経営法務 著作権と不正競争防止法 株式会社の機関設計 株式会社の設立と資金調達

著作権:著作者人格権1

 著作者人格権に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 著作者人格権には、公表権、氏名表示権、同一性使用権が含まれる〇×同一性保持権です。著作者の意に反して改変することを禁止して、同一性を保持する権利です。

イ 氏名表示権は、著作物に著作者の氏名をどのように表示するか決定できる権利であり、氏名を表示しないという権利は含まない。×

ウ 著作者が著作物を創作すると、自動的に著作者人格権が発生する。〇著作者人格権は、著作物が創作された時点で自動的に付与されるため、権利を得るための手続は必要ありません。

エ 著作者人格権は、著作者本人以外にも譲渡したり相続することができる。×

 著作権:著作人格権2

 著作者人格権に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 著作物の表現の一部を改変したり、加筆したりすることは同一性保持権の侵害になる。〇

イ 著作者は、著作者名を本名で公開することを望んでいたが、出版社が匿名で著作物を出版した。この行為は著作者人格権の侵害となる。〇

ウ ある小説家の小説を出版社が出版するにあたり、小説の表現は改変せずにタイトルのみに変更を加えた場合、小説家が有する同一性保持権の侵害にはならない。〇×同一性保持権は、著作物の内容のみならず、その題号(タイトル)にも及びます。したがって、他人が著作物のタイトル(のみ)を改変する行為も、同一性保持権の侵害となります。

エ 契約により著作権を譲渡されても、本人に代わって著作者人格権の侵害を主張することはできない。×〇財産権としての著作権は譲渡することができますが、著作者人格権はそれとは異なり、著作者固有の権利です。したがって、財産権としての著作権の譲渡によって著作権者が代わっても、著作者人格権を主張できるのは著作者本人だけです。

著作権:著作財産権

 著作財産権に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア Aさんが創作した著作物を、Bさんが印刷して無料で不特定多数の人に配布することは、著作権の侵害にあたる可能性がある。〇

イ Aさんが創作した著作物を基に、Bさんが脚色を加えた二次的著作物を創作する場合は、BさんはAさんの著作物についての譲渡権が必要になる。×二次的著作物を創作するには、翻訳権・翻案権等が必要です。譲渡権は、著作物の原作や複製したものを譲渡できる権利です。

ウ Aさんが創作した著作物を基に、Bさんが脚色を加えた二次的著作物を創作した。
Cさんがその二次的著作物を利用する場合、Bさんの許諾に加えて、Aさんの許諾も必要になる。〇第三者が二次的著作物を利用する場合、二次的著作物の著作者に加えて、原作の著作者の許諾が必要になります。

エ 著作権は、著作者以外にも譲渡したり相続することができる。〇 著作権は、特許権などの産業財産権のように、第三者に譲渡したり相続することができます。

著作権:効力

 著作権に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 著作権の取得には登録を必要としない無方式主義を取るが、著作権登録制度も存在する。〇

イ 出版権者は、設定行為に定めがあれば、その出版権の目的である著作物について電子出版を行うことができる。〇出版権とはその目的である著作物についての出版行為(通常の紙媒体での出版)や公衆送信行為(電子出版)を行うことのできる権利です。紙媒体の書籍に限らず電子書籍の出版についても出版権を設定することが可能です。

ウ 私的使用のためであっても、著作物を複製して友人にプレゼントすることは、著作権侵害にあたる場合がある。〇著作物を私的使用のために複製する場合は、著作権の効力は及びません。ただし、私的使用の範囲は狭く、個人的または家族内を超えて使用した場合は著作権侵害となりえます。

エ 著作者人格権の存続期間は、著作者の生存中および死後70年である。×著作者人格権は、著作者の人格に関する権利のため、存続期間は著作者の生存中のみとなっています。

著作権:職務著作、共同著作物

 著作権に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア A社の従業員Bが職務上創作した著作物は、A社の名義で公表しても、A社が著作権を取得するには、従業員Bから著作権の譲渡を受けなければならない。×従業員が職務上作成し、使用者の名義で公表する著作物は、契約や勤務規則による別段の定めが無い限り、使用者が著作者になります。

イ C社の従業員Dが職務上作成したプログラムについて、従業員Dの名前で公表すれば、従業員Dが著作者となる。×従業員が職務上作成したプログラムは、使用者の名義で公表しなくても、契約や勤務規則による別段の定めが無い限り、使用者が著作者になります。

ウ 作詞家Eが作詞し、作曲家Fが作曲した楽曲は、共同著作物となる。×

エ 画家Gと画家Hが作成した共同著作物の絵画について、画家Gと画家Hの双方の同意がなければ、著作権を行使することはできない。〇共同著作物の著作権を行使するには、共同著作者全員の同意を得ることが必要です。

著作権:侵害と対応策

 著作権に関する次の文中の空欄( )に入る語句として、最も不適切なものはどれか。

著作者は、著作権を侵害する者または侵害しようとする者に対して、 ( )を請求することができる。

ア 侵害物品の廃棄〇差止請求

イ 先使用権の認定×著作権法には、先使用権という概念はないため、先使用権の主張を行うことはできません。全く同一の著作物を別々の人が作成したとしても、それぞれの人に著作権が発生するためです。

ウ 損害賠償〇

エ 謝罪広告の掲載〇名誉回復措置

不正競争防止法2

 不正競争防止法に関する次の文中の空欄A、B、Cのいずれにも、当てはまらないものはどれか。

 営業秘密不正行為とは、①不正の手段により営業秘密を取得する行為(不正取得行為)や、不正取得行為により取得した営業秘密を使用・開示する行為、②営業秘密を保有する事業者からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的やその保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用・開示する行為である。

 ここで、「営業秘密」とは、( A  ) 、( B )、( C )の3つの要件を満たす必要がある。

ア 機密性×営業秘密不正行為での「営業秘密」の要件に、機密性はありません。なお、機密性とは、情報セキュリティにおいて、正当な権限を持った者だけが情報に触れることができる状態を言います。

イ 非公知性〇非公知性とは、公然と知られていないことです。

ウ 秘密管理性〇秘密管理性とは、秘密として管理されていることです。

エ 有用性〇有用性とは、事業活動に有用な技術上または営業上の情報であることです。

不正競争防止法3

 不正競争防止法の営業秘密に該当するものとして、最も適切なものはどれか。

ア 「厳秘」の表示をして、社内の限られた人にだけしか閲覧することのできない社内不正に関する資料×事業活動に有用な技術上又は営業上の情報とは言えません。そのため、営業秘密には該当しません。

イ 市販の書籍の一部をコピーして、「社外秘」と表示してファイリングした資料×

ウ 秘密保持義務が明記された就業規則に従って業務に従事する社員が取り扱う資料×就業規則に秘密保持義務が明記されていても、誰でも持ち出せる状態になっている資料など、秘密として管理されていない情報は営業秘密には該当しません。

エ 「strictly confidential」の表示をして、限られた社員の管理下にある公表していない技術資料〇「strictly confidential」とは「厳秘扱い」という意味です。限られた社員の管理下にあるため、秘密管理性を満たしていると言えます。公表していない情報ですから、非公知性を満たしています。技術に関する資料ですから、有用性も満たしていると考えられます。そのため、営業秘密に該当します。

知的財産権:存続期間

 特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権の存続期間に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

  1. 特許権と実用新案権の存続期間の終期は、どちらも出願日から数えるが、特許権の方がその終期までの期間が長い。〇特許権の存続期間の終了は、出願日から20年となっています。それに対して、実用新案権の存続期間の終了は、出願日から10年となっています。
  2. 意匠権の存続期間の終期は出願日から数えるが、商標権は登録日から数える。〇意匠権の存続期間の終期は出願日から数えるのに対して、商標権の存続期間は登録日から数えます。
  3. 意匠権および商標権については、存続期間を更新することができる。×商標権については、存続期間の更新制度がありますが、意匠権にはありません。
  4. ある著作物について、著作者人格権と著作権の存続期間を比べると、著作権の方が長い。〇著作者人格権の存続期間は、著作者の生存中のみであるのに対して、著作権の存続期間は、原則として、著作者の生存中に加えて死後70年まで続きます。

知的財産権:取得手続き

 特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権の取得に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 特許出願・意匠登録出願・商標登録出願では、出願してから方式審査と実体審査が行われるが、実用新案登録出願では方式審査のみである。〇特許出願・実用新案登録出願・意匠登録出願・商標登録出願を比べると、実用新案登録出願のみ実体審査が行われず、方式審査のみで登録となります。

イ 特許法・意匠法・商標法には、出願公開制度がある。× 特許法と商標法には、出願公開制度がありますが、意匠法には出願公開制度はありません。特許法の場合は出願の内容が「公開特許公報」に掲載され、商標法の場合は「公開商標公報」に掲載されます。

ウ 意匠登録出願・商標登録出願の審査では、方式審査を通過すると自動的に実体審査が行われる。〇意匠登録出願・商標登録出願の審査では、方式審査を通過すると自動的に実体審査が行われますので、特許出願のように審査請求を行う必要はありません。

