運営管理 資材・在庫管理 IE(Industrial Engineering)生産のオペレーション

スマート問題集:3-4 資材・在庫管理が前回よりも点数倍増(6→12)して素直に嬉しいです。

2次試験受験者の方々の感想は参考になります。実力者の皆様が苦戦した様子は読んでいてゾッとしました。教訓として、①合格数選別の為に満点に出来ないレベルの問題が来年も出題されそう。②その中で食らいついてきている部分点の差で合否が決まりそう。

最後まで諦めずに取り組みます。

資材管理に含まれる活動の記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 在庫を適正量に維持し、キャッシュフローの改善に貢献する。

イ 外注の工場を定期的に監査し、期待する品質が保てるか確認する。

ウ 製造装置の燃料を定期的に確認し、必要に応じて補充する。

エ サプライヤーを定期的に訪問し、材料の値下げ交渉を行う。

資材を適正に調達して管理する活動を資材管理と呼びます。この活動は、生産計画に沿って製品を生産するために極めて重要です。また、資材管理を適切に行うことで、材料費の引下げや、在庫削減によるキャッシュフローの改善もできます。資材管理は6つの活動から構成されており、概要は次のようになります。
資材計画 生産計画を基に、必要な資材の品目や数量、時期などを決定する活動。
在庫管理 各種の資材を適切な在庫水準に維持するための活動。在庫管理では発注のタイミングや量が重要になる。
購買管理 外部から資材を調達するための活動。この時、適正な品質とコストの資材を、必要な時期に必要な量だけ調達することが重要になる。
外注管理 外注することで外部の企業を効果的に活用するための活動。外注により外部企業の技術や生産力を活用できる。
倉庫管理 資材や製品の保管や入出庫を、効率的に行うための活動。
運搬管理 工場内や工場間での資材の運搬や、それに必要な機器を管理する活動。

ウ ×:

 製造装置への燃料の補充は、生産活動の一部であり、資材管理の活動には含まれません。工場内の製造装置が使う燃料の所要量計算に基づき、燃料を調達して保管したり、必要な場所まで運搬するところまでが、資材管理の範囲です。よって記述は不適切です。

資材の標準化に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 資材標準化とは、扱う資材と購入先を制限し、資材の種類を削減することである。

イ 標準資材の設定は、主に品質面と価格面の2つに配慮すればよい。

ウ 資材標準化は、多様なニーズに迅速に対応するためにも進めた方がよい。

エ 資材標準化を進めることで、品質の向上も期待できる。

資材の標準化に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 資材標準化とは、扱う資材と購入先を制限し、資材の種類を削減することである。

イ 標準資材の設定は、主に品質面と価格面の2つに配慮すればよい。

ウ 資材標準化は、多様なニーズに迅速に対応するためにも進めた方がよい。

エ 資材標準化を進めることで、品質の向上も期待できる。

資材標準化の流れ 
①現状資材の使用状況調査: 品目別に過去の使用実績を調査 
②標準資材の検討: 使用実績を基に品目をグループ化し、共通化できるものを検討する。更に、品質や価格、調達の容易性などを検討した上で、標準資材を確定 
③資材規格の決定: 資材の品質などの基準を規格化 
④管理・運用方法を決定: 標準化した資材の管理・運用方法を決定
資材標準化のメリット 
・まとめ購入が出来るので、コストを削減できる。 
・資材を共通化できるので、在庫削減ができる。 
・標準資材を常備品として在庫しておけるので、納期を短縮できる。 
・管理する資材を減らすことで、品質を向上できる
 ・管理する資材を減らすことで、手配や運搬、保管などの管理負荷を削減できる
資材標準化のデメリット 
・使う資材の制約により、市場の変化や技術革新といった環境変化に対応しにくい。 
・使う資材の制約により、設計の制約が増え、設計工数が増える。 
・使う資材の制約により、設計時の自由で革新的な発想が阻害される可能性がある。
 資材標準化には、さまざまなメリットがあります。一方で、それにこだわりすぎるとデメリットも生じます。メリットとデメリットは項目だけでなく、その理由も合わせて理解しましょう。

ア ×:

 資材標準化は、使用する資材の制限と種類の削減です。購入先の制限までは含みません。標準として設定した資材について、QCDの観点から最も適切な購入先を探索し、選定します。よって記述は不適切です。

イ ×:

 標準資材の設定にあたっては、品質や価格に加え、調達の容易性を検討する必要があります。発注してから調達までに長期間かかり、独占販売で融通が利かない資材では、あとあと問題が生じる可能性が高くなります。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 資材標準化により、使う資材を制約した場合、市場の変化や技術革新といった環境変化に対応し難くなるデメリットがあります。よって記述は不適切です。

エ ○:

 例えば、資材標準化を進めて、使用する資材を10部品から5部品に削減した場合を考えます。部品を削減した分、資材の受入検査ではこれまでより品質を重点的に確認することができます。よって記述は適切です。


MRPに関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア MRPは基準生産計画から、資材の所要量を計画するシステムである。

イ 従属需要品目の所要量は、独立需要品目の受注や需要予測に基づいて計算される。

ウ 部品の正味所要量は、手持ちの在庫量と発注残を加味して計算される。

エ 部品構成表には、ストラクチャ型と、ブリーフ型の2つの種類がある。

MRPは、製品の基準生産計画、部品表、在庫・発注残情報などをもとに、資材の所要量と時期を計画するための仕組みです。この中で特に重要となるのは、基準生産計画と、部品表で、具体的な内容は次の通りです。
基準生産計画(MPS) 製品の生産計画のことで、基準生産計画はMPS(Master Production Schedule)と呼ばれます。MRPは、独立需要品目の生産計画を基準生産計画として与え、従属需要品目の所要量と時期を計算するための仕組みです。
①独立需要品目 ・概要:最終製品や個別に提供されるサービスパーツなどのこと。(例:自転車本体) ・所要量情報:受注または需要予測に基づいて時期や量が決定される。
②従属需要品目 ・概要:製品を構成する部品のこと。(例:自転車のタイヤ、チェーンなど) ・所要量情報:独立需要品目や上位の品目の需要から、時期や量が決定される。
部品表(BOM) 製品を構成する部品の種類と数量をまとめたもので、部品構成表や、BOM(Bill Of Materials)と呼ばれることもあります。
部品表には、ストラクチャ型部品表と、サマリー型部品表の2種類があります。
①ストラクチャ型部品表:製品を構成する全ての部品を階層型に表現したもの。
②サマリー型部品表:製品を構成する全ての部品をリストで表現したもの。
MRPの手順 MRPのイメージと具体的手順は次の通りです。


①総所要量計算:基準生産計画と部品表を基に所要量を計算する。②正味所要量計算:総所要量から手持ちの在庫と発注残を引いて、足りない分の所要量を計算する。③ロットまとめ:発注コストを抑えるため、一定の規模の所要量をロットとしてまとめる。④先行計算:部品のリードタイム情報を基に、購買と生産の計画オーダーを作成する。


ア ○:

 基準生産計画とは製品の生産計画のことで、MPS(Master Production Schedule)と呼ばれます。MRPは、製品の生産計画を基に、資材の所要量と時期を計画するための仕組みです。よって記述は適切です。

イ ○:

 従属需要品目とは、製品を構成する部品のことです。これらの所要量は、独立需要品目(すなわち最終製品や個別に提供されるサービスパーツ)の受注量や、需要予測に基づき計算されます。よって記述は適切です。

ウ ○:

 正味所要量計算では、総所要量から手持ちの在庫と発注残を引いて、足りない分を所要量として計算します。よって記述は適切です。

エ ×:

 部品表の種類は、ストラクチャ型部品表と、サマリー型部品表の2種類です。ストラクチャ型部品表は、製品を構成する全ての部品を階層型に表現したものです。サマリー型部品表は、製品を構成する全ての部品をリストで表したものです。よって記述は不適切です。

最終製品Xの部品構成表は下図のようになっている。図中のA,B,C,D,E,F,Gの右にある( )内の数字は、親に対して必要な部品数を示している。製品Xを10台生産するのに、必要な部品Fの所用量として、最も適切なものどれか。



ア 60

イ 100

ウ 120

エ 140

部品表は、製品を構成する部品の種類と数量をまとめたもので、部品構成表や、BOM(Bill Of Materials)と呼ばれることもあります。部品表には、ストラクチャ型部品表と、サマリー型部品表の2種類があり、次のような内容となっています。①ストラクチャ型部品表 ・概要:製品を構成する全ての部品を階層型に表現したもの。 ・適用:比較的複雑な構成の製品によく使用する。 ・メリット:部品間の親子関係が明確で、中間部品や共通部品が分かりやすい。 ・デメリット:作成に手間がかかる。
②サマリー型部品表 ・概要:製品を構成する全ての部品をリストで表現したもの。(部品を階層で表現せずに、横に一列に並べる形を取る) ・適用:比較的単純な構成の製品によく使用する。 ・メリット:作成の手間があまりかからない。 ・デメリット:中間部品の構成がわからない。


