財務・会計 経営分析  投資評価 資本市場と資本コスト  現代のファイナンス 運営管理 生産管理と生産方式

14〜15回目にしてついに(やっと苦笑)、損益分岐点売上高計算式が頭の中に定着しました\(^o^)/

付加価値は、企業が経営活動によって新たに生み出した価値です。

つまり、売上高、アウトプットの金額から、外部から購入したもの、インプットの金額を引いたものが、付加価値になります。

ここで、外部から購入したものは、外部の会社の付加価値となっています。

例えば、自動車業界でしたら、部品メーカーは、材料を加工することで付加価値を付けて、メーカーに販売します。

メーカーは、部品を組み立てることで、付加価値をつけてディーラーに販売します。

ディーラーは、顧客サービスなどを付け加えることで、付加価値をつけて顧客に販売します。

このように、付加価値はバリューチェーンを構成する各企業が、新たに付け加える価値と考えることができます。

付加価値には外部から購入したものは含まれません。

この基準に沿って考えると、外注加工費と間接材料費は、外部から購入したものですので、付加価値から除外する必要があります。

ちなみに、付加価値の代表的な計算方法は、2 つあります。

まず、付加価値=売上高-外部購入費用という算式。

それから、付加価値=経常利益+人件費+賃借料+純金利費用+減価償却費+租税公課という算式です。

付加価値労働生産性は、付加価値÷従業員数で求められます。付加価値=付加価値率×売上高ですから、付加価値労働生産性=付加価値率×従業員1 人当たり売上高で求められます。

売上高成長率= 売上高増加額÷基準時点の売上高×100

 経常利益成長率= 経常利益増加額÷基準時点の経常利益×100

損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率ですので、まず限界利益率を計算します。

限界利益率は1-変動費率 になります。

目標売上高の計算式は、(固定費+目標利益)÷(1-変動費率)で計算することができます。

安全余裕率 = (実際売上高 - 損益分岐点売上高) ÷ 実際売上高 × 100

「損益分岐点売上高」は、次の計算式により求めることができます。

損益分岐点売上高 = 固定費 /(1 - 変動費率 )

変動費率 = 変動費 ÷ 売上高

安全余裕率 = 1- 損益分岐点比率

固定費÷(1−変動費率)

変動費率=変動費÷売上高

損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 実際売上高

損益分岐点比率 = 1-安全余裕率

部門の売上高から部門固有の費用を差し引いたものが、その部門の全体に対する貢献利益になります。部門固有の費用の中には、変動費と部門固有の固定費が含まれます。

内部収益率とは、正味現在価値がちょうどゼロになる割引率のことです。正味現在価値がゼロというのは投資を行うための最低限の条件です。この内部収益率と、資本の調達コストである資本コストを比較して、内部収益率の方が大きければ投資を実行するという評価方法です。

「割引キャッシュフローの和」と表現されているものが、つまり正味現在価値のことです。

収益性指数とは、投資によって生じるキャッシュフローの現在価値合計をその投資額で除して求めるものです。

回収期間法とは、投資額に対してそれを回収する期間を求める方法です。回収期間が目標よりも短ければ投資を実行することになります。回収期間法はシンプルで分かりやすい反面、キャッシュの時間価値を無視している、投資を回収した後のキャッシュフローを考慮していないなどの問題点もあります。

キャッシュフローが当初マイナスで、その後プラスになる投資案であるからといって、割引率が大きいほど正味現在価値が大きくなるとは限りません。当初のマイナスの額やその後のプラスの額によって結果は異なってきます。

フリーキャッシュフロー=営業利益×(1-実効税率)+減価償却費-運転資本増加額-投資額

もう1 つは、=営業活動によるキャッシュフロー+投資活動によるキャッシュフロー

正味現在価値法や内部収益率法による投資の評価では、将来に回収予定の資金はフリーキャッシュフローで求めます。

 フリーキャッシュフローの基本的な考え方は、事業活動によって得た資金から、投資した資金を引いたものになります。つまり、投資分を除いた純粋な収入を表します。

 ここで、投資評価の際のキャッシュフローの考え方には、2 つポイントがあります。

ポイント1 は、投資を実行した場合と、しなかった場合の差額のキャッシュフローで評価するということです。つまり、投資を実行しなかった場合に比べ、投資を実行すると、どれぐらい変化するかということに注目します。

