運営管理 生産管理と生産方式 工場計画と開発設計 生産計画と生産統制

財務会計よりも運営管理の方が定着度が低いことに気づきました。それだけ伸びしろがあるということで今後に期待しておきます。

生産管理に関する次の文中の、空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

 生産管理とは、財・( A )の生産に関する管理活動のことで、管理対象は( B )・調達・生産の3つから構成される。所定の品質・原価・数量および納期で生産するため、人・物・金・( C )を駆使して、需要予測・生産計画・生産実施・( D )を行う手続およびその活動である。

ア A:商品 B:販売 C:知識 D:在庫統制

イ A:サービス B:設計 C:設備 D:生産統制

ウ A:商品 B:販売 C:情報 D:在庫統制

エ A:サービス B:設計 C:情報 D:生産統制

日本工業規格(JIS)では生産管理を次のように定義しています。

財・サービスの生産に関する管理活動。

 備考1. 所定の品質・原価・数量および納期で生産するため、またはQ(Quality)・C(Cost)・D(Delivery)に関する最適化を図るため、人、物、金、情報を駆使して、需要予測、生産計画、生産実施、生産統制を行う手続およびその活動。

 備考2. 狭義には、生産工程における生産統制を意味し、工程管理ともいう。

もう少し簡単に表現すると、生産管理とは、生産の構成要素である「設計・調達・作業」活動を、QCDの観点から最適化を図る管理活動と言うことができます。

 「設計・調達・作業」活動の管理目標となるQCDの水準は、全てが高いことが理想的ですが、実際には、この3つの要素はトレードオフの関係にあります。例えば、高品質を追求すると、コストが上昇したり、納期が遅くなる可能性があります。

 よってQCDの管理は、顧客満足が最大となる最適なバランスを目標値として定め、その目標値を達成するためにPDSサイクルを回すことが重要となります。

 生産に関する様々な活動の目的や課題は、この生産管理の定義の中に集約されています。この定義の内容とキーワードの意味をしっかりと理解すれば、他の問題にも対応し易くなります。

A:サービス

 商品には、販売を目的とする財およびサービスの両方が含まれます。「財」は既に記載されていますから、この選択肢には「サービス」を入れるのが適切です。

B:設計

 販売は生産活動ではないため、選択肢としては不適切です。

C:情報

 企業の経営資源は、人・もの・金・情報で定義されます。最近は、これらに次いで「ブランド」が加えられる場合もあります。選択肢の「設備」と「知識」は、それぞれ「モノ」と「情報」に含まれますから、選択肢としては不適切となります。

D:生産統制

 在庫の統制や管理は、生産統制の一部です。よって生産統制の方が選択肢としては、より適切となります。

生産における管理目標(P,Q,C,D,S,M,E)の記号と、実際の活動例の組合わせとして最も適切なものはどれか?

ア P-購買部門では、材料を安く購入するため複数のサプライヤーから見積もりを入手する。

イ D-生産管理部門では、納期を守るため資材の在庫状況や作業の進捗状況を定期的に確認する。

ウ C-品質部門では、出荷前に製品に異常がないか検査を行う。

エ S-設計部門では、前モデルに対して消費電力が50%少なくなるように新製品を開発した。

PQCDSMEとは、それぞれの管理項目の英単語の頭文字を並べたもので、次のような内容となります。

ア ×:

 安価で材料を購入する活動は、原価に関するものですからCostに該当します。この他、作業改善によって加工時間を短縮して加工コストを下げる活動もCost活動の一つです。Pは生産性に関する活動ですから、記述は不適切です。

イ ○:

 資材や製品の運搬・停滞・保管などの状況を管理する現品管理や、作業の進捗管理は、納期を守るための活動ですからDeliveryに該当します。この他、作業負荷と生産能力のバランス調整をとる余力管理もDelivery活動の一つです。よって記述は適切です。

ウ ×:

 品質をチェックする出荷検査は、品質を維持するための活動ですからQualityに該当します。この他、生産設備や検査測定器に異常がないか定期的にチェックする活動もQuality活動の一つです。Cはコストに関する活動ですから、記述は不適切です。

エ ×:

 消費電力が少なくなるような活動は、環境に配慮した活動ですからEnvironmentに該当します。この他、工場からでる産業廃棄物の量を抑制したり、管理する活動もEnvironment活動の一つです。Sは安全性に関する活動ですから、記述は不適切です。

生産を効率化し、生産性を高めるためには、幾つかの原則がある。これらの原則の説明として、最も不適切なものはどれか。


ア ネジの締め付け工程を、手作業から電動ドライバを用いる方法に変更することで作業時間を短縮した。この内容は、ECRSの原則のRを適用したことになる。

イ 電話応対に関するルールを決めて、全社員がこれを徹底することにした。この内容は5Sの原則の躾を適用したことになる。

ウ 作業者によって、品質や作業時間に大きなばらつきが生じないように、作業手順を書類にした。この内容は3Sの原則の標準化を適用したことになる。

エ 工場の部品棚に保管していた部品の中で、古くて使う予定がないものを廃棄した。この内容は5Sの原則の整頓を適用したことになる。

オ 同じ顧客へ送る荷物を一つに纏めることで、送料を下げることが出来た。この内容は、ECRSの原則のCを適用したことになる。

生産の効率化の原則として「3S」「5S」「ECRS」の3種類があります。内容はそれぞれ次のようになります。

3S

 3Sは、標準化、単純化、専門化の頭文字を取ったもので、企業活動や生産活動を効率的に行うための考え方です

5S

 5Sは、生産現場の管理の原則として有名です。5Sは、整理、整頓、清掃、清潔、躾(しつけ)を表します。日本語の頭文字を取って5Sになっています。

ECRS

 ECRSの原則は、改善の原則とも呼ばれます。尚、ECRSは、E→C→R→Sの順番で検討するのがポイントです。

ア ○:

 ネジを締める作業を別の方法(手作業→電動ドライバ)に置き換えています。ECRSの原則では置き換え(Replace)に該当します。よって記述は適切です。尚、固定方法をネジから接着に変更して時間を短縮したのであれば、単純化(Simplify)となります。

オ ○:

 複数の荷物を一つに纏めることで、送料を削減(改善)しているので、ECRSの原則ではC(Combine)に該当します。よって記述は適切です。

自主管理活動に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 組織において、トップダウンの命令系統を重視した活動である。

イ QCサークルは自発的に集まった仲間でグループを構成して、会社の品質に関する問題の解決にあたる活動である。

ウ 活動を行う目的の一つとして、従業員の自発性を高めることがある。

エ ZD運動は現場で問題が発生した際に、異常が一目でわかるような工夫をする活動である。

小集団活動には、QCサークルやZD運動があります。

●QCサークル

 QCはQuality Controlの略で、QCサークルとは業務や製品の品質を向上させるための小集団活動のことです。この活動では、現場で働く人々が小集団(サークル)を作り、各種のQC手法を用いて継続的に品質問題の解決に取組んでいきます。

●ZD運動

 Zero Defectsの略で、業務や製品の欠陥を無くすための小集団活動です。ZD運動では、製品の欠陥や仕事上のミスなどの問題を解決するために、小集団で改善に取組んでいきます。

 ある活動が自主管理活動に該当するか問われた場合は、トップからの命令でなく従業員の自主性が重視されているかを考えることがポイントとなります。

イ ×:

 QCの小集団は、同じ職場や同じ業務をするグループで構成するのが一般的です。また活動の対象は品質向上に関するものになります。よって記述は不適切です。

エ ×:

 選択肢の内容は「目で見る管理」に関する記述です。ZD運動は業務や製品の欠陥を無くすための小集団活動のことです。よって記述は不適切です。

見込生産に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア ドラッグストアで販売される市販薬は、この生産方式を用いるものが多い。