エ 著作者人格権および著作権はともに、取得手続きは必要なく、著作物を創作した時点で自動的に権利が発生する。〇

 知的財産権:権利侵害の対応等

 特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権の権利侵害の対応等に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 特許権や実用新案権において、権利侵害に対抗して差止請求を行う場合、特許庁から「技術評価書」を取得して提示する必要がある。×特許権では、このような技術評価書は必要ありません。

イ 特許法・実用新案法・意匠法・商標法では、登録の無効を求める無効審判を請求することができるが、商標法にはさらに不使用取消審判制度がある。〇商標法では、実際に商標を使用していなくても、出願次第で誰でも取得できてしまう可能性があります。そのため、不使用取消審判制度が設けられています。

ウ 特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権のいずれも、権利侵害に対して、差し止めや損害賠償を請求することができるが、著作権侵害に対して刑事告訴を行うことはできない。× 著作権侵害に対しても刑事告訴を行うことが可能です。

エ CDとして販売している歌謡曲について、作詞家や作曲家と違い、歌手は楽曲を創作していないため、無断でコピーして販売された場合、歌手は差止請求を行うことができない。× 歌手などの実演家には著作隣接権が認められています。そのため、無断でコピーして販売された場合、差止請求などの対抗措置を取ることができます。

著作権 【令和元年 第9問】(設問2)

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、X株式会社の代表取締役α氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

α 氏:「今度、人気マンガ家のYさんに、当社の企業キャラクターを創ってもらうことになりました。将来的には着ぐるみやアニメを作って活用する予定です。Yさんからその著作権の譲渡を受けるために、次の契約書を作ってみたのですがどうでしょうか。」

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Y(以下「甲」という。)とX株式会社(以下「乙」という。)とは、キャラクターの絵柄作成業務の委託に関し、以下のとおり契約を締結する。

第1条 (委託)

乙は、甲に対し、以下をテーマとするキャラクターの絵柄(以下「本著作物」という。)の作成を委託し、甲はこれを受託した。

テーマ:乙が広告に使用するマスコットキャラクター

第2条 (納入)

(1) 甲は乙に対し、本著作物をJPEGデータの形式により、2019年10月末日までに納入する。

(2) 乙は、前項の納入を受けた後速やかに納入物を検査し、納入物が契約内容に適合しない場合や乙の企画意図に合致しない場合はその旨甲に通知し、当該通知を受けた甲は速やかに乙の指示に従った対応をする。

第3条 (著作権の帰属)

本著作物の著作権は、対価の完済により乙に移転する。

第4条 (著作者人格権の帰属)

本著作物の著作者人格権は、対価の完済により乙に移転する。

第5条 (保証)

甲は、乙に対し、本著作物が第三者の著作権を侵害しないものであることを保証する。

第6条 (対価)

乙は甲に対し、本著作物の著作権譲渡の対価、その他本契約に基づく一切の対価として、金1,500,000円(消費税別途)を、2019年11月末日までに支払う。

本契約締結の証として、本契約書2通を作成し、甲乙記名押印の上、各自1通を保持する。

2019年  月  日

甲  Y     印

乙  X株式会社代表取締役  α  印

**************************************

あなた:「そうですね。まず第3条については(  A  )、検討が必要です。また、第4条については(  B  )。詳細は弁護士に確認した方がよいと思いますので、もしよろしければ、著作権に詳しい弁護士を紹介しますよ。 」

α 氏:「著作権の契約はなかなか難しいですね。よろしくお願いします。」

(設問2)

会話の中の空欄Bに入る記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 著作者人格権は移転できますが、職務著作の場合に限られますから修正が必要です
  2. 著作者人格権は移転できますが、著作者が法人である場合に限られますから修正が必要です×
  3. 著作者人格権は移転できませんが、特約があれば移転についてはオーバーライドすることができる任意規定ですから、このままでよいでしょう×
  4. 著作者人格権は移転できませんし、特約があっても移転についてはオーバーライドできない強行規定ですから、修正が必要です〇

著作者人格権も複数の権利の集合体で、具体的には「公表権・氏名表示権・同一性保持権」が認められます。

 財産権である著作権とは異なり、著作者人格権は著作者の一身専属権とされ、他人に譲渡することができず、相続の対象ともなりません。

 また、この規定は強行規定とされており、当事者の合意(特約)があっても、他人に著作者人格権を移転することはできません。

著作権 【令和元年 第11問】

 著作権の保護期間に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、各記述の自然人の死亡年は、それぞれの著作物の公表年より遅いものとする。

  1. 2000年8月4日に公表された、映画の著作権の存続期間は、2090年12月31日までである。×映画の著作権の存続期間は、公表後70年であり、終期計算の起算点は、翌年1月1日となります。
  2. 2000年8月4日に公表された、株式会社の従業員が職務著作として制作した同社マスコットキャラクターの著作権の存続期間は、2070年12月31日までである。×〇会社の職務著作となる場合など、団体名義で公表された著作物の著作権の存続期間は、公表後70年であり、終期計算の起算点は翌年1月1日となります。
  3. 2000年8月4日に公表された、写真家(自然人)に帰属する写真の著作権の存続期間は、2050年12月31日までである。×個人(自然人)に帰属する写真の著作権の存続期間は、その写真が当該個人の実名等で公表されれば死後70年、無名または変名で公表されれば公表後70年です。
  4. 2000年8月4日に公表された、マンガ家(自然人)のアシスタントが職務著作として描いた絵の著作権の存続期間は、2070年12月31日までである。〇×マンガ家の死後70年 自然人の死亡年は、それぞれの著作物の公表年より遅いものとする。

無名または変名(周知なものを除きます。周知であれば実名と同じ扱いです)で公表された著作物の著作権の存続期間は、「公表後70年」とされ、会社など団体名義で公表された著作物や、映画の著作権の存続期間も、公表後70年とされます。

 そして、いずれの場合も、終期計算の起算点は「翌年1月1日」となります。

職務著作・職務発明【平成30年 第18問(設問2)】

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、X株式会社の代表取締役甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「当社が労務管理のソフトウエアを開発している会社であることはご存知かと思いますが、新たに採用管理のソフトウエアの開発を検討しております。他社にまねをされないよう、どうにかして保護することはできないでしょうか。」

あなた:「ソフトウエアであれば、著作権により保護される可能性があります。また、特許権による保護もあり得ます。」

甲 氏:「著作権とか特許権というのは聞いたことがあります。開発をするのは、当社のソフトウエア開発の部署の従業員なのですが、著作権や特許権は当社に帰属しますか。」

あなた:「そうだとすると、いわゆる職務著作や職務発明に該当する可能性があります。その場合、著作権と特許権では、取り扱いが異なります。を最初から貴社に帰属させるためには、あらかじめ契約、勤務規則その他の定めにおいて、その旨を定めなけ

ればなりません。。」

甲 氏:「なるほど。ソフトウエアの開発にあたっては、Y株式会社との共同開発も視野に入れているのですが、その場合の権利の帰属はどうなりますか。」

あなた:「Y株式会社とその従業員との契約等によりますが、著作権も特許権も、貴社とY株式会社の共有になる可能性があります。」

甲 氏:「その場合、当社は、当該ソフトウエアを、販売したり、作って販売することを第三者に許諾したり、または、自らの権利の持分を譲渡したりするときに、Y株式会社の承諾が必要になるのでしょうか。」

あなた:「Y株式会社との間で別段の定めをせず、著作権と特許権の双方で保護されることを前提とします。まず、貴社が作って販売することは承諾が。次に、作って販売することを第三者に許諾することは承諾が。従業員との契約、勤務規則などの資料を持って、弁護士に相談に行きましょう。」

 (設問2 )

 会話の中の空欄CとDに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

  1. C:ない場合、できません〇  D:ない場合、できません〇
  2. C:ない場合、できません  D:なくても可能です
  3. C:なくても可能です    D:ない場合、できません
  4. C:なくても可能です    D:なくても可能です

共同著作物の場合は、共同著作者全員の同意を得なければ、著作権を行使することはできません。例えば、他の共同著作者の同意を得ずに、著作権を他者にライセンスすることは出来ません。

これに対し、共同発明は、複数の者が共同で完成させた発明です。例えば、企業と大学が共同で研究開発を行って発明を完成させた場合、この発明は共同発明となります。

 共同発明では、特許を受ける権利は、全員で共有することになります。よって、共同発明では、特許の出願は、一部の者だけで行うことはできず、共同で行う必要があります。

 また、共同発明では、発明を譲渡したり、第三者に実施権の設定を行ったりする場合には、共有者全員の同意が必要になります。ただし、特許発明の実施については、契約による別段の定めが無い場合は、他の共有者の同意は必要ありません。

 Y株式会社との間で別段の定めをせず、著作権と特許権の双方で保護されることが前提ですので、共同著作においては、その著作権の行使には共同著作者全員の同意が必要です。共同発明においては、「作って販売すること」は特許発明の実施にあたり、他の共有者の同意は必要ありません。共同著作においてはY株式会社の承諾が必要ですので、「ない場合、できません」が入ります。