 ポイント2 は、資金調達や金利を含む返済などの財務キャッシュフローは含めないということです。例えば、設備投資をする際に、銀行からお金を借りて投資した場合、金利を含めて返済する必要がありますが、これはフリーキャッシュフローには含めません。

 これは、金利費用など、資金調達に関するコストは、資本コストと考え、現在価値に割引くときの割引率として考慮に入れているからです。例えば、借入の金利が大きい場合、WACC で計算する企業の資本コストは大きくなります。そうすると、同じフリーキャッシュフローであっても、金利が低い時よりも正味現在価値は低くなり、投資の評価はその分マイナス評価になります。

 少し、複雑に思われるかもしれませんが、「資本の調達で発生するコストは、投資評価のキャッシュフローに含めない」ということがポイントです。

未使用の土地はそのままではキャッシュを生まないため、投資案のキャッシュフローには含めません。また、仮に、土地を売却する案と、工場を建設する案で比較した場合でも、土地の売却によるキャッシュインは土地の時価で行われるため、簿価ではなく時価で評価する必要があります。

NPV(Net Present Value)は正味現在価値と呼ばれます。正味現在価値の大きさは、投資から得られるリターンの大きさを表しています。正味現在価値がプラスであれば、投資を実行すべきという判断になり、複数の投資案があるときは、正味現在価値が最も大きい投資案を選択します。

 IRR(Internal Rate of Return)は内部収益率と呼ばれます。内部収益率は、正味現在価値がちょうど0になる割引率です。正味現在価値が0というのは、投資を行うための最低限の条件です。内部収益率と、資本の調達コストである資本コストを比較し、内部収益率の方が大きければ投資を行うという判断をします。

 回収期間とは、投資額に対してそれを回収する期間のことです。回収期間が目標よりも短ければ投資を行うという判断をします。

 3つの投資評価方法のうち、回収期間による投資評価は、いくつか問題点が挙げられています。回収期間法では資金の時間的な価値を考慮に入れておらず、投資を回収した後のキャッシュフローを考慮していません。

 さらに、「企業価値の増大の観点から」は回収期間法を外し、資金の時間的価値を考慮しているNPVとIRRによって投資案の採択をします。

IRRはNPVと異なり、投資のリターンの大きさが反映されないという問題点があります。「企業価値の増大の観点から」はIRRよりもNPVによる評価を優先します。

回収期間法は、投資額に対してそれを回収する期間を求め、回収期間が目標よりも短ければ投資を行う投資評価方法です。

 投資の回収期間は、次の式で求めることができます。

回収期間=投資額÷税引後キャッシュ・フロー

毎年の減価償却費 = (取得原価 - 残存価額)÷ 経済命数

税引後キャッシュ・フロー = 税引後利益 + 減価償却費

∴ 税引後利益 = 税引後キャッシュ・フロー - 減価償却費

税引後利益 = 税引前利益 × (1 - 法人税率)

∴ 税引前利益 = 税引後利益 ÷ (1 - 法人税率)

新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額とは、税引前利益と減価償却費の合計に該当します。よって、次のようになります。

新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額

= 税引前利益 + 減価償却費

「共分散」とは2 つの株式がどれぐらい一緒に動くかを表す数値です。プラスであれば2 つの株式は景気の動向に対して同じ方向に動き、マイナスであれば2 つの株式は景気の動向に対して逆の方向に動きます。また「共分散」の絶対値の大きさは動きの大きさを表します。

 「相関係数」は、動きの大きさを-1から1の間で表す係数です。相関係数が1のとき、2 つの株式はまったく同じ方向に動きます。相関係数が0のときは、相関性がなく、まったく別々に動きます。相関係数が-1のとき、2 つの株式はまったく逆の方向に動きます。

 相関係数が1のときは、ポートフォリオのリスク低減効果は無くなります。その逆に、相関係数が-1のときは、ポートフォリオのリスク低減効果はもっとも大きくなります。

・リスク回避者

同一のリターンならば、リスクのより小さいものを選好する投資家。

 ・リスク中立者

リスクと無関係に、より高いリターンを選好する投資家。

 ・リスク愛好者

同一のリターンならば、リスクのより大きいものを選好する投資家。

資本資産評価モデル(CAPM)は、投資資本(証券)の期待収益率は、無リスク資産の利子率(リスク・フリー・レート)とリスクプレミアムを加えたものになるというモデルです。資本資産評価モデル(CAPM)によると、個別証券の期待収益率は、次のように計算されます。

