財務・会計 資本市場と資本コスト 投資評価

あともう一歩記憶理解定着する前に計算漬け演習 投資評価の単元が終わって少し寂しくもあり。。

正味現在価値 【平成21年 第16問】

 C社では、工場拡張投資を計画中である。この投資案の初期投資額は、4,000 万円である。計画では、この投資により今後毎年売上高が2,400 万円増加し、現金支出費用が1,200万円増加する。この投資物件の耐用年数は5年であり、残存価額はゼロである。減価償却法として定額法を用いており、実効税率は50%であるとする。なお、運転資金の額は変化しないものとする。

 資本コストが10%であるとき、この投資案の正味現在価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:万円)。なお、現価係数は下表のとおりである。

複利現価係数(10%、5年)年金現価係数(10%、5年)
0.623.79

[解答群]

ア  548

イ -210

ウ -280

エ -900

減価償却費=4000/5=800
営業利益=(2400-1200-800)=400
税引後営業利益=400-400*0.5=200
毎年CF=200+800=1000
1000*3.79=3790
初期投資額=3790-4000=-210

 まず投資から得られる毎年のキャッシュフローを出していきます。

 最初に、営業利益は、売上高2,400-現金支出費用1,200-減価償却費800 から400 ということになります。

 次に毎年のキャッシュフローですが、営業利益400×(1-実効税率0.5)+減価償却費800 となり、1,000 ということになります。

 運転資金の額は変化せず、設備の残存価額もゼロで売却に関する記述もないことから、投資によって得られる将来キャッシュフローは毎期の1,000 万円のみということになります。

 5 年間一定のキャッシュフロー1,000 万円に年金現価係数をかけると、将来キャッシュフローの現在価値合計を求めることができます。そこから初期投資額を差し引いたものが正味現在価値です。

 そこで毎年のキャッシュフロー1,000 万円×年金現価係数3.79-初期投資額4,000 万円から正味現在価値はマイナス210 万円と算出されます。

 よって選択肢イが正解となります。

投資評価(NPV、IRR、回収期間) 【平成24年 第18問】

 Y社では4つの投資案について採否を検討している。投資案はいずれも初期投資額として2,500万円を必要とし、投資プロジェクトの耐用年数は5年である。また、Y社の資本コストは8%であり、プロジェクト期間中に追加の資金は必要としない。4つの投資案の判定基準となるべきデータは以下のとおりである。Y社の投資可能な資金が5,000万円に制限されているとき、企業価値増大の観点からY社が採択すべき投資案の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 ア 甲と乙

 イ 甲と丙

 ウ 乙と丙

 エ 丙と丁

 まずNPVを見ていきます。NPVの大きい順に並べると、乙、甲、丙、丁の順番になります。NPVが大きいほど企業価値の増大につながります。よって、NPVで評価した場合は、乙と甲が選択されます。

 次に、IRRを見てみます。資本コストは8%であることが示されています。資本コストよりIRRの方が大きい投資案は、甲、乙、丙です。さらに、IRRの大きい順番に並べると、乙、丙、甲の順番になります。よって、IRRで評価した場合は、乙と丙が選択されます。

 IRRはNPVと異なり、投資のリターンの大きさが反映されないという問題点があります。本問では「企業価値の増大の観点から」と指示されていることから、IRRよりもNPVによる評価を優先します。

新設備購入における税引後キャッシュフローの計算 【平成29年 第15問】

 当社は、来年度の期首に新設備を購入しようと検討中である。新設備の購入価額は100百万円であり、購入によって毎年(ただし、5年間)の現金支出費用が30 百万円節約されると期待される。減価償却方法は、耐用年数5年、残存価額がゼロの定額法を採用する予定でいる。税率を40%とするとき、この投資案の各期の税引後キャッシュフローとして、最も適切なものはどれか。
ア 12百万円イ 18百万円ウ 26百万円エ 34百万円

1 費用節約額 「現金支出費用が30 百万円節約されると期待される」ということから、各期の費用節約額は、30百万円となります。

2 費用増加額 「新設備の購入価額は100百万円」「減価償却方法は、耐用年数5年、残存価額がゼロの定額法を採用する」ことから、各期の費用増加額は、減価償却費となり、次のように計算されます。  費用増加額(減価償却費) = 100百万円 ÷ 5年 = 20百万円