共同著作においては、著作権の行使には共同著作者全員の同意が必要です。共同発明においても、第三者に実施権の設定を行ったりする場合には、共有者全員の同意が必要です。作って販売することを第三者に許諾することは、第三者に実施権の設定を行うことに該当します。したがって、共同著作、共同発明のいずれにおいても、Y株式会社の承諾が必要ですので、「ない場合、できません」が入ります。

著作権侵害の対応 【平成20年 第11問】

 A株式会社(以下「A社」という。)は、B株式会社(以下「B社」という。)から、携帯電話上に表示されるB社ホームページのサイト運営に使用する目的で、ソフトウェアに関する開発業務の委託を受け、新規にプログラミングをしたソフトウェアXを2000 年12 月15 日にB社に納入し、その代金を受領した。

 しかし、B社がA社に無断で、このXをB社ホームページのサイトから切り離して、パソコン上でも利用できるように改変したソフトウェアYを2007 年12 月から製造し、これをコピーして一般消費者に販売しているという事実が、最近、判明した。

 A社・B社いずれにも、すでに開発業務委託を受けた当時の詳細を知るものはおらず、開発業務委託契約についての書面も、2000 年6月1日付けのB社からの簡単な発注書以外には残っていない。当時発注書には「使途:B社ホームページのサイト運営」との記載がある。

 この場合、A社が取りうる手段について最も適切なものはどれか。

ア A社がXについて有する著作権のひとつである翻案権を根拠に、B社に対してYの販売差し止めの請求をする。〇著作権法では、著作権を譲渡する契約において、翻案権が譲渡の目的である旨が記載されていないときは、譲渡した者に留保されたものと推定すると規定されています。つまり、設問では、開発業務委託契約についての書面が、簡単な発注書以外には残っていないような状況であるため、A社が有するXの翻案権はA社に留保されていると考えられます。従って、ソフトウェアXを改変してソフトウェアYを作ることは、A社の翻案権を侵害することになります。

イ A社がYについて有する著作権のひとつである複製権を根拠に、B社に対して損害賠償の請求をする。×著作権法上、複製権については、翻案権のようにA社に留保されると推定するような規定はありません。そのため、A社がB社に複製権侵害を主張しても、根拠に乏しいため、損害賠償の請求は困難です。

ウ B社の秘密情報に関する秘密保護義務違反という債務不履行を根拠に、B社に対して損害賠償の請求をする。×開発業務委託契約についての書面が、簡単な発注書以外には残っていないような状況であり、B社に秘密保護の義務があるか否かも不明です。よって、秘密保護義務違反を理由に損害賠償請求を行うことは困難

エ ソフトウェアの開発委託については、著作権法の規定により、その著作権が発注者(この場合はB社)に帰属することとされているので、B社に対してなんら請求することはできない。×著作権法上には、ソフトウェア開発委託における著作権が、発注者に帰属するといった規定はありません。

不正競争防止法(適用除外) 【平成30年 第11問】

 不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 真正品が外国で最初に販売された日から3 年を経過すれば、不正競争法防止法第2条第1項第3号に規定する、いわゆるデッドコピー行為の規定は適用されない。×商品形態模倣行為とならない場合として、①その商品の機能を確保するために不可欠な形態、②日本国内での最初の販売日から3年経過、③善意無重過失の譲受人、の3つがあります。

イ 不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する、いわゆる周知表示混同惹起行為において、商品の包装は「商品等表示」に含まれない。×周知表示混同惹起行為についての記述です。商品等表示は、「人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するもの」と定義されており、商品の包装が含まれます。

ウ 不正競争防止法第2条第1項第2号に規定する、いわゆる著名表示冒用行為と認められるためには、他人の商品又は営業と混同を生じさせたか否かは問われない。〇著名表示混同惹起行為についての記述です。「他人の商品又は営業との混同」は周知表示混同惹起行為の要件ではありますが、著名表示冒用行為の要件ではありません。

エ 不正競争防止法第2条第1項第4号乃至第9号に規定される営業秘密となるには、秘密管理性、独自性、有用性の3つの要件を満たすことが必要である。×非公知性

不正競争防止法 【令和元年 第10問】

 物の形状を保護する意匠法、商標法、不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 自動二輪車の形状が意匠登録された場合、その意匠権は同じ形状のチョコレートにも及ぶ。×
  2. 自動二輪車の形状が不正競争防止法第2条第1項第1号の商品等表示混同惹起行為として保護されるには、それが当該メーカーの商品等表示として需要者の間に広く認識されている必要がある。〇

「商品等表示」には、商品の特徴的な形態等も含まれ、自動二輪車も該当することがあります。 ただし、この場合は「それ(自動二輪車の形状)が当該メーカーの商品等表示として需要者の間に広く認識されている必要」があります。

  1. 自動二輪車の形状について意匠登録出願をした場合、所定期間内であれば立体商標の商標登録出願に出願変更することができる。×意匠登録出願をした場合には、それを立体商標の商標登録出願に変更することはできません。
  2. 自動二輪車の形状は商品そのものの形状なので、立体商標として登録されることはない。×「自他商品等識別力」など登録要件を満たせば、立体商標として登録を受けることができます。

不正競争防止法(適用除外) 【平成29年 第13問】

 不正競争に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 ア 他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものであっても、自己の氏名を使用する行為は不正競争になることはない。×

 イ 他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものであっても、需要者の間に広く認識される前からその商品等表示と同一の商品等表示を使用する者がその商品等表示を使用する行為は不正競争になることはない。×

 ウ 日本国内において最初に販売された日から起算して三年を経過した商品について、その商品の形態を模倣した商品を譲渡する行為は不正競争になることはない。〇 ×商品形態模倣行為になることはありません。しかし、その商品の形態が商品等表示として需要者の間に広く認識されているものとなっていれば、周知表示混同惹起行為として不正競争になる可能性があります。商品形態模倣行為の原則と例外を理解しているだけでは不十分で、商品等表示として周知表示混同惹起行為や著名表示冒用行為に該当しうるところまで理解できていることを求められる点で判断の難しい選択肢です。

エ 不正の手段により取得した技術上の秘密を使用する行為に対する差止請求権が時効によって消滅した後に当該使用行為に基づいて生じた物の譲渡行為は不正競争になることはない。×〇営業秘密侵害行為の適用除外についてです。平成27年法改正により、不正に取得した技術上の秘密を利用して製造された物品を製造した者がその物を譲渡等する行為が不正競争と位置づけられました。そして、これに対応して、差止請求権が時効によって消滅した後にその営業秘密を使用する行為により生じた物を譲渡等する行為が適用除外となりました。

知的財産権の存続期間 【平成26年 第13問】(設問2)

 産業財産権(工業所有権)の存続期間に関する下記の設問に答えよ。

(設問2)

 産業財産権のうち、(1)存続期間の更新登録制度があるもの、(2)存続期間の延長登録制度があるものの組み合わせとして最も適切なものはどれか。

ア  (1):意匠権×  (2):特許権

イ  (1):実用新案権  (2):意匠権

ウ  (1):商標権〇  (2):特許権〇

エ  (1):特許権×  (2):意匠権

特許権では存続期間の終期は出願の日から20年と定められていますが、医薬品や農薬などの分野に限って、一定の要件を満たせば最長5年間まで存続期間を延長することができます。これは、安全性の規定を満たすための治験や許認可などに相応の期間を要するため、発明の実施が長期間できない場合があるためです。

産業財産権法 【令和元年 第15問】

 産業財産権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 特許法には、特許異議申立制度が規定されている。〇特許法では、本来は登録を拒絶すべき発明が登録されたときは、何人も、特許公報の発行日から6ヶ月以内に限り、特許庁長官に、特許異議の申立てをすることができるとされています。
  2. 実用新案法には、審査請求制度が規定されている。〇×特許庁に対して、登録要件に関する実体審査を求める「審査請求」制度は、特許法のみに規定されており、実用新案法には規定されていません。
  3. 意匠法には、出願公開制度が規定されている。×
  4. 商標法には、新規性喪失の例外規定が規定されている。×新規性を登録要件としつつ、新規性喪失の例外規定が規定されているのは、特許法、実用新案法、意匠法であり、商標法には規定されていません。

特許庁に対する「(登録)異議申立」制度は、特許法と商標法に規定されています。

 特許法では、本来は登録を拒絶すべき発明が登録されたときは、何人も、特許公報の発行日から6ヶ月以内に限り、特許庁長官に、特許異議の申立てをすることができるとされています。

 また、商標法では、本来は登録を拒絶すべき商標が登録されたときは、何人も、商標公報の発行日から2ヶ月以内に限り、特許庁長官に、登録異議の申立てをすることができるとされています。

