財務・会計 経営分析 運営管理 生産計画と生産統制 資材・在庫管理

生産形態と生産計画 【平成21年 第3問】

 生産形態と生産計画の手法との組み合わせとして、最も関連性の強いものはどれか。

ア 個別単品生産 - ラインバランシング×ラインバランシングとは、ライン上の各工程の作業時間をなるべく均一にすることで、ライン生産方式を想定している手法です。したがって単一品種多量生産が該当します。

イ 多品種少量生産 - PERT×PERT はそもそもプロジェクト管理手法の1 つです。作業の順序関係を考慮したうえで、短期間でプロジェクトを実行するスケジュールを決定することができます。開発の手法として使われることが多く、生産で活用するときは複雑な組立工程を前提とした個別生産で使用する程度です。

ウ 多品種ロット生産- サイクリックスケジューリング〇サイクリックスケジューリングとは、一定の周期で繰り返し生産を行うスケジューリング手法のことです。多品種の混合組立ラインで利用されるスケジューリング手法で、多品種ロット生産ではいくつかの品種を順番に繰り返し生産する方法です。

エ 単一品種多量生産- ジョブショップスケジューリング×ジョブショップスケジューリングとは、多種少量生産形態で、機能別レイアウトの場合に多く用いられるスケジューリング手法です。製品ごとに工程が異なるため、加工経路が複雑になり、スケジューリングも難しくなります。なお、単一品種多量生産に向いているのは、フローショップスケジューリングになります。

工数計画 【平成28年 第11問】

 工数計画およびそれに対応した余力管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 各職場・各作業者について手持仕事量と現有生産能力とを調査し、これらを比較対照したうえで手順計画によって再スケジュールをする。〇×手持仕事量が現有生産能力を超えている場合は、超過分の仕事量を別の期間に振り分けるなど、「日程計画」によって再スケジュールをします。

イ 工数計画において、仕事量や生産能力を算定するためには、一般的に作業時間や作業量が用いられる。〇一般的に、作業時間や作業量から仕事量や生産能力を算定します。

ウ 工数計画において求めた工程別の仕事量と日程計画で計画された納期までに完了する工程別の仕事量とを比較することを並行的に進めていき、生産能力の過不足の状況を把握する。〇「日程計画で計画された納期までに完了する工程別の仕事量」 (納期までに対応できる仕事の量) が生産能力であり、これと工数計画を比較することで生産能力の過不足の状況を把握できます。

エ 余力がマイナスになった場合に、就業時間の延長、作業員の増員、外注の利用、機械・設備の増強などの対策をとる。〇余力がマイナスのため、工数計画で計画した工数より、実際に発生した工数のほうが大きい状態になっています。そのため、就業時間の延長、作業員の増員、外注の利用、機械・設備の増強といった、余力の確保が必要となります。

生産計画は、手順計画、工数計画、日程計画に分けられます。

 手順計画は、製品を生産するための作業や、工程の順序、作業条件などを決定する活動です。

 工数計画は、生産に必要な工数を計算し、工数を調整する活動です。

 日程計画は、生産のスケジュールを決定する活動です。

 余力管理は、工程や作業者について、現在の負荷状況と能力を把握し、余力や不足がある場合は、作業の再配分を行う活動です。

PERT 【平成28年 第10問】

 下表は、あるプロジェクト業務を行う際の各作業の要件を示している。CPM(Critical Path Method)を適用して、最短プロジェクト遂行期間となる条件を達成したときの最小費用を、下記の解答群から選べ(単位:万円)。

[解答群]

ア 650

イ 730

ウ 790

エ 840

クリティカル・パスはA→B→Dとなることがわかります。作業Cはクリティカル・パスではないので、ノード4に1日の余裕(最早開始時刻が7、最遅開始時刻が8)があります。そのため、最短所要期間の2日ではなく3日まで作業を短縮すればよいことがわかります。

したがって、必要短縮期間は、

作業Aは5-5=0

作業Bは4-3=1 短縮費用=1×90=90万円

作業Cは5-3=2 短縮費用=2×50=100万円

作業Dは8-3=5 短縮費用=5×120=600万円

となり、合計は90万円+100万円+600万円=790万円

PERT2 【平成30年 第6問】

 下表に示される作業A~Fで構成されるプロジェクトについて、PERTを用いて日程管理をすることに関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