3 税引前利益増加額 上記1、2より、各期の税引前利益増加額は、次のように計算されます。 税引前利益増加額 = 30百万円 - 20百万円 = 10百万円

4 税金 「税率を40%とする」ことから、各期の税金は、次のように計算されます。 税金 = 税引前利益増加額10百万円 × 40% = 4百万円

5 当期純利益 各期の当期純利益は、次のように計算されます。 
当期純利益= 税引前利益増加額10百万円 - 税金4百万円 = 6百万円

6 税引後キャッシュフロー 各期の税引後キャッシュフローは、次のように計算されます。 
税引後キャッシュフロー = 当期純利益6百万円 +減価償却費20百万円 = 26百万円 以上から、選択肢ウが適切で、これが正解となります。

内部収益率法 【平成28年 第17問】

 現在、3つのプロジェクト(プロジェクト①~プロジェクト③)の採否について検討している。各プロジェクトの初期投資額、第1期末から第3期末に生じるキャッシュフロー、および内部収益率(IRR)は以下の表のとおり予測されている。いずれのプロジェクトも、経済命数は3年である。初期投資は第1期首に行われる。なお、法人税は存在しないと仮定する。

 内部収益率法を用いた場合のプロジェクトの順位づけとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。たとえば、プロジェクト①>プロジェクト②は、プロジェクト①の優先順位が高いことを示す。なお、内部収益率の計算にあたっては、以下の表を用いること。

[解答群]

ア プロジェクト①>プロジェクト②>プロジェクト③

イ プロジェクト①>プロジェクト③>プロジェクト②

ウ プロジェクト②>プロジェクト①>プロジェクト③

エ プロジェクト②>プロジェクト③>プロジェクト①

オ プロジェクト③>プロジェクト①>プロジェクト②

プロジェクト②の正味現在価値は、「200 × 年金現価係数 - 500」となります。この正味現在価値がちょうど0になる割引率が内部収益率です。

200 × 年金現価係数 - 500 = 0

∴年金現価係数 = 500 ÷ 200 = 2.5

 経済命数が3年の場合の複利現価係数および年金現価係数の表を見ると、年金現価係数が2.5になる内部収益率は、9%と10%の間になります。

 よって、プロジェクト②、プロジェクト①、プロジェクト③の順番で、内部収益率が高くなります。内部収益率法を用いた場合、内部収益率が高いほど、プロジェクトの順位づけは高くなりますので、内部収益率法を用いた場合のプロジェクトの順位づけは、プロジェクト②>プロジェクト①>プロジェクト③となります。 以上から、選択肢ウが適切で、これが正解となります。

 回収期間法 【平成25年 第18問】

 A社では、生産コストの低減を目的として新規設備の購入を検討している。新規設備の取得原価は4,500万円であり、その経済命数は5年である。また経済命数経過後の残存価額はゼロと見込まれている。A社では定額法によって減価償却を行っており、同社の法人税率は40%である。A社は当該投資案に対して回収期間法によって採否を決定することとしており、採択となる目標回収期間を3年と定めている。新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額として最も適切なものはどれか。

 なお、貨幣の時間価値は考慮せず、年間の生産コスト低減額は毎期一定である。また、当該投資案によって減価償却費以外の追加的費用は発生しない。

ア  600万円

イ  900万円

ウ 1,500万円

エ 1,900万円

 まず、投資から得られる毎年の税引後キャッシュ・フローを求めます。目標回収期間が3年、投資額が4,500万円ですので、次の式が成り立ちます。


3年 = 4,500万円 ÷ 税引後キャッシュ・フロー
∴ 税引後キャッシュ・フロー = 4,500万円 ÷ 3年
= 1,500万円

新規設備の取得原価は4,500万円であり、その経済命数は5年、経済命数経過後の残存価額はゼロ、定額法によって減価償却を行っているので、新規設備を採用することによって追加的に発生する毎年の減価償却費は、次のように計算されます。


毎年の減価償却費 = (取得原価 - 残存価額)÷ 経済命数
= (4,500万円 - 0)÷ 5
= 900万円

税引後キャッシュ・フローは、次のように計算されます。


税引後キャッシュ・フロー = 税引後利益 + 減価償却費
∴ 税引後利益 = 税引後キャッシュ・フロー - 減価償却費
= 1,500万円 - 900万円
= 600万円