 一方、実用新案法と意匠法には、こうした登録に対する異議申立ての制度は規定されていません。

 特許庁に対して、登録要件に関する実体審査を求める「(出願)審査請求」制度は、特許法のみに規定されています。

 意匠法と商標法では、各出願に対しては自動的に実体審査が行われるため、審査請求の制度は規定されていません。

 また、実用新案法では、出願に対しては実体審査をせずに登録されるため、やはり審査請求の制度は規定されていません。

 出願内容が公開されるという「出願公開」制度が規定されているのは、特許法と商標法であり、実用新案法と意匠法には規定されていません。

 また、新規性を登録要件としつつ、新規性喪失の例外規定が規定されているのは、特許法、実用新案法、意匠法であり、商標法には規定されていません。

株式会社の機関:典型的な機関

 株式会社の各機関の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 代表取締役は、取締役または取締役以外の株主から選定され、会社を代表して業務の執行をする。×取締役の中から選定され、株式会社を代表して業務の執行

イ 取締役会は、株主総会で選任された取締役から構成され、業務運営の意思決定などを行う。〇

ウ 株主総会は、株主が参加し、会社の最高意思決定機関として機能する。〇

エ 監査役もしくは監査役会は、株主に代わって、経営をチェックする役割を担う。〇

株主総会:決議事項、定款

 株主総会とその決議事項及び定款に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 株式会社において株主総会は必ず設置しなければならず、会社の最高意思決定機関として会社の基本的な意思決定を行う。〇

イ 取締役会を設置した会社の株主総会では、取締役や監査役の選任や解任、定款の変更、その他会社の合併や解散などの会社法で定める重要な事項に限り、決議を行うことができる。×取締役会を設置した会社では、株主総会では、取締役や監査役の選任や解任、定款の変更、その他会社の合併や解散などの会社法で定める重要な事項のほかに、定款で定めた事項についても決議をすることができます。

ウ 取締役会を設置しない会社の株主総会では、取締役や監査役の選任や解任、定款の変更、その他会社の合併や解散などの会社法で定める重要な事項の他、株式会社の組織管理やその他株式会社に関する一切の事項について決議できる。〇

エ 定款とは、会社の組織や運営などの根本的なルールを定めたものである。その重要性に鑑み、内容を変更するには、原則として株主総会の決議にかけることが必要である。〇

株主総会:種類、招集、決議、定足数

 株主総会の種類、招集、決議及び定足数に関する説明として、最も適切なものはどれか。なお、定款に別段の定めはないものとする。

ア 株主総会には、事業年度の終了後一定の時期に行う定時株主総会のみがある。×

イ 株主総会の招集は、取締役会を設置した会社では、取締役会でしか行えない。×

ウ 普通決議での決議事項には、取締役や会計監査人の選任・解任や、監査役の選任、計算書類の承認などがあり、株主総会に出席した株主の議決権の過半数で決議できる。監査役の解任や、定款の変更、事業の譲渡などの組織再編は特別決議が必要で株主総会に出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成を得る必要がある。〇

エ 株主総会の定足数は議決権の3分の2以上である。×

取締役

 取締役の義務と責任の説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 取締役には善良なる管理者として忠実に業務を遂行するという「善管忠実義務」がある。× 取締役には、委任契約の受任者として善良なる管理者として注意を払って業務を遂行するという「善管注意義務」と、これを会社法が会社に対する義務として具体化させた「忠実義務」があります。

イ 取締役に課される「競業避止義務」とは、会社の事業と競業するような取引をしてはならないということである。〇「忠実義務」から導かれる義務に「競業避止義務」があります。会社の事業と競業するような取引をしてはならないということで、このような取引を行う場合には、株主総会などの承認が必要です。

ウ 取締役に課される「利益相反取引回避義務」とは会社と利益が対立するような取引をしてはならないということである。〇「利益相反取引回避義務」は会社と利益が対立するような取引をしてはならないということであり、例えば代表取締役が会社に貸付けていた個人名義の土地の賃借料を値上げする場合などは株主総会などの承認が必要です。

エ 「任務懈怠責任」とは取締役が任務を怠って株式会社に損害を与えた場合、会社に対する損害賠償責任を負うことをいう。〇取締役が、任務を怠って株式会社に損害を与えた場合も、会社に対する損害賠償責任が生じます。これを任務懈怠責任と呼びます。ただし、この場合は、損害賠償責任が生じるのは、取締役が故意または過失によって会社に損害を与えた場合に限られます。

監査役会・社外監査役

 監査役会と社外監査役に関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア 監査役会の設置は原則任意だが、大会社または公開会社の場合は、監査役会の設置が義務付けられている。〇×大会社かつ公開会社の場合は、監査役会の設置が義務付けられています。

イ 社外監査役は、過去20年以内に当該株式会社、またはその子会社の取締役・会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)・執行役・支配人その他の使用人となったことがないものでなければならない。×10年?社外監査役について、「過去10年以内」に当該株式会社、またはその子会社の取締役・会計参与・執行役・使用人等となったことがないものといった要件があります。

ウ 監査役会の決議において、定足数は過半数である。×定足数という概念は存在せず、監査役会に出席した監査役の人数にかかわらず、過半数の賛成が必要になります。

エ 監査役会を設置するには、3人以上の監査役で、かつそのうち半数以上は社外監査役でなくてはならない。〇監査役会を設置するには、3 人以上の監査役で、かつそのうち半数以上は社外監査役である必要があります。

会計監査人・会計参与

 会計監査人と会計参与に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 会計監査人の任期は1年で、変更することはできない。〇会計監査人の任期は選任後1 年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなっています。取締役や監査役と違い、任期を変更することはできません

イ 会計参与の任期は監査役同様4年である。×会計参与の任期は、取締役と同じように原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなっています。また、株式譲渡制限会社の場合は、定款に定めることによって任期を10年まで伸長することができます。

ウ 会計監査人ならびに会計参与は、資格として公認会計士または監査法人であることが必要である。×会計参与の資格は、公認会計士や監査法人に加えて、税理士、税理士法人も認められています。また、会計監査人と会計参与は、その会社の取締役や従業員から選任することはできません。

エ 会計監査人同様、会計参与もその会社の役員ではない。×会計参与は会社の役員

委員会(指名委員会等設置会社)

 指名委員会等設置会社に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 指名委員会等設置会社では、監督機能を強化するための機関として、指名委員会、監査委員会、報酬委員会の3つの委員会を設置する必要がある。〇業務の執行は、執行役によって行われる形となります。

イ 指名委員会等設置会社における取締役の任期は1年である。〇指名委員会等設置会社にした場合、取締役の任期は選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなります。また取締役は、原則として会社の業務を執行することができません。これは、業務の執行は執行役が行い、取締役は監督業務に専念するためです。

ウ 指名委員会等設置会社では、取締役会・会計監査人と監査役を必ず設置する。×指名委員会等設置会社にすると、会社の機関は基本的には株主総会、取締役会、3委員会、執行役、会計監査人から構成されることになります。一方、指名委員会等設置会社では監査役を設置することができません

エ 指名委員会、監査委員会、報酬委員会はそれぞれ取締役3人以上から構成する必要がある。〇3つの委員会は、それぞれ取締役3人以上から構成する必要があります。委員会のメンバーの選任は、取締役会で行います。また、委員会を構成する取締役の過半数を社外取締役にする必要があります。このように、指名委員会等設置会社は、社外取締役が大勢必要になるため、大規模な企業でもハードルが高い形態といえます。

委員会(指名委員会等設置会社)と執行役・執行役員

 執行役と代表執行役、執行役員制度に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 指名委員会等設置会社では、3人以上の執行役を選任する必要がある。×指名委員会等設置会社では、1人以上の執行役を選任する必要があります。3人以上ではありません。執行役の選任や解任は、取締役会によって行われます。

イ 指名委員会等設置会社においては代表取締役を選ぶ必要がある。×指名委員会等設置会社では、取締役会が執行役の中から代表執行役を選ぶ必要があります。

ウ 指名委員会等設置会社における執行役の任期は1年であり、任期を延長することはできない。〇執行役の任期は、原則として選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとなっています。執行役の任期は、定款によって短縮することはできますが、延ばすことはできません。

エ 執行役員制度は、会社法に定められたもので、監督機能と業務執行権限を分離するために導入するものである。×執行役員制度は、会社法で定められた制度ではありません。執行役員制度は、企業が自主的に監督機能と業務執行機能を分離するために導入しているものです。ただし、執行役員制度の執行役員は、取締役や監査役といった法律上で定められた機関ではなく、あくまで会社が任意で設置する「重要な使用人」という位置づけになります。

 委員会(指名委員会等設置会社と監査等委員会設置会社)

 指名委員会等設置会社と監査等委員会設置会社に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 指名委員会等設置会社の取締役の任期は原則1年だが、監査等委員会設置会社の取締役の任期は原則2年である。×指名委員会等設置会社の取締役の任期は原則として選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までですが、監査等委員会設置会社の取締役の任期については、監査等委員でない取締役は原則として選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで、監査等委員である取締役は選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなります。

イ 指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社ともに、取締役は株主総会の普通決議で選任および解任することができる。〇×取締役の選任・解任は原則として株主総会の普通決議ですが、監査等委員会設置会社における監査等委員である取締役の解任のみ株主総会の特別決議で行います。