イ 店頭に商品在庫がなくても、顧客は注文すれば短期間で入手できる可能性が高い。

ウ 納期を守るため、注文に応じた材料や人員の割り当てが重要である。

エ 需要予測に対して販売数が少ないと、過剰在庫を抱えるリスクがある。

ア ○:

 不特定多数の消費者や企業に対し幅広く販売する製品は、見込生産を行うのが一般的です。例えば、書籍・日用雑貨・家電品・携帯電話など、日頃店頭で目にしているものの多くが該当します。この観点で考えると、市販薬も一般消費者を対象として見込で生産しますから、記述は適切です。

イ ○:

 見込生産では需要予測に基づきあらかじめ製品を作っておき、在庫を販売します。このため店頭に製品がない場合でも、メーカーもしくは卸業者や代理店などで在庫を持っている可能性が高く、顧客が注文すれば比較的短期間で製品を入手できます。よって記述は適切です。

製品の生産は、その種類と量によって、適した生産形態やレイアウトが選択される。次の組み合わせで、最も不適切なものはどれか。


ア 連続生産 - 少種多量生産 - 製品別レイアウト

イ ロット生産 - 見込生産 - グループ別レイアウト

ウ 個別生産 - 多種少量生産 - 機能別レイアウト

エ 連続生産 - 受注生産 - 製品別レイアウト

オ ロット生産 - 中種中量生産 - グループ別レイアウト

イ ○:

 ロット生産は、受注生産と見込生産の何れにも用いられます。また、グループ別レイアウトとの関連も強いので、記述は適切です。

ウ ○:

 個別生産は、多種少量生産との関連が強く、機能別(工程別)レイアウトが多く採用されるので、記述は適切です。

オ ○:

 ロット生産は、「中種中量生産」と最も強い関係があります。また、グループ別レイアウトとの関連も強いので、記述は適切です。

生産効率やライン稼働率を向上するために重要である、段取りの記述として、最も不適切なものはどれか。


ア ロット生産において、まとめ生産の量が減少すると、段取り頻度は減る傾向にある。

イ 設備の稼働率を高めるために、内段取りを外段取りに変更した。

ウ 生産効率を上げるため、生産計画を立てる際に、同一工程で生産する別の製品を続けて生産することを検討した。

エ 段取り時間を短縮して10分未満にすることを、シングル段取りと呼ぶ。

●段取りの種類と生産効率(高→低)

 ゼロ段取り>シングル段取り> 外段取り >内段取り

 ・ゼロ段取り:3分以内で限りなくゼロを目指す段取り作業

 ・シングル段取り:10分未満で行う段取り作業

 ・内段取り:生産ライン内で、設備を止めて行う段取り作業

 ・外段取り:生産ラインの外で、設備を止めずに行う段取り作業

●仕事の流し方による段取り頻度(高→低)

 個別生産 > ロット生産 > 連続生産

 ・個別生産 :頻度「多」、原則注文ごと

 ・ロット生産:頻度「中」、ロットサイズによる

 ・連続生産 :頻度「少」、品種を切換える際に発生

ア ×:

 段取り作業は、生産する品種を切り替える際の準備作業のことです。ロット生産では、品種を切換える度に段取り作業が発生します。このため、生産量が減少すると段取りの頻度は増えることになりますから、記述は不適切です。

エ ○:

 段取り時間を10分未満にすることを、シングル段取りと呼ぶので記述は適切です。10分未満だと分数が一桁、つまりシングルになることから、こう呼ばれています。

機械加工設備をロットサイズと製品種類で分類した記載について、空欄①~③にあてはまる設備の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

機械加工設備製品種類ロットサイズ
多種少量生産小さい
中種中量生産中程度
少種多量生産大きい

ア ①:汎用工作機械  ②:FMS  ③:トランスファーマシン

イ ①:汎用工作機械  ②:トランスファーマシン  ③:FMS

ウ ①:FMS ②:汎用工作機械  ③:トランスファーマシン

エ ①:FMS ②:トランスファーマシン  ③:汎用工作機械

●汎用工作機械

 主に金属の不要な部分を削り取って所要の形状に作り上げる機械が工作機械です。汎用工作機械は、作業者がハンドルを回すことなどによって操作する機械で、中小企業に多い多種少量生産(多品種少量生産)に適しています。

●FMS(Flexible Manufacturing System)

 FMSは生産設備の全体をコンピュータで統括的に制御・管理することによって、類似製品の混合生産、生産内容の変更などが可能なシステムです。様々な製品種類への対応が可能ですが、加工対象の類似性が求められることから汎用工作機械ほどの柔軟性はありません。従って、中種中量生産(中品種中量生産)に適しています。

●トランスファーマシン

 単一部品を連続加工するための機械設備で、専用工作機械を加工順に配置し、ベルトコンベア等の自動搬送装置で工作機械間を連結した設備です。連続生産、少種多量生産(少品種多量生産)に適しています。

ア 〇:

 ①は多種少量生産です。最も柔軟性が高い工作機械は汎用工作機械となります。従って、適切な記述です。②は中種中量生産です。加工対象の類似性があるロット生産であるためFMSが適切です。③は少種多量生産です。連続生産、少品種多量生産に適しているのはトランスファーマシンです。従って、適切な記述です。

ライン生産方式に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア モデルチェンジによって製品1個あたりの作業時間の総和が増えた。サイクルタイム数を変えたくない場合、作業工程の数を増やすしかない。

イ ライン生産のメリットとして、多能工化が促進され、作業者のモチベーションが上がることが挙げられる。

ウ 混合ライン方式では、生産する品種を切換える度に段取りが発生する。

エ ライン生産では、作業者が複数の作業工程に対応できるようにしておくことが望ましい。

ア ×:

 設問のケースやサイクル数を減らしたい場合は、まず最初に各作業工程の作業負荷を均一にすることを検討します。すでに、均一化が十分図られているのであれば、次いで作業工程の数を増やす検討をします。選択肢の記述は、作業工程の数に限定しているので、記述は不適切です。

イ ×:

 ライン生産方式では、各作業者は特定の作業工程を担当するため、作業が単調になる傾向があります。この結果、モチベーションが低下するなど労務管理上の問題が生じやすくなります。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 混合ライン方式とは、作業手順や加工方法がほぼ同じ複数の品種を一緒に生産する方式です。例えば、オレンジジュースとグレープジュースを一緒にライン上に流すようなイメージです。時間によって生産するものを切り替える、ライン切り替え方式とは異なり、基本的に段取り替えは発生しません。よって記述は不適切です。

エ ○:

 ライン生産方式では、各作業者は特定の作業工程を受け持ちます。しかし、生産量の変動や、作業者が病気で休むなどの場合にも柔軟に対応できるように、他の工程もできるようにしておくことが、望ましいと言えます。よって記述は適切です。

次の表に示されるラインがある。このラインの記述に関して、最も適切なものはどれか。

ア このラインのライン編成効率は、80%である。

イ 作業工程Bの手前では手待ちが発生し、作業工程Eの手前では仕掛品の数が最も多くなる。

ウ 全ての工程の作業負荷を均一にしたところ、生産性が25%向上した。

エ 作業工程を一つ追加して、ラインバランスを見直すことで、サイクルタイム数を最大で4分まで短縮できる。

ライン編成効率(ラインバランス効率)

 工程間の作業時間のバランスの程度を示す値で、次の式で求めます。

 図の例では、作業時間の合計が12分、サイクルタイムが5分、作業工程数が3つなのでライン編成効率は、12÷15 で80%となります。

 尚、最も効率的なラインは、ライン編成効率が100%になります。

●バランスロス率

 工程間で発生するムダの程度を示す値で、次の式で求めます。

 バランスロス率=100%-ライン編成効率

 図の例では、バランスロス率は100-80 で20%となります。

●バランスロスの影響

 バランスロスは「手待ち」や「仕掛品」のムダが発生します。ある工程と1つ手前の工程の作業時間を比べた時に、手前の工程の作業時間が長い場合は「手待ち」が発生し、逆に短い場合は「仕掛品」が発生します。また、工程間の時間差が最も大きい箇所でそのムダも最大となります。