個別証券の期待収益率 = 無リスク資産の利子率(リスク・フリー・レート)+ β × 市場リスクプレミアム

ここで、市場リスクプレミアムは、次のように表されます。

市場リスクプレミアム = 市場ポートフォリオの期待収益率 - 無リスク資産の利子率(リスク・フリー・レート)

 また、βは市場ポートフォリオと比べたときの個別株式のリスクの大きさを示します。

CAPMの「個別株式の期待収益率 = 無リスク資産の利子率 + β × 市場リスクプレミアム」の計算式において、βが0以上1未満のとき、「β × 市場リスクプレミアム」(リスクプレミアム)は正の値になります。そのため、βが0以上1未満である証券の期待収益率は、無リスク資産の利子率よりも高くなります。無リスク資産の利子率よりも低いのではありません。

CAPMの「個別株式の期待収益率 = 無リスク資産の利子率 + β × 市場リスクプレミアム」の計算式において、βが0のとき、「β × 市場リスクプレミアム」(リスクプレミアム)はゼロになります。そのため、βがゼロである証券の期待収益率は無リスク資産の利子率と等しくなります。ゼロではありません。

均衡状態においてもリスクはゼロとはならず、市場ポートフォリオのリスクは存在するため、すべての投資家が、危険資産として市場ポートフォリオを所有することになります。

「市場リスクプレミアム = 市場ポートフォリオの期待収益率 - 無リスク資産の利子率」より、市場ポートフォリオの期待収益率は、市場リスクプレミアムに無リスク資産の利子率を加えたものになります。市場ポートフォリオの期待収益率は、市場リスクプレミアムではありません。

個別株式の期待収益率 = 無リスク資産の期待収益率(リスクフリーレート) + β × 市場リスクプレミアム

ここで、市場リスクプレミアムは、次のように表されます。

市場リスクプレミアム = 市場ポートフォリオの期待収益率 -無リスク資産の期待収益率

 また、βは市場ポートフォリオと比べたときの個別株式のリスクの大きさを示します。

加重平均資本コストについて、企業は、債権者(銀行や社債権者など)と株主から資金を調達して経営しています。この資金調達にかかるコストが資本コストです。

 債権者に対する資本コストは借入の金利を基に計算します。

 株主に対する資本コストは、株主が会社に期待する収益率を基に計算します。株主が求める期待収益率は、CAPM という資本資産評価モデルで計算できます。

加重平均資本コストを求める算式は、負債/(負債+資本)X(1-実効税率)X負債利子率+資本/(負債+ 資本)XCAPM となっています。

 また、CAPM は、リスクフリーレート+βX市場リスクプレミアムで求められます。

 市場リスクプレミアムというのは市場ポートフォリオの期待収益率-リスクフリーレートのことです。

直接金融とは、金融仲介機関を経由せず、借り手が金融市場から直接資金を調達することをいい、証券金融(社債発行、株式発行)がこれに該当します。これに対して、間接金融とは、貸し手と借り手の間を金融仲介機関(銀行、信用金庫、保険会社など)が仲介し、金融仲介機関を経由して、間接的に資金を調達することをいいます。

銀行が株式の発行を行った場合も、その銀行にとっては直接金融となります。間接金融ではありません。

金融庁の「貯蓄から投資へ」というスローガンは、経済発展を支える投資資金が円滑に供給されるよう金融市場の構造改革を進め、社債発行や株式発行による直接金融がしやすいようにしようとするものです。この「貯蓄から投資へ」の流れは、個人のお金を預貯金に眠らせたままにしておくのではなく、元手として活用して資産形成 する方向に導くというものですので、間接金融の割合を減らし直接金融の割合を増やすことを目指しているものです。直接金融の割合を減らし間接金融の割合を増やすことを目指しているのではありません。

社債の発行による資金調達は、直接金融です。間接金融ではありません。なお、借入金も社債発行も他人資本調達であり、社債の発行による資金調達が借入金による資金調達と同じ負債の調達で正しいです。