作業作業日数先行作業
A3なし
B4なし
C3A
D2A
E3B,C,D
F3D

〔解答群〕

ア このプロジェクトのアローダイアグラムを作成するためには、ダミーが2本必要である。〇×CとDの作業が重複するため、ノード③、④の間にダミー(アロー)が引かれます。したがってダミーは2本ではなく1本

イ このプロジェクトの所要日数は8日である。×クリティカルパスとは、プロジェクトの始点と終点を結ぶ最も長いアクティビティの流れです。上図では最早着手日と最遅着手日が等しい工程であるA→C→E(3日+3日+3日=9日)となります。

ウ このプロジェクトの所要日数を1日縮めるためには、作業Fを1日短縮すればよい。×作業Fはクリティカルパスではありませんので、全体の日数を短縮することはできません。なお、クリティカルパスである作業Eを1日縮めると全体を8日とすれば短縮することができます。

エ 作業Eを最も早く始められるのは6日後である。〇結合点③の最早着手日程は6日ですので、記述は適切です。

ジョンソン法 【平成20年 第18問】

 2つの生産設備M1、M2 が直列に連結されたフローショップ工程で、5つのジョブの総処理時間を最小にする生産スケジュールについて考える。すなわち、各ジョブは、まず、生産設備M1 で処理され、次にM2 で処理される。ただし、各生産設備は、1度に1つのジョブしか処理できないものとする。

 各ジョブの各生産設備における処理時間が下表に示されるとき、最小の総処理時間(すべてのジョブの処理を完了するまでの時間)を下記の解答群から選べ。表 処理時間データ

 M1  M2 
 ジョブ1 55
 ジョブ2 64
 ジョブ3 43
 ジョブ4 28
 ジョブ5 57
合計2227

〔解答群〕

ア 27〇

イ 29

ウ 31

エ 33

1=J4-2+J1-5+J5-5+J2-6+J3-4
2= +J4-8+J1-5+J5-7 J2-4+J3-3

需要予測 【平成20年 第29問】

 需要予測に関する次の記述について、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 移動平均法や指数平滑法は、データのノイズの除去には適さない。〇×

移動平均法は、過去の実績の平均をもとに需要を予測する方法です。移動平均法には、単純移動平均法と加重移動平均法があります。

 指数平滑法は、古いデータほど重みを減少させ、直近のデータを重視する移動平均法です。

 どちらも一時的な需要の増減というデータのノイズを除去する効果があります。特に、移動平均法の場合、期間を長く取れば取るほどノイズを除去することができます。

b 需要量に影響を及ぼす諸要因の構造分析には、多変量解析が用いられることがある。〇多変量解析とは、多くの変数からなるデータを解析する手法のことです。例えば、過去の推移や商圏や地域の特性、消費者の行動パターンなど様々な要因によって変化する需要の予測に適しています。

c 需要予測は、品目単位で詳細に行うほど当該カテゴリー全体の予測精度が向上する。×需要予測においては品目単位の細かいデータの積み上げが、必ずしもカテゴリー全体の精度向上につながるとは限りません。これは個々のデータの予測時に誤差が生じる場合があり、それらが蓄積されて全体として大きなズレが生じるためです。

d 製品の普及率の推移は、ロジスティック曲線が当てはまることが多い。〇ロジスティック曲線とは、生物の個体数の増加などを記述する微分方程式の解として得られる曲線のことです。S 字の曲線で描かれます。現在では、生態学のみならず、多くの分野で応用が行われていて、人口の増加や製品の普及率などにも使用されています。製品の普及率は、最初は緩やかに上昇していき、あるとき急激にその速度が速くなり、普及率が高まるとその勢いは緩やかになります。

〔解答群〕

ア aとb〇×

イ aとc

ウ bとc

工 bとd〇

オ cとd

需要予測2 【平成29年 第34問】

 需要予測に関する次の記述として、最も適切なものはどれか。

ア 移動平均法は、過去の一定期間の実績値の平均に過去の変動要因を加えて予測する方法である。×移動平均法は、過去の実績値のみを予測に利用するものです。過去の変動要因を加えるものではありません。

