実用新案権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定する。〇?×特許権については事業を行う者に調査義務があると考えられるため、侵害したのであればこの義務を怠った過失があったと推定されます。一方、実用新案権では調査義務が課されていないと考えられるため、過失も推定されません。

ウ 特許権の存続期間の起算日は出願日であるが、実用新案権の存続期間の起算日は登録日である。×特許権の存続期間は特許出願の日から20年、実用新案権は実用新案登録出願の日から10年

エ 方法の発明は特許を受けることができるが、方法の考案は実用新案登録を受けることができない。〇特許法の保護対象となる発明には、物の発明、方法の発明、物を生産する方法の発明の3つの類型があります。一方、実用新案法の保護対象となる考案は、物品の形状、構造又は組合せに係るものに限られ、方法の考案は対象となりません。

実用新案権 【平成21年 第8問】

 X社の代表取締役社長からの次の質問に対する回答として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。

【X社の代表取締役社長からの質問】

 「当社は、以前からその製造・販売に係る特殊な構造を有するシャープペンシルについて実用新案権を保有していますが、競争会社Y社が最近同一の構造を有すると思われるシャープペンシルを製造・販売するようになりました。この製造・販売を止めさせたいと思いますが、どのようにすればよいでしょうか。」

[解答群]

ア 御社の実用新案権に係る登録実用新案と競争会社Y社の製造・販売に係るシャープペンシルの構造が同一であるか調べる必要があります。〇

イ 実用新案権の存続期間は、特許権の存続期間より短く、実用新案登録出願の日から10 年で終了するので、実用新案登録出願の日がいつだったかを確認することが必要です。〇実用新案権の存続期間は、出願日から10年となっています。これは、特許権の存続期間である20年より短い期間

ウ 実用新案権は、特許権と同様に排他的独占権の性質を有しているので、特許庁の審査官が作成した実用新案技術評価書を提示しなくても、競争会社Y社の製造・販売の中止を求めることはできます。×

エ 当初3年間分の登録料は、実用新案登録出願時に一時に納付されていますが、実用新案権は、第4年分以降の各年分の登録料を特許庁に納付しないと消滅しますから、確認が必要です。?〇実用新案権は、出願した場合は原則として登録されるため、出願時に3年分の登録料を納める必要があります。その後は各年分の登録料を、特許庁に納付しないと権利が消滅するため、確認が必要

特許権 【令和元年 第13問】

 特許権に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 他人の特許権又は専用実施権を侵害しても、その侵害の行為について過失があったものと推定されない。×
  2. 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得なければ、特許発明の実施をすることができない。×
  3. 特許権について専用実施権を設定した場合には、特許権者は専用実施権者が専有する範囲について業として特許発明の実施をすることができない。〇
  4. 特許権の存続期間は、登録の日から20年をもって終了する。

意匠権:定義・要件

 意匠法に関する次の文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 意匠法では、意匠は「物品の形状、模様もしくは色彩またはこれらの( A )、建築物の形状等または画像であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」と定義されている。

 意匠登録の要件としては、「( B )利用できる」、「( C )がある」、「創作非容易性がある」、「先願である」、「不登録事由に該当しない」などがある。

ア A:結合○ B:工業上 C:新規性○?

イ A:結合 B:産業上○☓ C:進歩性

ウ A:方法 B:工業上 C:進歩性

エ A:方法 B:産業上 C:進歩性

特許法における発明や実用新案法における考案が登録されるためには、「産業上利用できる」という要件がありますが、意匠法では「工業上利用できる」という要件になっています。これは、意匠が工業製品を対象

特許法には「進歩性がある」という要件もありますが、意匠法では「創作非容易性がある」という要件

意匠権:登録

 意匠登録の要件に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 意匠は、感覚に訴えるものであれば登録の可能性があり、例えば香水や食品の香料など香りの意匠も登録できる。☓視覚を通じて美感を起こさせるものである必要

