経済学・経済政策 消費者行動と需要曲線 企業行動と供給曲線

残業であと少し間に合わず、日またぎでした。

予算制約線

 予算制約線に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 予算制約線とは、消費者が所得(予算)の範囲内で購入することができる財の組み合わせを示した領域のことをいい、消費可能領域とは、予算のすべてを用いて購入することができる財の組み合わせを示すものをいう。

イ 財x、yの価格をそれぞれPx、Pyとし、財x、yの消費量をそれぞれx、y、とし予算をmとすると、予算制約線は、

で表される。この予算制約線は、

ウ 2財の価格が一定で所得のみが変化したとき、所得が増加した場合には、予算制約線は左下方に移動する。

エ グラフの横軸で表される財の価格が下落した場合には、消費可能領域が減少するように予算制約線は縦軸切片を中心に時計回りに回転する。

ア ×:

 予算制約線とは、予算のすべてを用いて購入することができる財の組み合わせを示すものをいいます。消費者が所得(予算)の範囲内で購入することができる財の組み合わせを示した領域のことは、消費可能領域です。

イ ○:

 財x、yの価格をそれぞれPx、Pyとし、財x、yの消費量をそれぞれx、y、とし予算をmとすると、予算制約線は、次の式で表すことができます。

 この予算制約線は、

の直線となります。

よって、記述は適切です。なお、切片とは、そのグラフがその軸を切り取る、すなわち交わる点の値のことをいいます。

ウ ×:

 2財の価格が一定で所得のみが変化したとき、2財の価格比は変化しないため、所得が変化した場合、新たな予算制約線は元の予算制約線と平行に移動します。ここで、所得が増加した場合には、消費可能領域が増大するように予算制約線は右上方に移動します。左下方に移動するのではありません。逆に、所得が減少した場合には、消費可能領域が減少するように予算制約線は左下方に移動します。

エ ×:

 グラフの横軸で表される財の価格が下落した場合には消費可能領域が増大するように予算制約線は縦軸切片を中心に反時計回りに回転します(予算制約線の傾きは緩やかになります)。消費可能領域が減少するように予算制約線は縦軸切片を中心に時計回りに回転するのではありません。逆に、グラフの横軸で表される財の価格が上昇した場合には消費可能領域が減少するように予算制約線は縦軸切片を中心に予算制約線は時計回りに回転します(予算制約線の傾きは急になります)。

 需要曲線

 需要曲線に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 需要曲線とは、他の財の価格と所得水準を一定としたときの、ある財の価格と最適な消費量の関係を表す曲線のことをいう。

イ 財が上級財である場合、需要法則を満たし、この財の需要曲線は右上がりとなる。

ウ 財が下級財であってギッフェン財でない場合、需要法則を満たさず、この財の需要曲線は右下がりとなる。

エ 財がギッフェン財である場合、需要法則を満たし、この財の需要曲線は右上がりとなる。

需要曲線とは、他の財の価格と所得水準(予算)を一定としたときの、ある財の価格と最適な消費量の関係を表す曲線のことをいいます。

 需要曲線の形状は、次のようになります。

上級財

 需要曲線は、右下がりとなる

下級財(狭義)

 需要曲線は、右下がりとなる

ギッフェン財

 需要曲線は、右上がりとなる。

効用最大化 【平成27年 第14問】

 いま、2つの財、財X1と財X2を消費可能な個人の効用最大化行動を考える。当該の個人は、所得80を有し、財X1の価格は2、財X2の価格は4という条件のもとで、効用が最大になるよう財X1の消費量x1と財X2の消費量x2とを組み合わせることができる。この個人の効用関数はU = x1x2と与えられており、合理的な当該個人は、x1 = 20、x2 = 10という組み合わせを選択することが分かっている。下図では、縦軸の切片a と横軸の切片bとを結ぶ予算制約線と無差別曲線Uの接点として、効用最大化の行動が図示されている。

 この状況を説明する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]
ア この個人は、所得80の使い道として、x1 = 20、x2 =10以外の組み合わせを選択することで効用を一層高める余地が残されている。
イ 財X2の消費量がゼロならば、財X1を30 消費することで所得80を使い切ることができる。
ウ 縦軸の切片aの値は、財X1の価格に応じて変化する。
エ 無差別曲線U上の財の組み合わせ(x1,x2)では、いずれも効用水準が200で一定である。

0=20-(1/2)30
0=20-15 ×

需要の価格弾力性と価格戦略 【平成29年 第13問】

 需要の価格弾力性は、価格の変化によって売上額に影響を及ぼす。需要の価格弾力性と価格戦略に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 需要の価格弾力性が1より小さい場合、企業が価格を引き下げる戦略をとると、売上額は増加する。

b 需要の価格弾力性が1より小さい場合、企業が価格を引き上げる戦略をとると、需要が減少して、売上額も減少する。

c 需要の価格弾力性が1に等しい場合、企業が価格を変化させる戦略をとっても、売上額は変化しない。

d 需要の価格弾力性が1より大きい場合、企業が価格を引き下げる戦略をとると、売上額は増加する。

[解答群]