正解:ウ 120

 部品Fが使われている個所を確認すると、次のようになります。まず、左側を見ると、部品Aを1個作るのに、部品Fが4個(A:1個×C:2個×F:2個)必要になります。


 次に、中央を見ると部品Bを2個作るのに、部品Fが2個(B:2個×F:1個)必要になります。


 最後に右側を見ると、部品Bを2個作るのに、部品Fが6個(B:2個×H:1個×F:3個)必要になります。


 以上から製品Xを1個作るのに、部品Fは12個必要になることがわかります。このため製品Xを10台作るためには、120個の部品Fが必要となります。よって正解はウです。

資材の在庫に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア 豊富な在庫は、調達時間を省くことができるため、いつでも市場のニーズに素早く対応できる。

イ 在庫の不足は、納期の遅延を招きやすく、機会損失が増加するリスクがある。

ウ 過剰な在庫は、運転資金の悪化に加え、在庫維持費用の増加にもつながる。

エ 在庫の不足による資材の調達では、違う購入ルートから高いコストで仕入れることがある。

定量発注方式に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 常に一定の安全在庫を確保しているため、需要の変動にも対応しやすい。

イ 発注量を適切にコントロールできるので、単価の高い品目に向いている。

ウ 安全在庫は、「安全在庫係数」、「需要量のバラツキ」、「調達リードタイム」の平方根の積で表される。

エ 発注点を低くすることで、品切れの頻度も低くなる傾向にある。

発注点 発注してから、実際に資材が入荷するまでには調達リードタイムがかかります。そのため、発注点を決める際は、調達リードタイムの間の需要量を考慮する必要があります。また、需要にはバラツキがありますので、在庫切れを防ぐために安全在庫を残しておく必要があります。これらを考慮して、発注点は次の式で求めます。 
発注点 = 調達リードタイム X 1日平均需要量 + 安全在庫

安全在庫 安全在庫は次の式で求めます。 
安全在庫 = 安全在庫係数 X 需要量の標準偏差 X √調達リードタイム
 ここで、安全在庫係数は、どれぐらい品切れを防ぐかを決める係数です。安全在庫係数が大きいほど品切れのリスクは減りますが、在庫量は多くなります。 需要量の標準偏差は、需要のバラツキを表します。バラツキが大きいほど、安全在庫も大きくする必要があります。また、調達リードタイムが長いほど、品切れのリスクが高くなるため、安全在庫を大きくする必要があります。
経済的発注量 経済的発注量は、発注処理にかかる費用と、在庫の保管費用を合計した総費用が最も少なくなる発注量の事です。英語ではEOQ(Economic Order Quantity)と呼ばれます。 一回あたりの発注量を増やすと、発注処理の費用は減りますが、在庫の保管費用が増加します。逆に、一回あたりの発注量を減らすと、在庫の保管費用は減りますが、発注処理の費用が増えます。よって、発注量は多すぎても少なすぎても在庫の総費用が増加しますので、適切な発注量になるように決定します。
定量発注方式のメリットとデメリット・メリット:初めに経済的発注量と発注点を決めておけば、あとは在庫量だけを見ていれば良いため、管理が自動化しやすく簡単。・デメリット需要の変動に対応し難い。常に同じ量しか発注しないため、需要が急に増加した場合には在庫切れするリスクがある。仮に、これを避けるために、安全在庫を大きく取ると、在庫量が増加する。 これらの事を考慮すると、定量発注方式は、需要が安定しており、単価が低い品目に向いています。
 定量発注方式は過去に多く出題されている分野です。上のイメージ図と各用語とセットで覚え、内容をしっかりと理解しましょう。


ア ×:

 定量発注方式では、常に同じ量しか発注しません。このため、需要が急に増加した場合は、一定数の安全在庫だけではカバーしきれずに、在庫切れになりやすいデメリットがあります。よって記述は不適切です。

イ ×:

 定量発注方式では、発注量は毎回同じです。この方式は、在庫切れのリスクに備え、安全在庫数を増やしたり、発注量を多めにしてもあまり負担が大きくならない、単価の低い品目に向いています。よって記述は不適切です。

ウ ○:

