経済学・経済政策 企業行動と供給曲線 市場均衡 不完全競争と市場の失敗 経営情報システム プログラム言語とWebアプリケーション

限界費用・平均可変費用の計算 【平成25年 第16問】

いま、競争的市場である製品を生産する企業を考える。総費用TCが当該製品の生産量xの関数として以下のように与えられている。ただし、x>0とする。

TC = 224 + 6x - 2x2 + x3

この費用関数に基づいて計算された限界費用と平均可変費用の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a 6 -4x + 3x2

b 6 -2x + x2 ×〇

c 224/x+ 6 -2x +x2

d -4x + 3x2

[解答群]

ア aとb〇

イ aとc〇×

ウ bとc

エ bとd

可変費用VC= 6x - 2x2 + x3

固定費用FC=224

限界費用MCは、総費用TCを生産量xで微分したもの= 6 - 4x + 3x2

よって、限界費用はa

平均可変費用AVCは可変費用VCを生産量xで割ったもの= (6x - 2x2 + x3) ÷ x = 6 -2x + x2

よって、平均可変費用はb

総費用曲線 【平成27年 第15問】

 下図には、固定費用Fと可変費用で構成される総費用曲線が描かれている。また、原点から始まり総費用曲線と点Kで接する補助線Aと、固定費用Fから始まり総費用曲線と点Mで接する補助線B が描かれている。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]

ア 生産量Q2 は、平均費用が最小となる生産量である。〇費用が最小となるということは、原点から総費用曲線上の点を結んだ直線の傾きが最小となるということです。グラフを見ると、原点から総費用曲線上の点を結んだ直線の傾きが最小となる直線は、補助線Aであることがわかります。補助線A以外の総費用曲線上のどの点においても、補助線Aの傾きよりも小さくなるものはないからです。すると、平均費用が最小となる生産量は、総費用曲線上の点Kで表されるQ2となります。このように、生産量Q2 は、平均費用が最小となる生産量です。

イ 平均可変費用と限界費用が一致する点は操業停止点といわれ、図中で点Kがこれに該当する。×M。Kは損益分岐点

ウ 平均費用と限界費用が一致する点は損益分岐点といわれ、図中で点Mがこれに該当する。×平均可変費用と限界費用が一致する点は操業停止点ですので、点Mは操業停止点

エ  平均費用と平均可変費用は、生産量Q1で一致する。×

総費用曲線2 【平成29年 第14問】

 下図には、総費用曲線が描かれている。生産が行われないときの費用は点Aで示されている。この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]

ア AFを1とすると、BFが平均可変費用を表している。〇×率?〇平均可変費用(可変費用÷産出量)

イ 原点と点Cを結ぶ直線の傾きが限界費用を表している。×平均費用

ウ 産出量Q0における可変費用はFGに等しい。×固定費用

エ 産出量Q1における固定費用は、Q0における固定費用にHIを加えたものである。×不変

オ 点Cにおける総費用曲線の接線の傾きが平均費用を表している。〇×限界費用。限界費用とは、産出量増加分に対する費用増加分であり、グラフ上では、特定の産出量の接線の傾きで表されます。限界費用とは生産量を1単位追加するときに増加する費用

生産関数 【平成26年 第13問】(設問1)

下図の形状をした生産関数について下記の設問に答えよ。ただし、ここでの生産に投入

される要素は労働のみであり、その投入量はゼロより大きいものとする。

(設問1)

 この図に関する説明として最も適切なものはどれか。

ア この生産関数では、限界生産物は労働の投入量が増加するほど大きくなる。×低減

イ この生産関数では、ある労働の投入量のもとで平均生産物は限界生産物よりも大きい。〇?A点およびB点において、平均生産物(青い線の傾き)は、限界生産物(生産関数の接線の傾き)よりも大きくなっています。これは、ある投入量のもとで平均生産物は限界生産物よりも大きくなることを表しています。

