財務・会計 財務諸表

先取学習用2020年度版が終了して2021年版で新たに学習を始めました。久しぶりのビデオ講義は2倍速で復習です。

計算書類(財務諸表)に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 株式会社が会社法により作成することが義務付けられている計算書類には、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表がある。

イ 取締役会設置会社が会社法により作成することが義務付けられている計算書類等には、計算書類、事業報告並びにこれらの付属明細書がある。

ウ 「中小企業の会計に関する指針」に記された内容は、中小企業が計算書類を作成する際に遵守する義務がある。

エ 取締役会設置会社では、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、計算書類及び事業報告を提供しなければならない。

株式会社は、会社法により計算書類(財務諸表)を作成することが義務付けられています。計算書類には、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表(計算書類を読む際の注意事項を記したもの)があります。 なお、会社法では上記の計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)に、付属明細書、事業報告書を加えたものを計算書類等と呼びます。 中小企業が計算書類を作成する際のガイドラインとして「中小企業の会計に関する指針」があります。これは、日本税理士会連合会、日本公認会計士協会、日本商工会議所、企業会計基準委員会の4団体が、中小企業の拠るべき会計指針をまとめたものです。 
取締役会設置会社では、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、計算書類及び事業報告(監査報告又は会計監査報告を含む)並びにこれらの付属明細書を提供する必要があります。

イ ○:

 取締役会設置会社は、計算書類として、アで挙げられた計算書類の他に、事業報告並びにこれらの付属明細書の作成が会社法により義務付けられています。

エ ○:

 取締役会設置会社では、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、計算書類及び事業報告(監査報告又は会計監査報告を含む)を提供しなければなりません。

中小企業の会計に関する指針に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 中小企業の会計に関する指針は、中小企業が、計算書類の作成に当たり、拠ることが望ましい会計処理や注記等を示すものである。

イ 中小企業は、中小企業の会計に関する指針に拠り計算書類を作成しなければならない。

ウ 会計参与設置会社が計算書類を作成する際には、中小企業の会計に関する指針に拠らなければならない。

エ 中小企業の事務負担の軽減を図る観点から、中小企業の多様的な実態に配慮し、中小企業の会計に関する指針の水準についてばらつきのあるものとなっている。

エ ×:

 中小企業の会計に関する指針の目的に照らし、中小企業の会計に関する指針は、一定の水準を保ったものとすると規定されています。

企業会計原則に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 一般原則に規定されている正規の簿記の原則は、企業会計の究極目標を示したものであり、企業会計の実質的、形式的なすべての原則および手続を統括する地位にある基本原則である。

イ 一般原則に規定されている明瞭性の原則は、資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならないというものである。

ウ 一般原則に規定されている保守主義の原則とは、企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を保守的に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならないというものである。

エ 重要性の原則とは、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められるというものであるが、この重要性の原則は一般原則には規定されていない。

企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。 企業会計原則は、一般原則、損益計算書原則、貸借対照表原則の3つから構成されており、さらに企業会計原則の規定を補うために企業会計原則注解が設けられています。 一般原則は、企業会計に関する一般的な指針を与える規範であり、損益計算書原則および貸借対照表原則に共通する基本原則です。この一般原則には、次のものがあります。
●真実性の原則
●正規の簿記の原則
●資本取引・損益取引区分の原則
●明瞭性の原則
●継続性の原則
●保守主義の原則
●単一性の原則

ア ×:

 企業会計の究極目標を示したものであり、企業会計の実質的、形式的なすべての原則および手続を統括する地位にある基本原則であるのは、真実性の原則です。正規の簿記の原則ではありません。なお、真実性の原則とは、企業会計は、企業の財政状態および経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならないというものです。また、正規の簿記の原則とは、企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならないというものです。

イ ×:

 資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならないというのは、資本取引・損益取引区分の原則です。明瞭性の原則ではありません。明瞭性の原則とは、企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならないというものです。

ウ ×:

 保守主義の原則とは、企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならないというものです。

エ ○:

 記述のように、重要性の原則は、企業会計原則に規定されていません。重要性の原則は、企業会計原則注解に規定されています。よって、記述は適切です。

貸借対照表に関する次の文中の空欄A~Eに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 貸借対照表の役割は( A )の( B )を表すことである。