 安全在庫は次の式で求められます。「安全在庫 = 安全在庫係数 X 需要量の標準偏差 X √調達リードタイム」。ここで、需要量の標準偏差とは需要のバラツキのことです。よって記述は適切です。

1回あたりの発注費用が5,000円、年間需要数が100,000個、在庫単価が2,500円、在庫保管費用率が10%の資材の発注に、定量発注方式を用いる場合の記述として、最も適切なものはどれか。

ア 1回の発注量を5,000個にした場合の、年間の発注費用は250,000円である。

イ 1回の発注量を10,000個にした場合の、年間の在庫費用は500,000円である。

ウ 在庫保管費用が半分になれば、経済的発注量は2倍となる。

エ 発注費用と在庫維持費用を合計した総費用が最も少なくなるのは、2,000個である。

経済的発注量は、発注処理にかかる費用と、在庫の保管費用を合計した総費用が最も少なくなる発注量の事で、次の式で求められます。 この式から、1回あたりの発注費用や需要量が多い場合は、その分たくさん発注した方が良い。一方、年間の在庫維持費用が多い場合は、こまめに発注して在庫を少なくする方が良いことが分かります。 また、発注費用、在庫保管費用、在庫総費用の間は、次の図のような関係になります。

ここで年間の発注費用は次のように求められます。 また、年間の在庫維持費用は次の式で求められます。 なお、式の中では平均在庫量とするため、1回の発注量を半分にしています。例えば、一回の発注量が100個の場合は、平均在庫量は半分の50個になるということです。 ここで、総費用は、発注費用と在庫維持費用を足したものなので、発注費用と在庫維持費用が等しいことが、経済的発注量の条件となります。ここから、経済的発注量を導出した式が最初に示した式①になります。なお、1個あたりの年間在庫維持費用は、(1個あたりの年間在庫維持費用 = 在庫の単価 X 在庫の保管費用率)に分解できるので、式①を次のように表すこともできます。 発注費用と在庫維持費用が等しくなる点が経済的発注量になること。在庫維持費用は平均在庫となるため、1回の発注量を半分にして求めること。この2つのポイントは必ず押さえておきましょう。

イ ×:

 在庫の維持費用は前述の式③で求められます。 1個あたりの年間在庫維持費用は250円(在庫の単価:2,500円×在庫の保管費用率:10%)となりますから、式に当てはめて計算すると在庫維持費用は1,250,000円となります。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 経済的発注量は前述の式①もしくは式④で求められます。平方根の式となっているので、仮に在庫保管費用が半分になっても、経済的発注量は2倍にはなりません。よって記述は不適切です。

エ ○:

 発注費用と在庫維持費用を合計した総費用が最も少なくなるところを、経済的発注量と呼び、前述の式④で求められます。与えられた条件を入れて計算すると、2,000個となります。よって記述は適切です。

発注方式に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア 定期発注方式は、発注量をきめ細かく調整できるので、需要の変動に対応しやすい。

イ 定期発注方式では、調達リードタイム中の需要予測から、現在の在庫量を引いて、発注量を求める。

ウ 定期発注方式で、在庫を減らす1つの方法として、発注間隔を短くすることが挙げられる。

エ ダブルビン方式とは、入れ物を2つ用意し、一方が空になったら発注するという方式である。

定期発注方式の発注量 次の式で発注量を求めます。 
発注量 = 在庫調整期間の需要予測量 - 現在の在庫量 - 発注残 + 安全在庫 ここで、在庫調整期間は、発注サイクルと、調達リードタイムをあわせた期間を表します。例えば、発注サイクルが30日間、調達リードタイムが10日の場合は、在庫調整期間は40日となります。また、現在の在庫量と発注残を引いているのは、既に在庫や発注残が沢山ある場合は、発注量を少なくするからです。また、安全在庫を足すことで、最低限、安全在庫の分は在庫が残るようにしています。
定期発注方式のメリットとデメリット・メリット:需要変動に対応しやすい。発注サイクルごとに発注量を変化させることで、きめ細かい在庫管理が可能で、在庫量を減少できる。・デメリット:発注のたびに発注量を計算する必要があるため、管理が複雑で手間がかかる。 これらの事を考慮すると、定期発注方式は、単価が高く、在庫調整の必要が高い品目に向いています。
ダブルビン方式 ダブルビン方式は、2つの入れ物を用意し、一方が空になったら発注するという、簡易的な発注方式です。単価が安い小物などの管理に向いており、管理が簡単というメリットがあります。しかし一方で、運用がルーズになりやすいデメリットがあります。
 定期発注方式は過去に多く出題されている分野です。発注量の式と在庫調整期間の意味を、イメージ図と共にしっかりと理解しましょう。

