財務・会計 現代のファイナンス

我が脳みそ君よ、2巡目なのに初めて見た問題の様に驚くのは如何なものだろうか。。

 ゼロ成長モデル

 次の資料は、I社に関するものである。この資料に基づいた場合、I社の企業価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.I社が毎年得られるフリーキャッシュフローは、1,000万円と予測されている。

2.資本コストは、10%である。

3.企業価値は、DCF法により計算する。


【解答群】

ア 1,100万円 イ 1億円 ウ 1億1,000万円 エ 2億円 オ 3億円

ゼロ成長モデル(将来のフリーキャッシュフローが毎年同じ場合のモデル)〈数 式〉 
FCF:将来のフリーキャッシュフロー 
r:資本コスト 
フリーキャッシュフローを求める計算式、加重平均資本コストを求める計算式についても復習しておきましょう。


正解:イ 1億円

I社の企業価値は、DCF法ゼロ成長モデル)により、次のように計算されます。

 よって、イが適切です。

定率成長モデル

 次の資料は、J社に関するものである。この資料に基づいた場合、J社の企業価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.J社が1年後に得られるフリーキャッシュフローは、1,000万円と予測されている。

2.J社がその後1年ごとに得られるフリーキャッシュフローの成長率は5%と予測されている。

3.資本コストは、10%である。

4.企業価値は、DCF法により計算する。


【解答群】

ア 1,100万円 イ 1億円 ウ 1億1,000万円 エ 2億円 オ 3億円

DCF=FCF1000/0.1-0.05=1000/0.05=20000

定率成長モデル(将来のフリーキャッシュフローが一定率で成長する場合のモデル)
〈数 式〉

FCF:第1期のフリーキャッシュフロー 
r:資本コスト 
g:フリーキャッシュフローの成長率 
定率成長モデルは、ゴードンの成長モデルと呼ばれることもあります。この計算式において、資本コストがフリーキャッシュフローの成長率を上回っていることが必要となります。


正解:エ 2億円

J社の企業価値は、DCF法定率成長モデル)により、次のように計算されます。

 よって、エが適切です。

収益還元法

 次の資料は、K社に関するものである。この資料に基づいた場合、K社の企業価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.K社は、永続的に毎年一定の税引後利益を得るものと予測されている。

2.K社が永続的に毎年得る予想税引後利益は、1,000万円である。

3.資本還元率は、10%である。

4.企業価値は、収益還元法により計算する。


【解答群】

ア 1億円 イ 1億1,000万円 ウ 1億5,000万円 エ 2億円 オ 3億円

企業価値=1000/0.1=10000

収益還元法 会計上の利益から企業価値を求める
〈数 式〉 
DCF法のゼロ成長モデル(毎年のキャッシュフローが一定の場合)の式とよく似ていますが、収益還元法では、フリーキャッシュフローの代わりに税引後利益を用いている点に注意しましょう。


正解:ア 1億円

K社の企業価値は、収益還元法により、次のように計算されます。

よって、アが適切です。

配当還元法

 次の資料は、L社に関するものである。この資料に基づいた場合、L社の企業価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.L社は、永続的に毎年一定の配当を行うものと予測されている。

2.L社が永続的に毎年行う配当額は、1,000万円である。

3.資本還元率は、10%である。

4.株主価値は、配当還元法により計算する。

5.企業価値は、株主価値と負債価値を合計したものである。

6.L社の負債価値は、1億円である。


【解答群】

ア 1億円 イ 1億1,000万円 ウ 1億5,000万円 エ 2億円 オ 3億円

株主価値=1000/0.1=10000
企業価値=株主価値10000+負債価値10000=20000

配当還元法 毎期の配当から企業価値を求める〈数 式〉 
DCF法、収益還元法、配当還元法は、いずれも将来獲得されるリターンを現在価値に割引いて評価するものです。将来獲得されるリターンが、それぞれ、キャッシュインフロー、利益、配当といった違いはありますが、DCF法、収益還元法、配当還元法は、いずれもインカム・アプローチによる評価方法です。