税引後利益は、次のように表されます。


税引後利益 = 税引前利益 × (1 - 法人税率)
∴ 税引前利益 = 税引後利益 ÷ (1 - 法人税率)
= 600万円 ÷ (1 -0.4)
= 1,000万円

新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額とは、税引前利益と減価償却費の合計に該当します。よって、次のようになります。


新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額
= 税引前利益 + 減価償却費
=1,000万円 + 900万円
=1,900万円

 実際、生産コスト低減額が1,900万円で、当該投資案によって減価償却費900万円以外の追加的コストが発生しない場合、税引前利益は1,900万円-900万円 = 1,000万円となり、税引後利益は1,000万円 ×(1 -0.4)= 600万円となり、税引後キャッシュ・インフローは600万円 + 900万円 = 1,500万円となり、回収期間は4,500万円 ÷ 1,500万円 = 3年となることが確かめられます。

投資の経済性計算 【平成20年 第23問】

 投資の経済性計算に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

 a 内部収益率は、投資案の正味現在価値をゼロとする割引率である。

 b 内部収益率は、投資案の割引キャッシュ・フローの和をゼロとする割引率である。

 c 収益性指数は、投資案の正味現在価値をその投資額で除して求められる。

 d 回収期間法は、回収後のキャッシュ・フローを無視している。

 e キャッシュ・フローが、当初マイナスでその後プラスになる投資案の場合、その正味現在価値は割引率が大きくなるほど大きくなる。

[解答群]

ア aとbとd 

イ aとcとd 

ウ bとcとe 

エ bとdとe

フリーキャッシュフロー 【平成22年 第12問】

 A社の損益に関するデータは以下のとおりである。A社の減価償却費は1,000 千円であり、これは全額更新投資にあてられる。また、実効税率は40%であり、運転資本の増減はない。このとき、A社のフリー・キャッシュ・フローの金額として最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:千円)。

  (単位:千円)
 営業利益                10,000
 支払利息 4,000
 税引前利益 6,000
 法人税等 2,400
 当期純利益 3,600

[解答群]

ア 4,600 

イ 6,000 

ウ 7,000 

エ 7,400

設備投資のキャッシュフロー 【平成20年 第22問】

 設備投資のキャッシュ・フローを予測する際の説明として、最も適切なものはどれか。

ア 貸し付けている土地の貸借契約を解除し、そこに工場建設をする場合、この受取地代を反映させる必要はない。

イ 新製品投資によって、既存の製品のキャッシュ・フローが減少する場合、減少するキャッシュ・フローは新製品投資のキャッシュ・フローに反映させる。

ウ 投資の資金調達から生じる支払利息はキャッシュ・フローに反映させる。

エ 未使用の土地に工場建設をする場合、未使用の土地は簿価で評価して投資額に反映させる。

正味現在価値 【平成21年 第16問】

 C社では、工場拡張投資を計画中である。この投資案の初期投資額は、4,000 万円である。計画では、この投資により今後毎年売上高が2,400 万円増加し、現金支出費用が1,200万円増加する。この投資物件の耐用年数は5年であり、残存価額はゼロである。減価償却法として定額法を用いており、実効税率は50%であるとする。なお、運転資金の額は変化しないものとする。

 資本コストが10%であるとき、この投資案の正味現在価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:万円)。なお、現価係数は下表のとおりである。

複利現価係数(10%、5年)年金現価係数(10%、5年)
0.623.79

[解答群]

ア  548

イ -210

ウ -280

エ -900

毎年減価償却額=4000/5=800
NPV=(2400-1200)*(1/(1+3.79))-4000
=1200*(

まず投資から得られる毎年のキャッシュフローを出していきます。

 最初に、営業利益は、売上高2,400-現金支出費用1,200-減価償却費800 から400 ということになります。

 次に毎年のキャッシュフローですが、営業利益400×(1-実効税率0.5)+減価償却費800 となり、1,000 ということになります。

 運転資金の額は変化せず、設備の残存価額もゼロで売却に関する記述もないことから、投資によって得られる将来キャッシュフローは毎期の1,000 万円のみということになります。

 5 年間一定のキャッシュフロー1,000 万円に年金現価係数をかけると、将来キャッシュフローの現在価値合計を求めることができます。そこから初期投資額を差し引いたものが正味現在価値です。