ファイナンス・リース取引によるリース物件の維持管理費用は、借り手が負担します。貸し手ではありません。

ファイナンス・リース取引については、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理をします。したがって、ファイナンス・リース取引によるリース物件は、借り手において減価償却費が算定され、損益計算書に計上されます。

貸し手のことをレッサー、借り手のことをレッシーといます。

所有権移転ファイナンス・リースの減価償却費は、自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法により算定します。つまり、経済的使用可能予想期間(経済的耐用年数)をもとに償却します。従って、リース期間を耐用年数とするという記述は不適切です。

 リース債務の開示については、貸借対照表日後1年以内に支払期限が到来するものは流動負債の区分に表示し、貸借対照表日後1年を超えて支払の期限が到来するものは固定負債の区分に表示します。

 「リース資産」「リース債務」の計上額は所有権移転ファイナンス・リースの場合、以下の方法によります。

1.借手においてリース物件の貸手の購入価額等が明らかな場合は、貸手の購入価額等

2.貸手の購入価額等が明らかでない場合は、次のうちいずれか低い価額

 ・ リース料総額の割引現在価値

 ・ 借手の見積現金購入価額

 よって、計上額は、リース契約締結時に合意されたリース料総額とするという記述は不適切です。

 所有権移転ファイナンス・リース取引では、リース取引開始日に、リース物件とこれに係る債務を「リース資産(または「機械・装置」等各固定資産勘定)」「リース債務」としてそれぞれ資産・負債に計上します。リース資産については、減価償却されますので、有形固定資産もしくは無形固定資産に計上されるため、貸借対象日後1年以内にリース期間が満了するものは流動資産に表示されるとする記述は不適切です。

株価に係る情報の反映度合いが、過去の価格情報を反映しているとするウィーク型仮説から、インサイダー情報まで含むストロング型仮説まであることをおさえておきましょう。

 ウィーク型市場仮説では、現在の株価には過去の株価データの全てが迅速かつ正確に反映されているため、過去の株価や出来高といった取引実績に関する変動推移などの情報を分析しても将来の株価を予想することはできないとする仮説のことです。

 不特定多数の投資家で構成される株式市場においては、株価には情報が迅速かつ正確に反映されていて効率的な価格形成が達成されているとするのが効率的市場仮説です。よって、情報が即座に価格に織り込まれていることを通じて、市場では効率的な価格形成が達成されているとする記述は適切です。

 取引を円滑に実施するための取引システム全般が機能することは、市場が効率的である前提条件となります。

 セミストロング型仮説では、現在の株価には過去の株価データの全てが反映されているだけでなく、企業が公開している情報の全てが迅速かつ正確に反映されているため、ディスクロージャー制度によって企業が公開している財務諸表などの情報を分析しても将来の株価を予想することはできないとする仮説のことをいいます。つまり、ファンダメンタル分析の有効性が否定されています。よって、ファンダメンタル分析を使って超過収益獲得の機会が存在することを示す仮説であるとする記述は不適切です。

将来のキャッシュ・フローをFCF、資本コストをr、毎年の成長率をgとすると、将来のキャッシュ・フローが一定の割合で成長する場合の配当割引モデルに基づく企業価値の推定は、次の計算式で求めることができます。

現代のファイナンス

企業価値=FCF/(r-g) (r>gのとき) 

一般的に企業評価のアプローチ手法として、過去の蓄積を基礎とするコストアプローチ、将来の収益性を基礎とするインカムアプローチ、実際の売買市場で成立している類似企業の株価を基礎とするマーケットアプローチの3 種類があります。

 コストアプローチには、貸借対照表の純資産額をもとに企業評価を行う純資産額法という方法があります。また、会計上の資産価額は会計ルールに則って計算されていて、資産の時価とは大きく異なる場合があるため、時価を基準として評価する修正簿価法という方法もあります。

インカムアプローチには、将来の業績を予測し、毎年生み出される新たなキャッシュを現在価値に引き戻し、その総額を企業評価額とする収益還元方式やディスカウントキャッシュフロー方式と呼ばれる方法があります。

 マーケットアプローチは、すでに証券市場で売買されている企業の株式について、それが企業の価値を体現していると考え、株式の時価総額と負債の金額を合わせて企業評価額とするものです。上場されていない企業については、同業種の上場企業を参照し、その指標を参考に企業評価額を類推する方法が採られ、株価倍率法と呼ばれています。