正解:エ 2億円

L社の株主価値は、配当還元法により、次のように計算されます。

 L社の企業価値は、次のように計算されます。

 企業価値 = 株主価値 + 負債価値

= 1 + 1

= 2億円

 よって、エが適切です。

簿価純資産法・時価純資産法

 次の資料は、M社に関するものである。この資料に基づいた場合、M社の株主価値に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.M社の資産と負債は、次のとおりである。

2.株主価値は、簿価純資産法または時価純資産法により計算する。

株主価値簿価純資産法=5000-2000=3000
株主価値時価純資産法=6000-2000=4000


【解答群】

ア 簿価純資産法による株主価値は3,000万円であり、時価純資産法による株主価値は3,000万円である。

イ 簿価純資産法による株主価値は3,000万円であり、時価純資産法による株主価値は4,000万円である。

ウ 簿価純資産法による株主価値は4,000万円であり、時価純資産法による株主価値は3,000万円である。

エ 簿価純資産法による株主価値は5,000万円であり、時価純資産法による株主価値は6,000万円である。

簿価純資産法 資産(簿価)から負債(簿価)を控除したものを株主価値とする
〈数 式〉
株主価値 = 資産(簿価) - 負債(簿価)
時価純資産法 資産(時価)から負債(時価)を控除したものを株主価値とする
〈数 式〉株主価値 = 資産(時価) - 負債(時価) 
簿価純資産法、時価純資産法は、いずれも企業の所有する資産および負債の価値を個別評価し、その合計をもって企業の価値を評価します。このような評価をするものを、コスト・アプローチといいます。企業価値を算定する方法には、インカム・アプローチ、コスト・アプローチの他に、マーケット・アプローチがあります。マーケット・アプローチとは、企業自身もしくは同業他社の株式市場での評価を利用して、企業の価値を評価する方法です。


正解:イ

M社の株主価値は、簿価純資産法により、次のように計算されます。

 株主価値 = 資産(簿価) - 負債(簿価)

 = 5,000 - 2,000

= 3,000万円

 M社の株主価値は、時価純資産法により、次のように計算されます。

 株主価値 = 資産(時価) - 負債(時価)

= 6,000 - 2,000

= 4,000万円

 よって、イが適切です。

M&Aの手法

 買収される企業の資産や将来性を担保に、資金を金融機関から借り入れて、その資金で買収するM&Aの手法を表す用語として、最も適切なものはどれか。

ア TOB

イ MBO

ウ EBO

エ LBO

●LBO(Leveraged Buy Out)LBO(レバレッジドバイアウト)は、買収される企業の資産や将来性を担保に、資金を金融機関から借り入れて、その資金で買収するものです。
●MBO(Management Buy Out)MBO(マネジメントバイアウト)は、現在の経営陣が、自社や事業を買収することです。
●EBO(Employee Buy Out)従業員が資金を出し合って、経営権の取得等を行うのものが、EBO(エンプロイーバイアウト)です。
●TOB(Take Over Bid)TOB(テイクオーバービット)は、株式公開買い付けのことです。TOBでは、ある企業を買収したい場合には、株価と期間を表明して、不特定多数の株主から証券取引所を通さずに直接株式を買い付けます。これにより、短期間で大量の株式を取得することができます。


 少ない資金で、大きな資本の企業を買収できることから、梃(てこ)の原理になぞらえてレバレッジドバイアウトと呼ばれます。

 よって、エが適切で、これが正解です。

理論株価

 次の資料は、N社とO社に関するものである。この資料に基づいた場合、N社とO社の理論株価に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.N社、O社ともに1年後の配当総額は、100万円である。

2.N社の毎期の配当総額は、一定である。

3.O社の配当総額は、毎期5%だけ成長する。

4.株主価値は、配当還元法により計算する。

5.資本還元率は、10%である。

6.N社、O社ともに発行済株式数は、1,000株である。


【解答群】

ア N社の理論株価は1万円であり、O社の理論株価は1万円である。

イ N社の理論株価は2万円であり、O社の理論株価は1万円である。

ウ N社の理論株価は1万円であり、O社の理論株価は2万円である。

エ N社の理論株価は2万円であり、O社の理論株価は2万円である。   

 N社の株主価値は、配当還元法により、次のように計算されます。

 N社の理論株価は、次のように計算されます。

(2) O社

 O社の株主価値は、配当還元法により、次のように計算されます。

 O社の理論株価は、次のように計算されます。

よって、ウが適切です。 

株価純資産倍率

 次の資料は、P社に関するものである。この資料に基づいた場合、P社の株価純資産倍率として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】