イ 他人の意匠と同一でなければ、類似する意匠であっても登録の対象となる。☓意匠権の効力は類似する意匠にまで及ぶ

ウ 1点ものの芸術作品の意匠は、意匠登録を受けることができない。○工業的に反復して量産できる必要

エ その機能を確保するために不可欠な形状のみによる意匠も登録の対象となる。☓

意匠権:登録2

 意匠登録の要件に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、その意匠に類似する意匠について意匠登録出願したときは、その出願は新規性がないとして拒絶される。○
  2. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、その意匠が公然と知られるようになったのと同じ日にその意匠について意匠登録出願すれば、その出願は新規性がないとして拒絶されない。?☓日だけでなく時分まで考慮
  3. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、その乗用自動車と形状の類似する「自動車おもちゃ」について意匠登録出願したときは、その出願は新規性がないとして拒絶される。☓
  4. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、意匠登録を受ける権利を有する者の行為により公然と知られるようになったものでなければ、その後その意匠について意匠登録出願をしても、その出願は新規性がないものとして拒絶される。☓意に反する公知であれば新規性を失っていないものとして扱われる余地

意匠権:取得手続き

 意匠権の取得手続きに関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 意匠登録出願には、願書、意匠登録請求の範囲、図面を提出する。○☓意匠登録出願には、これらに該当する書面はありません。

イ 意匠権の取得において、方式審査を通過した後に、審査請求を行うことにより、実体審査が行われる。?方式審査を通過すると自動的に実体審査

ウ 意匠権の取得において、出願時に登録料を納める必要がある。?☓

エ 意匠登録出願が登録査定となった場合は、出願人に登録査定謄本が送られてくる。?○

意匠権:効力と活用

 意匠権の効力および活用に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

  1. 意匠権では、同一の意匠だけでなく類似する意匠にも効力が及ぶため、許諾を受けていない第三者が類似する意匠に係る物品を生産・使用した場合も、権利侵害となる。○
  2. 意匠権者の許諾を受けていない第三者が、試験研究のためにその意匠権者の有する登録意匠を実施した場合は、意匠権の侵害とはならない。○
  3. 意匠法に規定されるライセンス付与には、専用実施権と通常実施権の2つの形態がある。?○
  4. 意匠権の存続期間は、出願日から20年となっている。☓出願日から25年

意匠権:特徴1

 意匠法の制度に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 同一の物品について、複数の部分意匠を出願することができる。○

イ 部分意匠の出願において、先に全体意匠を出願していた場合、全体意匠の意匠公報の発行日の前日までであれば、部分意匠を出願することが可能である。?☓○他に、部分意匠の出願は、全体意匠と同日に行うことでも可能

ウ 組物意匠として意匠登録をした場合、組物の構成物ごとの模倣品に対しても権利を行使することができる。☓構成物品ごとに保護したい場合には、個々の物品ごとに意匠登録

エ 組物意匠として登録できる物品は、経済産業省令により指定されている。○コーヒーセットやテーブルセット、オーディオ機器セット

意匠権:特徴2

 意匠法の制度に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 関連意匠において、意匠権の移転は本意匠と別に行うことができる。?☓関連意匠は本意匠と一緒に扱われるため、意匠権の移転や、専用実施権の設定などは、本意匠と合わせて行う必要

イ 関連意匠の存続期間は、本意匠の登録日から10年となっている。?☓本意匠の出願日から25年

ウ 秘密意匠制度を利用すると、登録日から3年間は、意匠を公開せずに秘密にしておくことができる。?○登録日から最大3年

エ 意匠の出願時に秘密意匠とする請求をしなければ、出願後に秘密意匠とすることはできない。?☓出願時にする他に、登録料を納付する際にすることができます。

商標権:定義・要件

 商標権に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 商標法では文字や図形など目に見えるものが登録の対象とされ、目に見えないものは登録されることはない。☓「人の知覚によって認識することができるもの」音など目に見えないものも含まれます。

イ 識別力を持たない商標は登録できない。○

ウ 商標登録出願では、目に見える商品を指定することはできるが、目に見えない役務を指定することはできない。☓商品だけでなく役務(サービス)について商標登録をすることが可能

エ 類似の商品やサービスについて、登録されている他人の登録商標と同一の商標は登録できないが、類似する商標は登録できる。☓類似する商標も登録することはできません。

商標権:登録

 商標登録の要件に関する記述として最も適切なものはどれか。なお、いずれの商標も普通に用いられる方法で表示されているものとする。

ア A社は自社が販売する乗用自動車に使用する商標として、商標「車」を商標登録することができる場合はない。?○商品「乗用自動車」についての商標「車」は商品の普通名称に当たる

