もっと勉強を進めたいですが、その分仕事の時間が減るのが課題です。
商圏の理論に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア ライリーの法則を用いて、2つの都市がその間にある都市から顧客を集客する割合を求めることができる。
イ ライリー&コンバースの法則を用いて、2つの都市の商圏分岐点を求めることができる。
ウ ライリーの法則は、最寄品の商圏分析よりも、買回品の商圏分析をするのに適している。
エ ライリー&コンバースの法則を用いて、ある地域の消費者が、ある商業集積地へ買い物にでかける確率を求めることができる。
●ライリーの法則 「2つの都市がその間にある都市から、顧客を吸引する割合は、その2つの都市の人口に比例し、距離の2乗に反比例する」という法則です。式で示すと次のようになります。![]() ●ライリー&コンバースの法則 ライリーの法則に基づいた、商圏分岐点(2つの都市への吸引力が同じになる地点)、を計算するための法則です。式で示すと次のようになります。 ![]() |
ア ○:
ライリーの法則とは、「2つの都市(A,B)が、その間にある都市(C)から、それぞれどのぐらいの購買力を吸収できるかを示すもので、その割合は都市AとBの人口に比例し、都市CからAとBへの距離の2乗に反比例する」という法則です。よって記述は適切です。
イ ○:
ライリー&コンバースの法則は、ライリーの法則に基づいた、2つの都市の間の商圏分岐点を計算するための法則です。よって記述は適切です。
ウ ○:
ライリーの法則は、ライリーが米国において買回品の購買を研究した結果、提唱した法則です。あまりにも単純化し過ぎているとの批判も多く最寄品の購買などには、あまり向きません。よって記述は適切です。
エ ×:
ライリー&コンバースの法則は、ライリーの法則に基づいた、2つの都市の間の商圏分岐点を計算するための法則です。選択肢の記述は「ハフ・モデル」に関する内容です。よって記述は不適切です。
商店街や共同店舗に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 商店街が抱える最も大きな課題は、大型小売店舗の進出などによる影響で、次いで後継者不足がある。
イ 繁栄している商店街は、衰退している商店街よりも、積極的に祭りやイベントを実施している。
ウ 街灯の整備は、商店街の持つ「安全性や快適性」の機能を強化することになる。
エ 共同店舗の経営は、複数の事業者による協同組合や合弁会社という形をとる場合が多く、運営が難しいという問題がある。
ア ×:
(平成21年度に中小企業庁の委託により(株)ちばぎん総合研究所が実施した商店街の実態調査によれば)、商店街が抱える大きな問題として、平成12年度以前は、「大型小売店舗による影響」など外部的な要因によるものが大きな割合を占めていました。しかし、平成15年度以降は、「経営者の高齢化による後継者難(51.3%)」、「魅力ある店舗が少ない(42.7%)」、「核となる店舗がない(27.2%)」などの、内部的な要因が大きな割合を占めています。よって記述は不適切です。
イ ○:
祭りやイベントは、商店街の持つ機能の娯楽性、文化性、コミュニティなどに該当し、一般的に繁栄している商店街ほど多く実施しています。よって記述は適切です。
ウ ○:
街灯、アーケード、カラー舗装などの整備や、バリヤフリーの促進は、安全性や快適性を高めることに繋がります。よって記述は適切です。
エ ○:
共同店舗は複数の事業者が共同で経営するため、一般的に合意形成が難しいといった問題があります。よって記述は適切です。
ア アウトレットモールとは、広大な売場面積と、豊富な品揃え、低価格で、まとめ買いをする顧客をターゲットとした、大型の小売店舗である。
イ パワーセンターとは、アミューズメント系の施設を中心に、飲食店や小売店などが入る形態の店舗である。
ウ ホールセールクラブとは、無包装、ケース単位での販売などによりコストを抑えて低価格販売する、会員制の倉庫形式の店舗である。
エ ハイパーマーケットとは、カテゴリーキラーと呼ばれる大型専門店を複数集めたショッピングセンターである。
ア ×:
アウトレットモールは、メーカーや小売の、過剰在庫、旧モデル、キズものなどを安価で販売する商業集積のことです。選択肢の記述は、ハイパーマーケットに関する内容です。よって記述は不適切です。
イ ×:
パワーセンターは、カテゴリーキラーと呼ばれる大型専門店を複数集めたショッピングセンターです。選択肢の記述は、「テーマパーク型SC」に関する内容です。よって記述は不適切です。
エ ×:
ハイパーマーケットとは、広大な売場面積と、豊富な品揃え、低価格で、まとめ買いをする顧客をターゲットとした、大型の小売店舗です。選択肢の記述は、「パワーセンター」に関する内容です。よって記述は不適切です。
店舗機能に関する記述の組合せとして、最も不適切なものはどれか。
ア 情報発信機能 - 新聞に売り出しのチラシを入れたり、メールマガジンでイベントを告知する。
イ 選択機能 - 美容室をガラス張りにして店内のカットの様子が見られるようにしたり、店頭に割引券を置く。
ウ 演出機能 - 野菜売り場で、野菜がより新鮮に見えるように照明の種類や角度を調整する。
エ 購入促進機能 - 食肉コーナーで新商品のウィンナーを焼いて来店客に試食を勧める。
ア ○:
情報発信機能とは、顧客に店舗や商品などの情報を発信する機能です。具体的には、チラシやメールマガジン、案内板や館内放送を利用して、店舗や商品の情報を発信することなどが該当します。よって記述は適切です。
イ ×:
選択機能とは、顧客に商品を選ばせる機能です。手に取りやすく、選びやすい商品陳列などが該当します。選択肢の記述は「誘導機能」に関する内容です。よって記述は不適切です。
ウ ○:
演出機能とは、商品の魅力を演出し、顧客の購買欲求を高める機能です。具体的には、展示の陳列や色彩、照明などを工夫したり、BGMをかけて雰囲気を演出するなどが該当します。よって記述は適切です。
エ ○:
購買促進機能は、顧客に最終的に購買行動を取ってもらうための機能です。具体的には、POPなどで品質や価格を明確にしたり、試食を通じて実際に味わってもらったり、接客により購入を促進するなどが該当します。よって記述は適切です。
販売形態に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 対面販売のメリットとして、商品の管理がしやすく、破損や汚れなどのロスが少ないことが挙げられる。
イ 買回品の販売では、側面販売が採用されることが多い。
ウ セルフサービス型の販売形態は、多くのスーパーマーケットやコンビニエンスストアで採用されている。
エ 側面販売は、店員が顧客の要望や疑問などに細かく応えながら、その顧客にあった商品を勧める販売形態で、代表的なものに化粧品がある。
小売店の販売形態には次のようなものがあります。
ア ○:
対面販売では、顧客が自由に商品に触れないように、陳列ケースなどに入れる場合が多く、商品は常に販売員によって管理されています。このため、商品の管理がしやすく、破損や汚れなどの商品ロスが少ないメリットがあります。よって記述は適切です。
イ ○:
買回品とは、消費者が複数の店舗や売り場に足を運び購買を検討するような製品で、家電品などが該当します。これらの製品の販売には、一般的に側面販売が採用され、必要に応じて店員が商品説明などをします。よって記述は適切です。
ウ ○:
スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、セルフサービスの販売形態が採用されます。これは取り扱い商品の多くが、既に商品説明が不要な最寄品であり、顧客自身で商品を自由に選べるためです。また比較的、商品が安価であることも理由にあります。よって記述は適切です。
エ ×:
側面販売では、必要に応じて商品説明などを行いますが、一般的には、選択肢の記述にあるような顧客に密着した対応はしません。代表例として化粧品を挙げていることからも明らかなように、選択肢の記述は「対面販売」に関する内容です。よって記述は不適切です。
店舗の外装に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 袖看板とは、看板の一種で店頭の前の歩道に置かれるものである。