【解答群】

ア 0.75倍 イ 1倍 ウ 1.5倍 エ 15倍 オ 150倍

BPS=100000000/100000=1000
PBR=1500/1000=1.5

株価純資産倍率PBR:Price Book - value Ratio) 
1株あたり純資産額の何倍で株式が売買されているかを表す
〈数 式〉PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産額
1株あたり純資産額BPS:Book - value Per Share)
〈数 式〉BPS = 純資産額 ÷ 発行済株式数 
PBRは1を基準として、1よりも高いほど割高と判断できる点に注意しましょう。


正解:ウ 1.5倍

(1) 1
株あたり純資産額(BPS:Book-value Per Share)

 まず、1株あたり純資産額BPSを求めると、次のようになります。

 BPS = 純資産額 ÷ 発行済株式数

 = 1億円 ÷ 10万株

 = 1,000円/株

(2) 株価純資産倍率(PBR:Price Book value Ratio)

 株価純資産倍率とは、1株あたり純資産額の何倍で株式が売買されているかを表す 指標です。この株価純資産倍率PBRを求めると、次のようになります。

 PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産額

= 1,500円/株 ÷ 1,000円/株

= 1.5倍

 よって、ウが適切です。

配当利回り

 次の資料は、Q社に関するものである。この資料に基づいた場合、Q社の配当利回りの値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】



【解答群】

ア 1% イ 2% ウ 3% エ 4% オ 5%

配当利回り
〈数 式〉配当利回り = 1株あたり配当 ÷ 株価
1株あたり配当〈数 式〉1株あたり配当 = 配当総額 ÷ 発行済株式数
配当性向 利益のうち配当する割合
〈数 式〉配当性向 = 配当総額 ÷ 当期純利益 本問により、配当利回り、1株あたり配当、配当性向、株価純資産倍率(PBR)、自己資本利益率(ROE)の関係をしっかり把握してください。


正解:イ 2%

(1) 
各指標の計算式

 各指標の計算式は、次のようになります。

(2) 各指標との関係

 自己資本利益率(ROE)は、次のように表されます。

 したがって、次のようになります。

 10% = 2.5倍 × 配当利回り ÷ 50%

 0.1 = 2.5 × 配当利回り ÷ 0.5

 ∴ 配当利回り = 0.1 × 0.5 ÷ 2.5

 = 0.02

 = 2%

 よって、イが適切です。

為替予約

 次の資料は、R社に関するものである。この資料に基づいた場合、為替予約に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.R社は3ヵ月後に、X銀行から1ユーロ100円の為替相場で1ユーロを買うという先物為替予約をした。

2.この為替予約の損益図は、次のように表される。



【解答群】

ア この損益図で描かれる青色の実線①は、X銀行の損益を表している。

イ この損益図で描かれる赤色の点線②は、R社の損益を表している。

ウ 3ヵ月後において、為替予約価格1ユーロ100円より円高・ユーロ安になると、R社はプラスの利益を得ることができる。

エ 3ヵ月後において、為替予約価格1ユーロ100円より円安・ユーロ高になると、R社はプラスの利益を得ることができる。

オプション価格

 次の文章は、効率的市場仮説について述べたものである。空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

 オプション価格は、( A )価値と( B )価値により構成される。以下の図は( C )オプションの価値を示している。( C )オプションでは、原資産価格が権利行使価格と比較して、( D )とき、( A )価値が存在する。