イ A社は自社が販売する乗用自動車に使用する商標として、商標「速い」を商標登録することができる場合はない。☓商品「乗用自動車」についての商標「速い」は商品の品質や効能に当たると考えられます。ただし、継続的に使用することで識別力を獲得すれば商標登録を受けられる可能性も否定できない

ウ A社は自社が販売する乗用自動車に使用する商標として、商標「佐藤」を商標登録することができる場合はない。☓商標「佐藤」はありふれた氏に当たります。ただし、継続的に使用することで識別力を獲得すれば商標登録を受けられる可能性も否定できない

エ A社は自社が販売する乗用自動車に使用する商標として、商標「A」を商標登録することができる場合はない。☓商標「A」は極めて簡単で、かつ、ありふれた商標に当たります。ただし、継続的に使用することで識別力を獲得すれば商標登録を受けられる可能性も否定できない

商標権:取得手続き

 商標権の取得手続きに関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 商標登録出願には、願書や図面を提出する必要があり、図面は必須となっている。☓

イ 商標登録出願において、商品や役務を指定するが、1つの商標登録出願で複数の区分に属する商品や役務を指定することはできない。☓

ウ 商標登録出願の審査では、方式審査と実体審査が行われるが、方式審査後に審査請求を行う必要がある。☓

エ 商標登録がされた後に、その商標権を無効と主張する商標登録無効審判や登録異議申立てという制度がある。○登録異議申立ては、商標登録無効審判と同様に、商標登録を無効と主張するための制度です。商標登録無効審判は、請求できるのは利害関係人ですが、いつでも請求可能です。それに対して、登録異議申立ては、誰でも請求可能ですが、商標公報の発行後2ヶ月以内に行う必要

商標権:効力

 商標権に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 楽曲を収録したCD-ROMに商標を付して販売する行為は、役務についての商標の使用にあたらない。?○商品?商品についての商標の使用にあたり、役務についての商標の使用にはあたりません。

イ 商標を付した商品を輸出する行為は、商標の使用にあたる。○

ウ ピアノについて登録した商標に関して、第三者が時計に類似する商標を使用した場合、商標権者は商標の使用の禁止を求めることができる。☓類似していない商品に対しては効力が及びません。

エ 商標権の存続期間は、登録日から10年となっているが、更新をすることができる。○

商標権:移転

 商標権の移転に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 商標権が共有に係るときは、各共有者は他の共有者の同意を得なくても、その持分を譲渡することができる。☓特許法や意匠法と同様の取り扱い

イ 2以上の指定商品・指定役務を指定する商標権は、指定商品・指定役務ごとに分割して移転することができる。○☓○指定商品・指定役務ごとに分割して移転することで、指定商品や指定役務の一部のみを移転することができます。

ウ 団体商標に係る商標権は、一般社団法人や事業協同組合に移転することができるが、株式会社に移転することはできない。○?☓一般社団法人や事業協同組合だけでなく、株式会社に移転することもできます。

エ 地域団体商標に係る商標権は事業協同組合に譲渡することができるが、株式会社に譲渡することはできない。○☓ 地域団体商標に係る商標権は譲渡することができません。

商標権:特徴

 商標権に関する次の文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

「夕張メロン」のように、地域名と普通名称を組み合わせた名称を商標として登録できる制度を( A )と言う。この制度は地域ブランドを育成するために制定されており、農業協同組合や( B )などが出願することができる。

 また、( A )にて登録が認められるためには、( C )に及ぶ周知性が必要である。

  1. A:地域団体商標登録制度○ B:株式会社   C:全国
  2. A:地域団体商標登録制度 B:事業協同組合○ C:隣接する都道府県程度○
  3. A:団体商標登録制度   B:事業協同組合 C:全国
  4. A:団体商標登録制度   B:株式会社   C:隣接する都道府県程度