ウ 指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社ともに、執行役が業務を執行し、代表執行役が会社を代表する。〇×指名委員会等設置会社では執行役が業務を執行し、代表執行役が会社を代表します。一方、監査等委員会設置会社では執行役・代表執行役という機関はなく、監査等委員でない取締役が業務を執行し、代表取締役が会社を代表します。

エ 指名委員会等設置会社の各委員は取締役会で選定するが、監査等委員会設置会社の監査等委員は株主総会で選任する。×〇指名委員会等設置会社の各委員は取締役会で選定されます。一方、監査等委員会設置会社の監査等委員(である取締役)は株主総会で選任されます。

指名委員会等設置会社

・指名委員会等設置会社では、取締役会と3委員会(指名委員会、監査委員会、報酬委員会)、会計監査人が必須の機関となります。

・業務の執行は執行役が行い、代表執行役が会社を代表します。

・取締役の任期は原則として選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。

・取締役は株主総会の普通決議で選任・解任され、各委員は取締役会の決議で選定・解職されます。

監査等委員会設置会社

・監査等委員会設置会社では、取締役会と監査等委員会、会計監査人が必須の機関となります。

・業務の執行は監査等委員でない取締役が行い、代表取締役が会社を代表します。

・監査等委員でない取締役の任期は原則として選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までですが、監査等委員である取締役の任期は選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。

・取締役は株主総会の普通決議で選任され、解任は監査等委員でない取締役は株主総会の普通決議、監査等委員である取締役は特別決議でなされます。

 株式譲渡制限による分類

 株式譲渡制限に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 「公開会社」とは株主が所有する株式の全部または一部を自由に譲渡できるようになっている会社のことをいい、たとえ1株でも譲渡できれば公開会社である。〇公開会社は、株主が所有する株式の全部または一部を自由に譲渡できるようになっている会社です。公開会社という言葉は、株式市場に上場しているかどうかは関係しません。

イ 定款により全ての株式に譲渡制限がかかった会社のことを「株式譲渡制限会社」という。〇株式譲渡制限会社は、公開会社ではない会社です。株式譲渡制限会社は、全ての株式について、譲渡する際に会社の承認が必要な会社となります。

ウ 譲渡制限株式を所有する株主が他の人に株式を売却する際には、会社の承認が必要になる。〇譲渡制限が付けられた株式を譲渡制限株式と呼びます。譲渡制限株式を所有する株主は、他の人に株式を売却するなどして譲渡する際には、会社の承認が必要となります。なお、譲渡の承認を請求された場合、会社は2週間以内に承認するか否かの通知をしなかった場合、承認したとみなす旨の定めがあります。

エ 公開会社では、取締役会の設置が必須であり、取締役の任期は原則の2年を延長することはできず、定款によって取締役を株主に限定することが可能である。×公開会社では、任期を延長することはできません。また、株式譲渡制限会社では、定款によって取締役を株主に限定することが可能ですが公開会社では、この定めを置くことはできません。

大会社、大会社以外の会社

 会社法における「大会社」と「大会社以外の会社」に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 会社法における大会社とは資本金が5億円以上かつ負債総額が200億円以上の株式会社のことをいう。×

イ 大会社では会計監査人の設置が必須となる。〇大会社では会計監査人の設置が必須となります。

ウ 大会社または公開会社の場合は、監査役会の設置が必須となる。×大会社かつ公開会社の場合では、監査役会の設置が必須となります。大会社でも公開会社でなければ、監査役会の設置は任意となるため、不適切な記述です。なお、大会社以外の公開会社では監査役会の設置は任意です。

エ 大会社以外の会社では決算において損益計算書の公告が義務付けられているが、貸借対照表の公告は必須ではない。×

大会社には、大会社以外の会社とは異なる規制が適用されます。まず、大会社では会計監査人の設置が必須となります。また、大会社かつ公開会社の場合は、監査役会の設置が必須となります。

機関設計の総合問題3

株式会社の機関設計についての説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 公開会社では、取締役会の設置が必須である。〇取締役会については、株式譲渡制限会社では設置が任意ですが、公開会社では設置が必須となります。

イ 大会社では、会計監査人の設置が必須である。〇大会社では会計監査人の設置が必須となります。

ウ 大会社以外の株式譲渡制限会社において、取締役会が設置された会社では、会計参与を設置すれば監査役は不要である。〇取締役会を設置した場合は、原則は監査役を設置する必要があります。ただし、大会社以外の株式譲渡制限会社で取締役会を設置した場合、会計参与を設置すれば、監査役は必要ありません。

エ 会計監査人を設置するためには、監査役が必須である。×会計監査人を設置するには、原則は監査役を設置している必要があります。よって、会計監査人は、監査役との組み合わせで設置されることになります。ただし、指名委員会等設置会社では「監査委員会」、監査等委員会設置会社では「監査等委員会」がその役割を負います。

株主総会の招集 【令和元年 第6問】(設問1)

 X株式会社(以下「X社」という。)は、取締役会及び監査役会を設置している会社 (公開会社ではなく、かつ大会社ではない)である。中小企業診断士であるあなたは、2019年1月に、今年(2019年)の株主総会のスケジュール等について、X社の株主総会担当者の甲氏から相談を受けた。以下の会話は、その相談の際のものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲 氏:「当社の事業年度は、4月1日から翌年3月31日までです。2019年は6月27日(木)に株主総会を開催したいと考えています。株主総会の招集通知はいつまでに発送すればよいですか。」

 あなた:「御社では、株主総会に出席しない株主に、書面による議決権の行使や、電磁的方法による議決権の行使を認める制度を設けていますか。」

 甲 氏:「いいえ。設けていません。」

 あなた:「そうすると、御社は、取締役会を設置している会社ですが、公開会社ではありませんし、また、書面による議決権の行使や、電磁的方法による議決権の行使を認める制度を設けていないので、(  A  )までに招集通知を発送する必要があります。」

 甲 氏:「分かりました。ところで、今回の株主総会でも、昨年と同様、3年前まで当社の取締役であった乙氏が、「自分を取締役に選任しろ」という議案を株主提案として提出してくると聞いています。どのような点に注意した方がよいでしょうか。」

 あなた:「御社では、定款で株主提案に関する何らかの規定は設けていますか。」

 甲 氏:「いいえ。定款では特に規定は設けていません。」

 あなた:「(  B  )」

(設問1)

会話の中の空欄Aに入る記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 株主総会の日の1週間前〇
  2. 株主総会の日の2週間前
  3. 原則として株主総会の日の1週間前ですが、定款で1週間を下回る期間を定めた場合にはその期間の前
  4. 原則として株主総会の日の2週間前ですが、定款で2週間を下回る期間を定めた場合にはその期間の前

株主総会の招集通知は、取締役会設置会社では、原則として会日の2週間前までに、書面により株主に発する必要があります。ただし、株式譲渡制限会社では、その株主に書面または電磁的方法による議決権の行使を認める場合を除き、招集通知を会日の1週間前までに発すれば足りるほか、取締役会非設置会社では、これを下回る期間を定款で定めることができます。

株主総会の招集 【令和元年 第6問】(設問2)

 X株式会社(以下「X社」という。)は、取締役会及び監査役会を設置している会社 (公開会社ではなく、かつ大会社ではない)である。中小企業診断士であるあなたは、2019年1月に、今年(2019年)の株主総会のスケジュール等について、X社の株主総会担当者の甲氏から相談を受けた。以下の会話は、その相談の際のものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲 氏:「当社の事業年度は、4月1日から翌年3月31日までです。2019年は6月27日(木)に株主総会を開催したいと考えています。株主総会の招集通知はいつまでに発送すればよいですか。」

 あなた:「御社では、株主総会に出席しない株主に、書面による議決権の行使や、電磁的方法による議決権の行使を認める制度を設けていますか。」

 甲 氏:「いいえ。設けていません。」

 あなた:「そうすると、御社は、取締役会を設置している会社ですが、公開会社ではありませんし、また、書面による議決権の行使や、電磁的方法による議決権の行使を認める制度を設けていないので、(  A  )までに招集通知を発送する必要があります。」

 甲 氏:「分かりました。ところで、今回の株主総会でも、昨年と同様、3年前まで当社の取締役であった乙氏が、「自分を取締役に選任しろ」という議案を株主提案として提出してくると聞いています。どのような点に注意した方がよいでしょうか。」

 あなた:「御社では、定款で株主提案に関する何らかの規定は設けていますか。」

 甲 氏:「いいえ。定款では特に規定は設けていません。」

 あなた:「(  B  )」

(設問2)