 そこで毎年のキャッシュフロー1,000 万円×年金現価係数3.79-初期投資額4,000 万円から正味現在価値はマイナス210 万円と算出されます。

 よって選択肢イが正解となります。

投資評価(NPV、IRR、回収期間) 【平成24年 第18問】

 Y社では4つの投資案について採否を検討している。投資案はいずれも初期投資額として2,500万円を必要とし、投資プロジェクトの耐用年数は5年である。また、Y社の資本コストは8%であり、プロジェクト期間中に追加の資金は必要としない。4つの投資案の判定基準となるべきデータは以下のとおりである。Y社の投資可能な資金が5,000万円に制限されているとき、企業価値増大の観点からY社が採択すべき投資案の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 ア 甲と乙

 イ 甲と丙

 ウ 乙と丙

 エ 丙と丁

新設備購入における税引後キャッシュフローの計算 【平成29年 第15問】

 当社は、来年度の期首に新設備を購入しようと検討中である。新設備の購入価額は100百万円であり、購入によって毎年(ただし、5年間)の現金支出費用が30 百万円節約されると期待される。減価償却方法は、耐用年数5年、残存価額がゼロの定額法を採用する予定でいる。税率を40%とするとき、この投資案の各期の税引後キャッシュフローとして、最も適切なものはどれか。
ア 12百万円イ 18百万円ウ 26百万円エ 34百万円

毎年減価償却額=100/5=20
タックスシールド=20*0.4=8
各期の税引後キャッシュフロー=30*5+20*5+8*5-100=150+100+40-100=190

税引後キャッシュフローの計算問題です。

1 費用節約額 「現金支出費用が30 百万円節約されると期待される」ということから、各期の費用節約額は、30百万円となります。

3 税引前利益増加額 上記1、2より、各期の税引前利益増加額は、次のように計算されます。 税引前利益増加額 = 30百万円 - 20百万円 = 10百万円

4 税金 「税率を40%とする」ことから、各期の税金は、次のように計算されます。 税金 = 税引前利益増加額10百万円 × 40% = 4百万円

5 当期純利益 各期の当期純利益は、次のように計算されます。 当期純利益= 税引前利益増加額10百万円 - 税金4百万円 = 6百万円

6 税引後キャッシュフロー 各期の税引後キャッシュフローは、次のように計算されます。 税引後キャッシュフロー = 当期純利益6百万円 +減価償却費20百万円 = 26百万円 以上から、選択肢ウが適切で、これが正解となります。

内部収益率法 【平成28年 第17問】

 現在、3つのプロジェクト(プロジェクト①~プロジェクト③)の採否について検討している。各プロジェクトの初期投資額、第1期末から第3期末に生じるキャッシュフロー、および内部収益率(IRR)は以下の表のとおり予測されている。いずれのプロジェクトも、経済命数は3年である。初期投資は第1期首に行われる。なお、法人税は存在しないと仮定する。

 内部収益率法を用いた場合のプロジェクトの順位づけとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。たとえば、プロジェクト①>プロジェクト②は、プロジェクト①の優先順位が高いことを示す。なお、内部収益率の計算にあたっては、以下の表を用いること。

[解答群]

ア プロジェクト①>プロジェクト②>プロジェクト③

イ プロジェクト①>プロジェクト③>プロジェクト②

ウ プロジェクト②>プロジェクト①>プロジェクト③

エ プロジェクト②>プロジェクト③>プロジェクト①

オ プロジェクト③>プロジェクト①>プロジェクト②

2IRRの平均CF=200
500/200=2.5
∴9から10%

プロジェクト②の正味現在価値は、「200 × 年金現価係数 - 500」となります。この正味現在価値がちょうど0になる割引率が内部収益率です。

200 × 年金現価係数 - 500 = 0

∴年金現価係数 = 500 ÷ 200 = 2.5

 回収期間法 【平成25年 第18問】

 A社では、生産コストの低減を目的として新規設備の購入を検討している。新規設備の取得原価は4,500万円であり、その経済命数は5年である。また経済命数経過後の残存価額はゼロと見込まれている。A社では定額法によって減価償却を行っており、同社の法人税率は40%である。A社は当該投資案に対して回収期間法によって採否を決定することとしており、採択となる目標回収期間を3年と定めている。新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額として最も適切なものはどれか。