イ 季節変動とは、3か月を周期とする変動である。×季節変動は3か月ではなく、1年を周期とする変動です。季節変動の要因は天候など自然現象や社会慣習、ボーナス支給、年末年始などがあります。

ウ 指数平滑法は、当期の実績値と当期の予測値を加重平均して次期の予測値を算出する方法である。〇

指数平滑法とは、次期の予測値を以下の式で求めるものです。

次期の予測値=当期の予測値+α(当期の実績値-当期の予測値)

αは平滑化定数といわれ、0から1の値をとります。当期の実績値と当期の予測値は平滑化定数αにより加重平均されます。

エ 重回帰分析では、説明変数間の相関が高いほど良い数式(モデル)であると評価できる。×重回帰分析では重回帰モデルを利用して、説明したい変数を説明変数によりモデル化します。説明変数が1つのものを単回帰モデル、複数の場合を重回帰モデルといいます。重回帰モデルによる予測値と実際の値の相関関係(重回帰係数)を二乗したものを重決定係数といいます。この値が高いほど、重回帰モデルの予測値の精度が高いものとされます。説明変数間の相関が高いものではありません。

指数平滑法 【平成27年 第9問】

 ある会社では、商品の需要予測に指数平滑法(平滑化定数α=0.4)を用いている。当期の需要予測値75に対し、需要実績値は55であった。次期の需要予測値として、最も適切なものはどれか。
 ア 63 

イ 65 

ウ 67〇 

エ 69 

 来期予測値 = 今期予測値 + 平滑化指数 X (今期実績値 - 今期予測値)

=当期の需要予測値75+平滑化定数α0.4(当期の需要実績値は55ー需要予測値75)
=75+0.4(-20)=75-8=67

生産統制 【平成21年 第1問】

 工程管理における生産統制に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 生産統制における管理の担当者は、主として現場の管理者や監督者である。〇生産統制は生産現場の日常の生産活動に直結した管理活動です。したがって、経営者や経営管理者が担当するものではなく、主に現場の管理者や監督者が担当するものです。

イ 生産統制には、一般に生産の実績の報告と、その評価が含まれる。〇生産統制は、生産計画に沿って生産が行われるように生産活動を管理・是正していくことです。そのために、生産計画に対して生産の進行状況を把握して、差異がある場合には即座に対応策を実施し差異を解消させていきます。差異の把握には実績の報告を受ける必要があり、差異の発生理由を解き明かすには評価を行うことが不可欠です。

ウ 生産統制は、現品管理と余力管理の2 つの機能から構成される。×生産統制は、大きく分けて進捗管理、現品管理、余力管理の3 要素から構成されています。

エ 生産統制は、工程管理機能の一環であり、生産計画に対応する活動である。〇進捗管理は日程計画に、現品管理は材料・部品計画に、余力管理は工数計画にそれぞれ対応しています。生産統制は生産計画に対応している

生産統制は大きく分けると、進捗管理、現品管理、余力管理の3 要素から構成されます。

 進捗管理は、日程計画に対して、仕事の進捗状況を把握し、日々の仕事の進み具合を調整する活動です。

 現品管理は、特定の時点における物の所在位置と数量を確認し、生産数量や在庫調整を行う活動です。

 余力管理は、工程や作業者について、現在の負荷状況と能力を把握し、余力や不足がある場合は、作業の再配分を行う活動です。

 管理方式 【平成22年 第9問】

 工程管理方式に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 追番管理方式では、製作番号が異なれば同じ部品であっても違った部品として管理される。×追番管理方式とは、繰り返し生産の場合に、製品・部品などの生産すべき数あるいは生産された数を累計で記録したものです。生産計画に対して計画追番を、実績に対して実績追番をつけ、計画追番と実績追番との差により進捗管理を行っているため、完成品や仕掛品の現品管理が容易になります。選択肢アの内容は、追番管理方式の説明ではなく、製番管理方式に関する記述であるため不適切です。

イ 常備品管理方式は、部品の調達リードタイムが長い場合に有効である。〇常備品管理方式とは、材料・部品・製品を常備品としてつねに一定量を在庫として保管しておく方式のことです。よって、部品の調達リードタイムが長い場合にも有効な管理方式であると判断できます。