配当割引モデルでは、配当額を期待収益率つまり自己資本コストで割ることによって、株式価値を求めることができます。期待収益率はCAPM で計算されます。

PBR は株価÷1 株当たり純資産額で算出されます。

従業員が資金を出し合って、経営権の取得等を行うのはEBO(Employee Buy Out)です。

MBO(Management Buy Out)はマネジメントバイアウトの略で、現在の経営陣が、自社や事業を買収することです。金融機関が自身の資金によって経営権の取得等を行うことではありません。

TOB(Take Over Bid)というのは、株式公開買い付けのことです。TOBでは、ある企業を買収したい場合には、株価と期間を表明して、不特定多数の株主から証券取引所を通さずに直接株式を買い付けます。これにより、短期間で大量の株式を取得することができます。

MM理論とは、負債を利用することによる資本構成の変化が、加重平均資本コストや企業価値にどのような影響を与えるかについて、完全資本市場を仮定して最適資本構成を研究したモデルのことをいいます。この研究を行った経済学者であるモジリアーニとミラーの頭文字を取って「MM理論」と呼ばれています。

 完全資本市場というのは、例えば、売買手数料等の取引コストがゼロ、法人税等の税金もゼロで、すべての投資家に対してある企業に関する情報が的確かつ同時に伝達されるという状態のことをいいます。

 MM理論の結論としては、法人税が存在しない完全資本市場では、企業価値はその資本構成に依存しない、ということになります。

現実には法人税は存在しています。これを考慮した場合には企業価値にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

 法人税を考慮すると、借入(負債)で調達した場合には、支払利息が発生します。支払利息の損金算入によって法人税が軽減されるため節税効果が働きます。そのため、負債比率が高まるほど節税効果の現在価値分だけ企業価値は上昇することになります。ここで、節税効果は、次の式で計算できます。

   節税効果(企業価値の増加分) = 負債額 X 法人税率

上記の式に従えば、借入をすればするほど企業価値は高まることになります。そのため、負債比率が100%の場合において企業価値が最大となります。

 法人税を考慮すると、借入をすればするほど企業価値は高まるわけですが、実際には負債比率が高まれば倒産などの債務不履行(デフォルト)リスクが高くなります。なお、債務不履行(デフォルト)リスクは、財務リスクと呼ばれることもあります。

  債務不履行(デフォルト)リスクが高まると、債権者も株主もそれに見合っただけのより高いリターンを求めるようになります。

 財務リスクが高くなると、負債の調達金利が高くなるため、資本コストが増加します。つまり、負債比率が0から高くなるにつれ、企業価値は節税効果によって増加していきますが、一方で、負債比率が高くなるにつれ、債務不履行(デフォルト)リスクによる効果が働き、逆に企業価値が下がっていくと考えられます。

 このように、法人税が存在する現実においては、負債を利用すればするほど、企業価値は高まりますが(加重平均資本コストは低下)、債務不履行(デフォルト)リスクの存在により、ある負債比率を超えると企業価値は低くなります(加重平均資本コストは上昇)。この負債比率のときが最適資本構成となります。

 結果として、節税効果と債務不履行(デフォルト)リスクのトレードオフを考慮して最適資本構成を検討する必要があります。

 MM理論については、法人税が存在する現実においては、節税効果と債務不履行(デフォルト)リスクのトレードオフを考慮して最適資本構成を検討する必要がある点が重要です。

PBR、株価純資産倍率は、株価÷1 株当たり純資産額、

PER、株価収益率は、株価÷1 株当たり当期純利益、

EPS、1 株当たり当期純利益は、当期純利益÷発行済株式総数、となっています。

PBR の算出式から、PBR が1 より小さいということは、1 株当たり純資産額より株価が低いことを意味しています。つまり、株式に対する評価が低いということになります。

また、PER の計算式は株価÷EPS と同じです。

自己資本配当率(DOE:Dividend On Equity)とは、企業が自己資本に対してどれだけ株主に配当金を支払ったかを示す指標です。DOEは次のように計算されます。