 なお、貨幣の時間価値は考慮せず、年間の生産コスト低減額は毎期一定である。また、当該投資案によって減価償却費以外の追加的費用は発生しない。

ア  600万円

イ  900万円

ウ 1,500万円

エ 1,900万円

目標回収期間の年CF=4500/3=1500
毎年減価償却額-4500/5=900
生産コスト=1500

3年 = 4,500万円 ÷ 税引後キャッシュ・フロー
∴ 税引後キャッシュ・フロー = 4,500万円 ÷ 3年
= 1,500万円


税引後キャッシュ・フロー = 税引後利益 + 減価償却費
∴ 税引後利益 = 税引後キャッシュ・フロー - 減価償却費
= 1,500万円 - 900万円
= 600万円

税引後利益は、次のように表されます。


税引後利益 = 税引前利益 × (1 - 法人税率)
∴ 税引前利益 = 税引後利益 ÷ (1 - 法人税率)
= 600万円 ÷ (1 -0.4)
= 1,000万円

新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額とは、税引前利益と減価償却費の合計に該当します。よって、次のようになります。


新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額
= 税引前利益 + 減価償却費
=1,000万円 + 900万円
=1,900万円

 実際、生産コスト低減額が1,900万円で、当該投資案によって減価償却費900万円以外の追加的コストが発生しない場合、税引前利益は1,900万円-900万円 = 1,000万円となり、税引後利益は1,000万円 ×(1 -0.4)= 600万円となり、税引後キャッシュ・インフローは600万円 + 900万円 = 1,500万円となり、回収期間は4,500万円 ÷ 1,500万円 = 3年となることが確かめられます。

 正味現在価値 【平成21年 第16問】

 C社では、工場拡張投資を計画中である。この投資案の初期投資額は、4,000 万円である。計画では、この投資により今後毎年売上高が2,400 万円増加し、現金支出費用が1,200万円増加する。この投資物件の耐用年数は5年であり、残存価額はゼロである。減価償却法として定額法を用いており、実効税率は50%であるとする。なお、運転資金の額は変化しないものとする。

 資本コストが10%であるとき、この投資案の正味現在価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:万円)。なお、現価係数は下表のとおりである。

複利現価係数(10%、5年)年金現価係数(10%、5年)
0.623.79

[解答群]

ア  548

イ -210

ウ -280

エ -900

毎期減価償却額=4000/5=800
営業利益=2400-1200-800=400
税額=400*0.5=200
税引後CF=200+800=1000
1000*3.79=3790
3790-4000=-210

まず投資から得られる毎年のキャッシュフローを出していきます。

 最初に、営業利益は、売上高2,400-現金支出費用1,200-減価償却費800 から400 ということになります。ちなみに減価償却費の800 は、初期投資額4,000 を残存価額0 として、耐用年数5 年の定額法償却ということで計算したものです。

 次に毎年のキャッシュフローですが、営業利益400×(1-実効税率0.5)+減価償却費800 となり、1,000 ということになります。

 運転資金の額は変化せず、設備の残存価額もゼロで売却に関する記述もないことから、投資によって得られる将来キャッシュフローは毎期の1,000 万円のみということになります。

 5 年間一定のキャッシュフロー1,000 万円に年金現価係数をかけると、将来キャッシュフローの現在価値合計を求めることができます。そこから初期投資額を差し引いたものが正味現在価値です。

 そこで毎年のキャッシュフロー1,000 万円×年金現価係数3.79-初期投資額4,000 万円から正味現在価値はマイナス210 万円と算出されます。

 よって選択肢イが正解となります。

新設備購入における税引後キャッシュフローの計算 【平成29年 第15問】

 当社は、来年度の期首に新設備を購入しようと検討中である。新設備の購入価額は100百万円であり、購入によって毎年(ただし、5年間)の現金支出費用が30 百万円節約されると期待される。減価償却方法は、耐用年数5年、残存価額がゼロの定額法を採用する予定でいる。税率を40%とするとき、この投資案の各期の税引後キャッシュフローとして、最も適切なものはどれか。
ア 12百万円イ 18百万円ウ 26百万円エ 34百万円

毎期減価償却額=100/5=20

4 税金 「税率を40%とする」ことから、各期の税金は、次のように計算されます。 税金 = 税引前利益増加額10百万円 × 40% = 4百万円

5 当期純利益 各期の当期純利益は、次のように計算されます。 当期純利益= 税引前利益増加額10百万円 - 税金4百万円 = 6百万円

6 税引後キャッシュフロー 各期の税引後キャッシュフローは、次のように計算されます。 税引後キャッシュフロー = 当期純利益6百万円 +減価償却費20百万円 = 26百万円 以上から、選択肢ウが適切で、これが正解となります。