ウ この生産関数では、平均生産物は労働の投入量が増加するほど大きくなる。×

エ この生産関数は、収穫一定であることを示している。×

生産関数 【平成26年 第13問】(設問2)

下図の形状をした生産関数について下記の設問に答えよ。ただし、ここでの生産に投入

される要素は労働のみであり、その投入量はゼロより大きいものとする。

(設問2)

 この図に描かれた生産関数を用いて、縦軸に実質賃金を、横軸に労働量を取り、労働

需要曲線を導出する。このとき、労働需要に関する説明として最も適切なものはどれか。

ア 企業の利潤最大化行動を前提として導出される労働需要曲線は、右下がりとなる。〇

イ 利潤最大化を目指す企業は、生産関数の接線の傾きが生産物価格と一致するように、労働量を決定する。〇?×生産関数の接線の傾きは限界生産物を表します。そして、古典派の第一公準では、「企業の利潤が極大化されるとき、実質賃金は労働の限界生産物に等しい」とされています。古典派の公準とは、ケインズが「雇用・利子および貨幣の一般理論」という書籍において示した命題です。つまり、労働の限界生産物が実質賃金に等しくなるように労働量は決定されます。

ウ 利潤最大化を目指す企業は、労働の限界生産物がゼロとなるところに労働量を決定するため、労働需要曲線は水平になる。×限界生産物が実質賃金と等しくなるように労働量を決定します。そして、労働需要曲線は右下がり

エ 労働需要が実質賃金の増加関数であることは、古典派の第二公準として知られている。×?労働需要は実質賃金の減少関数です。また、これは古典派の第一公準

等費用線 【平成29年 第15問】

 下図には、等費用線が描かれている。この等費用線に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]

ア 資本のレンタル価格が上昇する場合、横軸上の切片Bは不変のままで、縦軸上の切片Aが上方に移動する。〇×資本の費用であるrが上昇すると、横軸の切片はc/wなので変化はありませんが、縦軸の切片C/rは分母が上昇するので下方に移動

イ 縦軸上の切片Aは、資本の最大投入可能量を示している。〇?×?〇資本の最大投入可能量ということは、労働量がゼロであることを意味しています。グラフ上では労働量がゼロのときは縦軸切片A

ウ 賃金率が上昇する場合、横軸上の切片Bは不変のままで、縦軸上の切片Aが下方に移動する。×賃金率wが上昇した場合には、横軸上の切片であるB=C/wの分母wが上昇するのでBは左方に移動

エ 費用が減少すると、等費用線は右方にシフトする。×費用Cが減少すると、縦軸上の切片A=C/rは下方にシフトし、横軸上の切片B=C/wは左方に移動します。従って、等費用線は左方、下方にシフト

等費用線【令和元年 第15問(設問1)】

 下図は、産出と費用の関係を描いたものである。労働と資本の両方を可変的インプットとして、生産要素の投入と生産物の産出との関係を描いたものが等産出量曲線である。また、等費用線は、一定の費用のもとで労働と資本をどのくらい投入することが可能かを表している。

 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

(設問1)

 等費用線のシフトに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 資本のレンタル価格が上昇した場合、横軸の切片は不変のままで、縦軸の切片が下方に移動する。〇資本のレンタル価格が上昇した場合にはw/rの分母rが上昇します。するとw/rは低下しますので、横軸の切片は不変のままであれば、縦軸の切片が下方に移動する必要
  2. 賃金率が下落した場合、縦軸の切片は不変のままで、横軸の切片が左方に移動する。×賃金率が下落した場合、c/wは上昇します。従って、縦軸の切片は不変のままで、横軸の切片が右方に移動
  3. 賃金率の上昇と同じ割合で資本のレンタル価格が下落すれば、等費用線の傾きは変わらない。×?賃金率の上昇と同じ割合で資本のレンタル価格が下落した場合、w↑/r↓となることから、傾きの絶対値は上昇
  4. 費用が増加すると、等費用線が左方に平行移動する。×費用が増加すると、グラフの点BがC↑/wとなり、右方に移動します。また、グラフの点AがC↑/rとなり、等費用線は上方に移動します。従って、等費用線は左方ではなく、右方に平行移動