 企業会計原則第三 貸借対照表原則一によると、「貸借対照表は、企業の( B )を明らかにするため、貸借対照表日におけるすべての( C )、( D )及び資本を記載し、株主、債権者その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなければならない。」とされている。会社法では、「貸借対照表は( C )・( D )・( E )に分けて表示しなければならない」とされ、資本は( C )・( D )に該当しないものである( E )に記載することとなった。( E )の金額は( C )から( D )を引いた差額である、財政状態とは、資金の調達源泉( D ・ E )と運用状況( C )のことをいう。

ア A:一定期間 B:経営成績 C:資産 D:純資産 E:負債

イ A:一定期間 B:財政状態 C:純資産 D:負債 E:資産 

ウ A:一定時点 B:財政状態 C:純資産 D:負債 E:資産

エ A:一定時点 B:財政状態 C:資産 D:負債 E:純資産

オ A:一定時点 B:経営成績 C:費用 D:収益 E:純資産

貸借対照表における資産の部項目に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 「流動資産」には、「現金預金」、「受取手形」、「売掛金」、「貸倒引当金」、「有価証券」、「棚卸資産」、「短期貸付金」などが含まれる。

イ 「棚卸資産」とは、流通業では主に「商品」、製造業では「製品」、「原材料」、「仕掛品」などの在庫のことをいう。

ウ 「無形固定資産」には、「特許権」「のれん」「ソフトウェア」など、物理的な形が無い資産が含まれる。

エ 「繰延資産」には、「株式交付費」「社債発行差金」「創立費」「開業費」「研究開発費」などがあり、その支出が将来に渡って価値を生む可能性がある費用を振り替えて、資産計上しておくものである。

繰延資産 実質的には費用ですが、その支払の効果が複数年にわたって期待されるため、一度に費用化せずに一時的に資産としての計上が認められているものです。償却年数の限度は「創立費」「開業費」「開発費」は5年、「株式交付費」は3年、「社債発行費」は社債の償還期間内とされています。


ア ○:

 「流動資産」には、比較的短期間に現金化される資産が含まれます。その基準としては、正常営業循環基準または1年基準に当てはまる資産を表します。正常営業循環基準は、通常の営業サイクルで発生する資産を表し、現金、売掛金、受取手形、貸倒引当金、商品、製品、原材料、仕掛品などを含みます。1年基準は、決算日の翌日から1年以内に決済期日が到来する資産を表し、短期貸付金などを含みます。

イ ○:

 流通業では「商品」、製造業では「製品」、「仕掛品」、「原材料」などの在庫のことを「棚卸資産」と呼びます。

ウ ○:

 固定資産は、「有形固定資産」と「無形固定資産」、「投資その他の資産」に分類されます。「無形固定資産」は、記述の通り形のない資産を表し、「特許権」を始めとする知的財産権(実用新案権、意匠権、商標権等)や、企業の買収・合併で発生する「のれん」、「ソフトウェア」などを含みます。

エ ×:

 記述の中で、「その支出が将来に渡って価値を生む可能性がある費用を振り替えて、資産計上しておくもの」という部分は、繰延資産の説明として適切です。ただし、「社債発行差金」と「研究開発費」については、繰延資産ではありません。繰延資産として正しいのは「社債発行費」と「開発費」です。
「社債発行差金」は、社債の額面金額と、発行価額に差額がある場合に、その差額を調整するための科目で、旧商法では繰延資産として計上することが認められていましたが、新会社法施行後は、繰延資産から除外されています。
また、「研究開発費」と「開発費」については、共に商品の研究開発などにかかった費用を表しますが、通常、毎年行う研究開発活動の費用は原則「研究開発費」として費用計上します。一方、画期的な新技術・新商品・新市場を開発するなど特別に支出した費用の場合、「開発費」という繰延資産として計上することが認められています。

貸借対照表における負債の部項目に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 「負債」とは、将来返済する義務がある債務のことをいい、他人資本と呼ばれることもある。

イ 「流動負債」の代表的なものとしては「支払手形」、「短期借入金」、「前受収益」などがある。

ウ 「仕入債務」とは、「支払手形」と「買掛金」をあわせたものである。また、負債の部に表示される「経過勘定」には「前受収益」、「未払費用」などがある。

エ 「固定負債」には、返済義務が1年を超える債務の項目が表示されている。代表的なものには「社債」「長期借入金」「退職給付引当金」「貸倒引当金」などがある。

エ ×:

 「固定負債」には、「社債」や「長期借入金」、「退職給付引当金」など返済義務が1年を超える債務の項目が表示されています。「退職給付引当金」は負債性引当金なので、負債の部に記載されますが、「貸倒引当金」は評価性引当金として、資産の部のマイナス項目として表示されます。よって、この記述は不適切です。

貸借対照表における純資産の部項目に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 「純資産の部」は、「資産の部」から「負債の部」を差し引いた差額であり、返済義務のない株主からの資金調達額のみからなる。

イ 「資本金」は、企業が株式を発行し、株主から払い込みを受けた金額のうち、資本金として繰り入れられた金額である。また、払い込みを受けた金額のうち、残りの金額は「資本準備金」に積み立てられる。

ウ 「利益準備金」は、「その他利益剰余金」から配当を行った場合に積み立てられた金額で、その積立額については配当を行った企業が任意に決めることができる。

エ 「自己株式」は、自社が発行した株式を、自らが取得して保有しているものである。発行済株式数を増加させることで、株価を下落させ多数の投資家による株式の保有を促したい場合などに自己株式が取得されることがある。

ア ×:

 「純資産の部」には、株主からの出資に加え、会社が事業活動によって生んだ利益を元にした繰越利益剰余金のうち、配当等を行わず内部留保している分なども含まれます。

イ ○:

 会社法では原則として株主から出資された全額を「資本金」とすることとしていますが、払込金額の2分の1以下までを資本に組み入れず、その金額を「資本準備金」とすることも容認しています。よって、この記述は適切です。

ウ ×:

 「利益準備金」は、法定準備金で積立額は法律で定められています。任意には決められません。

エ ×:

 自己株式を取得すると、市場に流通する発行済株式数を減少させることができます。企業は、発行済株式数を減少させて株価の維持をしたい場合などに自己株式を取得することがあります。

以下の資料より、M社の令和×1年3月31日現在の貸借対照表を作成せよ。その上で、A流動資産、B固定資産、C負債、D純資産にあてはまる数値の組み合わせとして適切なものを選べ。(単位:百万円)

【資料(単位:百万円)】

(なお、繰延資産は一括償却せず、貸借対照表に記載するものとする。)

ア A:277 B:71 C:150 D:250

イ A:282 B:68 C:95 D:256

ウ A:252 B:100 C:75 D:227

エ A:250 B:98 C:100 D:250

資産をマイナスする項目として「貸倒引当金」「減価償却累計額」等があることに注意をしましょう。一方「負債の部」には「流動負債」に「短期借入金」や「買掛金」等が、「固定負債」には「長期借入金」等が入ります。負債性引当金である「退職給与引当金」も「固定負債」に入ります。最後に「純資産の部」には、株主資本である「資本金」や利益準備金と、新株予約権等も記載されます。 「資産の部」は借方(左)、「負債の部」「純資産の部」は貸方(右)に表示され、流動性配列法により「資産の部」「負債の部」は現金化しやすいものから順に並べる記載方法が多く採用されています。 「資産の部」の合計金額と、「負債の部」「純資産の部」を合計した金額は必ず等しくなることにも注意しましょう


A:250、B:98

 この問題では勘定科目が「資産」(流動・固定・繰延)、「負債」(流動、固定)、純資産(株主資本と新株予約権他)のいずれなのかを分ける必要があります。(以下、単位はすべて百万円)
「流動資産」には、「現金」100、「売掛金」52、「商品」(期末商品棚卸高)70、「短期貸付金」30とマイナス項目として「貸倒引当金」△2が入り、合計250となります。
「固定資産」には、「有形固定資産」として「車両」43、マイナス項目として「減価償却累計額」△4、「無形固定資産」として「ソフトウェア」32、「投資その他の資産」として「投資有価証券」27が入り、合計98となります。
問題には問われていませんが、「繰延資産」には「開業費」2が計上されます。

C:100、D:250

 「流動負債」には、「買掛金」25、「短期借入金」50が、「固定負債」には「長期借入金」20と「退職給与引当金」5が入ります。「負債合計」は100となります。
「純資産の部」には、「株主資本」として、「資本金」200、「資本準備金」20、「利益準備金」2と「任意積立金」6、「繰越利益剰余金」27が、マイナス項目として「自己株式」△6が表示され、「新株予約権」1もこの部に入ります。よって、「純資産合計」は250となります。

 なお、貸借対照表は下の図のようになります。

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