回収期間法 【平成25年 第18問】

 A社では、生産コストの低減を目的として新規設備の購入を検討している。新規設備の取得原価は4,500万円であり、その経済命数は5年である。また経済命数経過後の残存価額はゼロと見込まれている。A社では定額法によって減価償却を行っており、同社の法人税率は40%である。A社は当該投資案に対して回収期間法によって採否を決定することとしており、採択となる目標回収期間を3年と定めている。新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額として最も適切なものはどれか。

 なお、貨幣の時間価値は考慮せず、年間の生産コスト低減額は毎期一定である。また、当該投資案によって減価償却費以外の追加的費用は発生しない。

ア  600万円

イ  900万円

ウ 1,500万円

エ 1,900万円

必要年間回収額=4500/3=1500
年間減価償却額=4500/5=900

3=4500/税引後CF
税引後CF=1500

税引後キャッシュ・フロー=税引後利益+減価償却額
∴税引後利益=税引後CF-減価償却費
=1500-900=600

税引後利益=税引前利益*(1-法税率)
∴税引前利益=税引後利益÷(1-法人税率)
=600÷(1-0.4)
=1000

新規設備が採択されるために最低限必要とされる年間の生産コスト低減額
=税引前利益+減価償却額
=1000+900
=1900

投資のリスクとリターン

 次の資料は、ある株式の投資収益率について予想される分布を示したものである。株式の投資のリスクの尺度として標準偏差が用いられるが、この資料に基づいた場合、この株式の標準偏差として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


【資 料】

1.この株式の投資収益率について予想される分布は、次のとおりである。

2.標準偏差の計算にあたっては、次に示されたいずれかの計算式によって計算された値を用いる。

【解答群】

ア -1 イ 0 ウ 1 エ 1.41 オ 1.4

(1) 期待値

まず、期待値を求めます。

 期待値 = Σ(投資収益率 × 確率)

= 4% × 0.2 + 6% × 0.5 + 8% × 0.3 = 0.8% + 3.0% + 2.4%

 = 6.2%

(2) 分散 

次に、分散を求めます。

(3) 標準偏差

 標準偏差を2乗したものが分散ですので、標準偏差は次のようになります。

 したがって、この株式の標準偏差は1.4となります。よって、オが適切です。

CAPM

 次の資料は、G証券に関するものである。この資料に基づいた場合、CAPMによりG証券の期待収益率を計算する数式として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】



【解答群】

ア 8% + 1.2 × (8% - 2%)

イ 8% - 1.2 × (8% + 2%)

ウ 2% + 1.2 × (8% + 2%)

エ 2% - 1.2 × (8% - 2%)

オ 2% + 1.2 × (8% - 2%)

資本資産評価モデルCAPM:Capital Asset Pricing Model)とは、投資資本(証券)の期待収益率は、リスクフリーレートとリスクプレミアムを加えたものになるというモデルのことをいいます。
〈数 式〉 個別株式の期待収益率 = リスクフリーレート + β × 市場リスクプレミアム 
※ 市場リスクプレミアム = 市場ポートフォリオの期待収益率 - リスクフリーレート 
※ β:市場ポートフォリオと比べたときの、個別株式のリスクの大きさ 


正解:オ

G証券の期待収益率は、CAPMにより、次のように計算されます。

 G証券の期待収益率

= リスクフリーレート + β値 × (市場ポートフォリオの期待収益率 - リスクフリーレート)

= 2% + 1.2 × (8% - 2%)

= 2% + 7.2%

= 9.2%

 したがって、CAPMによりG証券の期待収益率を計算する数式は、「2% + 1.2 × (8% - 2%)」となります。

 よって、オが適切です。

加重平均資本コスト

 次の資料は、H社の資金調達に関するものである。この資料に基づいた場合、H社の加重平均資本コストを計算する数式として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資 料】

1.H社は現在、普通株式と社債によって資金調達を行っている。

2.資金調達の状況は、次のとおりである。

3.投資家が要求している収益率は、次のとおりである。

4.実効税率は40%とする。

5.普通株式の収益率はCAPMにより算出されたものである。



【解答群】

ア 0.5 × (1 - 0.4) × 3% + 0.5 × 13%

イ 0.5 × 0.4 × 3% + 0.5 × 13%

ウ 0.4  × 3% + 0.6 × 13%

エ 0.4 × (1 - 0.4) × 3% + 0.6 × 13%

オ 0.4 × 0.4 × 3% + 0.6 × 13%

加重平均資本コストWACC:Weighted Average Cost of Capital)とは、負債から生じるコストと資本から生じるコストを加重平均したもののことをいいます。〈数 式〉