 図の例では、作業Bの手前で「仕掛品」が発生し、作業Cの手前では「手待ち」が発生します。

ア ×:

 前述の式で、このラインの編成効率を求めると75%( 30分÷(8分×5) )となります。よって記述は不適切となります。

ウ ○:

 各工程の作業負荷が全て均一の時に、最も生産性が高くなります。これは、言い換えれば全くムダがなく、バランスロス率が0%の状態です。このラインの現状のバランスロス率は25%ですから、作業負荷が均一になればこのロス分は生産性が向上します。よって記述は適切です。

エ ×:

 現状の全作業の合計時間は30分です。作業工程を1つ追加して6つにした場合でも、サイクルタイムは最大で5分までしか短縮できません。よって記述は不適切です。

生産方式に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア ライン生産方式からセル生産方式に変更するため、類似の加工物をグループ化し、機械の配置を見直した。

イ 工程間の仕掛品をなくすため、1人生産方式からU字生産方式に切替えた。

ウ セル生産方式は、ライン方式と比べ作業者の育成に時間がかかる。

エ ラインバランシングを向上するため、ライン生産方式からU字生産方式に切替えた。

ア ○:

 ライン生産方式では、少種多量生産(少品種多量生産)することを重視して、設備を配置し専用ラインを設けます。一方、セル生産方式では多種少量生産(多品種少量生産)に対応するため、形状・寸法・素材・工程などの類似しているものをグループ化して、それに適した機械と工程を配置してセルを構成します。よって記述は適切です。

イ ×:

 仕掛品の発生がないのは1人生産方式です。1人生産方式は全工程を1人で担当するため、生産中は仕掛品が発生しません。一方、U字生産方式は少人数ですが、複数人で作業を分担するため仕掛品が発生します。よって記述は不適切です。

ウ ○:

 ライン生産方式と比べ、セル生産方式では1人の作業者が受け持つ工程が増えます。このため、作業者の育成に時間がかかるというデメリットがあります。よって記述は適切です。

エ ○:

 ライン生産方式では、各作業者がそれぞれ特定の工程のみを担当するのに対し、セル生産方式では1人で複数の工程を担当するため、工程間の待ち時間の発生が少なく、バランスロス率を下げることができます。よって記述は適切です。

工場内の設備レイアウトに関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 製品別レイアウトを採用するため、複数あるNC旋盤、研磨機、塗装機をそれぞれ機械毎にまとめて配置した。

イ 製品別レイアウトは、製品の加工の「流れ」を重視したレイアウトで、ジョブショップ型と呼ばれることもある。

ウ 固定式レイアウトでは、製品の移動がほとんどなく、作業員や工具が製品の周りを移動する。

エ 機能別レイアウトでは、機能の類似した製品をグループ化して共通のラインで生産する。

ア ×:

 類似した機能の設備をまとめて配置するのは、機能別レイアウトです。製品別レイアウトは、加工順序に沿って設備を配置します。よって記述は不適切です。

イ ×:

 製品別レイアウトは、製品の加工の「流れ」を重視したレイアウトを配置することから、「フローショップ型」と呼ばれます。ジョブショップと呼ばれるのは、類似の設備すなわち加工(仕事)をまとめて配置する機能別レイアウト方式です。よって記述は不適切です。

エ ×:

 機能別レイアウトでは、類似した製品ではなく、類似した設備をまとめて配置します。類似した製品をグループ化するのは、グループ別レイアウトとなります。よって記述は不適切です。



工場内の設備レイアウトの特徴に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア 固定式レイアウトの生産効率を高めるためには、設備レイアウトを見直すより、作業者や工具の移動のムダを減らすことが重要である。

イ グループ別レイアウトでは、製品の生産工程が変わっても設備レイアウトを見直す必要がなく、加工経路を変えるだけで対応ができる。

ウ 機能別レイアウトでは、作業員はまとまった機能単位に仕事をするため生産に熟練しやすい。

エ グループ別レイアウトの生産効率は、製品別レイアウトより下がる傾向にある

ア ○:

 固定式レイアウトは、製品を固定するレイアウトで作業員や工具が製品の回りを移動します。このため固定された設備はほとんどありません。生産効率を高めるためには、作業員や工具の移動ロスを減らすことが重要となります。よって記述は適切です。

イ ×:

 グループ別レイアウトは、類似した製品をグループ化して生産できるように設備レイアウトされています。製品の生産工程が変わった場合は設備レイアウトを見直す必要があります。一方、機能別レイアウトは、類似した設備をまとめて配置してあるので、加工経路を見直すことで対応ができます。よって記述は不適切です。

ウ ○:

 機能別レイアウトは、類似した設備をまとめて配置します。各作業者は特定の設備を担当しますが、設備が同じでも、生産する製品が異なれば加工方法や操作方法も変わります。この結果、担当する設備の熟練度が向上していきます。よって記述は適切です。

エ ○:

 製品別レイアウトは、生産する製品に合わせて専用のラインをつくるため、生産性は極めて高くなります。一方、グループ別ラインは、類似性のある製品をグループ別にまとめることで効率的な生産を目指しますが、製品別レイアウトと比べると生産性は劣ります。よって記述は適切です。

工場の設備を実際にレイアウトする場合に用いられるSLPに関する分析として、最も不適切なものはどれか。

ア 物の流れ分析

イ 回帰分析

ウ アクティビティ相互関連分析

エ P-Q分析

SLP(Systematic Layout Planning)とは、工場の実際の設備レイアウトの設計を、システマティックに行う手法の一つです。
①P-Q 分析 どのような製品(Product)をどれだけ生産するのか(Quantity)を分析します。
②物の流れ分析 どのような流れで製品を加工・移動するかを分析します。
③アクティビティ相互関連分析 各アクティビティ間の近接性の重要度を分析します。
④アクティビティ相互関連ダイアグラムの作成 物の流れ分析と、アクティビティ相互関連分析の、双方の情報をもとに、最適なアクティビティの配置を検討して図を作成します。
⑤スペース相互関連ダイアグラムの作成 各アクティビティに必要な面積の情報を、アクティビティ相互関連ダイアグラムに組込みます。

 回帰分析は、統計解析手法のひとつであり、需要予測に用いられるものです。

工場の設備を実際にレイアウトする場合、SLPという手法が用いられる。SLPの記述として、最も不適切なものはどれか。


ア SLPは、Systematic Layout Planningの略で、工場内のスペースを合理的に計画できる。

イ SLPでは、設備や機械、材料、倉庫などの構成要素のことを、アクティビティと呼ぶ。

ウ SLPでは、最初に物の流れ分析を行い、どのような流れで製品を加工、移動するかを分析する。

エ SLPでは、最終的なレイアウト案を、スペース相互関連ダイアグラムをもとに作成する。

ア ○:

 SLPは(Systematic Layout Planning)の略です。この手法はどのような場合でも、同じ手順で工場内のスペースを合理的にレイアウトできます。よって記述は適切です。

イ ○:

 SLPでは、工場内の設備や機械、材料、倉庫などの構成要素のことを、アクティビティと呼びます。よって記述は適切です。

ウ ×:

 SLPで最初に行うのは、P-Q分析です。P-Q分析で、どのような製品(Product)をどれだけ生産するのか(Quantity)分析してから、流れ分析を行います。よって記述は不適切です。

エ ○:

 SLPでは、最後に各アクティビティに必要な面積の情報を、アクティビティ相互関連ダイアグラムに組込み、スペース相互関係ダイアグラムを作成します。これを基に、実際のレイアウト案を幾つか作成します。よって記述は適切です。