等費用曲線とは、一定の費用のもとで労働と資本をどれだけ投入することが可能かを表す式のことです。労働の投入量をL、資本の投入量をK、賃金率をw、資本のレンタル価格をr、生産要素の投入にかかる費用をCとすると、
生産要素の投入にかかる費用C=賃金率W*労働の投入量L+資本のレンタル価格r*資本の投入量K
K=(-w/r)*L+C/r

等費用曲線は次の3つの特徴を有します。

  • 費用の増加に応じて等費用線は右にシフトする
  • 賃金率が上昇した場合、縦軸の切片は変わらず横軸上の切片が左へ移動する(グラフの点BがC/wであるため)
  • 資本のレンタル価格が上昇した場合、横軸上の切片は変わらず、縦軸上の切片が下へ移動する(グラフの点AがC/rであるため)

等費用線【令和元年 第15問(設問2)】

 下図は、産出と費用の関係を描いたものである。労働と資本の両方を可変的インプットとして、生産要素の投入と生産物の産出との関係を描いたものが等産出量曲線である。また、等費用線は、一定の費用のもとで労働と資本をどのくらい投入することが可能かを表している。

 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

(設問2)

 等費用線が右方に平行移動した場合の記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 新しい等費用線における費用最小化は、点Eと費用は同じであるが、賃金率と資本のレンタル価格がともに高い水準で達成される。×
  2. 新しい等費用線における費用最小化は、点Eよりも産出量が高い水準で達成される。〇
  3. 新しい等費用線における費用最小化は、点Eよりも産出量が低い水準で達成される。×
  4. 新しい等費用線における費用最小化は、点Eよりも労働と資本がともに少ない水準で達成される。×

 利潤最大化 【平成27年 第17問】

 いま、下図において、ある財の平均費用曲線と限界費用曲線、および当該財の価格が描かれており、価格と限界費用曲線の交点dによって利潤を最大化する生産量q が与えられている。この図に関する説明として、最も適切なものを以下の解答群から選べ。

[解答群]

ア 利潤が最大となる生産量のとき、四角形adqoによって平均可変費用の大きさが示される。×収入の大きさ

イ 利潤が最大となる生産量のとき、四角形adqoによって利潤の大きさが示される。×収入の大きさ

ウ 利潤が最大となる生産量のとき、四角形bcqoによって収入の大きさが示される。×

エ 利潤が最大となる生産量のとき、四角形bcqoによって総費用の大きさが示される。〇

費用と利潤の関係 【平成23年 第20問】

 完全競争下における企業の短期供給曲線の説明として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 「価格=限界費用=平均費用」のとき、操業停止の状態に陥る。×損益分岐点

b 「価格=限界費用>平均費用」のとき、利潤は黒字になる。〇価格が平均費用よりも大きい場合、利潤は黒字

c 「価格=限界費用=平均可変費用」のとき、利潤は赤字になり、その赤字幅は可変費用に等しくなる。×赤字幅は固定費用

d 「平均費用>価格=限界費用>平均可変費用」のとき、利潤は赤字になるが、可変費用のすべてを回収した上で、固定費用の一部をまかなった状態にある。〇

[解答群]