 会話の中の空欄Bに入る記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 御社の場合、株主が、株主提案について、議案の要領を株主に通知することを求めるには、株主総会の日の6週間前までに請求することが必要です。このため、乙氏が株主提案をしてきた場合は、この要件を満たしているのかを確認してください。
  2. 御社の場合、株主が、株主提案について、議案の要領を株主に通知することを求めるには、総株主の議決権の100分の3以上の議決権又は300個以上の議決権を、6か月前から引き続き有していることが要件となります。このため、乙氏が株主提案をしてきた場合は、この要件を満たしているかを確認してください。
  3. 株主の提案する議案が、実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、会社は、その株主提案を拒絶することができます。乙氏は、昨年の株主総会でも同様の株主提案をしてきたとのことですので、乙氏が株主提案をしてきた場合は、まず昨年の賛否の状況を確認してください。〇
  4. 株主の提案する議案が、法令や定款に違反する議案の場合であっても、株主提案は、株主の基本的な権利ですので、議案の要領を株主に通知する必要があります。このため、乙氏が株主提案をしてきた場合は、その提案が法令に違反するものであっても、必ず、議案の要領を株主に通知してください。

株主が、株主総会の「議題」を提案し、または株主総会での特定の議題について提出しようとする議案の要領を株主に「通知」することを請求するには、定款に別段の定めがない限り、取締役会設置会社では、総株主の議決権の100分の1以上または300個以上の議決権を6ヶ月前から引き続き有することが必要で、かつ、会日の8週間前までに取締役に請求する必要があります。

 なお、株主が、株主総会において、特定の議題に関する「議案」を提出する場合には、取締役会設置会社でも、こうした保有議決権数や株式保有期間の制限はありません。しかし、株主の提案する議案が法令や定款に違反する場合、または実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合には、定款に別段の定めがない限り、会社は、その提案を拒絶することができます。

執行役と執行役員 【平成23年 第5問】

 次の文章は、中小企業診断士であるあなたと、顧客であるX株式会社の代表取締役の甲氏との間の会話である。この会話の空欄AとBに入る用語の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 甲氏:「私の会社もある程度大きくなって、取引先も大手の会社が増えてきたから、社員の肩書を変えようかと思いましてね。」

 あなた:「どのようなものをお考えなんですか。」

 甲氏:「何かこう見栄えのいいのがいいなあと思いましてね。取引先でもらう名刺なんか見ると、エグゼクティブ何とかとか、何ちゃらプレジデントとか、何とか( A )とか、いろいろあるからそれを参考にして、営業本部長を業務( B )とかそういった名前にしようかなと思っているんですよ。」

 あなた:「えっ、その( B )という肩書ですと、本当は会社法上の機関でないのに、会社法上の機関、役員と間違われてしまいますよ。」

 甲氏:「えっ、役員ということは取締役と一緒ということですか。それじゃあうまくないなあ。そうすると、( A )というのも、機関というものになるわけですか。」

 あなた:「いいえ、( A )という名称は、法律上にこれといった根拠があるものではなく、最近の実務慣行で使われるようになった名称ですので、会社法上の機関ではありません。そういったこともあって、取締役といった役員の名称とは別に、( A )という名称を使っている場合もあります。」

 甲氏:「へえ、じゃあ( A )」という名称はどういったときに使えばいいんですか。」

 あなた:「いろいろなケースがあるので一概にはいえませんが、会社との間の契約の内容も様々といわれています。」

[解答群]

ア A:CFO B:執行役員

イ A:執行役 B:CFO

ウ A:執行役 B:執行役員

エ A:執行役員〇 B:執行役〇

執行役とは、指名委員会等設置会社で1 人以上選任しなければならない機関で、業務の執行を行います。会社法上では、「役員」とは取締役、監査役、会計参与であり、「役員等」とは、執行役と会計監査人を含むと規定されています。このように、執行役は会社法上で定められた機関です。

 執行役と似た制度として、執行役員制度があります。執行役員制度は、会社法で定められた制度ではありません。執行役員制度は、企業が自主的に監督機能と業務執行機能を分離するために導入しているものです。執行役員制度の執行役員は、取締役や監査役といった法律上で定められた機関ではなく、あくまで会社が任意で設置する「重要な使用人」という位置づけになります。

種類株式2

 種類株式に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 会社が発行する全ての株式が譲渡制限株式の会社のことを「株式譲渡制限会社」という。〇

イ 全部取得条項付株式とは、会社が株主総会の決議によって、その種類株式を全て取得できるものをいう。〇「全部取得条項付株式」とは、会社が株主総会の決議によって、その種類株式を全て取得できるものです。

ウ 「黄金株」とは一般的には拒否権付株式のことをいう。〇一般的には拒否権付株式は「黄金株」と呼ばれています。この株式を持つ株主は他の一般株主に比べ強力な権利を持ちます。

エ 取締役・監査役選任権付株式は、株式譲渡制限会社であれば発行できる。×「取締役・監査役選任権付株式」は、公開会社や指名委員会等設置会社では発行することができません。「株式譲渡制限会社」(=「公開会社でない会社」)でも、その会社が指名委員会等設置会社の場合、この株式は発行することができません

株式の発行・募集株式の発行手続き

 株式の発行・募集株式の発行手続きに関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 発行可能株式総数は、あらかじめ決められた発行できる株式の総数のことである。発行可能株式総数は取締役会設置会社においては取締役会決議で、それ以外の場合は代表取締役が決める。×発行可能株式総数は、定款に定める必要があります。よって、発行可能株式総数を変更するには、原則として株主総会の特別決議が必要になります。

イ 公開会社では、発行可能株式総数には制限があり、会社設立時の株式数は、発行可能株式総数の5分の1を下回ることができない。〇×公開会社では、会社設立時の株式数は、発行可能株式総数の4分の1を下回ることができません。つまり、発行可能株式総数は、発行済株式数の4 倍を超えることができないということを表します。また、会社設立後も、発行可能株式総数は、発行済株式数の4 倍を超えることができません。

ウ 募集株式の発行をするためには、公開会社では、原則として取締役会の決議が必要である。ただし、第三者に対して特に有利な条件で株式を割り当てる場合は、株主総会の特別決議が必要になる。〇募集株式の発行をするためには、公開会社では、原則として取締役会の決議が必要です。ただし、第三者に対して特に有利な条件で株式を割り当てる場合は、株主総会の特別決議が必要になります。

エ 募集株式の発行をするためには、株式譲渡制限会社の場合は原則として株主総会の普通決議が必要になる。ただし、定款に定めがある場合は、取締役会の決議で発行を行うことができる。また、第三者への有利発行をする場合でも、定款に定めがあれば株主総会の普通決議で発行できる。×株式譲渡制限会社の場合は、原則として株主総会の特別決議が必要になります。ただし、株主総会の委任がある場合は、取締役会の決議で発行を行うことができます。また、株式譲渡制限会社の場合は、第三者への有利発行をする場合でも、株主総会の委任があれば取締役会の決議で発行できます。

単元株制度

 単元株制度に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 単元株制度を導入するには、定款に定める必要がある。1単元の株数は自由に決定できるが、100株を超える単元株制度は導入できない。〇×単元株制度を導入するには、定款に定める必要があります。また、1単元の株数は自由に決定できますが、1000株を超える単元株制度は導入できません。

イ 単元株の単位を増加するには、株主総会の特別決議が必要である。〇×〇単元株の単位が大きくなると、株主にとっては、単元未満株が多く発生します。単元未満株は、議決権が認められないため、単元株の単位を増やすことは株主にとって不利になります。単元株の単位を増加するには、株主総会の特別決議が必要になります。

ウ 単元株の単位を減少する場合には、株主総会の普通決議が必要である。×単元株の単位を減少する場合には、株主総会によらず、取締役会(取締役会非設置会社の場合は取締役)で定款の定めを変更できます。

エ 単元未満株を所有している株主は、単元未満株を会社が買い取ることを請求できる。このことを株式取得条項と呼ぶ。×単元未満株を所有している株主は、単元未満株を会社が買い取ることを請求できます。この権利のことを「単元未満株式買取請求権」と呼びます。取得条項付株式は、会社側に株式を買い取る権利がある株式のことをいいます。

自己株式

 自己株式に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 株主が所有していた株式を自社が買い取ると、自己株式となる。〇

イ 自己株式を取得する場合は、原則として株主総会の特別決議が必要となる。特に、特定の株主から自己株式を取得する場合は、株主総会の特殊決議が必要になる。〇×自己株式を取得する場合は、原則として株主総会の普通決議が必要となります。特に、特定の株主から自己株式を取得する場合は、株主総会の特別決議が必要になります。

ウ 市場取引や公開買付けによって自己株式を取得する場合は、あらかじめ定款に定めを置くことで、取締役会の決議で取得できる。〇市場取引や公開買付けによって自己株式を取得する場合は、あらかじめ定款に定めを置くことで、取締役会の決議で取得できます。

エ 自己株式を取得する場合には、その金額が分配可能額を超えてはならないという規制がある。〇自己株式を取得することは、配当と同じように、株主に会社の財産を分配することになります。そのため、自己株式を取得する場合に、金額が分配可能額を超えてはならないという規制があります。

資本金と資本準備金

 資本金と資本準備金に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 現在の会社法では、資本金が10,000円以上であれば、会社を設立することができる。×現在の会社法では、「資本金の最低金額」は定めが無くなっています。現在では、資本金がゼロ円でも、会社を設立することができます。(ただし、資本金の額は登記する必要があります。)