ウ 生産座席予約システムでは、完成品や仕掛品の現品管理が容易である。×

生産座席予約システムとは、受注時に製造設備の使用日程や資材の使用予定などにオーダーを割り付け、顧客が要求する納期どおりに生産する方式のことです。この方式は、販売部門と生産部門の両者が共有できる情報を提供することで、販売部門は計画された生産座席をもとに、顧客が要求する納期近くの空いている座席にオーダーを割り当てます。一方の生産部門は、座席の予約状況を見ながら、納期遅れが生じないように生産準備や生産進捗を調整します。

 この方式のメリットとしては、販売部門が受注見積もりの時点で信頼できる納期を顧客に提示することができるという点、受注情報を早い段階で入手でき、資材調達などの生産準備を精度よく行うことができるという点、販売と生産部門が共通の情報で即時に需要と供給を調整できる点などが挙げられます。

エ 製番管理方式は、受注見積りの時点で信頼できる納期を提示できる。×製番管理方式とは、製品を構成する部品や材料に対しても、その製品のひも付きとして同じ製番が付けられます。したがって、製作番号が異なる場合は同じ部品であっても異なる部品として管理されます。その結果として、製品単位に確実な手配や工程進捗度の情報把握ができるため、個々の顧客要求に対応しやすく、それらの変更が関係者にも分かりやすいといったメリットが挙げられます。

かんばん方式 【平成29年 第9問】

 かんばん方式に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア かんばんは、あらかじめ定められた工程間、職場間で循環的に用いられる。〇あらかじめ定められた工程間、職場間で循環的に用いられています。

イ かんばん方式を導入することにより、平準化生産が達成される。×かんばん方式では、無駄をできるだけ排除して、必要な数だけ生産しようとします。必要なものを、必要な時に、必要な数だけ生産する方式であり、異常が発生したときは機械を自動的に停止して不良品を作らないようにします。したがって、生産を平準化するためのものではなく

ウ 仕掛けかんばんには、品名、品番、工程名、生産指示量、完成品置場名などが記載される。〇仕掛けかんばんは、生産着手の指示に使うかんばんです。この仕掛けかんばんには、品名、品番、工程名、生産指示量、完成品置場名などが記載されます。

エ 引取かんばんのかんばん枚数によって、工程間における部材の総保有数を調整することができる。〇引取りかんばんは、運搬を表し、このかんばんによって、後工程から前工程に指示が出され、後工程が必要な分だけ前工程から部品を運搬します。これにより無駄を極力排除することができ、工程間における部材の総保有数を調整することができます。

製造現場の改善方法 【平成29年 第20問】

 生産現場で行われる改善施策に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 機械設備の稼働状況を可視化するために、「あんどん」を設置した。〇あんどんとは、各工程の状況をランプで示し、工程内外に一目で見てわかるように工夫した工程管理方式の1つです。機械設備の稼働状況を可視化する方式

イ 「シングル段取」の実現を目指して、内段取の一部を外段取に変更した。〇シングル段取とは、機械の停止時間が10分未満の内段取のことです。段取替え時間の短縮、改善方法には内段取そのものの短縮化、内段取の外段取化があります。

ウ 品種変更に伴う段取り替えの回数を抑制するために、製品の流れを「1個流し」に変更した。×1個流しは、部品の生産から組み立てまで顧客が必要とする単位である「1個ずつ」流す方法です。製品を1個加工したら、すぐ次工程に送るので工程間に仕掛品は置きません。1個流しは中間仕掛品の滞留や工程における遊休防止のためですが、品種変更に伴う段取り替えの回数はむしろ増える可能性があります。

エ 部品の組み付け忘れを防止するために、部品の供給棚に「ポカヨケ」の改善を施した。〇「ポカヨケ」とは、生産ラインに設置される作業ミスを防止する仕組み、装置のことです。部品の供給棚に「ポカヨケ」の改善を施すことは部品の組み付け忘れという間違いの予防に役立つと考えられます。