ア aとc 

イ aとd 

ウ bとc 

エ bとd〇

従量税の税負担 【平成29年 第11問】

 下図によって間接税(従量税)の経済効果を考える。需要曲線をD、課税前の供給曲線をS、課税後の供給曲線を S′で表す。税は生産物単位当たり t とし、納税義務者は生産者とする。下図では、税負担がすべて消費者に転嫁されている。この図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 税負担がすべて消費者に転嫁されるとき、消費者の支払う税額は四角形PEE′P′ で示される。〇

b 税負担がすべて消費者に転嫁されるとき、生産者の受け取る価格は課税前に比べて t だけ低下する。×生産者の受け取る価格はP’となり、税額tは、生産者が納税義務者

c 税負担がすべて消費者に転嫁されるのは、需要の価格弾力性がゼロだからである。〇

d 税負担がすべて消費者に転嫁されるのは、生産量の増加に伴って限界費用が増加するからである。×税負担がすべて消費者に転嫁される理由は需要曲線が垂直、つまり価格の需要弾力性がゼロであるため

[解答群]

ア aとc〇  イ aとd  ウ bとc  エ bとd

ワルラス的調整、マーシャル的調整 【平成22年 第16問】

 「レモン」市場のように情報が不完全な場合、買い手は価格が低くなると品質が低下することを予想する。下図は、「レモン」市場における需要曲線と供給線について、2つのパターンを示している。「レモン」市場における需要曲線の形状ならびに、ワルラス的調整およびマーシャル的調整に関し、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]

ア 需要曲線は図1のように描かれ、A点の近傍ではワルラス的調整、マーシャル的調整とも安定である。〇

イ 需要曲線は図1のように描かれ、B点の近傍ではワルラス的調整、マーシャル的調整とも不安定である。×B 点では、需要曲線、供給曲線ともに右上がりとなっています。

 ここで、ある点を基準とし、そこからワルラス的調整過程によって価格が変動すると、均衡点から離れていくことがわかります。よって、B 点は「ワルラス的に不安定」な状態となります。

 また、ある点を基準とし、そこからマーシャル的調整過程によって供給量が変動すると、均衡点に近づいていくことがわかります。よって、B 点は「マーシャル的に安定」な状態となります。

ウ 需要曲線は図2のように描かれ、C点の近傍ではワルラス的調整は安定で、マーシャル的調整は不安定である。×

エ 需要曲線は図2のように描かれ、D点の近傍ではワルラス的調整は不安定で、マーシャル的調整は安定である。×

ワルラス的調整過程は、均衡点への調整は価格によってされると考える方法。

マーシャル的調整過程は、供給量によって均衡点に調整されると考える方法

ワルラス的調整、マーシャル的調整、蜘蛛の巣理論 【平成28年 第14問】

 下図には、相対的に緩い傾斜の需要曲線が破線で描かれ、相対的に急な傾斜の供給曲線が実線で描かれている。これら需要曲線と供給曲線の交点は、点Eとして与えられている。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]

ア 供給曲線が右下がりであるため、ワルラス的調整を通じて点Eへ収束する力は働かない。×需要曲線と供給曲線の交点Eより価格が高いとき、需要を供給が上回っており、超過供給が発生しています。すると、価格は低下するため、ワルラス的調整を通じて点Eへ収束する力が働きます。点Eへ収束する力が働かないのではありません。なお、グラフを見ると、「供給曲線の傾きの逆数」が「需要曲線の傾きの逆数」を上回っていますので、ワルラス的調整により安定であることが確認されます。

イ 供給曲線の傾きが相対的に急であるため、「蜘蛛の巣理論」による調整を通じて点Eへ収束する力は働かない。×グラフを見ると、「供給曲線の傾きの絶対値」が「需要曲線の傾きの絶対値」を上回っていますので、蜘蛛の巣理論により安定で、点Eへ収束する力が働くことがわかります。

ウ 交点よりも価格が高いとき、需要量よりも供給量が多いため、価格調整を通じて点Eへ収束する力が働く。〇?価格調整ですので、ワルラス的調整についての内容です。需要曲線と供給曲線の交点Eより価格が高いとき、需要量を供給量が上回っており、超過供給が発生しています。すると、価格は低下するため、価格調整を通じて点Eへ収束する力が働きます。