団体商標を登録すると、団体を構成する構成員が、許諾を受けなくても団体商標を使用できるようになります。
地域団体商標登録制度では、事業協同組合農業協同組合などの組合は出願することができますが、株式会社や社団法人などは出願することができません。
地域団体商標登録制度では、全国的な知名度は必要ありません。ただし、隣接する都道府県程度に及ぶ周知性は必要

商標権:小売等役務商標制度

 小売等役務商標制度に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 小売等役務商標制度は、小売業等を対象とした制度であり、卸売業は対象とならない。☓卸売業者が行っているサービス活動(役務)も対象

イ 他者が小売等役務商標の登録を受けた場合でも、平成19年4月1日よりも前から使用してきた商標であれば、従来の業務範囲内で商標を使い続けることができる。?○小売等役務商標制度が導入される前から使用してきた商標であれば、従来の業務範囲内で商標を使い続けることができます。

ウ 「三河屋」というようなありふれた店名については、多くの事業者が使用している可能性があるため、商標登録を受けることは難しい。☓○多くの事業者が使用しているありふれた店名については、商標登録を行うことは困難

エ 小売店が小売等役務商標を登録すれば、店の看板や従業員の制服などに登録商標を付すことも登録商標の使用として商標法の保護を受けることができる。○個々の商品カテゴリを指定して商標登録をしている場合でも、店の看板やレジ袋などに店の名前を使用することは、商標法による保護の対象にはなっていませんでした。小売等役務商標制度の導入によって、これらにも商標法の保護

商標権:不使用取消審判

 不使用取消審判に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 商標権者が指定商品・指定役務について登録商標に類似する商標の使用をしていれば、不使用取消審判によって商標登録が取り消されることはない。☓

イ 商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかが、指定商品・指定役務についての登録商標の使用をしていれば、不使用取消審判によって商標登録が取り消されることはない。☓○商標権者が使用をしていなくても、専用使用権者や通常使用権者が使用していれば不使用取消しを免れることができます。

ウ 不使用取消審判では、審判請求人が指定商品や指定役務について登録商標の使用をしていないことを証明しなければならない。○☓立証責任の転換

エ 不使用取消審判により商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権はその審決が確定したときから消滅する。?☓審判請求登録の日に消滅したものとみなされます。

商標権:侵害と対応策

 甲社は乙社から、甲社が使用している商標Aは乙社が5年前に登録した登録商標Bの商標権を侵害しているため使用を中止するべしとの警告状を受け取った。このとき甲社が取りうる対応として、最も不適切なものはどれか。

ア 商標Aが商標Bの商標権の効力の範囲内に含まれるか否かについて、特許庁に判定を求める。?○

イ 商標Bが商標Bの指定商品について、継続して3年以上不使用の状態ではないかを調べる。○差止請求の対抗手段とはなりますが損害賠償請求の対抗手段にはならない点に注意が必要

ウ 商標Bに商標法で定める不登録事由がないかを調べ、あれば特許庁に対して異議申立てを行う。☓登録異議の申立ては商標掲載公報の発行の日から2か月以内に限り認められる

エ 乙社が実際に商標Bの登録を所有しているか否かを、商標登録原簿で調べる。

意匠権:定義・要件

 意匠法に関する次の文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 意匠法では、意匠は「物品の形状、模様もしくは色彩またはこれらの( A )、建築物の形状等または画像であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」と定義されている。

 意匠登録の要件としては、「( B )利用できる」、「( C )がある」、「創作非容易性がある」、「先願である」、「不登録事由に該当しない」などがある。

ア A:結合 B:工業上 C:新規性○

イ A:結合 B:産業上 C:進歩性

ウ A:方法 B:工業上 C:進歩性

エ A:方法 B:産業上 C:進歩性

意匠権:登録2

 意匠登録の要件に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、その意匠に類似する意匠について意匠登録出願したときは、その出願は新規性がないとして拒絶される。○?
  2. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、その意匠が公然と知られるようになったのと同じ日にその意匠について意匠登録出願すれば、その出願は新規性がないとして拒絶されない。☓
  3. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、その乗用自動車と形状の類似する「自動車おもちゃ」について意匠登録出願したときは、その出願は新規性がないとして拒絶される。☓
  4. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、意匠登録を受ける権利を有する者の行為により公然と知られるようになったものでなければ、その後その意匠について意匠登録出願をしても、その出願は新規性がないものとして拒絶される。☓