SLPを用いて設備レイアウトを検討する際に、実施する分析や、作成する図の記述として、最も不適切なものはどれか。


ア P-Q分析では、グラフの縦軸に生産量Qをとり、横軸に製品品種Pをとって、生産量が多いものから少ないものに、左から順番に並べる。

イ アクティビティ相互関連ダイアグラムには、加工経路の情報に加え、アクティビティの配置に必要な面積の情報も含まれる。

ウ アクティビティ相互関連分析をすることで、アクティビティ間の近接性の重要度を一覧で確認することができる。

エ アクティビティ相互関連ダイアグラムを作成する際は、線が重ならないようにアクティビティの位置関係を検討する

①P-Q 分析 P-Q分析では、グラフの縦軸に生産量Qをとり、横軸に製品品種Pをとって、生産量が多いものから少ないものに左から順番に並べます。この結果、グラフの左側の方は生産量が多い製品群、グラフの真ん中あたりは生産量が中ぐらいの製品群、右側の方には生産量が少ない製品群が並びます。このように、製品と生産量を把握することで、各製品別に採用するレイアウトの種類を決定することができます。
②物の流れ分析 加工の順番や物の流れを効率的にするために、どのような流れで製品を加工、移動するかを分析します。物の流れ分析では、工程分析やフロムツーチャート(From to Chart)などの分析手法を用います。
③アクティビティ相互関連分析 アクティビティ間の関連性を分析し、各アクティビティをどれぐらい近づけるかを検討します。アクティビティを全てリストアップし、各アクティビティ間の近接性の重要度を(A:絶対重要 / B:重要 / C:普通 / D:低 などに)ランク分けして、一覧で確認できるようします。
④アクティビティ相互関連ダイアグラム 物の流れ分析における最適な加工経路の情報と、アクティビティ相互関連分析における近接性の重要度の、2つの情報を基に各アクティビティの最適な配置を検討します。 アクティビティ相互関連ダイアグラムでは、アクティビティ間の近接性の重要度を、線の太さや線の本数で表しますが、この線の重なりは、物の動きが重なることを意味します。このため、アクティビティの配置は、近接性の重要度に配慮しつつ、できるだけ線が重ならないように検討します。
⑤スペース相互関連ダイアグラム アクティビティ相互関連ダイアグラムに、各アクティビティに必要な面積の情報を組み込みます。これを基に工場のレイアウト案を複数作成し、最終的に1つのレイアウトを決定します。 SLPの中身は過去に何度か出題されている分野です。アクティビティ相互関連分析 / アクティビティ相互関連ダイアグラム / スペース相互関連ダイアグラムは、特に混乱し易いと思われます。ダイアグラム:図 / スペース:面積というように、名称に含まれるキーワードと、中身を関連付けて理解するのがポイントです。

ア ○:

 P-Q分析では、選択肢の記述にあるグラフを作り、どのような製品をどれだけ生産するかを分析します。よって記述は適切です。

イ ×:

 アクティビティ相互関連ダイアグラムに含まれるのは、アクティビティ間の配置関係と、近接性の重要度を線の太さや本数で表した情報です。これに、面積の情報を含めたものは、スペース相互関連ダイアグラムになります。よって記述は不適切です。

ウ ○:

 アクティビティ相互関連分析では、アクティビティを全てリストアップし、各アクティビティ間の近接性の重要度をランク分けして、一覧で確認できるようします。よって記述は適切です。

エ ○:

 アクティビティ相互関連ダイアグラムでは、アクティビティ間の近接性の重要度を、線の太さや線の本数で表します。この線が重なり合うと、物の動きが重なってしまうため、できるだけ線が重ならないように各アクティビティの配置を検討します。よって記述は適切です。


製品設計に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア デザインレビューの実施は、製品の開発スピードをあげるために、できるだけ少ない方がよい。

イ リバースエンジニアリングとは、製品開発期間を短縮するために、設計・生産などの製品開発作業を、同時並行的に行う手法である。

ウ 工程設計では、製品性能をあげるために、試作品の評価結果をもとに、製品の構造や使用部品の見直しを行うこともある。

エ 生産設計では、生産コストをおさえるために、部品の数を削減したり、組立のしやすい構造を検討する。

製品開発の活動目的は、『顧客のニーズを満たす製品を、最適なQCDのバランスで迅速に開発し、製造できるようにする』ことです。そのために、次のような流れで製品開発を進めていきます。実際は開発する製品によって、製品設計から試作の間の工程を何回か繰返したり、デザインレビューを複数回実施するなど、多少の違いはありますが、基本的な進め方はほぼ同じです。 また、昨今の顧客ニーズの多様化や、市場競争の激化に対応するためには、製品開発のスピードアップが重要となります。これに対応した開発手法として、コンカレント・エンジニアリングがあります。
開発の進め方①製品企画 顧客のニーズに合った製品を企画。②製品設計 製品企画を基に、製品の構造を決定し、製品の図面や部品リストを作成 製品設計には、次のような2つがあります。 ・機能設計:期待する性能を発揮するのに必要な機能と構造を決定。 ・生産設計:生産をし易いように、部品の数の削減や、組立しやすい構造を決定。工程設計 製品設計を基に、製品を目標とする品質、生産量、納期で生産するための工程や作業方法、レイアウト、生産設備などを決定。④試作品の作成 試作品を作成し、目標として設定した機能、性能、品質、コスト、納期などを実現できるかを評価。⑤デザインレビュー 関連部門を集めて、デザインレビューを実施。繰返し審査と検討をくり返すことで製品のQCD が作りこまれる。なお、デザインレビューは節目管理として、一連の開発工程の重要なポイント毎に実施するのがよい。例えば、製品企画が終了した時点で、どのような観点で調査や検討を行い企画決定に至ったか、妥当性をレビューする。⑥生産準備 当初の目標を達成できると判断されれば、生産準備を行い、生産を開始して市場へ投入。
コンカレント・エンジニアリング 設計、生産などの製品開発作業を、同時並行的に行う方法。製品開発の期間を短縮し、市場にタイムリーに新製品を投入することを可能にする。製品開発は過去に多く出題されている分野です。開発に含まれる業務内容及び、製品設計における機能設計/生産設計の違いを、しっかりと理解しましょう。

ア ×:

 各開発活動の妥当性について、デザインレビューによる審査を繰り返すことで、製品のQCDが作りこまれていきます。このため、時間が許す限り、各開発工程で、デザインレビューを実施することが望まれます。よって記述は不適切です。

イ ×:

 リバースエンジニアリングとは、製品の動作を観察したり、機械を分解することで、製品の構造・動作原理・ソフトの中身・製造方法などを、明らかにすることです。選択肢の記述は、コンカレントエンジニアリングに関する説明です。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 工程設計では、製品を目標とする品質、生産量、納期で生産するための工程や作業方法、レイアウト、生産設備などを決定します。選択肢の記述は、製品設計に関する説明です。よって、記述は不適切です。製品設計は1回だけとは限らず、試作の評価結果をもとに適時見直しを行います。

VEの「価値」に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア VEでは、製品の「機能」と「コスト」を基に、「価値(Value)」を定義する。また、その価値は、「価値 = 機能 ÷ コスト」 という式で表される。

イ 製品の機能を維持したまま、コストを下げることで、コスト的な価値を向上する方法がある。

ウ 機能を下げるが、それ以上にコストを下げて、価格に対する機能の相対的な価値を向上する方法がある。

エ コストを上げるが、それ以上に機能を上げて、価格に対する機能の相対的な価値を向上する方法がある。

VE はValue Engineering の略で、価値を高めるための体系的な活動です。価値を高めることで顧客満足度が高い製品を低コストで開発することを目的としています。
VEにおける価値の定義 VEでは、製品の「機能」と「コスト」を基に、「価値(Value)」を定義し、価値を次の式で表します。  
価値向上の方法 VE では、価値を高めるには、次の4 つのパターンがあります。 ①コストダウンによる価値の向上:コストを下げ、機能は維持。 ②機能の向上による価値の向上:コストを維持し、機能を向上。 ③コストを上げ、それ以上に機能を向上:コストの増加分よりも、機能が向上。 ④コストを下げ、機能を向上:コストダウンと機能向上が両立。最も効果の高い。 なお、VE では機能を下げるというパターンはありません。
 VEにおける、価値の式はしっかりと暗記しておきましょう。価値を高めるパターンについては、機能を下げるパターンがないことを覚えておくのがポイントです。