現品管理【平成30年 第14問】

 JIS で定義される現品管理の活動として、最も不適切なものはどれか。

  1. 受け入れ外注品の品質と数量の把握〇
  2. 仕掛品の適正な保管位置や保管方法の設定〇
  3. 製品の適正な運搬荷姿や運搬方法の検討〇×〇
  4. 利用資材の発注方式の見直し〇×「利用資材の発注方式」を見直すことは、前述の定義と照らし、現品管理とは合致しません。これは、改善活動と言えます。

現品管理について、JISには以下のように定義されています。

 「資材、仕掛品、製品などの物について、運搬・移動や停滞・保管の状況を管理する活動。現品の経済的処理と数量、所在の確実な把握を目的とする。現物管理ともいう。」(JISZ8142-4102)

MRP

 MRPに関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア MRPは基準生産計画から、資材の所要量を計画するシステムである。〇基準生産計画とは製品の生産計画のことで、MPS(Master Production Schedule)と呼ばれます。MRPは、製品の生産計画を基に、資材の所要量と時期を計画するための仕組みです。

イ 従属需要品目の所要量は、独立需要品目の受注や需要予測に基づいて計算される。〇従属需要品目とは、製品を構成する部品のことです。これらの所要量は、独立需要品目(すなわち最終製品や個別に提供されるサービスパーツ)の受注量や、需要予測に基づき計算されます。

ウ 部品の正味所要量は、手持ちの在庫量と発注残を加味して計算される。〇正味所要量計算では、総所要量から手持ちの在庫と発注残を引いて、足りない分を所要量として計算します。

エ 部品構成表には、ストラクチャ型と、ブリーフ型の2つの種類がある。〇×部品表の種類は、ストラクチャ型部品表と、サマリー型部品表の2種類です。ストラクチャ型部品表は、製品を構成する全ての部品を階層型に表現したものです。サマリー型部品表は、製品を構成する全ての部品をリストで表したものです。

MRPは、製品の基準生産計画、部品表、在庫・発注残情報などをもとに、資材の所要量と時期を計画するための仕組みです。この中で特に重要となるのは、基準生産計画と、部品表

基準生産計画(MPS)

 製品の生産計画のことで、基準生産計画はMPS(Master Production Schedule)と呼ばれます。MRPは、独立需要品目の生産計画を基準生産計画として与え、従属需要品目の所要量と時期を計算するための仕組みです。

①独立需要品目

 ・概要:最終製品や個別に提供されるサービスパーツなどのこと。(例:自転車本体)

 ・所要量情報:受注または需要予測に基づいて時期や量が決定される。

②従属需要品目

 ・概要:製品を構成する部品のこと。(例:自転車のタイヤ、チェーンなど)

 ・所要量情報:独立需要品目や上位の品目の需要から、時期や量が決定される。

部品表(BOM)

 製品を構成する部品の種類と数量をまとめたもので、部品構成表や、BOM(Bill Of Materials)と呼ばれることもあります。部品表には、ストラクチャ型部品表と、サマリー型部品表の2種類があります。

①ストラクチャ型部品表:製品を構成する全ての部品を階層型に表現したもの。

②サマリー型部品表:製品を構成する全ての部品をリストで表現したもの。

MRPの手順

①総所要量計算:基準生産計画と部品表を基に所要量を計算する。

②正味所要量計算:総所要量から手持ちの在庫と発注残を引いて、足りない分の所要量を計算する。

③ロットまとめ:発注コストを抑えるため、一定の規模の所要量をロットとしてまとめる。

④先行計算:部品のリードタイム情報を基に、購買と生産の計画オーダーを作成する。

 定量発注方式2

 1回あたりの発注費用が5,000円、年間需要数が100,000個、在庫単価が2,500円、在庫保管費用率が10%の資材の発注に、定量発注方式を用いる場合の記述として、最も適切なものはどれか。

ア 1回の発注量を5,000個にした場合の、年間の発注費用は250,000円である。×
年間の発注費用=1回あたりの発注費用*(年間の需要量/1回の発注量)
=5000*(100000/5000)
=5000*(20)=100000