イ ×:

 定期発注方式における発注量は、前述した式の通り、「在庫調整期間中の需要予測量」から「現在の在庫量と発注残」を引き、「安全在庫」を足して求めます。よって記述は不適切です。

在庫のABC管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア C品目では、需要予測を定期的に行い、余分な発注を出来るだけ避けることに重点が置かれる。

イ B品目は、品目内を在庫金額に応じて更に幾つかのグループに分けて、管理レベルや発注方式を変えた方がよい。

ウ A品目では、効率優先の管理を目指し、発注方式はダブルビン方式が採用されることが多い。

エ パレート図を用いたABC分析では、右側に最も在庫金額の高い品目がくる。

在庫管理方法
 パレート図の品目を左側からA、B、Cとなるようにグループ分け、それぞれ次の表のように管理します。


ア ×:

 選択肢の記述はA品目に関する説明です。C品目は金額が小さいため、管理の手間を極力省くことに重点が置かれます。このため、手間のかかる需要予測に基づく発注は行わず、ダブルビン方式の発注が多く採用されます。よって記述は不適切です。

イ ○:

 B品目は、A品目とC品目の間に位置し、どちらの品目に近いかによって金額も大きく異なります。このため、金額に応じて品目内を幾つかのグループに分け、各グループの管理レベルや発注方式を適切に選択することが望まれます。よって記述は適切です。

生産・販売活動における在庫に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア 安全在庫とは、需要変動又は補充期間の不確実性を吸収するために必要とされる在庫である。

イ 見越在庫とは、あらかじめ予測できる変動への備えとしての在庫である。

ウ 有効在庫とは、手持ち在庫から引き当て済みの在庫量を減じた在庫量であり、発注残は考慮されない。

エ 在庫引当とは、注文または出荷要求に対して在庫台帳の在庫残高からその量を割り当て引き落とす行為である。

安全在庫需要変動又は補充期間の不確実性を吸収するために必要とされる在庫。
見越在庫あらかじめ予測できる変動への備えとしての在庫。
ロットサイズ在庫(サイクル在庫)1回の補充で経済的理由から量をまとめることによって発生する在庫。
手持在庫(実在庫、現品在庫)現物が手元にある在庫。
有効在庫手持在庫に加えて発注残及び引当済みの量(引当量)を考慮した、実質的に利用可能な在庫。有効在庫 = 手持在庫 - 引当量 + 発注残
発注残発注済みであるがまだ手元にない在庫量。
在庫引当注文または出庫要求に対して、在庫台帳の在庫残高からその量を割り当て引き落とす行為。
エシュロン在庫サプライチェーンマネジメント等で使われる用語で、製造から小売りといったように多段階の在庫点がある場合に、対象とする在庫点とその下流にある在庫の合計を表します。「エシュロン」とは「階層」のことを指します。

ア ○:

 安全在庫とは、需要変動または補充機関の不確実性を吸収するために必要とされる在庫のことをいいます。よって記述は適切です。

イ ○:

 見越在庫とは、あらかじめ予測できる変動への備えとしての在庫のことをいいます。よって記述は適切です。

ウ ×:

 有効在庫は、実質的に利用可能な在庫量のことをいいます。有効在庫は、手持ち在庫から引当済みの量(引当量)を減じ、さらに、将来的に在庫になる発注残 (発注済みであるがまだ手元にない在庫量) を加えることにより求められます。有効在庫は次の式で求められます。

有効在庫 = 手持在庫 - 引当量 + 発注残

よって、記述は不適切です

エ ○:

 在庫引当とは、注文又は出荷要求に対して在庫台帳の在庫残高からその量を割り当て引き落とす行為のことをいいます。よって記述は適切です。


購買管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 購買管理の5原則とは、適正な「品質」のものを、適正な「時期」に、適正な「数量」だけ、適正な「場所」で、適正な「購入先」から購入することである。