商標権:移転

 商標権の移転に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 商標権が共有に係るときは、各共有者は他の共有者の同意を得なくても、その持分を譲渡することができる。☓

イ 2以上の指定商品・指定役務を指定する商標権は、指定商品・指定役務ごとに分割して移転することができる。?○2以上の指定商品・指定役務を指定する商標権は、指定商品・指定役務ごとに分割して移転することで、指定商品や指定役務の一部のみを移転することができます。

ウ 団体商標に係る商標権は、一般社団法人や事業協同組合に移転することができるが、株式会社に移転することはできない。?○☓株式会社に移転することもできます。ただし、株式会社に移転した場合は、通常の商標権に変更されたものとみなされます。

エ 地域団体商標に係る商標権は事業協同組合に譲渡することができるが、株式会社に譲渡することはできない。☓

意匠権 【令和元年 第12問】

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、玩具メーカーのX株式会社の代表取締役甲氏との間で本年8月に行われたものである。会話の中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

あなた:「先月の業界誌で、御社の新製品が好評との記事を読みました。」

甲 氏:「はい、6月に大規模展示施設の展示会で発表したのですが、おかげさまで、クリスマス商戦に向けて引き合いがたくさん来ています。」

あなた:「この製品、外観がとてもユニークですが、意匠登録出願はされましたか。」

甲 氏:「実をいうと、こんなに売れるとは思っていなかったので、意匠登録出願に費用をかけなかったんです。こんなに好評なら、模倣品対策のため、発表前に出願しておけばよかったです。」

あなた:「(  A  )の規定を用いれば、意匠登録出願することができる場合がありますよ。」

甲 氏:「本当ですか。どのくらいの期間認められているのでしょう。」

あなた:「今回の場合は、展示会に出品した日が起算日になると思いますが、その日から(  B  )間です。」

甲 氏:「よかった、まだ間に合いそうです。急いで特許事務所に相談してみます。」

〔解答群〕

  1. A:国内優先権 B:6か月
  2. A:国内優先権 B:1年
  3. A:新規性喪失の例外○ B:6か月?○☓
  4. A:新規性喪失の例外 B:1年○

公知となってから1年以内に意匠登録出願をし、かつ、その事実を証明する書面を出願から30日以内に提出することで、新規性を失っていないという扱い

意匠の類似 【平成30年 第8問改題】

 意匠制度における「意匠の類似」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 出願前に頒布された刊行物に記載された意匠に類似する意匠は、登録を受けることができない。?○?☓○出願前に頒布された刊行物に記載された意匠は新規性を喪失しています。そして、新規性を喪失した意匠と類似する意匠も登録を受けられません。
  2. 類似の意匠について同日に2 以上の意匠登録出願があり、意匠登録出願人間で行われる協議が成立しなかった場合は、特許庁長官が行う公正な方法によるくじにより定めた一の意匠登録出願人のみが意匠登録を受けることができる。○☓出願人の協議によりどちらが意匠登録を受けるかを決めるとしています。ここで協議が整わなかったり、そもそも協議ができなかった場合には、誰も意匠登録を受けることはできません。なお、商標法では選択肢にあるようなくじ引きが実施
  3. 意匠権者は、業として登録意匠の実施をする権利を専有するが、これに類似する意匠についてはそれを実施する権利を専有しない。☓
  4. 意匠登録を受けようとする関連意匠にのみ類似する意匠については、関連意匠として意匠登録を受けることができない。☓関連意匠にのみ類似する意匠についても、その関連意匠を本意匠とする関連意匠として意匠登録を受けることができます。

意匠権の特徴 【平成25年 第10問問改題】

 意匠権に関する記述として最も適切なものはどれか。

  1. Aは組物の意匠として一組の飲食用ナイフ、スプーン及びフォークのセットの意匠登録を受けた。Aの当該意匠権の効力は、ナイフのみの意匠には及ばない。○
  2. 意匠権の効力は、商標権の効力とは異なり、登録意匠に類似する意匠には及ばない。☓
  3. 関連意匠の意匠権の存続期間は、関連意匠の登録出願の日から 25年をもって終了する。☓
  4. 業として登録意匠に係る物品を輸出する行為は、意匠権の侵害とはならない。☓