エ 交点よりも数量が少ないとき、供給価格が需要価格よりも高いため、マーシャル的な数量調整を通じて点Eへ収束する力が働く。×需要曲線と供給曲線の交点Eより数量が少ないとき、供給価格が需要価格よりも高いため、数量は減少します。すると、マーシャル的な数量調整を通じて点Eから離れる力が働きます。点Eへ収束する力が働くのではありません。グラフを見ると、「供給曲線の傾き」が「需要曲線の傾き」を下回っていますので、マーシャル的調整により不安定であることが確認

ワルラス的調整により安定であるのは、均衡価格より高い価格で超過供給が発生し、均衡価格より低い価格で超過需要が発生するときです。グラフの上では、「供給曲線の傾きの逆数」が「需要曲線の傾きの逆数」を上回るときです。

 マーシャル的調整により安定であるのは、均衡数量より多い数量で供給価格が需要価格を上回り、均衡数量より少ない数量で供給価格が需要価格を下回るときです。グラフの上では、「供給曲線の傾き」が「需要曲線の傾き」を上回るときです。

 蜘蛛の巣理論により安定であるのは、「供給曲線の傾きの絶対値」が「需要曲線の傾きの絶対値」を上回るときです。

価格と消費者余剰 【平成29年 第10問】

 価格と消費者余剰について考える。下図に関する記述として、最も適切なものを下図の解答群から選べ。

[解答群]

ア 価格がP0のとき、消費者がQ0を選択する場合の消費者余剰は、消費者の支払意思額よりも大きい。×?
消費者の支払意思額:四角形A-0-Q0-B
実際支払額:四角形P0-0-Q0-B
消費者余剰=消費者の支払意思額-実際支払額
消費者余剰額は三角形A-P0-B
消費者余剰額は消費者の支払意思額より小さくなります。

イ 価格がP1のとき、消費者がQ1を選択する場合の消費者余剰は、Q0を選択する場合の消費者余剰よりも大きい。〇
価格がP1のとき消費者がQ1を選択する場合の消費者の支払意思額と実際支払額
消費者の支払意思額:四角形A-O-Q1-D
実際支払額:四角形P1-O-Q1-D
消費者余剰額は三角形A-P1-D
Q0を選択した場合の消費者の支払意思額と実際支払額
消費者の支払意思額:四角形A-O-Q0-B
実際支払額:四角形P1-O-Q0-B
消費者余剰額は四角形A-P1-C-B
三角形A-P1-Dの面積>四角形A-P1-C-B
なので、Q1を選択する場合の消費者余剰は、Q0を選択する場合の消費者余剰よりも大。

ウ 価格がP2のとき、消費者がQ1を選択する場合の消費者余剰は、Q2を選択する場合の消費者余剰よりも大きい。×
消費者の支払意思額:四角形A-O-Q1-D
実際支払額:四角形P2-O-Q1-E
消費者余剰額は四角形A-P2-E-D
P2のとき、消費者がQ2を選択する場合の消費者の支払意思額と実際支払額
消費者の支払意思額:四角形A-O-Q2-F
実際支払額:四角形P2-O-Q2-F
消費者余剰額は三角形A-P2-F
四角形A-P2-E-Dの面積<三角形A-P2-Fの面積
消費者がQ1を選択する場合の消費者余剰は、Q2を選択する場合の消費者余剰よりも小

エ 価格が0のとき、実際の支払額は0なので、消費者がQ0やQ1を選択しても、消費者余剰は得られない。×
費者の支払意思額:四角形A-O-Q0-B
実際支払額:ゼロ    
消費者余剰額は四角形A-0-Q0-B
価格が0のとき、消費者がQ1を選択する場合の消費者の支払意思額と実際支払額
消費者の支払意思額:四角形A-O-Q1-D
実際支払額:ゼロ    
消費者余剰額は四角形A-0-Q1-D
したがって、Q0を選択しても、Q1を選択しても消費者余剰は得られます。