ア A 時間的 B 根本的 C コール D 高い

イ A 時間的 B 根本的 C プット D 低い

ウ A 本質的 B 時間的 C プット D 低い

エ A 本質的 B 時間的 C コール D 高い

オプション価値のうち、原資産価格と権利行使価格の差にあたる部分を本質的価値といいます。本問の図は、コールオプションの図になります。従って、( C )はコールとなります。コールオプションでは、原資産価値が増加すると、オプション価値であるプレミアムが上昇します。これは、オプションを権利行使すると、「原資産価格-権利行使価格」がオプションの買い手の利益になることを意味しています。従って、( D )は高いが入ります。一方、「原資産価格-権利行使価格」<0のときは、オプションの買い手は権利を放棄します。よって、( A )価値は本質的価値となります。( B )は時間的価値が入ります。

定率成長モデル

 次の資料は、J社に関するものである。この資料に基づいた場合、J社の企業価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.J社が1年後に得られるフリーキャッシュフローは、1,000万円と予測されている。

2.J社がその後1年ごとに得られるフリーキャッシュフローの成長率は5%と予測されている。

3.資本コストは、10%である。

4.企業価値は、DCF法により計算する。


【解答群】

ア 1,100万円 イ 1億円 ウ 1億1,000万円 エ 2億円 オ 3億円

企業価値=FCF1000/(0.1-0.05)=20000

収益還元法

 次の資料は、K社に関するものである。この資料に基づいた場合、K社の企業価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.K社は、永続的に毎年一定の税引後利益を得るものと予測されている。

2.K社が永続的に毎年得る予想税引後利益は、1,000万円である。

3.資本還元率は、10%である。

4.企業価値は、収益還元法により計算する。


【解答群】

ア 1億円 イ 1億1,000万円 ウ 1億5,000万円 エ 2億円 オ 3億円

企業価値=税引後利益1000/資本還元率0.1=10000

 配当還元法

 次の資料は、L社に関するものである。この資料に基づいた場合、L社の企業価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.L社は、永続的に毎年一定の配当を行うものと予測されている。

2.L社が永続的に毎年行う配当額は、1,000万円である。

3.資本還元率は、10%である。

4.株主価値は、配当還元法により計算する。

5.企業価値は、株主価値と負債価値を合計したものである。

6.L社の負債価値は、1億円である。


【解答群】

ア 1億円 イ 1億1,000万円 ウ 1億5,000万円 エ 2億円 オ 3億円

株主価値=1000/0.1=10000
企業価値=株主価値10000+負債価値10000=20000

理論株価

 次の資料は、N社とO社に関するものである。この資料に基づいた場合、N社とO社の理論株価に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.N社、O社ともに1年後の配当総額は、100万円である。

2.N社の毎期の配当総額は、一定である。

3.O社の配当総額は、毎期5%だけ成長する。

4.株主価値は、配当還元法により計算する。

5.資本還元率は、10%である。

6.N社、O社ともに発行済株式数は、1,000株である。


【解答群】

ア N社の理論株価は1万円であり、O社の理論株価は1万円である。

イ N社の理論株価は2万円であり、O社の理論株価は1万円である。

ウ N社の理論株価は1万円であり、O社の理論株価は2万円である。

エ N社の理論株価は2万円であり、O社の理論株価は2万円である。

N社株主価値=配当総額100/資本還元率0.1=1000
理論株価=資本総額1000/発行済株式数1000=1
O社株主価値=配当総額100/(資本還元率0.1-0.05)=2000
理論株価=資本総額2000/発行済株式数1000=2

株価純資産倍率

 次の資料は、P社に関するものである。この資料に基づいた場合、P社の株価純資産倍率として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】


【解答群】

ア 0.75倍 イ 1倍 ウ 1.5倍 エ 15倍 オ 150倍

一株当たり純資産額BPS=純資産100000000/発行済株式数100000=1000円
P社の株価純資産倍率PBR=株価1500/一株当たり純資産額1000円=1.5

株価純資産倍率PBR:Price Book - value Ratio) 
1株あたり純資産額の何倍で株式が売買されているかを表す
〈数 式〉PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産額
1株あたり純資産額BPS:Book - value Per Share)
〈数 式〉BPS = 純資産額 ÷ 発行済株式数 
PBRは1を基準として、1よりも高いほど割高と判断できる点に注意しましょう。