イ ファサードは、店舗正面の内、パラペットより下の部分を指す。
ウ パラペットとは、店頭の上部にあたる部分で、店舗イメージを伝えるための看板などに利用される。
エ スタンド看板とは、看板の一種で屋上に立てられるものである。
店舗の外装は、訴求機能や誘導機能を担う重要なものです。外装を構成する要素は次のようになります。![]() ●パラペット ファサードの上部を意味し、店の名前などの看板がある部分。 ●看板・パラペット看板:パラペット部分にある看板。・屋上看板:屋上に立てた看板。・袖看板:店舗から道路に突き出すように設置された看板。・スタンド看板:店頭の前の歩道に置く看板。 ファサード、パラペット、店頭の関係は混乱しやすいので、「ファサード = (ウエ)パラペット + 店頭 」と覚えるとよいでしょう。 |
イ ×:
ファサードは、パラペットも含めた店舗正面の全体を指します。よって記述は不適切です。
ウ ○:
パラペットは、建物正面の入口上部のことです。この位置にパラペット看板を設置することで、顧客が店舗イメージを持ちやすくなり顧客訴求に役立ちます。よって記述は適切です。
店舗の出入り口に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア コンビニエンスストアは、一般的に透視度が高くなるように設計されている。
イ 防音効果を高めるには、開放感が低くなるように設計した方がよい。
ウ 宝石小売店の高級感を高めるためには、店舗の開放度を低く設計した方がよい。
エ 透視度が高い美容室は、顧客が親しみを持ちやすくなる効果を期待できる。
●開放度・店頭部の開け放たれた度合いのこと。(出入口が、オープンになっていたり、幅が広い場合に、開放度が高いという)・購買頻度が高い最寄品を扱う店は、一般的に入り口の幅を広く取り、開放度を高くする。・宝飾品店などは、一般的に防音、防犯を考慮したり、高級なイメージを出すため、開放度を低くする。 ●透視度(開放感)・店舗の外部から内部が見通せる割合のこと。・透視度が高いと親しみやすくなる効果がある。・透視度が低いと高級感を出す効果がある。 透視度は開放感とも呼ばれます。開放度と混同しないように注意しましょう。 |
ア ○:
透視度とは、店舗の外部から内部が見通せる割合のことです。コンビニエンスストアは、外装のほとんどがガラスウィンドウなので、透視度が高くなっています。よって記述は適切です。
イ ×:
開放感とは透視度の別の呼び名です。防音効果を高めるために「開放度」を低くすることは効果的です。しかし、「開放感(透視度)」の高い・低いは防音効果に影響を与えません。よって記述は不適切です。
ウ ○:
開放度とは、店頭部の開け放たれた度合いのことです。一般的に入り口を狭くして、開放度を低くすることで高級感が増します。よって記述は適切です。
エ ○:
外装がガラスウィンドウなどで作られた、透視度の高い美容室は、店内のカットの様子が外部からも見えるため、親しみが湧きやすくなる効果を期待できます。よって記述は適切です。
効果的な売場を作るための商品のゾーニングに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 非計画購買性の高い商品は店の奥の方に配置し、計画購買性が高い商品については店頭近辺に配置する。
イ 陳列棚全体の視認性を高めるために、ストーリー性やカラー・コンディショニングなどに配慮して商品を配置する。
ウ 客動線を長くするために、マグネットを主通路の突当たりや、棚のエンドに配置する。
エ 関連購買を促進するために、関連購入の割合が高い商品を近接して配置する。
●商品価格帯への配慮 入り口に近い方に安い商品を配置し、奥に進むごとに徐々に価格の高い商品を配置します。これにより、心理的抵抗を和らげて、自然に奥に誘導することができます。 ●商品特性への配慮 計画購買性の高い、買回品については店の奥の方に配置します。計画購買品を店頭奥に配置することで、客動線が長くなり、他の商品と接する機会が増えるため追加購買が期待できます。また、非計画購買品は店頭に置くことでついで買いなどを期待できます。 ●購買頻度への配慮 購買頻度が高い商品を店頭の近くに配置します。これは、頻繁に購入する商品が、店の奥に置いてあると、顧客は不便さを感じるためです。また、購買頻度が低い商品は、じっくり比較検討することが多いため、店の奥に配置して商品説明をしながら販売するのが効果的です。 ●ストーリー性やカラ―・コンディショニングなどの配慮 ストーリー性やカラ―・コンディショニングを持たせることで、顧客の関心を高めることができます。 |
ア ×:
計画購買性が高い商品を店頭近辺に配置した場合は、顧客がその商品のみしか購入しない確率が高くなります。一方、計画購買品を店頭奥に配置することで、客動線が長くなり、他の商品と接する機会が増えるため追加購買が期待できます。コンビニエンスストアで飲料水の棚が店頭奥にあるのはそういった理由からです。また、非計画購買品は店頭に置くことでついで買いなどを期待できます。よって記述は不適切です。
イ ○:
商品の配置に、スト―リー性やカラー・コンディショニングなどを持たせることで、視認性が高まります。これにより顧客の関心を高め、売場の中で求める商品のある場所を分かりやすくすることができます。よって記述は適切です。
売場の什器に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア ステージとは、スーパーなどでよく見かけられる什器で、様々な商品が並べられるように複数の棚がついている。
イ リーチインケースとは、スーパーなどでよく見かけられる什器で、アイスクリームなどがすぐに取り出せるように、ガラス扉がないタイプが多い。
ウ ウォークインケースとは、コンビニエンスストアなどでよく見かけられる什器で、飲料などを後ろから補充できる。
エ ショーケースとは、ブランド品の小売店などでよく見かけられる什器で、通行人を引きつけるように、通りに面した部分に商品を飾り付けることができる。
売場の什器については、次のようなものがあります。![]() |
イ ×:
リーチインケースは、商品をケースの前面から補充するタイプの冷凍・冷蔵庫で扉があるタイプがほとんどです。よって記述は不適切です。
ウ ○:
ウォークインケースは、商品を後ろから補充するタイプの冷蔵庫です。これはコンビニエンスストアの飲料やビールなどの陳列でよく使用されています。よって記述は適切です。
エ ×:
ショーケースは、商品が見やすいようにガラスなどで出来ているケースです。選択肢の記述は、「ショーウィンドウ」に関する内容です。よって記述は不適切です。
照明の種類や方法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア ベース照明とは、蛍光灯に代表されるもので、店舗全体を平均的に明るくするために付けられる照明である。
イ 半直接照明とは、壁や天井などに反射させた光の一部をカバーを通して下に漏らして、対象物を照らす方法である。
ウ 装飾照明とは、シャンデリアに代表されるように、明るさよりも装飾性を重視した照明である。
エ 間接照明とは、演出効果を高めるために、壁や天井などに反射させた光で、対象物を照らす方法である。
●照明の種類・ベース照明:全体を明るくする照明。・スポットライト:(重点照明):目立たせたい部分だけを明るくする照明。・装飾照明:明るさよりも装飾性を重視した照明(例:シャンデリアや、電飾、色付き照明) ●照明の方法 ![]() |
ア ○:
ベース照明とは、対象とする空間全体を明るく保つための照明です。よって記述は適切です。
イ ×:
半直接照明とは、主に対象物を直接照らし、カバーを通して一部の光を上に漏す方法です。選択肢の記述は「半間接照明」に関する内容です。よって記述は不適切です。
照明と色彩に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 色温度とは、光源がもつ光の色を定量的に表したもので、単位にはアールエイ(Ra)が用いられる。
イ 光束とは、光の明るさの度合いを定量的に表したもので、単位にはルクス(lx)が用いられる。