消費税の課税の影響 【平成30年 第15問】

 消費税の課税については、価格、取引量の変化や税収の金額に加えて、実際に税金を負担するのは誰かという問題も重要となる。下図では、供給の価格弾力性が無限大である場合を考える。ここで、生産物1単位当たりT円の課税を行うと、供給曲線S0は新しい供給曲線S1へとシフトする。また、需要曲線はDである。この図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 消費税の課税により、市場価格はPからPに上昇し、取引量はQ0 からQ1に減少する。〇

b 消費税の課税を行うと、消費者余剰は△AEP0から、△EFGの分だけ減少する。×

c 消費税の課税を行うと、税負担の一部が生産者に転嫁される。×消費税の課税により税負担の一部が生産者に転嫁されるとされていますが、供給の価格弾力性が無限大で供給曲線が水平となるときには、生産者余剰は発生しません。生産者余剰は、供給曲線が右肩上がりの曲線、つまり、価格が上昇したため供給側が生産数量を増加させたい、という状況において生産者余剰が生じます。しかし、供給曲線が水平であるときは、グラフ上、生産者余剰の面積はゼロとなります。これは、数量にかかわらず可変費用は一定であり、かつ、価格と可変費用が一致していることを示しています。従って、税負担の有無を問わず、生産者余剰はゼロであるため、税負担の一部が生産者に転嫁されるという記述は不適切

d 消費税の課税により、政府に入る税収は、□P1FGP0である。〇

〔解答群〕

ア aとb

イ aとc

ウ aとd〇

エ bとc

オ cとd

関税政策と自由貿易 【平成30年 第20問】

 下図は、自由貿易地域の理論を描いたものである。自国が農産物の市場を開放し、貿易を行っている。A国から輸入される農産物の価格は PA、B国から輸入される農産物の価格は PB とする。

 当初、自国は、価格の低いA国から農産物を輸入し、その農産物には関税がかかっていた。そのときの国内価格は PA’ である。しかしながら、歴史的な背景から、自国はB国と自由貿易協定を締結した。その結果、B国からの農産物には関税がかからず、国内価格は PB になるが、域外のA国からの農産物には関税がかかる。 この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

ア 関税が賦課された価格 PA’ に比べて、自由貿易協定を締結した後の価格 PBでは、自国の消費者余剰は □HMNK だけ大きくなっている。×消費者余剰の増加分は、□HMPBPA’

イ 自国がB国から農産物を輸入するときの国内の生産者余剰は、A国から農産物を輸入していたときの生産者余剰よりも □PAGNPB の分だけ小さくなる。×自由貿易前の生産者余剰は△P0KPA’です。自由貿易後の生産者余剰は△P0NPBです。従って、自由貿易による生産者余剰の減少分は□PBNKPA’となり、□PAGNPBではありません

ウ 自由貿易協定の締結によって、自国が失う関税収入は、□HIJK である。〇政府が得る関税収入=価格(PA’-PA)×数量(PA’のときの需要量H-供給量K)=□HIJK

エ 自由貿易協定の締結による貿易創造効果は、△HLM と △KNR であり、貿易転換効果は、□HLRK である。〇×
貿易創造効果とは、自由貿易協定締結前と締結後を比較して、回復した余剰のこと。
貿易転換効果とは、自由貿易協定締結前と締結後で失われる余剰
自由貿易による消費者余剰増加額は□HMPBPA’、
生産者余剰減少額は□PBNKPA’、
関税収入減少額は□HLRK
となりますので、合計は△HLM+△KNR。
従って貿易創造効果は適切な記述です。
貿易転換効果は、関税がかかる前の価格PAと自由貿易締結後のPBとの差額RJ×関税分の数量KH=□RJILとなりますので、□HLRKという記述は不適切

関税引き下げの効果 【平成29年 第21問】

 昨今、WTO を中心とする多国間交渉はうまくいかず、FTA のような比較的少数の国の間の交渉が増加している。

 下図は、関税引き下げによって輸入品の価格が P0 から P1 に下落する場合を描いている。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