DOE = 配当総額 ÷ 自己資本

DOEの計算式を分解すると、次のようになります。

DOE = (当期純利益 ÷ 自己資本) × (配当総額 ÷ 当期純利益)= ROE(自己資本利益率) × 配当性向

PER(Price Earnings Ratio)とは、株価収益率のことです。株価収益率は、株価が1株当たり当期純利益の何倍になるかを示す指標です。この株価収益率は、次のように計算されます。

PER = 株式時価総額 ÷ 当期純利益

 PERの計算式を分解すると、次のようになります。

PER = (株式時価総額 ÷ 自己資本) ÷ (当期純利益 ÷ 自己資本)= PBR(株価純資産倍率)÷ ROE(自己資本利益率)

オプションの価値=本質的価値+時間的価値

で表され、本質的価値は、イン・ザ・マネー(In the Money、以下ITM)のときの権利行使価格と原資産価格の差になります。コールオプションでは、「原資産価格-権利行使価格」となります。オプションの買い手は、もし、本質的価値がマイナスであれば、権利を放棄しますので、本質的価値はマイナスにはなりません。

 時間的価値とは、原資産の現時点から満期日までの間の価格変動により、オプションの本質的価値が上昇することへの期待値のことです。ですので、時間的価値についても、ゼロになることはあっても、マイナスになることはありません。

生産管理と生産方式

管理目標として有名なのは、QCD です。Q は品質、C はコスト、D は納期と数量を表します。

PQCDSME は、このQCD の前後に、「P」と「SME」をつけたものです。

P はProductivity の略で生産性を表します。

S はSafety の略で安全性を表します。

M はMorale の略で意欲を表します。

E はEnvironment の略で環境を表します。

QCD は成果に関する目標ですが、PQCDSME は、成果を生みだすためのプロセスに踏み込んだ目標と言えます。

作業の標準化や標準部品の使用を進める活動は生産合理化の3S の1 つである標準化の説明になっており、PQCDSME のうちのS、つまりSafety の内容ではありません。

3Sは、生産活動の効率化のための考え方で、単純化(Simplification)、標準化(Standardization)、専門化(Specialization)の頭文字を取ったものです。

5S は、生産現場の管理の原則として有名です。

5S は、整理、整頓、清掃、清潔、躾を表します。日本語の頭文字を取って5S になっています。

特に、整理と整頓、清掃と清潔の違いに注意しましょう。

整理は、必要なものと必要無いものを区別して、必要無いものを捨てることです。

ECRS の原則のE(Eliminate)に近いため、関連させて覚えておくと良いでしょう。

整頓は、必要なものをすぐに使用できるように、決められた場所に準備しておくことです。

清掃は、汚れを取り除くことです。

清潔は、整理・整頓・清掃を繰り返し、汚れのない状態を維持しておくことです。

躾は、決められたことを必ず守ることです。つまり、ルールを作りそれを守ることを表します。

ちなみに、5S は簡単なようで、実際に生産現場において徹底するのは難しいものです。

経験豊富な生産管理のコンサルタントが最初に行うのは、5S の確認と指導から、というぐらい重要な原則です。

ECRS の原則は、改善の原則とも呼ばれます。ECRS は、Eliminate、Combine、ReplaceまたはRearrange、Simplify の頭文字を取ったものです。Eliminate は、やめる、捨てるという意味です。Combine は、一緒にするという意味です。Replace とRearrange は、置き換える、順番を変えるということを表します。Simplify は、単純化することです。E、C、R、S の順番で改善を検討します。

製品工程分析とは、製品を生産する工程を分析する手法のことです。製品が生産される流れを、工程ごとに加工、運搬、貯蔵、検査などの作業種類に分類します。それをチャートとして図示して、どこに問題があるかを分析します。工程分析を基に改善する場合、付加価値を生んでいない作業をいかに削減していくかが重要です。そのため、ECRS の原則を適用することができます。たとえば、検査に関して、必要ない検査を減らしたり、加工と同時に検査をすることが考えられます。

流動数分析とは、流動数曲線を用いて、数量の時間的変化を分析する手法です。流動数曲線とは、インプットの累計数とアウトプットの累計数の時間的変化を表したグラフで、滞留在庫の分析や、工程の仕掛り量のチェックなどに使われます。流動数分析は、在庫管理や進度管理に使う手法であり、工程や作業自体を無くしたり置き換えるような改善は難しいため、ECRS の原則を適用するには不向きです。