イ 1回の発注量を10,000個にした場合の、年間の在庫費用は500,000円である。×
年間の在庫費用=(1回の発注量/2)*1個当たりの年間の在庫維持費用
=(10000/2)* 1個あたりの年間在庫維持費用は250円(在庫の単価:2,500円×在庫の保管費用率:10%)
=5000*250=1250000

ウ 在庫保管費用が半分になれば、経済的発注量は2倍となる。×
経済的発注量=√((2*1回あたりの発注費用*年間需要量)/1個当たりの年間の在庫維持費用)
平方根の式となっているので、仮に在庫保管費用が半分になっても、経済的発注量は2倍にはなりません。

エ 発注費用と在庫維持費用を合計した総費用が最も少なくなるのは、2,000個である。〇
発注費用と在庫維持費用を合計した総費用が最も少なくなるところを、経済的発注量
経済的発注量=√((2*1回あたりの発注費用*年間需要量)/(1個あたりの年間在庫維持費用 = 在庫の単価 X 在庫の保管費用率))
=√((2*1回あたりの発注費用5000*年間需要量100,000)/(1個あたりの年間在庫維持費用 = 在庫の単価 2,500X 在庫の保管費用率10%))
=√((1,000,000,000)/(250))
=√4,000,000
=2000

経済的発注量は、発注処理にかかる費用と、在庫の保管費用を合計した総費用が最も少なくなる発注量の事で、次の式で求められます。

年間の発注費用は次のように求められます。

 また、年間の在庫維持費用は次の式で求められます。

 なお、式の中では平均在庫量とするため、1回の発注量を半分にしています。例えば、一回の発注量が100個の場合は、平均在庫量は半分の50個になるということです。

 ここで、総費用は、発注費用と在庫維持費用を足したものなので、発注費用と在庫維持費用が等しいことが、経済的発注量の条件となります。ここから、経済的発注量を導出した式が最初に示した式①になります。なお、1個あたりの年間在庫維持費用は、(1個あたりの年間在庫維持費用 = 在庫の単価 X 在庫の保管費用率)に分解できるので、式①を次のように表すこともできます。

 発注費用と在庫維持費用が等しくなる点が経済的発注量になること。在庫維持費用は平均在庫となるため、1回の発注量を半分にして求めること。

発注方式 【平成22年 第13問】

在庫管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 定期発注方式の発注間隔は、取引先との関係や生産計画サイクル、さらに経済性などを考慮して決められる。〇定期発注方式の発注間隔は、品物の使用頻度や使用量の大きさやそのばらつきといった使用特性、物品の大きさ、単価、保管形態といった在庫特性、さらには品質特性や費用特性によって決められます。さらに、発注先との関係、生産システムとの整合性や市場動向、計画のサイクルなども考慮されます。

イ 定期発注方式は、あらかじめ定められた発注間隔で、発注の都度、発注量を決めて発注する方式である。〇定期発注方式は、あらかじめ定められた発注間隔で、発注量を発注ごとに決めて発注する在庫管理方式と定義されています。

ウ 定量発注方式の発注点は、調達期間中の推定需要量と安全在庫量の和として求められる。×〇定量発注方式における発注点の計算では、調達リードタイムと需要量、安全在庫を考慮します。計算式は発注点=調達リードタイム×1 日平均需要量+安全在庫

エ 定量発注方式は、実在庫水準が発注点を下回った時点で一定量を発注する方式である。〇×実在庫水準ではなく、有効在庫の水準が発注点を下回った時点で一定量を発注します。有効在庫は、手持ち在庫に加えて、発注残と引当済みの量を考慮した、実質的に利用可能な在庫量のことです。

定量発注方式とは、在庫量が一定の水準になったときに一定量を発注する方式です。発注する量は毎回同じで、その量のことを経済的発注量と呼びます。また、発注するときの在庫水準のことを発注点と呼びます。

定期発注方式とは、一定期間ごとにその都度発注量を決めて発注する方式です。定期発注方式では、発注のたびに、需要の予測や在庫量を考慮して発注量を決定します。

経済的発注量【令和元年 第10問】

 経済的発注量Qを表す数式として、最も適切なものはどれか。ただし、dを1期当たりの推定所要量、cを1回当たりの発注費、hを1個1期当たりの保管費とする。

経済的発注量は、総費用を最も少なくする発注量です。経済的発注量は、英語ではEconomic Order Quantityですので、略してEOQと呼ばれます。

 一回あたりの発注量を増やすと、発注回数が減るため在庫の発注処理にかかる費用は減りますが、在庫の保管費用が増加します。逆に、一回あたりの発注量を減らすと、在庫の保管費用は減りますが、発注回数が増え発注処理の費用が増えます。よって、発注量は多すぎても少なすぎても在庫の総費用が増加します。