ア 関税引き下げ後、国内の生産者余剰は、引き下げ前より三角形 FGH の分だけ減少する。×関税引下げ前の生産者余剰は三角形(以下、△とします。)P0FOとなります。引下げ後の生産者余剰は△P1G0となります。従って、関税引下げによる生産者余剰の減少額は四角形(以下、□とします。)P0FGP1

イ 関税引き下げ後、消費者余剰は、関税引き下げ幅に輸入量 CG を乗じた分だけ増加する。〇×関税引下げ前の消費者余剰は△AP0Bです。関税引下げ後の消費者余剰は△AP1Cです。従って、関税引下げによる消費者余剰の増加額は□P0BCP1となります。関税引下げ幅P0-P1に輸入量CGを掛けた部分ではない

ウ 関税引き下げによる、国内の生産者から消費者への再分配効果は、四角形P0FGP1 である。×〇関税引下げによる生産者余剰の減少□P0FGP1は関税引下げによる消費者余剰の増加額□P0BCP1取り込まれる、つまり、再配分される

エ 関税引き下げによる貿易創造効果は、四角形 BCGF の部分である。×関税引下げによる貿易創造効果は以下のようになります。関税引下げによる消費者余剰の増加は□P0BCP1、生産者余剰の減少は□P0FGP1、関税引下げによる関税収入の減少は、□FHIB、関税引下げ後の関税収入の増加は□HKJG+□CMLIとなり、以上を合計すると、□FKJG+□BCMLが貿易創造効果

自由貿易 【平成20年 第8問】

 次の自由貿易地域に関する文章を読んで、自由貿易地域が形成された場合の経済効果の説明として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 下図は、自国と2つの外国(X国とY国)間の貿易取引を表し、自国の輸入競争財市場(たとえば農産物)を対象としている。農産物の国内需要曲線がDD、国内供給曲線がSSで描かれている。

 いま、X国からの農産物の輸入価格がP0、Y国からの農産物の輸入価格がP1 であるとする。このとき、自由貿易を想定すれば、農産物はより安価なX国から輸入され、Y国から輸入されることはない。また、両国からの輸入に関税(T円)を同じだけ賦課したとしても、(P1+T)が(P0+T)よりも大きいため、農産物は依然としてX国から輸入され続ける。ここで、(P0+T)をP2 で示し、(P1+T)線は図示していない。

 ところが、X国からの輸入には関税を賦課したままで自国とY国が自由貿易地域を形成した場合、Y国に対する輸入関税は撤廃され、両国からの輸入価格はP2>P1 になるから、農産物の輸入先はX国からY国に切り替わる。

[解答群]

ア △EIJと△HKLの和が□FGLIより大きければ、自由貿易地域を形成することによって自国の総余剰が増加する。〇

イ 自由貿易地域が形成されると、△BEFと△CGHの余剰が回復する。×

ウ 自由貿易地域形成下の貿易利益は、自由貿易下の利益△ABCより大きい。×

エ 貿易創造効果は□EFGHに等しい。×

オ 貿易転換効果は△EIJと△HKLの和に等しい。×

保護貿易 【平成23年 第11問】

 下図は、2国モデルに基づく国際取引を表したものである。

 いま、農産物に関する自国の輸入需要関数をD0D1、外国の輸出供給関数をS0S1とする。自由貿易下の均衡価格はP0、均衡量はQ0 である。

 ところで、自国が輸入財1単位に対してT円の関税を賦課した場合、外国の輸出供給曲線はS0S1 からS2S3 にシフトし、輸入価格はP0 からP2 に下落し、反対に国内価格はP1 に上昇する。また、均衡量はQ1 に減少する。