ウ 照度とは、光により照らされる面の明るさを定量的に表したもので、単位にはルーメン(lm)が用いられる。
エ 色温度の値は、青白い光に比べて、赤い光の方が低くなる。
照明の光の性質を表す名称と、その内容は次のようになります。![]() |
ア ×:
色温度に関する前半の記述は正しいですが、単位はケルビン(K)となります。なお、アールエイ(Ra)とは、「平均演色評価数」の単位で、この値が高い程、色を忠実に再現できます。よって記述は不適切です。
イ ×:
光束に関する前半の記述は正しいですが、単位はルーメン(lm)となります。よって記述は不適切です。
ウ ×:
照度に関する前半の記述は正しいですが、単位はルクス(lx)となります。よって記述は不適切です。
照明の基礎用語の解説として、空欄①~④にあてはまる語句として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
用語 | 内容 |
① | 光源から出てくる光の量を示す単位 |
② | 光源からある方向に向かう光の強さを示す単位 |
③ | 色温度を示す単位 |
④ | ある物体を照らしたとき、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質 |
ア ①:ルクス(Lx) ②:カンデラ(cd) ③:ルーメン(Lm) ④:平均光色評価数
イ ①:カンデラ(cd) ②:ルーメン(Lm) ③:ルクス(Lx) ④:平均光源評価数
ウ ①:ルーメン(Lm) ②:カンデラ(cd) ③:ケルビン(k) ④:平均演色評価数
エ ①:ルーメン(Lm) ②:ケルビン(k) ③:カンデラ(cd) ④:平均演色評価数
用語内容ルーメン(Lm)光束光源から出る光の量を示す単位。 カンデラ(cd)光度光源からある方向に向かう光の強さを示す単位。 ルクス(Lx)照度光源に照らされる空間の明るさを示す単位。 スチルブ(sb)輝度光源に照らされる面の明るさを示す単位。 ワット(w)定格ランプ電力ランプの消費電力を示す単位 ケルビン(k)色温度を示す単位。高ければ青みがかった光色に、低ければ赤みがかった光色になる。平均演色評価数ある物体を照らしたとき、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質 |
用語 | 内容 | |
①ルーメン(Lm) | 光束 | 光源から出る光の量を示す単位。 |
②カンデラ(cd) | 光度 | 光源からある方向に向かう光の強さを示す単位。 |
ルクス(Lx) | 照度 | 光源に照らされる空間の明るさを示す単位。 |
スチルブ(sb) | 輝度 | 光源に照らされる面の明るさを示す単位。 |
ワット(w) | 定格ランプ電力 | ランプの消費電力を示す単位 |
③ケルビン(k) | 色温度を示す単位。高ければ青みがかった光色に、低ければ赤みがかった光色になる。 | |
④平均演色評価数 | ある物体を照らしたとき、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質 |
「まちづくり3法」に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア まちづくり3法とは、「都市計画法」、「大規模小売店舗立地法」「中心市街地活性化法」の3つを指す。
イ 都市計画法では、床面積が1万平方メートルを超える大規模集客施設の建設を「商業地域」「近隣商業地域」「準工業地域」の3地域に限定している。
ウ 都市計画法において、都市計画区域外で乱開発が懸念される、準都市計画区域の指定は、原則として市町村が行う。
エ 都市計画法における、市街化区域と市街化調整区域を区分することを、線引きと呼ぶ。
●まちづくり3法 「都市計画法」、「大規模小売店舗立地法(略して大店立地法)」、「中心市街地活性化法」の3つを指す ●都市計画法・目的:都市周辺での無秩序な開発を防ぎ、計画的な都市計画を図るための法律。・区域の指定:次の図のようになっている。 ![]() 都市計画法における区域の指定は混乱しやすいと思われますが、上の図を用いて、各区域の名称と関係をしっかりと理解しましょう。また、区域の指定は都道府県が行う点も押さえておきましょう。 |
ア ○:
まちづくり3法は、選択肢の記述にある3つの法律のことを指します。よって記述は適切です。
イ ○:
都市計画区域や準都市計画区域内における、床面積が1万平方メートルを超える大規模集客施設の建設については、2006年の法改正前は「制限」でしたが、法改正により「原則禁止」へ発想を転換し、大幅に建設が制限されました。ただし、一定の手続きを行うことで、「商業地域」、「近隣商業地域」、「準工業地域」の3地域に限定して建設が可能です。よって記述は適切です。
ウ ×:
都市計画法では、都市計画区域、準都市計画区域共に、原則として「市町村」ではなく、「都道府県」がその区域を指定します。よって記述は不適切です。
「まちづくり3法」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 中心市街地活性化法では、各市町村が基本計画を作成し、内閣総理大臣がそれを認定することで、国による各種の支援措置を市町村等が受けられる。
イ 大規模小売店舗立地法の規制対象は、店舗面積が1,000平方メートルを超える店舗を持つ、全ての小売業である。
ウ 中心市街地活性化法では、各都道府県が中心市街地活性化の基本方針を作成し、各市町村が、その基本方針に基づき基本計画を作成する。
エ 大規模小売店舗立地法の規制対象となる店舗は、出店する市町村の住民への説明会の開催が義務付けられている。
●大規模小売店舗立地法(大店立地法)・目的:大規模小売店の出店の際に、周辺地域の生活環境の保持をするための法律。・対象店舗:店舗面積が1,000平方メートルを超える店舗で、飲食店を除く小売業。・要求内容:対象となる店舗に対しては、「渋滞や駐車・駐輪」「騒音」「廃棄物」「街並みづくりなど」への配慮が求められる。・義務内容:対象となる店舗に対しては、地域住民への説明会の開催が義務となっている。 ●中心市街地活性化法・目的:中心市街地を活性化するための法律。・基本的な仕組み ①国が、中心市街地活性化の基本方針を作成。 ②各市町村が、①の基本方針を基に、中心市街地を定めて基本計画を作成。 ③市町村や民間業者が、②の基本計画を基に、市街地の整備や商業の活性化などの事業を推進。 ④国による、各種の支援措置が受けられる。・2006年の改正ポイント ①中心市街地ごとに、(商工会や商工会議所、市街地の整備を行う事業者や地権者などが参加した)中心市街地活性化協議会の設置が必要。(以前は、TMO(タウンマネジメント機関)制度) ②国による支援措置の選択と集中。認定をする際には市町村が基本計画を作成し、内閣総理大臣の認定。(以前は、バラマキに近い支援) |
ア ○:
各市町村が作成した基本計画を認定するのは、内閣総理大臣になります。よって記述は適切です。
イ ×:
規制の対象になるのは、店舗面積が1,000平方メートルを超える店舗のうち、「飲食店を除く小売業」となります。よって記述は不適切です。
ウ ×:
基本計画を各市町村が作成する、選択肢の記述は正しいですが、基本方針を作成するのは、「各都道府県」ではなく、「国」になります。よって記述は不適切です。
エ ×:
規制対象となる店舗が出店する際に説明会の実施を義務付けられているのは、「市町村住民」に対してではなく、「出店地域への住民への説明」です。よって記述は不適切です。
都市計画法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 都市計画法の「第一種低層住居専用地域」に定められた用途地域において、住居を兼ねていれば、床面積が50平方メートルまでの一定条件の店舗は建設が可能である。
イ 市街化区域とは、都市計画区域のうち、すでに市街地になっている地域や今後計画的に市街化する地域のことである。
ウ 準都市計画区域とは、都市計画区域のうち、乱開発が懸念される地域を都道府県が指定した地域のことである。
エ 「準工業地域」では、床面積10,000平方メートルを超える規模の商業施設の出店が可能である。