 経済的発注量は、発注処理にかかる費用と、在庫の保管費用を合計した総費用を最も少なくする発注量です。

 需要量が多いと、その分たくさん発注をする必要があります。よって、年間需要量は分子に置きます。

 在庫の維持費用が大きくなると、在庫をできるだけ少なくする方が経済的になります。在庫を少なくするには、こまめに発注した方が良いため、発注量を少なくする必要があります。よって、1個あたりの年間在庫維持費用は分母に置きます。

 後は、分数に2を掛け、ルートを適用すれば、経済的発注量になります。

ABC分析 【平成21年 第14問】

 在庫のABC 管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア B品目では、数量に応じて類似品をグループ化し、グループごとに予測・発注・納入を行うことに重点が置かれる。〇

イ 在庫金額の多いA品目では、在庫の削減よりも、むしろ、発注業務や伝票作成などの管理事務の手間を省くことに重点が置かれる。×管理事務の手間を省くことに重点が置かれるのはC 品目です。

ウ 在庫金額の少ないC品目では、現品管理を徹底し、納入時点をきめ細かく指示して余分な発注を慎むことに重点が置かれる。×重点管理を行い、余分な発注を慎む必要があるのはA 品目です。

エ 在庫のABC 管理では、横軸に品目を在庫金額の少ない順に、縦軸に在庫金額を示したABC 曲線が用いられる。×ABC 曲線では、横軸に金額・量の大きい順に品目を並べます。

 それぞれの管理方法としては、A グループは、重点管理をする品目です。金額が大きいため、在庫水準を抑えるようにきめ細かく管理していきます。B グループは、A グループよりも管理レベルを下げます。C グループは、管理の手間を削減するようにします。

B 品目は、A 品目より管理レベルを下げるので、基本的に定量発注方式で対応します。しかし、単価が高い品目は、定期発注方式でA 品目と同様に重点管理されます。

 このようにB 品目では発注方式が混在することで、管理が複雑になってしまうことが考えられますが、類似品をグループ化することでそれぞれの発注手順を標準化するなど効率化が期待できます。

資材管理【平成30年 第13問】

 資材の発注に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. MRPでは、発注量と発注時期を生産計画と独立に決定できる。×MRP(Material Requirement Planning:資材所要量計画)とは、製品の生産計画をもとに、資材の所要量と時期を計画するための仕組みです。生産計画、発注量、発注時期は密接に関連していることが特徴であり、これらを独立して決定することはできません。
  2. 定期発注方式における発注量は、(発注間隔+調達期間)中の需要推定量-発注残-手持在庫量-安全在庫量で求められる。×  発注量 = 在庫調整期間の需要予測量 - 現在の在庫量 - 発注残 + 安全在庫 在庫調整期間は、発注サイクルと、調達リードタイムをあわせた期間を表します。在庫調整期間は、一回の発注量でまかなう必要のある期間を表します。また、現在の在庫量と発注残を引いているのは、既に在庫や発注残が沢山ある場合は、発注量は少なくてよいということです。また、安全在庫を足すことで、最低限、安全在庫の分は在庫が残るようにしています。
  3. 発注間隔を長くすることにより、きめの細かい在庫管理ができ在庫量が減少する。×きめ細かい在庫管理をするには、発注間隔を短くすることが重要です。
  4. 発注点は、調達期間中の払出量の大きさと不確実性を考慮して決定される。〇

発注点 = 調達リードタイム X 1日平均需要量 + 安全在庫

 調達リードタイムの期間の需要量に、安全在庫を足したものになっていますが、選択肢の記述にある、「調達期間中の払出量の大きさと不確実性を考慮して決定される」ということに合致しています。安全在庫を足す点は、不確実性を考慮した対応と言えます。

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