ア ○:

 VEでは価値を、「価値 = 機能 ÷ コスト」という式で表します。この価値を高めるために様々な活動を行い、顧客満足度が高い製品を低コストで開発することを狙いとしています。よって記述は適切です。

イ ○:

 VEにおける価値を高める一つのパターンとして、コストを下げ、機能を維持する方法があります。つまり、従来と同じ製品を安く作ることで価値を高めます。よって記述は適切です。

ウ ×:

 VEでは機能を下げるパターンは存在しません。機能を下げた場合には、別の製品になるという考え方をします。よって記述は不適切です。

エ ○:

 VEにおける価値を高める一つのパターンとして、コストを上げ、それ以上に機能を向上させる方法があります。なお、この場合はコストの増加分よりも、機能が向上していることを顧客に納得してもらうことが必要となります。よって記述は適切です。

VEの「機能」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 使用機能とは、製品の本来の価値を果たす機能のことである。

イ 携帯電話のカラ―バリエーションは、二次機能に該当する。

ウ 使用機能はさらに、基本機能・二次機能・貴重機能に分けることができる。

エ 携帯電話の基本機能を上げるために、新製品は従来品より軽くした。

VEの機能の分類や、活動の手順は次のようになります。
●機能の分類 機能とは製品が果たす働きのことで、次のように分類されます。●VEの手順 VEの手順は、機能定義、機能評価、代替案の作成、提案と実施という流れとなります。

①機能定義 機能定義は「VE対象の情報収集」、「機能の定義」、「機能の整理」の詳細ステップから構成されます。「VE対象の情報収集」では、対象の製品についてのあらゆる情報を収集します。「機能の定義」では、この情報から、顧客の要求事項を明確にして、それを基に機能を定義します。「機能の整理」では、定義された機能について相互関係を「目的-手段」の論理で機能系統図を作成して整理します。
②機能評価
 次の手順は、機能評価です。機能評価の詳細ステップは「機能別コスト分析」「機能の評価」「対象分野の選定」により構成されます。「機能別コスト分析」によって定義した個々の機能を達成するために「現在のコスト」を把握し、果たすべき機能に対するコストの妥当性を判断します。「機能の評価」では、その機能がいくらであるべきかという「機能評価値」を特定します。「対象分野の選定」では、VE活動が効果的に行われるために、「機能評価値」と「現在のコスト」の差の大きなものを特定し、優先順位付けを行います。
③代替案の作成
 代替案の作成です。代替案の作成の詳細ステップは「アイデア発想」「概略評価」「具体化」「詳細評価」から構成されます。「アイデア発想」では、機能の価値を向上させるアイデアを洗い出し、その中から具体的な改善案を作成していきます。改善案の作成では、最初に自由に価値を向上させるアイデアを出します。ここでは、価値の低い機能に対して、「他に同じ働きをするものはないか」と問いかけることにより、沢山のアイデアを出すことがポイントです。アイデア出しの手法としてはブレーンストーミングがあり、次の4つのルールのもとに行います。 ・批判は行わない。 ・自由奔放なアイデアを歓迎。 ・質より量。 ・他人のアイデアを結合し発展させる。
 アイデアを出す手法には色々なものがあります。代表的な手法にブレーンストーミング法があります。ブレーンストーミング法では、数人が集まって、自由にアイデアを出し合います。このとき、良い悪いといった判断や評価をせずに、自由にアイデアを量産するのがポイントです。 アイデアを出したら、「概略評価」により使えるアイデアを選択し「具体化」でアイデアを総合化し、不具合や欠点を排除する対策を講じます。「詳細評価」において、代替案を更に経済性と技術性の両面から詳細に検討を加え、使用者に好まれる最も優れた案を選択します。

ア ○:

 機能は、製品が果たす働きのことで、使用機能と、貴重機能の2つに分けることができます。このうち使用機能とは、製品の本来の価値を果たす機能のことです。よって記述は適切です。

イ ×:

 色や価値などの、顧客の欲求を喚起するための機能は、貴重機能となります。よって記述は不適切です。二次機能とは、基本機能を果たすために二次的に付加される機能のことです。携帯電話であれば、紛失防止用のストラップの穴などが該当します。

ウ ×:

 使用機能は、製品の本来の価値を果たす機能のことで、基本機能と二次機能に分けられます。貴重機能は、顧客の欲求を喚起するためのもので、なくても製品本来の価値は果たします。このため、貴重機能は使用機能の中には含まれません。よって記述は不適切です。

エ ×:

 基本機能は、これを取り除くと製品の存在意義が無くなるような基本的な機能の事です。携帯電話であれば、文字や数値を入力する、文字や数値を表示する、音声を入力する、音声を出力する、電力を蓄える、電流を流す、などになります。軽量になることは携帯する上では便利になりますが、電話の基本機能ではなく補助的な機能である二次機能を上げることになります。よって記述は不適切です。

生産計画に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 生産計画の役割として、納期や生産量の保証、製品品質の保証、設備稼働率の維持などがある。

イ 負荷計画では、生産能力と手持ち材料を比較し、過不足がある場合に調整を図る。

ウ 生産計画を業務で分類すると、手順計画、工程設計、負荷計画、日程計画に分類できる。

エ 手順計画では、設計情報を基に、加工手順、使用設備、標準作業時間などを検討する。

●業務別の分類と手順

 生産計画の業務は、次の3つに分類できます。また計画は①→②→③の順番で進めていきます。

①手順計画(工程設計)

 製品の作り方を決めます。具体的には、加工手順・必要設備・工具・標準工数(標準作業時間)などを検討し、製品の効率的な生産方法を決定します。

②工数計画(負荷計画)

 必要な人員数と設備使用時間を算定します。具体的には、製品の納期や数量を決定した後に、生産に必要な工数を計算し、生産能力と比較します。工数が生産能力を超える場合は、超過分の工数を残業でカバーしたり、別の期間に振り分るなどの調整を行います。

③日程計画

 各作業の開始と完了日を計画します。

●期間別の分類

 生産計画の期間は、次の3つに分類できます。

①大日程計画

 ・期間:年単位の長期計画。

 ・内容:設備や人員、リードタイムの長い部品や材料の調達など、調達に時間がかかるリソースの必要量を計画。

②中日程計画

 ・対象期間:月次の計画。

 ・内容:生産する製品、時期、数量をほぼ確定します。部品や材料の入手時期を決定し、設備・人材・工具の手配などを計画。

③小日程計画

 ・対象期間:週や日単位の計画。

 ・内容:確定した納期や生産量に対して、具体的な作業の手順や時期などを細かく決め、人や機械に対して作業の割り当てを計画。

 手順計画、工数計画には、それぞれ別の呼び名があります。どちらの名称で問われても回答できるように、両方の名称をセットで覚えておきましょう。

イ ×:

 負荷計画(工数計画)において生産能力と比較し調整するのは、生産に必要な工数です。手持ち材料ではありません。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 手順計画を別名で工程設計と呼びます。このため、業務の分類は手順計画(工程設計)、負荷計画、日程計画の3種類となります。よって記述は不適切です。

エ ○:

 手順計画では、設計情報を基に、加工手順、使用設備、標準作業時間などを検討し、製品の効率的な生産方法を決定します。よって記述は適切です。

スケジューリングに関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア フォワードスケジューリングとは、作業の開始時点から、順番に予定を組んでいく方法である。