都市計画法では、住居・商業・工業の3つを大枠として、12種類の用途地域を定めて、それぞれについて用途の制限や規制を設けています。代表的な規制としては次のようなものがあります。①一種低層住居専用地域における規制環境基本法床面積の合計が50平方メートルまでの住居を兼ねた一定条件の店舗や、小規模な公共施設、小中学校、診療所などを建てることができるが、住居を兼ねていない場合は、床面積に関わらず建設が出来ない。なお、一定条件の店舗としては、床面積が建物の1/2未満で、日用品を主に扱う店舗、食堂、喫茶店、理髪店等がある。②規模集客施設の立地規制床面積10,000平方メートルを超える規模の商業施設は、「商業地域」、「近隣商業地域」、「準工業地域」の3地域に建設が限定されている。なお、一部の地域では、条例により準工業地域への出店を禁止している。 |
ウ ×:
準都市計画区域とは、都市計画区域以外で、都道府県が指定した乱開発が懸念される地域を対象としています。よって、記述は不適切です。
エ ○:
床面積10,000平方メートルを超える規模の商業施設(大規模集客施設)の出店が可能なのは、「商業地域」、「近隣商業地域」、「準工業地域」の3つの用途地域のみです。これらの用途地域では、一定の手続きを行う事で、大規模集客施設を出店することが可能です。よって記述は適切です。
建築基準法の中で用いられる、次の用語の組合せの正誤として、最も適切なものを、下記の解答群から選べ。
A 敷地面積 - 敷地の水平投影面積
B 床面積 - 建築物の各階の床面積の合計
C 容積率 - 敷地面積に対する建築面積の割合
〔解答群〕
ア A:誤 B:誤 C:誤
イ A:正 B:誤 C:誤
ウ A:正 B:誤 C:正
エ A:誤 B:誤 C:正
オ A:正 B:正 C:正
●建築面積:建築物の水平投影面積。 ●床面積:各階の床の水平投影面積。 ●延べ面積:建築物の各階の床面積の合計。 ●建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合。建ぺい率 = 建築面積 ÷ 敷地面積 ●容積率は、敷地面積に対する延べ面積の割合。容積率 = 延べ面積 ÷ 敷地面積 なお、建築基準法では、地域によって建ぺい率や容積率の上限が定められています。 |
A:正
敷地面積とは、選択肢の記述の通り 敷地(建築物のある土地)の水平投影面積(真上から見た面積)のことです。よって記述は適切です。
マーチャンダイジングについて、文中の空欄A~Dに入る用語の組合せとして、もっとも適切なものはどれか。
マーチャンダイジングは、「5つの適正」を実現していく活動とも呼ばれる。5つの適正とは、適正な商品またはサービスを、適正な( A )で、適正な時期に、適正な数量を、適正な( B )で販売するように計画し、実行していく活動である。また、5つの適正の実現にあたっては、( C )、仕入、価格設定、陳列、( D )などの活動を最適化する必要がある。
ア A:方法 B:価格 C:品揃え D:販売促進
イ A:方法 B:品質 C:顧客設定 D:宣伝活動
ウ A:場所 B:価格 C:品揃え D:販売促進
エ A:場所 B:品質 C:顧客設定 D:宣伝活動
●マーチャンダイジングの定義(5つの適正) AMA(アメリカ・マーケティング協会)では、マーチャンダイジングの定義を「適正な商品またはサービスを、適正な場所で、適正な時期に、適正な数量を、適正な価格で、マーケティングすることに関する諸計画である」としています。これは、一般に5つの適正と呼ばれています。 ●マーチャンダイジングの構成要素 一般的にはマーチャンダイジングは、品揃えを中心とした活動との捉え方もありますが、5つの適正を実現していくためには、品揃え、仕入、価格設定、陳列、販売促進などの活動を最適化する必要があります。 |
A:場所、B:価格
AMA(アメリカ・マーケティング協会)によるマーチャンダイジングの定義では、「商品またはサービス」「場所」「時期」「数量」「価格」の5つの適正に関する諸計画(活動)としています。よってここでは、それぞれ、「場所」「価格」を選択するのが適切です。
C:品揃え
マーチャンダイジングは、充実した品揃えを実現し、販売するまでを中心とした活動です。顧客設定は含まれません。よってここでは、「品揃え」を選択するのが適切です。
D:販売促進
販売促進には、広告、パブリシティ、セールスプロモーション、人的販売の活動が含まれます。宣伝活動も販売促進の一つではありますが、ここではより広い活動として「販売促進」を選択するのが適切です。
品揃えに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 経営資源の少ない中小小売店では、限定ライン戦略を取り、大型店との差別化を図るのが望ましい。
イ 商品アイテムを深くしすぎると、ストアコンセプトが不明確になりやすいので注意が必要である。
ウ 百貨店などに代表される大型店では、フルライン戦略をとり、さまざまな品種を取り扱うことが多い。
エ 商品ミックスとは、扱う品種とアイテムをどのように揃えるかということである。
●商品ミックス・商品ミックス:品揃えのこと。商品ラインと商品アイテムをどのように揃えるかということ。 ※1 商品ライン:相互に関連をもっている品種のこと(例 スポーツ用品店:シューズ、ウェア、用具など) ※2 商品アイテム:特定の品目のこと(例:ブランド、スタイル、素材など)・商品ラインの幅:商品ラインの数のこと。 ・アイテムの深さ:商品アイテムの数のこと。 ●限定ライン戦略 商品ラインの幅を狭く絞り込み、商品アイテムを深くし、特定の品種の品揃えを豊富にする戦略。 例)ダイハツ自動車:軽自動車に特化 ●フルライン戦略 商品ラインの幅を広くする戦略。 例)トヨタ自動車:小型車~高級セダンまで幅広くラインアップ。 |
イ ×:
商品アイテムを深くすることで、専門性が増しストアコンセプトがより明確になります。ストアコンセプトが不明確になるのは、「商品ラインの幅」を広げた場合です。よって記述は不適切です。
商品A~Dの1年間における日別の売上金額について、2商品間の売上金額の相関係数を計算したところ、下表のようになった。これらの結果の解釈および相関係数の一般的な知識に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
組み合わせ | 相関係数 |
商品Aの売上金額と商品Bの売上金額 | 0.3 |
商品Bの売上金額と商品Cの売上金額 | 0.5 |
商品Aの売上金額と商品Dの売上金額 | -0.6 |
ア 商品の売上金額に関連性がない場合、相関係数は必ず負の値になる。
イ 商品Aと商品Bの売上金額の相関係数は、サンプル数に関係なく5%の有意水準では有意にならない。
ウ 売上金額の相関関係の強さを見ると、商品Aと商品Bの関係より、商品Aと商品Dの関係の方が強い。
エ 相関係数は、-100から100までの範囲の値として計算される。
相関係数とは、2つのデータの関係を示す指標です。-1~1までの値を採ります。相関係数が正の値であれば、2つのデータは同じ方向へ動く傾向をもつことを示し、負の値であると反対の方向に動く傾向をもつことを示します。 相関関係の絶対値が大きいほど、動きの関係性は強くなります。相関係数が0のときには関係性がないことになります。一方のデータが不変で他方が変動するようなときに典型的に0となります。 XとYの相関係数=XとYの共分散/(Xの標準偏差×Yの標準偏差)となります。 相関係数が-1~1までの値であること、および上記の式から、XとYの相関係数とYとZの相関係数を足し合わせてもXとZにならないことは直感的にわかります。(例えば0.6の相関係数0.7の相関係数を足すと1.1となり1を超えてしまいます。また、分母が異なるため、足し算ができないこともわかります) |
イ ×:
商品Aと商品Bの売上高の相関係数は、両者の相関の度合いを示すものです。一方、有意水準とはある仮説を棄却するかしないかを決める基準の確率です。相関係数の値と有意水準は直接的な関連はありません。なお、有意水準は5%や1%が使用されることが一般的です。その意味は、有意水準以下の確率の場合は「まれに発生するもの」として棄却されます。これを帰無仮説では第1種の過誤といい、実際には真であるものを棄却してしまうリスクが5%あると表現します。従って、記述は不適切です。
ウ 〇:
相関関係の強さは、絶対値の大きさで表されます。商品Aと商品Bの売上高の相関関係の絶対値は0.3、商品Aと商品Dの相関係数の絶対値は0.6ですので、記述は適切です。
仕入の形態に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 消化仕入れにおいては、売れ残り商品を返品することができるため、返品処理の会計システムが必要になる。
イ 消化仕入れにおいては、商品の入荷時点で仕入計上を行うと共に、必要に応じて買掛金の会計処理を行う。
ウ 委託仕入れにおいては、売り手などから商品を仕入れた時点で、その商品の所有権は小売店側が持つことになる。
エ 消化仕入においては、在庫の資金負担や盗難リスクは、メーカーなどの納入業者が持つことになる。
●消化仕入(売上仕入)・概要:店頭に商品を置き、売れた分を同時に仕入として計上する方法。 ・売れ残り商品のリスク負担:メーカーなどの納入業者。 ・適用:販売力を持った百貨店などの小売業。 |
ア ×:
消化仕入においては、売れ残り商品をメーカーなどに返品することができます。しかし、消化仕入では財産の所有権はメーカー側にあるので、小売店側の資産としての返品処理は必要なく、複雑な会計処理は発生しません。このため、返品処理の会計システムは必要ありません。よって記述は不適切です。
イ ×:
消化仕入においては、販売と同時に仕入計上を行います。また、このため入荷時点で買掛金が発生することはありません。よって記述は不適切です。
ウ ×:
委託仕入においては、メーカーなどの委託者が在庫の所有権を持ったまま、小売店が販売を行います。よって記述は不適切です。
エ ○:
消化仕入れにおいては、販売と同時に仕入計上が行われますから、消費者が商品を購入するまでの間は、メーカーなどの納入業者側に商品の所有権があります。このため、在庫の資金負担や盗難などのリスク負担も納入業者側が持つことになります。よって記述は適切です。
小売業の価格決定に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア ある紳士服店のネクタイの売価と販売数が、それぞれが、2,000円(28本)、5,000円(35本)、10,000円(8本)であった場合、プライスポイントは35本である。
イ EDLP政策を採用した場合は、オペレーションコストをいかに下げ、高回転で商品を販売できるかが、小売店の利益を大きく左右する。
ウ 毎週特定の曜日に特売品を用意して低価格で販売することで集客し、特売以外の商品も購入してもらうことを意図した政策は、ロスリーダー政策にあたる。
エ ある靴店で、5,000円で仕入れたジョギングシューズの、値入額を1,000円に設定した。この時のジョギングシューズの販売価格は6,000円である。
●プライスライン 段階的な価格帯のこと。(例:Yシャツ 2,000円 , 3,000円 , 5,000円均一などの価格帯で設定) ●プライスポイント プライスラインの中で最も売れる価格帯のこと。 |
ア ×:
プライスポイントとは、プライスラインの中で最も売れる価格帯のことです。選択肢の例では、5,000円となります。よって記述は不適切です。
ウ ○:
ロスリーダー政策では、目玉商品(ロスリーダー)の値入率を下げて、特売品として安く販売することで集客します。そして、その商品目当てに来店した顧客に、他の値入率の高い商品も購入してもらうことで、利益を確保します。よって記述は適切です。
市場動向や消費者心理を考慮した、価格政策と価格決定に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア マーケットプライス法は、同一小売店でも、市場の動向や状況を考慮して地域毎に異なる価格を設定する手法である。
イ 小売価格を1,000円とせずに980円のように端数とするのは、内的参照価格を考慮した価格政策である。
ウ 威光価格は、有名ブランドの商品イメージを積極的に活用・維持するために相対的に高い価格を設定する手法である。
エ 缶ジュースなど既に一般的に浸透している価格を設定するのは、慣習価格を考慮した価格政策である。
●マーケットプライス法 国内共通の価格を設定するのではなく、競合他社の価格や、顧客の動向、地域毎の需要、市場の動向や状況などを考慮して価格を個別に設定する手法。 ●内的参照価格 内的参照価格とは、過去の購買経験などに基づき、消費者の中に設定された基準価格のこと。例えば特売価格での購入経験を持つと、内的参照価格が低下してしまい、通常価格での購入が難しくなる。これを回避するため、商品価格を直接下げるのではなく、クーポン券による割引や、ポイント還元、キャッシュバックの実施、バンドル販売(まとめ買い)時のみ価格を下げることで、お得感を感じてもらうといった対処が必要。 ●参考(その他の価格決定法)①原価計算法(コストプラス法、マークアップ法):製品原価に一定の利益を付加して価格を決定する方法。②競争的価格決定:競業企業の設定価格に対して、競争的水準に価格を決定する方法。③市場価格決定:消費者や市場のニーズに合わせて価格を決定する方法。④略奪的価格決定(プライスリーダー戦略):商圏内の競争価格の主導権を確保する水準で価格を決定する方法。⑤模倣的価格決定:競合他社の価格設定を真似たり、それより少し安く価格を決定する方法。 |
ア ○:
マーケットプライス法は、全国共通の価格を設定するのではなく、顧客の動向や、市場の状況などを考慮して個別に価格を設定する手法です。よって記述は適切です。
ある紳士服店で、単品で商品を販売した場合の価格と値入高が次のようになっている。今、スーツ・Yシャツ・ネクタイの3点をセット販売したときの売価を50,000円で設定した。この場合の売価値入率として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕
ア 10%
イ 15%
ウ 20%
エ 25%
オ 30%
●売価基準の値入率売価値入率 = 値入額 ÷ 売価例)100円で仕入れた商品を、125円で販売した場合は、25÷125で20%となる。 ●原価基準の値入率原価値入率 = 値入額 ÷ 原価例)100円で仕入れた商品を、125円で販売した場合は、25÷100で25%となる。 値入率には売価基準と原価基準の2つがあります。分母の値が変わりますので、間違えないように注意しましょう。 |
正解:ウ 20%
それぞれの商品の原価を求めると次のようになり、その合計は40,000円となります。

セット販売の価格は、50,000円ですから、値入額は10,000円(= 50,000円 -40,000円)となり、上式にあてはめると20%(= 10,000円 ÷ 50,000円)となります。
なお、次のようにボックス図を利用して求めても良いでしょう。

ある店舗のTシャツの売価は、1000円、2000円、3000円、5000円であり、それぞれの販売数量が、30点、40点、20点、10点であった。プライスラインとプライスポイントの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 1000円、2000円、3000円、5000円
b 4つ
c 1000円
d 2000円
e 5000円
〔解答群〕
ア プライスライン:a、プライスポイント:c
イ プライスライン:a、プライスポイント:d
ウ プライスライン:b、プライスポイント:e
エ プライスライン:c、プライスポイント:d
オ プライスライン:e、プライスポイント:d
プライスラインとは、企業経営理論で学んだように、段階的な価格帯の事を指します。たとえば、スーツやメガネなどでプライスラインを設定しているケースが見られます。 プライスポイントとは、プライスラインの中で最も売れる価格帯の事を指します。プライスポイントは「値ごろ」とも呼ばれます。 たとえば、Tシャツについて、1000円、2000円、3000円、5000円というプライスラインがあり、それぞれの販売数量が、30点、40点、20点、10点だった場合、プライスポイントは最もよく売れている価格帯である「2000円」となります。 プライスラインが1000円、2000円、3000円、5000円といった価格帯を指すこと、プライスポイントが最も売れる価格帯を指すことは押さえておきましょう。 |