 配当利回り

 次の資料は、Q社に関するものである。この資料に基づいた場合、Q社の配当利回りの値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】



【解答群】

ア 1% イ 2% ウ 3% エ 4% オ 5%

Q社の配当利回りの値=PBR2.5*ROE0.1*配当性向0.5=

株価純資産倍率PBR=株価/一株当たり純資産額
=(株価*発行済株式数)/(一株当たり純資産額*発行済株式数)=株式時価総額/純資産額
配当性向=配当総額/当期純利益
配当利回り=一株当たり配当÷株価
=(配当総額÷発行済株式数)÷株価
=配当総額÷(株価*発行済株式数)
=配当総額÷株式時価総額
自己資本利益率ROE=当期純利益額/純資産額
=自己資本利益率ROE=PBR(株式時価総額/純資産額)*配当利回り(配当総額÷株式時価総額)÷配当性向(配当総額/当期純利益)
自己資本利益率=PBR*配当利回り÷配当性向
ROE10%=2.5*配当利回り÷0.5
0.1=2.5*配当利回り÷0.5
0.1*0.5=2.5*配当利回り÷0.5*0.5
0.05=2.5*配当利回り
0.05/2.5=配当利回り
∴配当利回り=0.02
=2%

配当利回り
〈数 式〉配当利回り = 1株あたり配当 ÷ 株価
1株あたり配当
〈数 式〉1株あたり配当 = 配当総額 ÷ 発行済株式数
配当性向 利益のうち配当する割合
〈数 式〉配当性向 = 配当総額 ÷ 当期純利益 


正解:イ 2%

(1) 
各指標の計算式

 各指標の計算式は、次のようになります。

(2) 各指標との関係

 自己資本利益率(ROE)は、次のように表されます。

 したがって、次のようになります。

 10% = 2.5倍 × 配当利回り ÷ 50%

 0.1 = 2.5 × 配当利回り ÷ 0.5

 ∴ 配当利回り = 0.1 × 0.5 ÷ 2.5

 = 0.02

 = 2%

 よって、イが適切です。

株価収益率

 株価収益率に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 株価収益率は、株価を1株当たり当期純利益で割って計算される。

イ 株価収益率は、当期純利益を発行済株式数で割って計算される。

ウ 株価収益率は、株価を1株当たり純資産額で割って計算される。

エ 株価収益率は、純資産額を発行済株式数で割って計算される。

株価収益率PER:Price Earning Ratio) 
株価が1株あたり当期純利益の何倍になっているかを表す
〈数 式〉PER = 株価 ÷ 1株あたり当期純利益
1株あたり当期純利益EPS:Earning Per Share)
〈数 式〉EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数 
純利益に比べて株価が安い株は、割安と考えられます。逆に、純利益に比べて株価が高い株は、割高と考えられます。このように、株主から見た場合は、PERが低い株が買得ということになります。

 収益還元法

 次の資料は、K社に関するものである。この資料に基づいた場合、K社の企業価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.K社は、永続的に毎年一定の税引後利益を得るものと予測されている。

2.K社が永続的に毎年得る予想税引後利益は、1,000万円である。

3.資本還元率は、10%である。

4.企業価値は、収益還元法により計算する。


【解答群】

ア 1億円 イ 1億1,000万円 ウ 1億5,000万円 エ 2億円 オ 3億

配当利回り

 次の資料は、Q社に関するものである。この資料に基づいた場合、Q社の配当利回りの値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】



【解答群】

ア 1% イ 2% ウ 3% エ 4% オ 5%

自己資本利益率ROE10%=株価純資産倍率PBR2.5*配当利回り÷配当性向50%
0.1=2.5*配当利回り÷0.5
配当利回り=0.1*0.5/2.5
Q社の配当利回りの値=0.02
=2%

配当割引モデル 【平成28年 第16問】

 1年後の配当は105千円、その後毎年3%の成長が永続することを見込んでいる。割引率(株主資本コスト)が年5%である場合、配当割引モデルに基づく企業価値の推定値として最も適切なものはどれか。