 この図の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 自国が輸入関税を課した場合、外国の経済余剰は四角形S2FGS0 で示される。×自国が輸入関税を課した場合、外国の経済余剰は「三角形P2GS0」

b 自国が輸入関税を課した場合、世界全体で三角形EFGの経済余剰が失われる。〇輸入関税により発生した死荷重は「三角形EFG」となります。よって、世界全体の余剰は三角形EFG の分だけ少なくなる

c 自国では、関税収入が四角形P1FGP2 に相当し、関税賦課時の経済余剰が自由貿易時の経済余剰を上回ることがある。×〇

輸入関税を課した場合、自国の収入は、自国の余剰「三角形D0FP1」と輸入関税による収入「四角形P1FGP2」を合わせた「台形D0FGP2」となります。

 輸入関税を課した場合の自国の余剰は、自由貿易下の自国の余剰と比べ、「三角形FEH」の分少ないですが「四角形P0HGP2」の分多くなっていることがわかります。この「四角形P0HGP2」の増加分が「三角形FEH」よりも大きければ、関税賦課時の経済余剰が自由貿易時の経済余剰を上回ることになります。

d 自由貿易の場合、自国の経済余剰は三角形S0EP0、外国の経済余剰は三角形D0EP0 で示される。〇×自由貿易下では、自国の余剰は「三角形D0EP0」、外国の余剰は「三角形P0ES0」

[解答群]

ア aとc

イ aとd

ウ bとc〇

エ bとd〇×

自由貿易下では、自国の余剰は「三角形D0EP0」、外国の余剰は「三角形P0ES0」となっています。
自国で輸入関税を課した場合、自国の余剰は「三角形D0FP1」、外国の余剰は「三角形P2GS0」になります。また、輸入関税による自国の収入は「四角形P1FGP2」、輸入関税により失われた余剰である死荷重は「三角形EFG」となります。

比較優位論1 【平成28年 第19問】

 いま、A さんと B さんだけが存在し、それぞれコメと豚肉のみが生産可能な世界を考える。下表は、A さんと B さんが、ある定められた時間 T のすべてを一方の生産に振り向けた場合に生産可能な量を示している。また、下表にもとづく2人の生産可能性フロンティアは、下図にある右下がりの直線のように描けるものとし、A さんと B さんは、自らの便益を高めるために生産可能性フロンティア上にある生産量の組み合わせを選択する。

 このような状況を説明する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]

  1. Aさんは、いずれの財の生産においても、Bさんに対して比較優位を有するために、Bさんとの生産物の交換から便益を得ることができない。×
  2. A さんは、いずれの財を生産するにせよ Bさんよりも生産性が高く、絶対優位を有するために、Bさんとの生産物の交換から便益を得ることができない。×
  3. 比較優位性を考慮すると、Aさんはコメの生産に、Bさんは豚肉の生産にそれぞれ特化し、相互に生産財を交換し合うことで、双方が同時に便益を高めることができる。〇×Aさんは豚肉の生産、Bさんはコメの生産に特化することに、比較優位
  4. 豚肉の生産について、A さんは Bさんに対して比較優位を有する。×〇AさんはBさんに対し、豚肉の生産について比較優位

比較優位論2 【平成29年 第20問】

 下表に基づき、国際分業と比較優位について考える。製品P1個を生産するのに、A国では5人の労働が必要であり、B国では 30 人の労働が必要である。また、製品Q 1個を生産するのに、A国では5人の労働が必要であり、B国では 60 人の労働が必要である。

 このような状況に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

A国B国
製品P1個当たりの労働量5人30人
製品Q1個当たりの労働量5人60人

〔解答群〕

ア A国では、製品Qの労働生産性が相対的に高いので、製品Qの相対価格が高くなる。×

イ A国は製品Qに絶対優位があり、B国は製品Pに絶対優位がある。×

ウ B国は、A国に比べて、製品Pについては 1/6 、製品Qについては 1/12 の生産性なので、製品Qに比較優位を持つ。×

エ 1人当たりで生産できる個数を同じ価値とすると、A国では、製品P1個と製品Q1個を交換でき、B国では製品P2個と製品Q1個を交換することができる。〇

Share Button