イ 増資などの際、株主の払込み金額のうち、2 分の1については、資本準備金に組み入れなくてはならない。×資本金は、原則として会社の設立や株式の発行の際に、株主から払い込まれた財産の額となります。ただし、株主から払い込まれた金額のうち、全額を資本金にしなくても構いません。株主の払込み金額のうち、2分の1を超えない額については資本金ではなく、資本準備金に組み入れることが容認されています。

ウ 減資をするためには、原則として株主総会の普通決議が必要になる。×資本金を減らす減資をすることは、会社の財産基盤を危うくする恐れがあるため、一定の規制を受けます。減資をするためには、原則として株主総会の特別決議が必要になります。ただし、減資した後に剰余金が生じない場合には、株主総会の普通決議で良いとされています。これは、会社が多額の損失を出し、減資によって欠損を解消するケースに相当します。

エ 資本準備金の額を減少する場合には、株主総会の特別決議ではなく、原則として普通決議で決定することができる。〇資本準備金の額を減少する場合には、株主総会の特別決議ではなく、原則として普通決議で決定することができます。この場合には原則として、債権者保護手続きが必要になります。ただし、準備金を取崩してその全額を資本金に割り当てる場合などは、債権者の不利益にならないため、債権者保護手続きは必要ありません。

計算書類

 株式会社が作成する計算書類に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 株式会社では、決算や事業の内容を記載した計算書類を作成し、5年間保存する義務がある。×株式会社では、決算や事業の内容を記載した「計算書類」を作成し、10 年間保存する義務があります。なお、事業報告については5年間保管しなければなりません。

イ 計算書類は取締役が作成する。監査役や会計参与を設置した会社は、その監査役または会計参与が監査を行う。×計算書類は取締役が作成しますが、会計参与設置会社では、会計参与は取締役と共同して計算書類を作成します。会計参与は監査を行いません。監査役設置会社では、計算書類は監査役の監査を受ける必要があります。

ウ 株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告する必要があり、さらに大会社では、貸借対照表に加えて損益計算書も公告する必要がある。ただし、有価証券報告書を提出している会社は、決算公告の必要はない。〇株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告する必要があります。さらに、大会社では、貸借対照表に加えて損益計算書も公告する必要があります。ただし、有価証券報告書を提出している会社は、決算公告を行う必要はありません。これは、有価証券報告書の中で計算書類の内容が開示されているためです。

エ 決算公告は、官報か日刊新聞への掲載のいずれかから定款に定めた方法で公告しなければならない。×決算公告は、官報日刊新聞への掲載など定款に定めた方法で公告します。また、現在では、Webサイトを使用する電子公告も認められています

株式会社の設立 【平成20年 第16問】(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 個人事業を営んでいるA氏は、事業の信用を高めるため株式会社の設立を準備中である。かねてから親交のある中小企業診断士であるあなたに、会社法が平成18 年5月に施行されたことにより会社の設立方法が変わったと聞いたがどのようになったのか質問があった。また、資本金はいくらにすればよいか、設立後に注意しなければならないことについてアドバイスを求められた。

(設問2)

 資本金は、大きいほど資金面でみれば有利にみえる。しかし、資本金額によっては各種の法律上の適用が異なることも留意点になる。次の中で、最も不適切なものはどれか。

ア 会社法では、最終事業年度に係わる貸借対照表に計上した資本金が5億円以上の会社は大会社となり、会計監査人を置かなければならない。〇会社法では、最終事業年度の資本金が5億円以上、または負債総額が200億円以上の株式会社を大会社と定めています。大会社では会計監査人の設置が必須となります。

イ 株式会社の設立登記時に納める登録免許税は、資本金の額に1,000分の7を乗じた金額となる。ただし、その金額が15万円に満たないときは、15万円となる。〇登録免許税法では、株式会社の設立登記時に納める登録免許税について、資本金の額に1,000分の7を乗じた金額と定めています。また、その金額が15万円に満たないときは、15万円となることも規定されています。

ウ 消費税法上、資本金1千万円以下の会社については設立年度の消費税の納税義務が免除される。〇×消費税法では、資本金1千万円未満の会社については、設立年度の消費税の納税義務を免除することを規定しています。基準の資本金額は1千万円「以下」ではない

エ 法人事業税では、各事業年度終了の日において資本金の額が1億円を超える法人は外形標準課税が適用され、所得のほか、付加価値額と資本金等の額に応じて課税される。〇地方税法では、法人事業税は、各事業年度終了の日において資本金の額が1億円を超える法人は、外形標準課税が適用されることを定めています。これによって、法人事業税において、所得のほか、付加価値額と資本金等の額に応じて課税されるようになります。

株式会社の設立 【平成20年 第16問改題】(設問3)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 個人事業を営んでいるA氏は、事業の信用を高めるため株式会社の設立を準備中である。かねてから親交のある中小企業診断士であるあなたに、会社法が平成18 年5月に施行されたことにより会社の設立方法が変わったと聞いたがどのようになったのか質問があった。また、資本金はいくらにすればよいか、設立後に注意しなければならないことについてアドバイスを求められた。

(設問3)

 会社の設立後には、各種機関への届出が必要になる。次の中で、最も不適切なものはどれか。

ア 給与等を支払う法人を設立した日から1か月以内に、給与支払事務所等の開設届出書を税務署に提出しなければならない。×〇

イ 従業員を使用する法人を設立した日から5日以内に労働保険関係成立届、雇用保険適用事業所設置届を労働基準監督署に提出しなければならない。〇×従業員を使用する法人を設立した場合、設立後10日以内に、労働保険関係成立届を労働基準監督署に提出しなければなりません。また、同じく設立後10日以内に、雇用保険適用事業所設置届を公共職業安定所長に提出しなければなりません。

ウ 常時従業員を使用する法人を設立した日から5日以内に健康保険・厚生年金保険新規適用届を年金事務所に提出しなければならない。〇

エ 法人を設立した場合には、設立の日から2か月以内に法人設立届出書を税務署に提出しなければならない。〇

譲渡制限株式 【平成23年 第6問】(設問1)

 中小企業診断士であるあなたと、顧客であるX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役の甲氏との会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X社は、発行する株式の全てが譲渡制限株式であり、取締役会設置会社であるとする。また、定款に特段の定めもないものとする。

 甲氏:「そういえば、こんな書類が昨日来たんだよね。」

 あなた:「えーと、Aさんが持っている御社の株式をBさんに譲渡したいから承認して欲しい……。株式の譲渡承認請求の通知ですね。」

 甲氏:「うん。そうなんだよ。この譲渡人って書いてあるAさんは、元々はうちの取引先だったんだけど、20 年近く前に店を閉めてしまってね。その後もずっとうちの株を持っていてくれていたんだけど、もうさすがに譲渡したいということのようなんだ。株主が他の人に交代するのは仕方がないかなとは思うけど、ただ、今回来た書類に書いてあるBさんという人は全然知らない人だから、不安なんだよね。」

 あなた:「もし、Bさんが株主となるのが、御社では好ましくないとお考えなら、今回の譲渡を拒否することもできるはずですよ。」

 甲氏:「そうなの、どうすればいいの。」

 あなた:「えーと、確か、拒否するんだったら早いうちに回答をしないといけないはずで、回答しないと認めたことになってしまうと思いますよ。私も細かいところまでは分かりませんので、弁護士を紹介しますから、すぐに相談に行かれてはいかがですか。」

 甲氏:「ありがとう。早速相談に行ってみるよ。」

(設問1)

 会社法では、譲渡制限株式の譲渡について、譲渡承認請求がなされた日から一定期間内に、会社がその承認の可否に関する決定の通知をしなかった場合には、会社がその譲渡を承認したものとみなす旨の定めがある。この場合の一定期間として最も適切なものはどれか。

ア 1週間

イ 2週間〇譲渡制限株式について、株主から譲渡承認請求がされた場合、承認請求の日から2 週間以内に、承認するか否かの決定を通知しなければなりません。なお、2 週間を下回る期間を定款で定めた場合は、その期間内に承認するか否かの決定をする必要があります。X社の場合、期間について定款の定めがないため、2 週間以内に通知する必要があります。

ウ 20 日間〇×

エ 1か月

 譲渡制限株式 【平成23年 第6問】(設問2)

 中小企業診断士であるあなたと、顧客であるX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役の甲氏との会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X社は、発行する株式の全てが譲渡制限株式であり、取締役会設置会社であるとする。また、定款に特段の定めもないものとする。

 甲氏:「そういえば、こんな書類が昨日来たんだよね。」

 あなた:「えーと、Aさんが持っている御社の株式をBさんに譲渡したいから承認して欲しい……。株式の譲渡承認請求の通知ですね。」

 甲氏:「うん。そうなんだよ。この譲渡人って書いてあるAさんは、元々はうちの取引先だったんだけど、20 年近く前に店を閉めてしまってね。その後もずっとうちの株を持っていてくれていたんだけど、もうさすがに譲渡したいということのようなんだ。株主が他の人に交代するのは仕方がないかなとは思うけど、ただ、今回来た書類に書いてあるBさんという人は全然知らない人だから、不安なんだよね。」