ア 1,575千円

イ 2,100千円

ウ 3,500千円

エ 5,250千円

配当割引モデルに基づく企業価値の推定値=配当105/(割引率(株主資本コスト)年5%-毎年3%成長)=105/2=52.5

将来のキャッシュ・フローをFCF、資本コストをr、毎年の成長率をgとすると、将来のキャッシュ・フローが一定の割合で成長する場合の配当割引モデルに基づく企業価値の推定は、次の計算式で求めることができます。

企業価値=FCF/(r-g) (r>gのとき) 

 この計算式に、FCF = 105千円、r = 0.05、g = 0.03を代入すると、次のようになります。

 企業価値 = 105千円÷(0.05-0.03)= 5,250千円

 企業評価 【平成23年 第20問】(設問1)

 次の文章とデータに基づいて、下記の設問に答えよ。

 企業評価の手法には、バランスシート上の純資産価値に着目するアプローチのほか、DCF法や収益還元方式に代表される [ A ] アプローチ、PER やPBR といった評価尺度を利用する[ B ] アプローチなどがある。以下のデータに基づいて、[ A ] アプローチの1つである配当割引モデルによって株式価値評価を行うと、株式価値は [ C ] と計算される。また、PBR は [ D ] 倍と計算される。

 なお、自己資本コストはCAPM により算出する。

 ・総資産簿価1億円
 ・負債6,000万円
 ・当期純利益500 万円
 ・予想1株あたり配当額   30 円
 ・発行済み株式数10 万株
 ・株価500円
 ・β 値
 ・安全利子率2%
 ・期待市場収益率6%

(設問1)

 文中の空欄AおよびBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a 2パラメーター

b インカム

c オプション

d コスト

e マーケット

[解答群]

ア A:a B:e

イ A:b B:a

ウ A:b B:e

エ A:d B:c

オ A:e B:a

一般的に企業評価のアプローチ手法として、過去の蓄積を基礎とするコストアプローチ、将来の収益性を基礎とするインカムアプローチ、実際の売買市場で成立している類似企業の株価を基礎とするマーケットアプローチの3 種類があります。

 コストアプローチには、貸借対照表の純資産額をもとに企業評価を行う純資産額法という方法があります。また、会計上の資産価額は会計ルールに則って計算されていて、資産の時価とは大きく異なる場合があるため、時価を基準として評価する修正簿価法という方法もあります。

インカムアプローチには、将来の業績を予測し、毎年生み出される新たなキャッシュを現在価値に引き戻し、その総額を企業評価額とする収益還元方式やディスカウントキャッシュフロー方式と呼ばれる方法があります。

 マーケットアプローチは、すでに証券市場で売買されている企業の株式について、それが企業の価値を体現していると考え、株式の時価総額と負債の金額を合わせて企業評価額とするものです。上場されていない企業については、同業種の上場企業を参照し、その指標を参考に企業評価額を類推する方法が採られ、株価倍率法と呼ばれています。

 よって空欄Aにはインカム、空欄Bにはマーケットが入り、選択肢ウが正解となります。

(設問2)

 文中の空欄Cに入る金額として最も適切なものはどれか。

ア 300 円

イ 500 円

ウ 750 円

エ 1,500 円

株式価値=配当額÷期待収益率
配当額30円
期待収益率=CAPM=安全利子率2%+(期待市場収益率6%-安全利子率2%)*β2=2%+4%*2=10%
株式価値=配当額30円÷期待収益率10%=300円

配当額=(予想1株あたり配当額30 円*発行済み株式数10 万株)=300万
総資産時価=株価500円*発行済み株式数10 万株=5000万円
自己資本純資産=

配当割引モデルでは、配当額を期待収益率つまり自己資本コストで割ることによって、株式価値を求めることができます。期待収益率はCAPM で計算されます。

 ここでは配当額は30 円。期待収益率はCAPM の公式により、安全利子率2%+(期待市場収益率6%-安全利子率2%)×β値2ということで、10%になります。

 よって株式価値は、配当金30 円÷期待収益率10%で300 円になり、選択肢アが正解となります。

(設問3)