正解:プライスライン:a、プライスポイント:d
a プライスライン:
Tシャツの売価である「1000円、2000円、3000円、5000円」は、段階的な価格帯といえます。よって、プライスラインです。
b いずれにも該当しない:
「4つ」プライスラインを形成する価格帯の数を表しています。よって、プライスラインにもプライスポイントにも該当しません。
c いずれにも該当しない:
「1000円」はプライスラインのうち最低価格帯を指していますが、最も売れる価格帯ではありません。よって、プライスラインにもプライスポイントにも該当しません。
d プライスポイント:
「2000円」はプライスラインのうち最も売れる価格帯です。よって、プライスポイントです。
e いずれにも該当しない:
「5000円」はプライスラインのうち最高価格帯を指していますが、最も売れる価格帯ではありません。よって、プライスラインにもプライスポイントにも該当しません。
商品陳列の原則の説明として、最も適切なものの組合せを下記の解答群から選べ。
<商品陳列の原則>
①:探しやすい陳列
②:見やすい陳列
③:選びやすい陳列
④:手に取りやすい陳列
<陳列についての説明>
a:顧客が商品を触っても、崩れないように安定して配置すること。
b:商品が顧客の目につきやすいように、陳列の高さや陳列の量などを工夫すること。
c:顧客の立場から、どこに何があるかがすぐに分かるように工夫すること。
d:顧客が一目で似たような商品を比較できるよう、同じ用途の商品をまとめること。
〔解答群〕
ア ①とb ②とc
イ ①とc ④とa
ウ ②とb ③とc
エ ③とd ④とb
オ ④とa ②とc
●探しやすい陳列 顧客の立場から探しやすいということ。そのために、商品のグルーピングやレイアウト、POPなどによって、どこに何があるかがすぐに分かるように工夫する。 ●見やすい陳列 商品が顧客の目につきやすいように、陳列の高さや陳列の量などを工夫すること。 ●選びやすい陳列 顧客が一目で似たような商品を比較できるように、同じ用途の商品をまとめて陳列すること。 ●手に取りやすい陳列 顧客が商品を手に取りやすい位置に配置したり、触っても崩れないように安定した陳列にすること。 |
正解:イ ①とc、④とa
商品の陳列の原則と、各原則の説明として、正しい組合せは次のようになります。
①:探しやすい陳列 - c:顧客の立場から、どこに何があるかがすぐに分かるように工夫すること。
②:見やすい陳列 - b:商品が顧客の目につきやすいように、陳列の高さや陳列の量などを工夫すること。
③:選びやすい陳列 - d:顧客が一目で似たような商品を比較できるように、同じ用途の商品をまとめること。
④:手に取りやすい陳列 - a:顧客が商品を触っても、崩れないように安定して配置すること。
陳列の種類と方法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 展示陳列は、テーマを設定して小物などと商品を一緒に陳列することで、商品を演出する方法で、洋服のコーディネートの提案などに向いている。
イ ゴンドラ陳列で用いられる前進立体陳列とは、一番手前に商品を積み重ねて陳列し、陳列しきれなくなったら、後ろ側に補充用の商品として置く陳列方法である。
ウ 量感陳列は、商品の豊富さを顧客にアピールすることで購買意欲を高める効果があり、買回品の陳列によく用いられる。
エ エンド陳列とは、ゴンドラエンドで行う陳列で、マグネットポイントとして利用することで、副通路への誘導が可能である。
●陳列の種類![]() ●陳列方法 ![]() ![]() |
イ ○:
前進立体陳列とは、手前の方に商品が積み上がるように陳列する方法です。これによって、商品の豊富感を出す効果があります。よって記述は適切です。
陳列の範囲と方向に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 商品の販売量をABC分析した結果を反映し、ゴールデンゾーンにはC品目の商品を配置した。
イ 顧客があまり移動せずに商品を選べるように、横割り陳列を採用した。
ウ 顧客が商品を最も取りやすい高さの範囲を、ゴールデンゾーンと呼ぶ。
エ 顧客の目が届く範囲を、有効陳列範囲と呼ぶ。
●有効陳列範囲 顧客の手に届く範囲のことで、一般的には床から60センチメートルの高さから、210センチメートルの間と言われています。基本的に、商品はこの有効陳列範囲の中に陳列する必要があります。 ●ゴールデンゾーン 最も手に取りやすい範囲のことで、一般的には、男性の場合は床から80~140センチメートル、女性の場合は床から70~130センチメートル程度と言われています。これは、目の高さから、立ったまま手を下ろしたときの指先ぐらいの範囲です。 ゴールデンゾーンにある商品は、無理なく手に取ることができるため、売れ筋の商品や、重点商品を配置するのが基本です。 ![]() ●陳列方向 ・縦割り陳列は、同じ種類の商品を縦に並べる方法です。 ・横割り陳列は、同じ種類の商品を横に並べる方法です。 通常、顧客が買い物をするときは、横方向に売場を歩きます。そして、欲しい種類の商品があると立ち止まり、サイズや色などの細かいアイテムを探します。このとき、縦割り陳列であれば、顧客は立ち止まったまま縦にアイテムを探すことができるため便利です。一方、横割り陳列の場合は、アイテムを探すために横に歩く必要があり不便です。以上のことから、陳列の方向は、縦割り陳列にするのが原則です。 ゴールデンゾーンについてはその数値が「手に取りやすい範囲を示しているか、否か」の基準で正否を判断すると良いでしょう。 |
ウ ○:
ゴールデンゾーンとは、最も商品を手に取りやすい範囲です。具体的には、目の高さから、立ったまま手を下ろしたときの指先ぐらいの範囲を指します。よって記述は適切です。
エ ×:
有効陳列範囲とは、顧客の手に届く範囲の事です。一般的には床から60センチメートルの高さから、210センチメートルの間と言われています。よって記述は不適切です。
商品のフェイス配分に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア ある商品のフェイス数を増やすほど、その商品の販売数はフェイス数に比例して増加する。
イ フェイス数を増やすことによって、機会損失を少なくすることができる。
ウ フェイス数の決定は、各品目の売上高をABC分析して行うのが効果的である。
エ フェイシングをより効果的に実現するため、天気や気温、季節なども考慮することが重要である。
フェイスとは商品の顔という意味で、フェイス数は、顧客の目に触れる商品の数のことです。フェイシング管理では、陳列スペースを有効利用するために、フェイシング数を次のような観点で管理していきます。①基本的に、売れ筋商品のフェイス数を増やし、死に筋商品のフェイス数を減らす。②フェイス数が増えるほど、顧客の目に商品が触れる機会が増えるため、売上は増加する。但し、ある範囲を超えると限界効用逓減の法則により、微増もしくは横ばいになる。③同じ品目でも時期によって売れ行きが変わることがあるので、仮説と検証をくり返して、時期に合わせてフェイス数を見直していく。④重点商品やおすすめ商品については、フェイス数を増やして積極的に提案していく。 |
ア ×:
フェイス数が増えると、顧客の目に商品が触れる機会が増えます。このため、一般的には、ある範囲まではフェイス数と比例して売上も増加します。しかし、ある範囲を超えると限界効用逓減の法則により、微増もしくは横ばいとなります。よって記述は不適切です。
来店客の客単価を上げるためには、いくつかの要素がある。インストアマーチャンダイジングでは、これらの各要素を高めるための活動を実施するが、その内容に関する説明として、最も適切なものの組合せを下記の解答群から選べ。
<客単価を上げる構成要素の説明>
①:動線長の向上
②:買上個数の向上
③:商品単価の向上
④:買上率の向上
<構成要素を向上する具体策の説明>
a:店内食材を利用した、ミールソリューションの実施
b:調理実演、および試食提供の実施
c:マグネットポイントの利用による副通路への誘導の実施
d:セット販売による値引きの実施。
〔解答群〕
ア ①とc ②とd
イ ②とa ③とc
ウ ①とa ④とb