イ ジョブショップスケジューリングは、同じ専用ラインを使用して複数の製品を大量生産するのに適した方法である。

ウ バックワードスケジューリングは、予め決められた納期を守るために、作業開始日を決める方法である。

エ プロジェクトスケジューリングでは、必要な作業を全て抽出し、それぞれの作業の開始日と完了日が分かるようにする。

●スケジューリングの分類

 スケジューリングは、次の2つに分類できます。

①フォワードスケジューリング

 作業が開始できる日を基準に、開始時点から、工程順序に沿って予定を組む方法。

 つまり、納期は後から決まる。

②バックワードスケジューリング

 製品の納期を基準に、完了時点から、工程順序に沿って予定を組む方法。

 つまり、納期が先に決まっていて、納期を守るための作業開始日を決める。

●スケジューリングの手法

 スケジューリングの手法は沢山ありますが、ここでは代表的なものを3つ紹介します。

①プロジェクトスケジューリング

 概要:複数の作業からなるプロジェクトの全体日程を管理するために、個々の作業について、各作業の順番や、所用期間・開始日程・終了日程を決定するスケジューリングのこと。

 適用:個別生産形態で多く用いられる。

②ジョブショップスケジューリング

 概要:複数の作業を、幾つかの機械を用いて行う場合に、全体の作業時間が最短になるように、作業や機械の順番を最適化するスケジューリングのこと。

 適用:多種少量生産形態で、機能別レイアウトの場合に多く用いられる。

③フローショップスケジューリング

 概要:複数の作業を、同一の機械やラインを用いて行う場合に、機械を使用する時期を最適に割当てるスケジューリングのこと。

 適用:少種多量生産形態で、製品別レイアウトの場合に多く用いられる。

 バックワードスケジューリングは、「納期が決まっていて、後ろから計画」と覚え、フォワードスケジューリングはその逆、とセットで覚えておきましょう。

 フォワードスケジューリングとは、いつから作業を開始できるかを決定し、そこから工程順序に沿って予定を組んでいく方法です。よって、記述は適切です。

イ ×:

 ジョブショップスケジューリングとは、複数の作業を、幾つかの機械で処理する場合に、作業や機械の順番を最適化するのに適した方法です。この方法は、機能別レイアウトを用いて多種少量生産する場合に多く用いられます。選択肢の記述は、フローショップスケジューリングに関する内容です。よって記述は不適切です。

来月から開始するプロジェクトのスケジューリングをPERTで行ったところ、次のようになった。丸は、各作業の開始と終了を示すノードで、矢印を各作業にかかる日数とした場合、最も適切な記述はどれか。

ア ノード7の最早着手日は、16日である。

イ クリティカルパスは、作業B→F→G→Jの経路である。

ウ ノード6の最遅着手日は、20日である。

エ ノード3の最早着手日は4日、最遅着手日6日である。

ここが重要 本問は代表的なネットワーク手法であるPERTについて問われています。 プロジェクトスケジュ―リングの手法の代表的なものとして、ガントチャートとネットワーク手法があります。内容は次のようになります。
ガントチャート 横軸に時間、縦軸にプロジェクトを構成する作業を記載し、各作業のスケジュールを線で表します。各作業のスケジュールが一目で分かりやすいというメリットがあります。一方で大規模なプロジェクトを最適化するのが難しく、作業間の前後関係が分かりにくいというデメリットがあります。

ネットワーク手法 ネットワーク手法は、先ほどのガントチャートでは不得手な、作業間の関連や順序を決定する方法です。代表的なネットワーク手法に、PERT(Program Evaluation and Review Technique)があります。PERTでは、プロジェクトを最短で完了するための、作業スケジュールを決定することができます。 PERTでは、以下の例のような作業の流れを表す「アローダイアグラム」と呼ばれる図を書きます。この図の中では、作業のことをアクティビティと呼び線で表します。また、作業の開始と終了の時点は、丸で表します。これをノードや結合点と呼びます。丸が作業ではなく、線が作業ですので注意してください。PERTでは、次のような流れで、プロジェクトを最短で完了するための、作業スケジュールを決定します。
最早着手日
 最初に、プロジェクトの開始時点から順に、最も早く作業を開始できる日程を記入していきます。この日程のことを最早着手日と呼びます。 ・一番左側のノード1の最早着手日は0日となります。 ・ノード2、3、4のように先行作業が一つの場合は、それぞれの先行作業にかかる日数が、そのまま最早着手日となります。図の例では、それぞれ、ノード2が(作業Aと同じ)8日、ノード3が5日、ノード4が6日となります。 ・ノード5のように、複数の先行作業がある場合は、全ての先行作業の合計が最早着手日となります。但し、複数の経路がある場合は、最も合計時間が長いものが、最早着手日となります。図の例の、ノード5の場合は、3つの経路があります。この中で、合計時間が最も長いものは、作業B→Eの経路で15日となります。同様に、ノード7では24日となります。
最遅着手日 次に、各作業をいつまでに着手したら良いかを決定していきます。この日程のことを、最遅着手日と呼びます。最遅着手日は、最後の方から求めていきます。・図の例では、ノード7の最遅着手日は、最早着手日と同じ24日とおきます。ノード6は、作業Iの時間(10)を引いて14日です。同様に、ノード5では17日となります。このようにして、全てのノードの最遅着手日を求めることができます。 ・最遅着手日は、ここまでに開始すればプロジェクト全体の完了時間に影響が無いタイミングを表します。例えば、ノード2を見ると、最早着手日は8日ですが、最遅着手日は11日で、3日の余裕があります。一方、ノード4では、最早着手日と最遅着手日が同じ6日で余裕がありません。少しでも作業の開始が遅れれば、全体のスケジュールに影響を与えます。
クリティカルパス さきほど説明したノード4のように、作業の遅れが許されない経路のことを「クリティカルパス」と呼びます。図の例では、作業C、G、Iを通る経路がクリティカルパスです。プロジェクトのスケジュール管理では、クリティカルパス上の作業を重点的に管理すると共に、クリティカルパス上の作業を改善して短縮することで、プロジェクト全体の納期を短縮するように努めます。
 PERTで、ノードの前に複数の経路がある場合は、作業の数ではなく、作業の合計時間が最も長い経路により最早着手日が決ります。間違えやすいので注意しましょう。


設問のPERTの各ノードの最早着手日と最遅早着手日を求めると次のようになります。


ア ×:

 ノード7までの、先行作業の経路で合計時間が最も長くなる経路は、赤で示した作業A→D→Hです。この作業時間の合計が最早着手日となるので、26日となります。よって記述は不適切です。

イ ×:

 クリティカルパスは、最早着手日と最遅早着手日が同じになる遅れが許されない経路です。赤で示した作業A→D→Hが該当します。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 ノード6は、ノード7の最遅着手日から作業Jの3日を引いた23日となります。よって記述は不適切です。

エ ○:

 ノード3の、最早着手日は作業Bと同じ4日となります。一方、最遅着手日は、クリティカルパス上にあるノード4から、作業Eの8日を引いた、6日となります。よって記述は適切です。


下表に示される作業A~Hで構成されるプロジェクトについて、PERTを用いて日程管理をすることに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

作業作業日数先行作業
A20なし
B25A
C15A
D30A
E20B
F25C
G20B,C,D
H10E,F,G

ア ①には最遅開始日程として50が入る。

イ ②には最遅開始日程として45が入る。

ウ ③に入るクリティカルパスは、A,D,G,Hである。

エ ダミー矢線はプロジェクトの工程ごとに日数が設定される。

●ダミー矢線 PERTでは、アローダイアグラムを用いて各作業の先行関係を表します。結合点には複数のアローが入ってくることがありますが、次の作業工程に進むには必ず結合点に入ってくる工程が全て終了していなければなりません。他の工程の間に並行して行うことができる工程はダミー矢線を点線で表します。ダミー矢線の工程は他の作業工程の間に行われるため、作業時間はカウントする必要がなく、ゼロになります。