両手動作分析とは、作業者の両手の動作を分析するものです。両手動作分析では、動作プロセスごとの左手と右手の動きを、工程図記号などを使って表していきます。

両手動作分析では、左右のバランスを取ること、無駄な動きを排除することを狙いとしています。

そのため、ECRS の原則を適用して、無駄な動きの排除や動作の効率化を図ることができます。

連続稼働分析とは、観測対象につきっきりで観測する方法です。そのため、詳細に作業を分析でき、問題点を細かく分析できます。観測した作業内容に対してECRS の原則を適用し改善を検討することが可能です。

生産形態 【平成20年 第11問】

個別生産は、個別のオーダーに応じて生産する形態です。例えば、注文住宅やフルオーダーのスーツのように、個別のオーダーごとに生産を行います。よって、受注生産との関連が強く、生産量は少ないことがわかります。また、多品種に対応しやすい生産形態です。

ロット生産は、一定の生産量の単位でまとめて生産する形態です。複数の製品が交互に生産されます。ロット生産は、受注生産でも見込生産でも用いられます。また、品種と生産量による分類では「中品種中量生産」と最も強い関係がありますが、多品種少量生産と少品種多量生産にも対応することがあります。

連続生産は、同じ製品を続けて生産する形態です。専用のラインなどを設けて、大量生産する生産形態で、最終消費者向けの製品でよく用いられます。この場合は、需要予測に基づいた見込生産で生産されます。また、専用ラインなどが必要になるので、多品種には対応しにくい生産形態です。

ロット生産は受注生産と見込生産のどちらでも用いられ、多品種少量生産と少品種多量生産のどちらにも対応可能な幅広い生産形態です。

連続生産の生産形態は見込生産ではありますが、少品種多量生産になります。

生産形態2 【平成28年 第2問】

 生産形態に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 少品種多量生産では、加工・組立の工数を少なくする製品設計が有用である。

イ 少品種多量生産では、工程の自動化が容易で、品種の変化に対するフレキシビリティが高い。

ウ 多品種少量生産では、進捗管理が難しく、生産統制を適切に行わないと納期遵守率が低下する。

工 多品種少量生産では、汎用設備の活用や多能工化が有用である。

少品種多量生産は、少ない種類の製品を大量に生産する形態です。専用ラインを設けるなど、効率的な大量生産ができるのが特徴です。

多品種少量生産は、多品種の製品を少しずつ生産する形態です。製品の種類が多いので、生産統制が複雑になったり、工場内でものの動きが混乱したり、多様な製品に対応できる設備や要員が必要になったりする傾向があります。

加工・組立の工数が少ない製品設計により、製品の大量生産が容易になります。

少品種多量生産では工程の自動化は容易ですが、自動化した工程を変更するためには専用ラインの改修が必要になります。品種の変化に対するフレキシビリティ (柔軟性) は低くなるため不適切です。

多品種少量生産では、製品の種類が増えるために、段取り時間の増加や習熟度が低い作業者による生産性の低下が発生しやすくなります。そのため、進捗の遅れが発生しやすくなり、生産統制を適切に行わないと納期遵守率が低下します。

多品種少量生産では、製品の種類が増えることへの対応として、複数の用途に使用できる汎用設備の導入や1人で複数の製品を担当する多能工化が有用です。

ライン生産方式 【平成20年 第17問】

 ライン生産方式に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 各工程の作業時間は、サイクルタイム以下でなければならない。

イ サイクルタイムはピッチタイムとも呼ばれ、品物が生産ラインから送り出されていく時間間隔を意味する。

ウ 生産ラインの編成効率は、(ステーション数X サイクルタイム)÷作業時間の総和で計算される。

エ タクト方式は、すべての工程が同時に作業を開始し、一定時間間隔をもって、品物が一斉に次の工程に移動する方法である。

サイクルタイムとは「生産ラインに資材を投入する時間間隔」、すなわち「通常製品が産出される時間間隔に等しい」と定義づけられています。各作業の作業時間はサイクルタイム以下に設計する必要があります。