エ ④とc ③とa
客単価 = 動線長 X 立寄率 X 視認率 X 買上率 X 買上個数 X 商品単価 つまり、顧客に、歩いてもらい、売場に立ち寄ってもらい、商品を見てもらい、購買を決定してもらい、沢山の商品をまとめて買ってもらい、かつ高い単価の商品を買ってもらうことができれば、客単価は向上します。 それぞれの要素の内容と、各要素の値を上げる方法は次のようになります。![]() |
正解:ア ①とc、②とd
客単価の構成要素と、それらの値を高める方法の説明として、正しい組合せは次のようになります。
①:動線長の向上 -c:マグネットポイントの利用による副通路への誘導の実施
②:買上個数の向上 - d:セット販売による値引きの実施。
- (b:調理実演、および試食提供の実施)※
※買上個数の向上は、既に購入を決めた商品の購入数の増加となるので、dの方がより妥当な選択となりますが、bの可能性もあります。
③:商品単価の向上 - a:店内食材を利用した、ミールソリューションの実施※
※「ミールソリューション」とは、食事の解決策とも呼ばれ、食品の加工度をあげて家庭の料理に関する大変さを解消する販売方法です。具体的には、自店で取り扱う食材を調理してお惣菜として販売するような場合です。
④:買上率の向上 - b:調理実演、および試食提供の実施
- (d:セット販売による値引きの実施)※
※買上率の向上は、購入を迷っている商品の購買促進となるので、bの方がより妥当な選択となりますが、dも可能性としてはあります。
インストアマーチャンダイジングにおける、インストアプロモーション(以下、「ISP」という。)と、スペースマネジメントに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア スペースマネジメントとは、売り場生産性を高めるための手法である。
イ 価格弾力性の高い商品は、価格プロモーションを中心としたISPが有効である。
ウ プラノグラムでは、販売データに基づき店内の商品配置を決定する。
エ クロスマーチャンダイジングは、非価格主導型のISPに含まれる。
![]() |
イ ○:
価格弾力性の高い商品とは、価格が変わると需要が大きく変動する商品のことです。つまり価格を少し下げただけでも、販売量の増加が期待できます。こうした商品は価格主導型の活動、すなわち価格プロモーションを実施することで、効果的に販売量を増やすことができます。よって記述は適切です。
ウ ×:
プラノグラムとは棚割り計画のことで、棚の中の陳列位置やフェイス数を決める活動です。スペースマネジメントにおいて、店内の商品配置を決める活動は「スペースアロケーション」です。よって記述は不適切です。
エ ○:
クロスマーチャンダイジングとは、関連商品をまとめて陳列・演出することで関連購買を促進する活動です。例えば、肉を単品で売るのではなく、焼肉のたれと並べて、焼肉コーナーとして演出するといったものです。こうした活動では、顧客の購買行動に配慮して関連商品の陳列や演出を工夫し、価格を変えることなく売上の増加を目指します。このため、クロスマーチャンダイジングは非価格主導型の活動に該当します。よって記述は適切です。
カテゴリーマネジメントに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 清涼飲料水というカテゴリーを作り、複数あった配置場所を一箇所にまとめた。
イ 小売の視点で売れそうなカテゴリーを作り、そのカテゴリー単位で商品を管理する。
ウ 商品の品揃え・陳列・販売促進など、すべて小売業者が単独で決めて実施できる内容のため、比較的導入がしやすい。
エ カテゴリーを戦略的なビジネス単位として、商品構成などを管理する必要がある。
●カテゴリーマネジメントの概要 カテゴリーマネジメントは、顧客の視点でカテゴリーを構築し、そのカテゴリー単位で品揃え、仕入、陳列、販売促進、損益管理などをマネジメントする手法です。 これにより店舗内では、従来のメーカー単位や、品種単位中心の品揃えや陳列ではなく、顧客の視点にたって構築したカテゴリーを中心とした品揃えや陳列をすることになります。 ●カテゴリーマネジメントの実現 カテゴリーマネジメントの実現のためには、陳列や販売促進だけでなく、カテゴリー単位に経営管理を行う組織を編成する必要があります。そのため、カテゴリーは戦略的事業単位となります。また、仕入や商品管理をカテゴリー単位で行う必要があるため、小売業だけでなく、メーカーや卸が協力しながら取り組む必要があります。 カテゴリーマネジメントでは、あくまで顧客視点にたったカテゴリーを構築する点と、小売業だけでなくメーカーや卸と連携して取組む点、をしっかりと押さえておきましょう。 |
ア ×:
カテゴリーマネジメントでは、従来の品種単位やメーカー単位の陳列ではなく、顧客の視点に立ってカテゴリーを構築します。例えば「オーガニック」、「生活習慣予防」というように、品種にこだわらず広い視点に立ってカテゴリーを構築し、そのカテゴリーに属する関連商品を品揃え・陳列します。選択肢の記述は、複数あった飲料水の売り場を一箇所にまとめたに過ぎず、カテゴリーマネジメントとはいえません。よって記述は不適切です。
イ ×:
カテゴリーマネジメントは、小売の視点ではなく、「顧客の視点から見た」商品のカテゴリーを作り、そのカテゴリー単位で品揃え・陳列・販売促進などを行っていく手法です。よって記述は不適切です。
ウ ×:
カテゴリーマネジメントの実現のためには、小売業者だけでなく、メーカーや卸が参加して、しっかりとした計画を作成し、お互いの意図を共有した上で、SCM全体が連動することが必要です。決して小売単独で実現できるものではありません。よって記述は不適切です。
エ ○:
カテゴリーマネジメントの提唱者、ブライアン・ハリスは、「カテゴリーマネジメントとは、カテゴリーを戦略的ビジネス単位として管理していくことであり、消費者に価値を提供することに集中することによって、業績を改善していくこと」と定義しています。つまりカテゴリーマネジメントでは、顧客視点でカテゴリーを構築した上で、このカテゴリー単位で経営管理を行う組織を編成し、これを戦略的ビジネス単位として運営していきます。よって記述は適切です。
ある売場において、商品を400万円で仕入れ、5日間ですべての商品を販売することを計画している。この売場で4人の従業員が毎日それぞれ5時間ずつ労働し、売上高が800万円であった場合、この期間の人時生産性として、最も適切なものはどれか。
ア 4万円
イ 16万円
ウ 20万円
エ 80万円
ある小売店の平成24年度の営業実績は次の通りであった。下記の設問に答えよ。
売上高 2,000万
仕入れ高 900万
期首棚卸高(原価) 200万
期末棚卸高(原価) 300万
(設問1)この小売店の平成24年度の粗利益率を求めよ
ア 40.0% イ 45.0% ウ 50.0% エ 55.0% オ 60.0%
多くの小売業では、利益の目標をGMROI(商品投下資本粗利益率)で設定します。GMROIとは投下した商品に対する粗利益の割合で、次の式で求めます。![]() GMROIは、さらに次のように分解できます。 ![]() ![]() ここで、商品回転率(売価)は、売上高 ÷ 平均在庫高(売価)で計算される、売価基準の回転率です。また、売価値入率は、値入額 ÷ 売価を計算したものです。なお、商品投資資本回転率は、原価基準で計算したものですから注意しましょう。これを、②のGMROIの式に代入すると、次のようになります。 ![]() GMROI(商品投下資本粗利益率)は、いくつかの式がありますが、基本式の①と、平均在庫高(原価)の算出方法は、必ず覚えておきましょう。また、在庫に関しては原価基準ではなく、売価基準で与えられる場合もあるので注意しましょう。仮に売価基準で与えられた場合は、「在庫(原価) = 在庫(売価)×(1- 売価値入率)」で求めることができます。 |
(設問1)正解:オ 60.0%
①まず、ボックス図を利用して、「期首と期末の棚卸高」と「仕入れ高」を用いて売上原価を求めると、800万円となります。

②次に、利益を計算すると、1,200万円となります
・粗利(売上総利益)
= 売上高 - 原価 = 2000万円 - 800万円= 1,200万円