ア 〇:

 結合点②における最遅開始日程は、結合点⑤の最遅開始日程の70から工程eの日数を差し引いて求めます。70-20=50日となり、記述は適切です。

イ 〇:

 結合点③の最遅開始日程は、結合点⑤の最遅開始日数の70から工程fの日数を差し引いて求めます。70-25=45日となり、記述は適切です。

ウ 〇:

 クリティカルパスは最早開始日程と最遅開始日程が等しい結合点をつなぐ工程となります。②、③は最早開始日程と最遅開始日程が異なっています。従って、0→A→①→D→④→G→⑤→H→⑥となりますので、工程はA,D,G,Hとなり、記述は適切です。

エ ×:

 ダミー矢線は、他の工程が行われている最中に実施できる工程です。作業時間はカウントする必要がなく、日数はゼロとして扱います。従って、記述は不適切です。

工程1(穴あけ)、工程2(塗装)の2つが連結された生産ラインで、4種類の製品A, B, C, Dを生産している。工程は、必ず1→2の順番で行われ、各工程は一度に一つの製品しか処理できないものとする。製品の生産順序を最適化して、全ての製品の作業を最短で終了させる場合、何時間になるか。最も適切なものを選べ。

ア 50

イ 32

ウ 28

エ 37

ジョブショップスケジューリングは、幾つかの機械を用いて作業を行う場合に、全体の作業時間が最短になるように、作業や機械の順番を最適化します。 ジョブショップスケジューリングの手法の代表的なものとして、ディスパッチング法と順序づけ法があります。内容は次のようになります。
ディスパッチング法 あらかじめ順序を決めずに、その都度ルールに基づいて作業を割り当てる方法です。
順序づけ法 全体の作業期間が最も短くなるように、作業の順序を決定する方法で、代表的なものに2工程から構成される作業を順序づけする、ジョンソン法があります。 下の図の例を用いて、ジョンソン法について詳しく説明します。 ・今、3つの書類と宛名をパソコンで作成し、印刷した上で郵送する作業を計画しています。 ・この作業の工程には、「パソコンによる文書作成の工程X」と「プリンタで印刷をする工程Y」の2つがあります。 ・作業は、作業1~3の文書作成と、宛名の4つがあります。 ・工程には順序があり、パソコン(工程X)で書類を作成してからでないと、プリンタ(工程Y)で印刷できません。 ・一方、作業の間には順序がなく、どの書類から作成しても構いません。
 ジョンソン法を使えば、このような前提の場合に、最も短い期間で全ての作業が終了するスケジュールを作成することができます。手順は次の通りとなります。【ジョンソン法の手順】① 作業時間が最短の作業を選ぶ。② それが前の工程であれば、その作業を先頭に配置する。それが後の工程であれば、その作業を最後に配置する。既に作業が配置されている場合は、その作業の次に配置する。③その作業を対象から外し、手順1に戻り、残りの作業についてくり返す。 この手順に沿って作業の順番を決めると、115分で全ての作業が完了します。これが、最も短い作業時間となります。
 ジョンソン法を用いる問題は、過去に何度か出題されています。設問の条件が問題ごとに多少違うので、しっかり確認してから回答しましょう。

正解:ウ 28

設問の製品の生産順序を、先ほど解説した手順に沿って考えてみましょう。
1-① まず、手順1を行います。全ての作業から最短のものを選ぶと、「製品C_工程2」となります。

1-② 次に、手順2を行います。「製品C_工程2」は後の工程ですから、この作業は最後に配置します。

1-③ 手順3では、「製品C」を対象から外して、手順1に戻ります。

2-① 次の手順1では、残りの作業から作業時間が最短のものを選ぶと、「製品B_工程1」となります。

2-② 手順2では、「製品B_工程1」は前の工程ですので、先頭におきます。

2-③ 手順3では、「製品B」を対象から外して、手順1に戻ります。

3-① 次の手順1では、残りの作業から作業時間が最短のものを選ぶと、「製品A_工程2」となります。

3-② 手順2では、「製品A_工程2」は後の工程ですので、この作業は、先ほどの「製品C_工程2」の手前である、最後から2番目の位置に配置します。

3-③ 手順3では、「製品A」を対象から外します。

そうすると残りは、「製品D」だけになるため、これで手順は終了です。残りの「製品D」は、先頭の「製品B」と、最後から2番目の「製品A」の間になります。

この結果、作業の順序は、前から「製品B」「製品D」「製品A」「製品C」の順になります。

これを、ガントチャートに配置すると、下の図のようなスケジュールとなります。合計の作業時間を計算すると以下のようになります。

 作業時間 = 3(製品B_工程1) + 8(製品D_工程1) + 10(製品A_工程1)
+ 5(製品A_工程2) + 2(製品C_工程2)
= 28

上記より、作業時間は28分となります。

需要予測に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア 加重移動平均法による予測で、重みをすべて同じにした場合、予測値は単純移動平均法と同一となる。

イ 単純移動平均法による予想で、ノイズを出来るだけ除去する場合には、用いるデータ数を減らせばよい。

ウ 指数平滑法による予想で、直近の実績の影響を強く反映したい場合は、平滑化指数を大きくすればよい。

エ 加重平均法による予測で、過去のデータの影響を少なくしたい場合は、重みを減らせばよい。

ここが重要 本問では需要予測の各手法の予測値が持つ性質が問われています。 見込生産では、廃棄ロスや機会損失を最小にするために、生産計画を立てる前に、需要予測をすることが重要です。このため見込生産形態の企業は、さまざまな方法を使って需要予測の精度を高める努力をしています。 代表的な需要予測の方法として、移動平均法と指数平滑法があります。
 ここで、(4月売上:100万円、5月売上:80万円、6月売上:120万円)の時の7月売上の予測を行うケースについて、それぞれの方法を説明します。
単純移動平均法(移動平均法の1つ) 過去数ヶ月間の実績の平均値を取ることで需要を予測します。そのため、一時的な売上の増減はノイズとして削減されます。また、平均を取る期間が長ければ長いほど、精度は高くなります。・7月予測値 =(100+80+120)÷ 3 = 100万円
加重平均法(移動平均法の1つ) 過去のデータに異なる重みをつけて加重平均値を取ります。重みを付けることで、先ほどの単純移動平均法と比べて、直近の月の売上をより重視できます。例えば、4月の重みを2、5月を3、6月を5とした場合は、次のようになります。
指数平滑法 直近の実績の値を重視する手法で、次の式で需要の予測値を求めます。 来期予測値 = 今期予測値 + 平滑化指数 X (今期実績値 - 今期予測値) ここで、平滑化指数は、0と1の間の数値を取ります。平滑化指数が大きいほど、予測は直近の実績値に大きく左右されることになります。逆に、平滑化指数が小さいほど、予測は直近の実績値に左右されにくくなります。 例えば、今月の売上の予測は100万円、今月の売上の実績は80万円で、平滑化指数を0.5としたとき、来期の売上の予測値は次のようになります。・来期予測値 = 100+ 0.5 X (80 - 100) = 90万円
 需要予測は過去に多く出題されている分野です。各需要予測の特徴の理解と合わせて、需要予測の計算も、しっかりとできるようにしておきましょう。


ア ○:

 加重移動平均法は、「予測値 = Σ(売上X重み)÷ Σ重み」の式を用います。重みを全て同一にした場合は、「予測値 =Σ(売上)÷ Σ)となるので、移動平均法の結果と同一になります。よって記述は適切です。

ウ ○:

 指数平滑化法は、「来期予測値 = 今期予測値 + 平滑化指数 X (今期実績値 - 今期予測値)」の式を用います。ここで、平滑化指数を大きくすると、直近の実績の影響度も合わせて大きくなります。よって記述は適切です。