サイクルタイムはサイクル時間やピッチタイムとも呼ばれ、製品が産出される時間間隔を表しています。

ライン編成効率の算式は、作業時間の合計を分子として、分母にサイクルタイム×作業ステーション数となっています。

タクト生産方式とは、ラインに投入されたすべての品物の移動と加工が同期して繰り返されるライン生産方式のことです。全ラインが完全に同期化して作業と運搬が交互に行われます。「タクト」は指揮棒を意味しています。

ラインバランシング 【平成22年 第8問】

 サイクル時間50 において組立ラインのラインバランシングを行ったところ、ワークステーション数が5となり、次表に示される各ワークステーションの作業時間が得られた。この工程編成における編成効率の値に最も近いものを下記の解答群から選べ。

ワークステーション 1 2 3 4 5

作業時間 46 50 47 46 46

[解答群]

ア 0.90

イ 0.92

ウ 0.94

エ 0.96

ライン編成効率とは、ライン編成の効率性を表す指標で、ラインが最も効率的に編成されているときに100%となります。ライン編成効率は、次の式で計算できます。

 この問題では、分子に入る各工程の作業時間の合計は、46+50+47+46+46=235 となります。

 そして分母は、サイクルタイム50 と、作業ステーション数の5 を掛け合わせた250 になります。

 よって、ライン編成効率は235÷250で0.94となり、選択肢ウが正解です。

ラインバランシング2 【平成25年 第9問】

 混合品種組立ラインの編成を検討した結果、サイクルタイムを150 秒、ステーション数を10とする案が提示された。生産される3種類の製品A、B、Cの総作業時間と1か月当たりの計画生産量は、以下の表に与えられている。この案の編成効率に最も近い値を、下記の解答群から選べ。

[解答群]

ア 0.94

イ 0.95

ウ 0.96

エ 0.97

混合品種組立ラインとは、複数の品種の製品が1つの組み立てラインを流れる方式です。本問では、製品A、B、Cが1つのラインを流れることになります。

 一方、先ほどのライン編成効率を求める式は、1種類の品種の場合の式でした。ライン編成効率の式の分子である「作業時間の合計」とは、1個の製品が全ての作業ステーションを流れる合計時間です。

 ここで、混合品種組立ラインの場合には、複数品種の製品があるため、ライン編成効率を求める式の分子の「作業時間の合計」を求める際には、製品1個あたりの作業時間の平均値を求める必要があります。ここで、製品1個あたりの作業時間の平均は、次の式で求めることができます。

 この式に、与えられた数値を代入すると、次のようになります。

 あとは、この「製品1個あたりの作業時間の平均」の値を、ライン編成効率を求める式に代入すれば、混合品種組立ラインのライン編成効率を求めることができます。

となります。

【平成19年 第20問】

 セル生産方式に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア セル型レイアウトでは、GTの原理を適用して類似工作物がグループ化される。

イ セル型レイアウトでは、類似機械がまとめて配置される。

ウ セル生産方式は、多能工を必要としない生産方式である。

エ セル生産方式は、高価な設備が必要な場合に適した生産方式である。

GTというのは「グループテクノロジー」の略です。グループテクノロジーとは、多品種の製品や部品を、形状や寸法、素材、工程などによって、類似しているものをグループ化することです。これにより、多品種少量生産に大量生産的効果を与えることができます。

セル型レイアウトでは、グループテクノロジーを利用して、加工方法などの類似性に着目して、多種の部品や工作物がグループ化されます。そのため、機械については、異なるものをまとめてグループを構成して工程を編成します。ちなみに、類似機械がまとめて配置されるのは、「機能別レイアウト」のことです。

 選択肢ウについて、セル生産方式では、1 人の作業者に割り当てられる作業の組み合わせが豊富になるため、多能工化が前提になります。これはメリットとして、1 人で複数の工程を担当するため、工程間の待ち時間が発生せず、バランスロス率を下げられるという点があります。その一方で、作業者が習熟するまで時間がかかり、しばらくは生産性が低くなるというデメリットにもなります。

セル生産方式では、異なる機械設備をまとめて機械グループを複数構成して編成します。したがって、高価な設備が必要な場合では、高価な設備を複数導入し、しかも設備効率が低くなれば生産性は著しく低下します。よって選択肢エは不適切です。ちなみに、高価な設備が必要な場合は、ライン生産方式を採用するか、機能別レイアウトを採用し、機械の稼働率を高める工夫が必要になります。

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