 あなた:「もし、Bさんが株主となるのが、御社では好ましくないとお考えなら、今回の譲渡を拒否することもできるはずですよ。」

 甲氏:「そうなの、どうすればいいの。」

 あなた:「えーと、確か、拒否するんだったら早いうちに回答をしないといけないはずで、回答しないと認めたことになってしまうと思いますよ。私も細かいところまでは分かりませんので、弁護士を紹介しますから、すぐに相談に行かれてはいかがですか。」

 甲氏:「ありがとう。早速相談に行ってみるよ。」

(設問2)

 X社で、本件の譲渡承認請求の可否について決定すべき機関として、最も適切なものはどれか。

ア 株主総会〇×

イ 代表取締役

ウ 代表取締役又は株主総会のいずれか

エ 取締役会〇譲渡承認請求がされた場合、その可否を決定する機関は、取締役会設置会社の場合は取締役会が、それ以外の会社では株主総会が該当します。なお、別の機関を決定機関とする旨を定款で定めることもできます。X社は取締役会設置会社であり、特に定款の定めもないため、決定機関は取締役会になります。

募集株式の発行 【平成30年 第4問】

 募集株式の払込金額(募集株式1株と引換えに払い込む金銭の額)が募集株式を引き受ける者にとって特に有利な金額になる第三者割当増資を株式会社が行うには、株主総会の特別決議が必要になる。

 現在のX株式会社(以下「X社」という。)の発行可能株式総数は20株であり、発行済株式総数は、10株である。また、X社の企業価値は、100億円である。したがって、1株当たりの企業価値は、10億円である。

 現在、X社は、40億円の投資を行うことによりX社の企業価値が50億円増加して150億円になる新規プロジェクトを計画しており、この40億円を第三者割当ての方法による募集株式の発行により調達しようとしている。

 この場合において、募集株式の払込金額が募集株式を引き受ける者にとって特に有利な金額になる募集株式の数に関する記述として、最も適切なものはどれか。

なお、X社には債権者がいないこと及び募集株式の全てを引き受けてくれる投資家が存在することを前提とする。

  1. 募集株式の数を2株とする。
  2. 募集株式の数を4株とする。
  3. 募集株式の数を5株とする。
  4. 募集株式の数を10株とする。
  1. 募集株式の数を2株とする=40/2=20
    この投資により企業価値が50億円増加しますので、1株当たり企業価値増加分は25億円となります。これは、既存の1株あたり企業価値10億円を大きく上回っています。
  2. 募集株式の数を4株とする。=40/4=10
    1株当たり企業価値増加分は12.5億円となり、既存株式と比較して有利ではありません。
  3. 募集株式の数を5株とする。=40/5=8
    1株当たり企業価値増加分は10億円となります。この場合、前者は既存株式よりも20%有利ですが、後者は既存株式と同等で有利とは言えません。
  4. 募集株式の数を10株とする。=40/10=4
    1株当たり企業価値増加分は5億円となります。この場合、既存株式の1株当たり企業価値を大きく下回っており、既存株主が被る不利益が大きいと判断できます。

自己株式の取得 【平成27年 第2問】(設問2)

 自己株式の取得に関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の総務部門の担当者である甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X社は、公開会社ではなく、取締役会設置会社であるとする。また、定款に特段の定めもないものとする。

甲氏:「今、有償での自己株式の取得を検討しているのですが、手続について教えてもらえませんか。株主総会の決議が必要なのは分かっているのですが。」

あなた:「株主との合意によりX社の株式を取得するということですよね。有償で自己株式を取得する場合、取得対価の帳簿価格の総額が(A)を超えてはいけないことになっているのですが、その点は大丈夫ですか。」

甲氏:「はい。それは既に確認しているので大丈夫です。」

あなた:「よかったです。では、手続ですが、株主全員に譲渡の勧誘をする方法(①の方法)と特定の株主から取得する方法(②の方法)の2つがあります。②の方法では、特定の株主だけから株式を取得するので、その株主の氏名を株主総会で決議する必要があります。ただ、②の方法の場合、他の株主は、自己を取得の相手に加えるように請求することができます。」

甲氏:「なるほど。2つの方法で株主総会の招集手続に違いはありますか。」

あなた:「書面又は電磁的方法による議決権行使を認めないことを前提とすると、総会の日の(B)前までに招集通知を発送しなければならないのは、①の方法でも②の方法でも変わらないのですが、②の方法の場合、自己を取得の相手に加える旨の請求を行う機会を与えるために、その請求ができることを招集通知の発送期限までに株主に通知しなければなりません。この通知と招集通知を兼ねるとすると、②の方法の場合の方が、①の方法の場合よりも早く招集通知を発送しなければならないことになります。」

甲氏:「決議要件はどうでしょうか。」

あなた:「(C) 」

甲氏:「なるほど。ありがとうございました。」

あなた:「今回の場合にどちらの手続が具体的に良いのかは、専門家にきちんと相談した方がいいと思います。顧問弁護士の先生に連絡を取ってみてはどうでしょうか。」

(設問2)

 会話の中の空欄Bに入る期間として最も適切なものはどれか。

ア 5日

イ 1週間〇会社が公開会社ではなく、書面や電磁的方法による議決権行使の定めがない場合は、株主総会開催の日の1週間前に招集通知を発する必要があります。さらに、取締役会設置会社ではない場合、定款で短縮できます。

ウ 2週間〇×

エ 1か月

株式会社の配当 1【平成30年 第7問】

 資本の部の計数の増減に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 資本金の額を減少させ、その減少させた金額と同じ金額だけその他資本剰余金の額を増やすためには、債権者異議手続を行う必要がある。〇資本金減少・その他資本剰余金増加です。これは、分配可能額の増加につながります。したがって、債権者異議手続が必要となります。

イ 資本金の額を減少させ、その減少させた金額と同じ金額だけ利益準備金の額を増やすためには、債権者異議手続を行う必要がある。〇×資本金減少・利益準備金増加です。資本金と準備金の間での移動では分配可能額は変化しません。したがって、債権者異議手続は不要です。

ウ 資本準備金の額を減少させ、その減少させた金額と同じ金額だけ資本金の額を増やすためには、債権者異議手続を行う必要がある。×

エ その他資本剰余金の額を減少させ、その減少させた金額と同じ金額だけ資本金の額を増やすためには、債権者異議手続を行う必要がある。×

株式会社の配当2 【平成22年 第20問】

 会社法における株式会社の剰余金の配当規定に関連する説明として、最も不適切なものはどれか。なお、本問における株式会社は、取締役会設置会社であるが会計監査人設置会社ではないものとする。

ア 株式会社の純資産が300 万円を下回らない限り、株主総会の決議によっていつでも剰余金の配当をすることができる。×〇

 配当における分配可能額は、剰余金の額を基準にして、自己株式の帳簿価額や自己株式の処分対価などを控除するなどの調整を行うことで計算します。また、純資産の額が300万円を下回る場合には、配当を行うことはできません。

 配当はいつでも行うことができますが、配当をするためには、原則として株主総会の普通決議が必要になります。

イ 株主総会の決議によって、配当財産を金銭以外の財産とする現物配当をすることができる。ただし、当該株式会社の株式等を配当財産とすることはできない。〇剰余金の配当では、金銭以外の財産とする現物配当をすることが可能です。しかし、会社の株式や社債、新株予約権などを現物配当の配当財産とすることはできません。

ウ 事業年度の一定の日を臨時決算日と定め、臨時計算書類を作成して取締役会および株主総会で承認を受けた場合は、臨時決算日までの損益も分配可能額に含まれる。〇会社法では、事業年度の一定の日を臨時決算日と定め、臨時計算書類を作成して取締役会および株主総会で承認を受けた場合は、臨時決算日までの損益も分配可能額に含めることができると規定されています。

エ 定款で定めることにより一事業年度の途中において何回でも取締役会の決議によって中間配当をすることができる。ただし、配当財産は金銭に限られる。〇×

株主総会の普通決議により承認を受けた場合の剰余金の配当は、何回でも行うことができますが、定款に定めた場合には一事業年度中1回に限り、取締役会決議による剰余金の配当をすることができます。 なお、例外的に、一定の要件を満たす会計監査人設置会社では、取締役会決議によりいつでも剰余金の配当が可能です。本問における株式会社では会計監査人設置会社ではないため、この特則による配当をすることはできません。

金融商品取引法 【令和元年 第8問】

 下表は、金融商品取引法に定める縦覧書類の公衆縦覧期間をまとめたものである。空欄A~Cに入る数値の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

縦覧書類の名称公衆縦覧期間
有価証券報告書受理した日から( A )年を経過する日まで
半期報告書受理した日から( B )年を経過する日まで
内部統制報告書受理した日から( C )年を経過する日まで

〔解答群〕

  1. A:5〇B:3〇  C:3
  2. A:5〇  B:3〇  C:5〇内部統制報告書の公衆縦覧期間は、「受理日から5年を経過する日まで」
  3. A:7  B:3  C:3
  4. A:7  B:5  C:5

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