③最後に、粗利益率を計算すると、60.0%になります。
・粗利益率
= 粗利 ÷ 売上高 = 1,200万円÷ 2,000万円= 60%
ある小売店の平成24年度の営業実績は次の通りであった。下記の設問に答えよ。
売上高 2,000万
仕入れ高 900万
期首棚卸高(原価) 200万
期末棚卸高(原価) 300万
(設問2)この小売店の平成24年度のGMROIを求めよ
ア 380% イ 400% ウ 480% エ 500% オ 550%
多くの小売業では、利益の目標をGMROI(商品投下資本粗利益率)で設定します。GMROIとは投下した商品に対する粗利益の割合で、次の式で求めます。![]() ここで、平均在庫高(原価)は、「 { 期首商品在庫高(原価) + 期末商品在庫高(原価) }÷ 2 」で、計算される在庫の平均値です。 GMROIは、さらに次のように分解できます。 ![]() また、商品投下資本回転率は、さらに次のように分解できます。 ![]() ここで、商品回転率(売価)は、売上高 ÷ 平均在庫高(売価)で計算される、売価基準の回転率です。また、売価値入率は、値入額 ÷ 売価を計算したものです。なお、商品投資資本回転率は、原価基準で計算したものですから注意しましょう。これを、②のGMROIの式に代入すると、次のようになります。 ![]() GMROI(商品投下資本粗利益率)は、過去に多く出題されています。いくつかの式がありますが、基本式の①と、平均在庫高(原価)の算出方法は、必ず覚えておきましょう。また、在庫に関しては原価基準ではなく、売価基準で与えられる場合もあるので注意しましょう。仮に売価基準で与えられた場合は、「在庫(原価) = 在庫(売価)×(1- 売価値入率)」で求めることができます。 |
(設問2)正解:ウ 480%
①まず、「期首と期末の棚卸高」より、平均在庫高(原価)を計算すると、250万円となります。
・平均在庫高(原価)
={ 期首商品在庫高(原価) + 期末商品在庫高(原価) }÷ 2
= ( 200万円 + 300万円) ÷ 2 = 250万円
②次に、(設問1)の回答の導出過程で求めた「粗利益」と、先ほど求めた「平均在庫高(原価)」を、GMROIの公式に当てはめて計算すると、480%となります。
・GMROI = 粗利益 ÷ 平均在庫高(原価)=1,200万円 ÷ 250万円 = 480%
ある小売店の売上高粗利益率が30%、商品回転率(売価)が6回、商品回転率(原価)が4回である場合の交差比率の値として、最も適切なものはどれか。
ア 120%イ 180%ウ 300%エ 500%
●交差比率 交差比率は、GMROIの代わりの指標として用いられるもので、GMROIの分母の平均在庫高を売価にしたものになります。交差比率の式は、![]() ![]() ●商品回転率 商品回転率は、売価基準と原価基準の2つの計算方法があり、それぞれ次の式で求めます。なお、分子と分母の基準が、それぞれ売価と原価で揃っていることに注意しましょう。 ![]() なお、「交差主義比率」という表現がされる可能性がありますが、同じものです。 |
正解:イ 180%
交差比率は次の式で求められます。
・交差比率
=粗利益÷平均在庫高(売価)
=売上高粗利益率 × 商品回転率(売価)
売上高粗利益率は30%、商品回転率(売価)は6回なので、これを用いて計算します。
・交差比率 = 30% × 6回= 180%
よって正解はイとなります。設問には、商品回転率(売価)と商品回転率(原価)の値が与えられていますが、商品回転率(売価)を用いて計算する点に注意しましょう。
ある小売店の商品予算計画に関する算出数値として、最も不適切なものはどれか。
ア 1年間の粗利益が2,400万円、年間平均在庫高(原価)が800万円であった場合、GMROIは300%である。
イ 2,000円で仕入れた商品を、売価値入率20%で販売した場合、販売価格は2,500円である。
ウ 1年間の売上が1,800万円、期首と期末の棚卸高(売価)がそれぞれ、200万円、400万円であった場合、商品回転率(売価)は6回転である。
エ 当月予算高が300万円、年間売上高予算が3,600万円、年間予定商品回転数が4回転である場合、基準在庫法による月初適正在庫高は、800万円である。
オ 年間売上高予算が2,400万円、期首と期末の在庫高予算(売価)がそれぞれ、300万円、500万円であった場合、仕入高予算(売価)は、2,600万円である。
●在庫高予算 売上高予算を決定した後に、在庫高予算を編成しますが、月初の適正在庫高を決定する方法として、基準在庫法と百分率変異法の2つがあります。それぞれ、次の式で求めます。①基準在庫法(商品回転率が6回以下の商品向き) ![]() ![]() ●値入高予算 商品の仕入価格を基に、どれだけ上乗せして販売価格にするかを決定します。上乗せする割合は、「値入率」で決定します。なお、値入率には、売価基準と原価基準の2種類があるので注意しましょう。 ●仕入予算高 仕入高予算は、売上高予算と在庫高予算から、次の式で計算します。仕入高予算(売価)= 売上高予算 + 期末在庫高予算(売価)- 期首在庫高予算(売価) |
ア ○:
GMROIを以下の公式で計算すると、300%となります。よって記述は適切です。
・GMROI = 粗利益 ÷ 平均在庫高(原価)= 2,400万円 ÷ 800万円 = 300%
イ ○:
次の公式で、売価を計算すると2,500円となります。よって記述は適切です。
・売価 = 原価 ÷ (1-売価値入率)= 2,000円 ÷ (1-0.2) = 2,500円
ウ ○:
次の公式で、商品回転率(売価)を計算すると6回転となります。よって記述は適切です。
・平均在庫(売価)=(期首商品在庫高(売価) + 期末商品在庫高(売価))÷ 2
= (200万円 + 400万円) ÷ 2 = 300万円
・商品回転率(売価)= 売上 ÷ 平均在庫(売価) = 1,800万円 ÷ 300万円
= 6回転
エ ×:
基準在庫法の公式を用いて、月初適正在庫高を計算すると、900万円となります。よって記述は不適切です。

オ ○:
仕入高予算の公式を用いて、仕入高予算(売価)を計算すると、2,600万円となります。よって記述は適切です。
・仕入高予算(売価)
= 売上高予算 + 期末在庫高予算(売価)- 期首在庫高予算(売価)
= 2,400万円 + 500万円 - 300万円 = 2,600万円
3つの店舗からなる小売店がある。A店舗(粗利益率:10% / 売上高構成比:50%)、B店舗(粗利益率:15% / 売上高構成比:30%)、C店舗(粗利益率:20% / 売上高構成比:20%)の時、この小売店における相乗積に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 小売店全体の粗利益率は、15%である。
イ ある店舗の相乗積は、小売店全体の粗利益高に占める当該店舗の粗利益高の割合を示す。
ウ B店舗の相乗積は4.5%である。
エ 小売店全体の中で最も利益を生み出しているのはC店舗である。
複数の部門や店舗を有する小売業では、各部門が小売店全体の収益にどの程度貢献しているかを把握する必要があります。この各部門の収益貢献度を示す指標として相乗積があります。相乗積について押さえておきたいポイントは、次のようになります。 ・相乗積 = 各部門の粗利益率 × 各部門の売上高構成比 ・各部門の相乗積の和は、小売店全体の粗利益率と等しくなる ・各店舗の相乗積は、小売店全体の売上高に対する、当該店舗の粗利益高の割合を示す |
ア ×:
小売店全体の粗利益率は、各店舗の相乗積の総和になります。各店舗の相乗積を求めその総和を求めると13.5%となります。よって記述は不適切です。
・A店舗の相乗積 = 5% (10% × 50%)
・B店舗の相乗積 = 4.5%(15% × 30%)
・C店舗の相乗積 = 4% (20% × 20%)
イ ×:
各店舗の相乗積は、小売店全体の売上高に対する、当該店舗の粗利益高の割合を示す指標です。よって記述は不適切です。
ウ ○:
B店舗の相乗積は、4.5% となります。よって記述は適切です。
エ ×:
小売店全体の売上に対する、各店舗の粗利益高(相乗積)を比較すると、A店舗が最も利益を生み出しています。よって記述は不適切です。