エ ○:

 加重平均法では、各データに、それぞれの重みを乗じた値が、予測値に与える影響となります。このため影響を強くしたいデータの重みは増やし、逆に影響を弱くしたいデータの重みは減らします。よって記述は適切です。

生産統制に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 生産統制は、大きくわけて進捗管理、現品管理、余力管理、販売管理の4つから構成される。

イ 余力管理では、製品原価や作業者の負荷状況を管理し、むだな費用の発生を防止する。

ウ 進捗管理では、入荷した資材の管理や、日程計画に対する仕事の進捗状況を管理する。

エ 現品管理では、部品や仕掛品の運搬や保管状況を管理し、部品の過不足を未然に防止する。

生産統制では、生産計画と実績に差異が発生しないように生産を統制し、納期を守ったり、適切な稼働率を維持するように活動します。生産統制は大きく分けて、進捗管理、現品管理、余力管理の3つから構成されます。それぞれ活動内容は次のとおりです。
進捗管理(日程の管理 / 日程計画) 日程計画に対して、仕事の進捗状況を把握し、日々の仕事の進み具合を調整する活動です。
現品管理(物の管理 / 材料・部品計画) 部品や仕掛品などの運搬や保管の状況を管理する活動です。どこに何が何個あるかを把握することで、部品の過不足による問題の発生を未然に防止します。
余力管理(工数の管理 / 工数計画) 工程や作業者の、現在の負荷状況と能力を把握し、余力や不足がある場合は、作業の再配分を行う活動です。余力が大きすぎると無駄が発生し、コストが増加します。逆に、余力が不足すると、納期遅延が発生します。このため、過剰な余力や不足分を適切に配分する必要があります。
 生産統制は過去に多く出題されている分野です。しかし比較的やさしい問題が多く、生産統制を構成している3つの活動の管理内容さえ把握していれば対応できる問題がほとんどです。得点源として、上記の3つの活動の管理内容はしっかりと覚えましょう。

ア ×:

 生産統制は、進捗管理、現品管理、余力管理の3つから構成されます。販売管理は生産統制には含まれません。よって記述は不適切です。

イ ×:

 余力管理は、作業者の負荷状況と余力を常に把握し、設備や人員などを適切に配分することで、コストの増大や納期の遅延を防止するための活動です。製品原価の把握は含みません。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 進捗管理は、日程計画に対する仕事の進捗状況を把握、調整する活動です。入荷した資材の管理は、現品管理の活動の一部です。よって記述は不適切です。

エ ○:

 現品管理は、部品や仕掛品などの運搬や保管の状況を管理することで、部品の過不足等による問題を防止する活動です。よって記述は適切です。

生産の管理方式に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 追番管理方式は、生産計画に対する実績の差異を容易に把握できるというメリットがある。

イ オーダーエントリー方式では、すでに生産工程に製品があるため、顧客の個別の要求に対応するのは難しい。

ウ 製番管理方式で生産された製品において、使用した部品の一部に欠陥が見つかった場合、その部品を作った時期を特定するのは難しい。

エ 生産座席予約システムでは、短納期の顧客要求に対しても、いつでも柔軟に生産の対応ができる。

製番管理方式 ・概要:製品ごとに製番という固有の製造番号を発行し、製品を構成する全ての部品に対して同じ製番を付けて管理する方式。 ・適用:受注生産形態で多く用いられる。 ・メリット:製番を中心にすべてを管理するので、手配状況や進捗が把握しやすい。 ・デメリット:他の製品にも使う共通品目がある場合、共通番号に振り直したりする必要があり、管理が複雑になる。
追番管理方式 ・概要:1番から順番に連続した番号をつける方式。(この番号を追番と呼ぶ) ・適用:繰返し生産をする製品に多く用いられる。 ・メリット:追番は最後の番号が、累計生産台数と同じになるので、この追番を用いて、計画と実績の差異の管理や、累積生産量の管理が容易にできる。
オーダーエントリー方式 ・概要:生産工程にある製品に対して、顧客のオーダーを引き当て、その顧客の要求に合わせ、製品仕様を変更し、オプションの仕様を決定する生産方式。 ・適用:自動車や、パソコンのメーカー直販など。 ・メリット:量産しながら、個々の顧客のニーズに対応可能。

ア ○:

 追番管理方式は、連続した番号を付けていく生産方式です。最後の番号が生産台数と同じになるので、生産量が簡単に分かります。このため、計画に対する実績も容易に把握できます。よって記述は適切です。

イ ×:

 オーダーエントリー方式は、量産しながらも顧客の個別のニーズに対応できる管理方式で、自動車の生産に用いられています。個々の顧客の要求に合わせ、生産工程にある製品の製品仕様を変更したり、オプションの仕様を決定できます。よって記述は不適切です。

トヨタ生産方式に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア かんばんの枚数及びそこに指示される量は、生産量と同時に工程間の仕掛品の数も指示することになる。

イ かんばんは、作業の指示をする生産指示かんばんと、運搬を表す運搬かんばんの2種類がある。

ウ プルシステムを導入して、効率的な生産を行うためには、最終組み立てラインの生産量の平準化が重要となる。

エ JITは、必要なものを、必要な時に、必要な数だけ生産する方式で、これを実現するため、後工程引取り方式を採用している。

トヨタ生産方式は、無駄をできるだけ排除して、必要な数だけ生産する方式で、ジャストインタイムと、自働化という思想に基づいています。トヨタ生産方式の重要キーワードとしては次の内容があります。

●ジャストインタイム(JIT)

 必要なものを、必要な時に、必要な数だけ生産する方式です。ジャストインタイムは、後工程引取方式やプルシステムとも呼ばれ、後工程が使った分だけ前工程から引き取ることで余分な仕掛品を減らし、生産リードタイムを短縮することができます。ただし、最終組立工程の生産量が一定でないと、効率的に生産ができなくなるため、生産量の平準化が重要です。

●自働化

 自働化は、不良品を作らないための仕組みで、異常が発生したときに、機械を自動的に停止します。この時、どこで異常が発生したか一目で分かるように、「あんどん」というランプを点灯します。

※注:自働化の「働」の字は、ニンベンがついています。

●かんばん方式

 後工程引取方式を実現するための情報伝達手段として、「生産指示かんばん」と「引取りかんばん」と呼ばれる2種類のかんばんを使います。生産指示かんばんは、作業の指示を表し、引取りかんばんは、運搬を表します。

 このかんばんによって、後工程から前工程に生産指示が出され、後工程が生産した分だけ、前工程で生産するため、無駄を極力排除することができます。

 かんばんは、JITを支える重要な役割を担っています。かんばんの種類や、かんばんがどのように移動することにより、後工程引取方式が実現されているか、しっかりと理解しましょう。

ア ○:

 かんばんは、生産量と在庫量をコントロールする道具です。かんばんは、全ての生産工程(最初の工程から最終工程まで)の中を、循環しながら用いられます。このため、その枚数とそこに指示される量の総和は、ライン上の生産量と仕掛品の量を意味します。よって記述は適切です。

イ ×:

 かんばんの種類は、作業を指示する「生産指示かんばん」と、運搬を表す「引取りかんばん」の2種類です。よって記述は不適切です。

ウ ○:

 プルシステムとは、後工程引取り方式の別名です。後工程が使った量だけ前工程から引き取りますから、仮に最終組み立てラインの生産量のバラツキが大きいと、前工程は全てその影響を受けます。このため、全ての生産工程を効率的に稼働するためには、最終組み立てラインの平準化が不可欠です。よって記述は適切です。

エ ○:

 JITでは、後工程引取方式を採用しています。かんばんを情報伝達手段として、後工程から、必要なものを、必要な時に、必要な数だけ、生産するよう前工程に指示します。よって記述は適切です。

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