  1. aとb
  2. aとc
  3. bとd
  4. cとd

aでは、需要の価格弾力性<1の場合としています。

売上高=需要量×価格ですので、仮に、需要の変化率5%、価格の変化率が10%とし、需要の価格弾力性=5%/10%=0.5<1と仮定すると

売上高=需要量(1+0.05)×価格(1-0.1)=1.05×0.9=0.945<1となり、売上高は減少します。したがって、不適切な記述です。

 bでは、需要の価格弾力性<1の場合としています。
仮に、需要の変化率5%、価格の変化率10%と仮定すると、

需要の価格弾力性=5%/10%=0.5<1となります。

売上高=需要量(1-0.05)×(1+0.1)=0.95×1.1=1.045>1となり、売上高は増加します。

したがって不適切な記述です。

 cでは、需要の価格弾力性=1の場合です。仮に価格の変化率、需要の変化率ともに5%とすると、

需要の価格弾力性=5%/5%=1となります。

売上高=需要量(1+0.05)×価格(1-0.05)=1.05×0.95=0.9975≒1 となります。

1よりわずかに小さいのですが、他の選択肢との比較上最も適切なものの組み合わせとしていいでしょう。

 次にdですが、bの説明通りですので適切な記述です。

したがって、cとdの組み合わせである選択肢エが正解になります。

 線形の需要の価格弾力性 【平成25年 第15問】

いま、下図のような線形の需要曲線AB を考える。需要曲線AB上の点L は、線分OMと線分MBの長さが等しくなるような線分ABの中点である。需要曲線AB上の点Kは、点L より左に位置している。

需要曲線の価格弾力性εの絶対値| ε | は、価格をp、数量をxとし、価格が微少にΔpだけ増加したときの数量の微少な変化分をΔxとすれば

と書き表すことができる。この需要曲線に関する説明として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]

  1. 点Kにおけるは、線分ODの長さを線分ACの長さで除した値と等しい。
  2. 点Kにおけるは、線分OCの長さを線分ODの長さで除した値と等しい。
  3. 点Kの需要の価格弾力性は、線分BD の長さを線分ODの長さで除すことで求められる。
  4. 点Lの需要の価格弾力性は1より大きい。

 需要曲線が右下がりの直線である場合、需要曲線上の点の位置によって、需要の価格弾力性の値は異なります。

 価格をP、需要量をxとすると、需要の価格弾力性εは、次のように表されます。

需要曲線が右下がりの直線である場合、この計算結果はマイナスの値になるので、プラスの値で表すために、問題文では、需要曲線の価格弾力性εの絶対値|ε|で示しています。すると、次のようになります。

それでは、選択肢を見ていきましょう。

 選択肢アでは、「 」について述べられています。点Aから点Kへ変化した場合を考えてみましょう。点Aでは需要量xは0で、点Kでは需要量は線分ODの長さで表されます。すると、需要量の変化分Δxは線分ODの長さで表されます。また、点Aでは価格pは線分OAの長さで、点Kでは価格は線分DKの長さで表されます。この線分DKの長さは線分OCの長さと同じです。すると、価格の変化分Δpは線分ACの長さで表されます。よって、「」と表されるので、「」は、線分ODの長さを線分ACの長さで除した値と等しくなります。したがって、記述は適切です。

 選択肢イでは、「 」について述べられています。点Kにおける価格Pは線分DKで表されます。この線分DKの長さは線分OCの長さと同じです。点Kにおける需要量は線分ODで表されます。よって、と表されるので、点Kにおける「」は、線分OCの長さを線分ODの長さで除した値と等しくなります。したがって、記述は適切です。

選択肢ウでは、需要の価格弾力性について述べられています。需要の価格弾力性εは、と表されますので、 を乗じたものになります。選択肢アより、「」でした。

この「 」は、∠CAKを表します。需要曲線は右下がりの直線ですので、「∠CAK = ∠DKB」となります。

すると、三角形DKBにおいて、「」ですので、「」となります。

また、選択肢イより、「」でした。この線分OCの長さは線分KDの長さと同じなので、となります。

よって、と表されるので、点Kの需要の価格弾力性は、線分BD の長さを線分ODの長さで除すことで求められことになります。したがって、記述は適切です。

 選択肢エでは、需要曲線AB上の中点における需要の価格弾力性について述べられています。選択肢ウより、点Lの需要の価格弾力性は、線分BMの長さを線分OMの長さで除すことによって求められることになります。点Lは需要曲線AB上の中点ですので、点Mは線分OBの中点となります。すると、線分BMの長さと線分OMの長さは同じとなりますので、線分BMの長さを線分OMの長さで除すと「1」になります。よって、点Lの需要の価格弾力性は1より大きいことにはなりません。したがって、記述は不適切です。

以上より、エが正解となります。

需要曲線が右下がりの直線である場合、需要量が増加すればするほど需要の価格弾力性の値は小さくなり、需要量が減少すればするほど需要の価格弾力性の値は大きくなります。需要曲線の中点における需要の価格弾力性は1となります。

なぜなら、需要の価格弾力性を求める計算式「」において、

右下がりの需要曲線の場合、「」は一定ですが、「 」は需要曲線の位置によって変化し、需要量が増加すればするほど、小さい値になるからです。需要曲線が右下がりの直線である場合、需要曲線の中点における需要の価格弾力性は1となることをしっかり覚えておきましょう。

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