 文中の空欄Dに入る数値として最も適切なものはどれか。

ア 1.25
イ 8
ウ 10
エ 16.67

株価純資産倍率PBR=当期純利益500万/一株当たり純資産額
一株当たり純資産額==総資産1億ー負債6000=自己資本4000
自己資本4000/発行済株式総数10万株=400円
株価500円÷1 株当たり純資産額400 円=1.25

PBR は株価÷1 株当たり純資産額で算出されます。

 株価は問題文に500 円と与えられていますが、1 株当たり純資産額は与えられていません。

 そこで1 株当たり純資産額は、総資産簿価1 億円-負債6,000 万円で出される純資産額4,000 万円を発行済み株式数10 万株で割ることによって400 円と算出されます。

 したがって株価500 円÷1 株当たり純資産額400 円で、PBR は1.25 倍となります。

 よって選択肢アが正解です。

株式評価 【平成20年 第13問】

 株式評価に関する次の記述のうち、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a PBRの値が1より小さいと、株価は1株当たり純資産より高く評価されている。

b PBRの値が1より小さいと、株価は1株当たり純資産より低く評価されている。

c PERは、EPSを株価で除して算出される。

d PERは、株価をEPSで除して算出される。

[解答群]

ア aとc

イ aとd

ウ bとc

エ bとd

 PBR、株価純資産倍率は、株価÷1 株当たり純資産額、

 PER、株価収益率は、株価÷1 株当たり当期純利益、

 EPS、1 株当たり当期純利益は、当期純利益÷発行済株式総数、となっています。

 PBR の算出式から、PBR が1 より小さいということは、1 株当たり純資産額より株価が低いことを意味しています。つまり、株式に対する評価が低いということになります。

 また、PER の計算式は株価÷EPS と同じです。

 よってbとdが適切ということになり、選択肢エが正解となります。

自己資本配当率の計算、PERの計算 【平成25年 第20問】(設問1)

 次のデータに基づき、以下の設問に答えよ。

PBRROE自己資本比率配当性向配当利回り
1.210 %60%36%3%

(設問1)

自己資本配当率(DOE)として、最も適切なものはどれか。

ア 3.6%

イ 7.2 %

ウ 21.6%

エ 43.2%

自己資本配当率DOE=配当総額 ÷ 自己資本
DOE=(当期純利益÷自己資本)*(配当総額÷当期純利益)=ROE(自己資本利益率)*配当性向
DOE=0.1*0.36=3.6%

自己資本配当率(DOE:Dividend On Equity)とは、企業が自己資本に対してどれだけ株主に配当金を支払ったかを示す指標です。DOEは次のように計算されます。

DOE = 配当総額 ÷ 自己資本

DOEの計算式を分解すると、次のようになります。

DOE = (当期純利益 ÷ 自己資本) × (配当総額 ÷ 当期純利益)= ROE(自己資本利益率) × 配当性向

この計算式に、ROE = 0.1、配当性向 = 0.36を代入すると、次のようになります。

  DOE = 0.1 × 0.36 = 3.6%

よって、選択肢アが正解となります。

自己資本配当率の計算、PERの計算 【平成25年 第20問】(設問2)

 次のデータに基づき、以下の設問に答えよ。

PBRROE自己資本比率配当性向配当利回り
1.210 %60%36%3%

(設問2)

PERとして、最も適切なものはどれか。

ア 2倍

イ 3.3倍

ウ 12倍

エ 40倍

株価収益率PER=株式時価総額÷当期純利益
=(株式時価総額÷自己資本)÷(当期純利益÷自己資本)
=PBR(株価純資産倍率)÷ROE(自己資本利益率)
=PBR1.2/ROE0.1=12倍

PER = (株式時価総額 ÷ 自己資本) ÷ (当期純利益 ÷ 自己資本)= PBR(株価純資産倍率)÷ ROE(自己資本利益率)