正解:エ 

構成比率は、帳簿価額ではなく、時価を用います。すると、負債と資本の構成比率は、次のようになります。

 H社の加重平均資本コストWACCは、次のように計算されます。

 WACC = 負債の構成比率 × (1 - 実効税率) × 負債利子率 + 資本の構成比率 × 資本コスト

 = 0.4 × (1 - 0.4) × 3% + 0.6 × 13%

 = 0.72% + 7.8%

 = 8.52%

 したがって、H社の加重平均資本コストを計算する数式は、「0.4 × (1 - 0.4) × 3% + 0.6 × 13%」となります。

 よって、エが適切です。

資金調達方法

 資金調達方法に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 内部留保と減価償却費は、内部金融に該当する。

イ 内部金融とは、企業外部から資金調達を行うことである。

ウ 直接金融とは、金融仲介機関から直接的に資金を融通することである。

エ 間接金融とは、金融仲介機関を経由せずに、間接的に資金を融通することである。

ア ○:

 内部金融とは、自己金融ともいわれ、企業の内部で資金の調達を行うことです。留保利益減価償却費が内部金融に該当します。よって、記述は適切です。

エ × :

 間接金融とは、金融市場を経由せずに、貸し手と借り手の間を金融仲介機関(銀行、信用金庫、保険会社など)が仲介し、金融仲介機関を経由して、間接的に資金を融通することをいいます。金融仲介機関を経由せずに、間接的に資金を融通することではありません。金融市場を経由するものが直接金融、金融市場を経由しないものが間接金融です。混同しないようにしましょう。 

効率的市場仮説

 次の文章は、効率的市場仮説について述べたものである。空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

 ( A )では、チャート分析などテクニカル分析の有効性が否定されている。 ( B )では、株価が上昇するか下落するかは五分五分の可能性なので、株価の将来の値動きを予測することは不可能とされる。インサイダー情報を利用しても将来の株価を予測することはできないとする説は( C )である。一方、( D )ではファンダメンタル分析の有効性が否定されている。

ア 
A:ストロング・フォームの効率的市場仮説  B:ウィーク・フォームの効率的市場仮説  C:ランダムウォーク理論  D:セミストロング・フォームの効率的市場仮

イ 
A:ウィーク・フォームの効率的市場仮説  B:ランダムウォーク理論  C:ストロング・フォームの効率的市場仮説  D:セミストロング・フォームの効率的市場仮説

ウ 
A:ランダムウォーク理論  B:セミストロング・フォームの効率的市場仮説 C:ストロング・フォームの効率的市場仮説  D:ウィーク・フォームの効率的市場仮説

エ 
A:ランダムウォーク理論  B:ウィーク・フォームの効率的市場仮説  C:ストロング・フォームの効率的市場仮説  D:セミストロング・フォームの効率的市場仮説

・ウィーク・フォームの効率的市場仮説 現在の株価には過去の株価データの全てが迅速かつ正確に反映されているため、過去の株価や出来高といった取引実績に関する変動推移などの情報を分析しても将来の株価を予想することはできないとする仮説のことです。つまり、チャート分析などテクニカル分析の有効性が否定されています。
・セミストロング・フォームの効率的市場仮説 現在の株価には過去の株価データの全て が反映されているだけでなく、企業が公開している情報の全てが迅速かつ正確に反映されているため、ディスクロージャー制度によって企業が公開している財務諸表などの情報を分析しても将来の株価を予想することはできないとする仮説のことをいいます。つまり、ファンダメンタル分析の有効性が否定されています。
・ストロング・フォームの効率的市場仮説 公開されている情報だけでなく、一部の投資家だけ利用できる情報も迅速かつ正確に反映されているとするものです。インサイダー情報を利用しても将来の株価を予測することはできないとするものです。 なお、ランダムウォーク理論についても効率的市場仮説と関連するためおさえておきましょう。
・ランダムウォーク理論 株価が上昇するか下落するかは五分五分の可能性なので、株価の将来の値動きを予測することは不可能であるとするものです。
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