意匠登録制度 【平成27年 第12問改題】

 意匠登録制度に関する記述として最も適切なものはどれか。

  1. 関連意匠制度とは、本意匠に類似する意匠について意匠登録を受けることができる制度であり、関連意匠にのみ類似した意匠を関連意匠として登録することはできない。☓
  2. 組物意匠制度とは、セットで販売される物品等であって、組物全体として統一感があるものについて一意匠として意匠登録を受けることができる制度である。○☓必ずしもセットで販売される物品である必要はありません。
  3. 部分意匠制度とは、物品等の部分に関する意匠について意匠登録を受けることができる制度である。?○
  4. 秘密意匠制度とは、意匠権の設定の登録の日から5年以内の期間に限り、意匠を秘密にすることを請求することができる制度である。☓

秘密意匠制度 【平成28年 第9問】

 意匠法に規定される秘密意匠制度は、意匠登録出願人が、意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる制度である(意匠法第14条)。これは、先願により意匠権を確保しておく必要があるものの、直ちに当該意匠の実施を行わない場合に意匠公報が発行されることによる第三者の模倣を防止しようとする趣旨によるものである。

 このような秘密意匠制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 甲は、出願公開された特許出願を意匠登録出願に変更した。この場合、当該変更出願に係る意匠はすでに新規性を失っている。したがって、これを秘密にすべき利益を失っているため、甲は、その意匠登録出願について秘密にすることを請求することができない。?☓特許法の出願公開によって公知となった場合でも、秘密意匠制度が利用できないとの規定はありません。

イ 乙は、本意匠Aとそれに類似する関連意匠Bを同日に意匠登録出願した。この意匠登録出願の際、乙は、Aのみを秘密にすることを請求していた。この場合、その期間が経過するまで、Bについても秘密にすべき利益を保護する必要が生じる。したがって、Bに係る意匠登録出願の願書に添付した図面の内容が意匠公報に掲載されることはない。?☓秘密意匠とするかどうかは、出願人の意思であり、秘密意匠とする請求を行っていない意匠まで保護する必要はない

ウ 丙は、意匠登録出願前に意匠が記載されたカタログを重要顧客に頒布した場合であっても、その意匠を秘密にすることを請求することができる。○

エ 丁は、パリ条約の同盟国において意匠登録出願をした。その意匠が公報に掲載された後に、丁が日本国においてこの意匠登録出願に基づきパリ条約による優先権主張を伴う意匠登録出願をするときは、既に当該意匠を秘密にすべき利益を失っている。したがって、丁は、その意匠を秘密にすることを請求することができない。?☓外国の出願公開によって公知になった場合でも、秘密意匠制度の利用はできないとの規定はありません。

特許権、意匠権、商標権 【平成23年 第7問】

 特許・意匠登録・商標登録制度に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 意匠登録出願人は、特許出願人と異なり、意匠権設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にするよう請求することができる。?○「秘密意匠制度」

イ 特許権の存続期間の始期は、意匠権及び商標権と同様に設定登録の日から起算される点で共通し、設定登録の日から20 年をもって終了する。☓特許権の存続期間は、登録によって権利が発生し、終了は「出願日」から20 年となっています。意匠権の存続期間は「出願日」から25 年、商標権の存続期間は「登録日」から10 年

ウ 特許出願は、意匠登録出願及び商標登録出願と異なり、出願審査の請求を待って審査官により特許を受けることができる発明であるかについて審査が行われる。○特許権は、取得するためには実体審査を受ける必要があります。実体審査は、審査請求をすることで開始されます。審査請求は、出願日から3年以内に行う必要があり、3 年間審査請求が無かった場合は、出願は取り下げ

エ 特許出願は、意匠登録出願と異なり、特許出願の日から1年6月を経過したときは特許掲載公報の発行したものを除き、願書に記載した事項及び願書に添付した明細書等に記載した事項並びに図面の内容等が出願公開される。○出願公開とは、出願した発明の内容が、特許庁の発行する「特許公報」に掲載されることです。一方、意匠法には出願公開制度はありません。

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