 この計算式に、PBR = 1.2、ROE = 0.1を代入すると、次のようになります。

PER = 1.2 ÷ 0.1 = 12倍

 よって、選択肢ウが正解となります。

為替予約 【平成20年 第21問】

 次の文章の空欄AとBに入る最も適切な語句の組み合わせを下記の解答群から選べ。ただし、手数料、金利等は考えないこととする。

 現在1ドル105 円の為替相場(直物)である。1か月後に決済日が来る1万ドルの債権を有する企業が、1ドル104 円で1万ドルのドル売り為替予約(1か月後の受け渡し)を行うとすると、1か月後の為替相場にかかわらず、円手取金を確定できる。このとき、1か月後の為替相場(直物)が108 円になると、為替予約をしなかった場合に比べて円手取収入は [ A ] 。他方、1か月後の為替相場(直物)が103 円になると、為替予約をしなかった場合に比べて円手取収入は [ B ] 。

ア A:3万円多くなる   B:2万円少なくなる

イ A:3万円少なくなる  B:2万円多くなる

ウ A:4万円多くなる   B:1万円少なくなる

エ A:4万円少なくなる  B:1万円多くなる

現時点では、現在1ドル105 円ですが、例えば、円高になり1ドル103 円となれば、収入は103 万円になってしまい、2 万円の為替差損が発生します。

 これを避けるために、1ドル104 円で為替予約を行いました。その結果確実に、収入が104 万円となり、為替リスクを回避できます。

 一方、為替予約をした場合、円安になったとしても為替差益を受け取ることはできません。かならず1ドル104 円で取引する必要があるためです。

 よって1ドル108 円になった場合でも、収入は108 万円ではなく、104 万円です。つまり、為替予約をしなかった場合に比べて、収入は4 万円少なくなります。

 また、1ドル103 円になった場合も、収入は103 万円ではなく、104 万円です。この場合は、為替予約をしなかった場合に比べて、収入は1 万円多くなります。

 よって、選択肢エが正解です。


オプション取引 【平成21年 第19問】(設問1)

 次の図は、ヨーロピアンタイプのオプション取引を行ったときの損益図表を示している。
この図と以下の文章から、下記の設問に答えよ。

 この図で示される実線①は[ A ]の損益を示しており、破線②は[ B ] の損益を示している。この図から分かるように、[ A ]の最大損失は[ C ]に限定されるが、[ B ]の損失は、決済時の原資産の価格によって無限になる可能性をもっている。

(設問1)

 文中の空欄[ A ]と[ B ]に入る用語の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア A:コールオプションの売り手  B:コールオプションの買い手

イ A:コールオプションの買い手  B:コールオプションの売り手

ウ A:プットオプションの売り手  B:プットオプションの買い手

エ A:プットオプションの買い手  B:プットオプションの売り手

オプション価値の理解 【平成30年 第15問】

 コールオプションの価格に関する以下の文章の空欄①〜④に入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

コールオプションの価格は、権利行使したときに得られる( ① )価値とこれに上乗せされる( ② )価値の合計から構成されている。( ① )価値は( ③ )価格から( ④ )価格を控除することにより得られる。( ③ )価 格-( ④ )価格≦ 0のときは( ① )価値はゼロとなる。
〔解答群〕 
ア ①:時間的  ②:本質的  ③:権利行使  ④:原資産 
イ ①:時間的  ②:本質的  ③:原資産   ④:権利行使 
ウ ①:本質的  ②:時間的  ③:権利行使  ④:原資産 
エ ①:本質的  ②:時間的  ③:原資産   ④:権利行使

オプションの価値=本質的価値+時間的価値

で表され、本質的価値は、イン・ザ・マネー(In the Money、以下ITM)のときの権利行使価格と原資産価格の差になります。コールオプションでは、「原資産価格-権利行使価格」となります。オプションの買い手は、もし、本質的価値がマイナスであれば、権利を放棄しますので、本質的価値はマイナスにはなりません。


 時間的価値とは、原資産の現時点から満期日までの間の価格変動により、オプションの本質的価値が上昇することへの期待値のことです。ですので、時間的価値についても、ゼロになることはあっても、マイナスになることはありません。


従って、①は本質的価値、②は時間的価値、③は原資産価格、④は権利行使価格となるため、選択肢エが適切な記述で正解となります。


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