イ 競争入札による価格契約は、優位な価格での取引に加え、納期面でも最適な取引先を選定できるメリットがある。

ウ 当用購買方式は、必要な物を必要なタイミングで都度購買する方式であり、購入単価を低く抑えられるメリットがある。

エ 見積合わせ方式による価格契約は、競争原理による低価格での購入と、適切な企業を選定ができるメリットがある。

購買管理の5原則 適正な「品質」のものを、適正な「時期」に、適正な「数量」だけ、適正な「価格」で、適正な「購入先」から購入することです。 ちなみに、品質がQ、価格がC、数量と納期がDですので、この5つの原則は、QCD+取引先と覚えておくと良いでしょう。
購買方式・購買の時期や量による分類 定期購買方式、定量購買方式、当用買方式、長期契約方式などの分類があり、それぞれの特徴は次のようになります。・価格の契約による分類 競争入札方式、見積合わせ方式、随意契約方式などの分類があり、それぞれの特徴は次のようになります。


ア ×:

 購買管理の5原則に含まれるのは、適正な「場所」ではなく、適正な「価格」での購入です。よって記述は不適切です。その他の原則は記述の通りです。

イ ×:

 競争入札による価格契約は、優位な価格で購入できるメリットがあります。しかし価格を重視するあまり、品質や納期などで不適切な業者が選択されるリスクがあります。よって記述は不適切です。

エ ○:

 見積合わせ方式は、複数の企業から価格の見積を取り、比較した上で最適な企業を選択する方式です。選択時には、価格面の優位性に加え、取引実績なども加味して総合的に評価するため、適切な企業を選定できるメリットがあります。よって記述は適切です。

購買管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 購買費用は、資材等の購入のために発生する費用をいい、この中に人件費は含まれる。

イ 購買は、生産または営業に必要な設備、原材料、部品、消耗品などを購入する活動である。

ウ コック倉庫方式は、毎月継続するような標準品などを購買先の倉庫に預け、納入すると同時に買い付けをしたとする購買方式である。

エ 購買計画は、購買方針、生産計画に基づいて、購入する品目、数量、納期、予算などを決める活動である。

コック倉庫方式とは、水道の蛇口から水道を出すように、必要なときに必要なだけ資材等を調達する簡易購買方式のことです。自社倉庫に購買品を預かり、使用した分を購買量として支払いを行います。

ア ○:

 購買費用は、資材等の購入のために発生する費用のことです。この中には人件費に加え、運搬費や受入検査費なども含まれます。よって記述は適切です。

イ ○:

 購買は、生産または営業に必要な設備、原材料、部品、消耗品などを購入する活動のことを言います。よって記述は適切です。

ウ ×:

 コック倉庫方式とは、必要なときに必要なだけ資材等を調達する簡易購買方式のことで、自社倉庫に購買品を預かり、「使用した分量=購買量」として支払を行います。購買先の倉庫ではなく、自社倉庫に購買品を預かる点がポイントになります。よって記述は不適切です。

外注管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 外注を利用する目的として、自社の固定費を削減して変動費化することがある。

イ 外注することにより、品質、コスト、納期を容易に管理できる。

ウ 外注で製作した方がコスト低減になる場合は、必ず外注を利用する。

エ 高度な品質が要求されない場合は、積極的に外注を利用した方がよい。

アウトソーシングに関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア OEMの受託側企業のメリットとして、安定した売上の確保や設備稼働率の向上がある。

イ EMS企業の特徴として、製造だけでなく、製品の設計も行うことがあげられる。

ウ ファブレス企業が、内外製区分を決定する際には、自社独自技術の流出の可能性を重視する。

エ ファウンドリ企業は、半導体の製造に必要な莫大な設備投資の費用を回収するため、複数の半導体メーカーの部品を生産する。

アウトソーシングは、外部の企業の経営資源やノウハウなどを活用することです。 これにより、限られた経営資源をコアコンピタンスに集中することで、効率的な経営を行うことを狙いとしています。
外注の場合は、主に外部の生産力の活用が目的ですが、アウトソーシングは外部の専門知識やノウハウを生かすことを目的としています。具体的には次のようなアウトソーシングの形態があります。
ファブレス・概要:自社では工場を持たずに、製造を完全に外部に委託している製造業のこと。・メリット(委託側):生産設備への投資が不要で固定費が削減可能。設備にこだわらない、製品の企画や設計が可能。・デメリット(委託側):生産調整が困難。製造技術の蓄積ができない。
OEM(Original Equipment Manufacturer)・概要:自社ブランドではなく、相手先ブランドで製品を供給すること。・メリット(委託側):生産設備を持たずに、外部の生産力で生産が可能。・メリット(受託側):安定した売上や設備稼働率の確保が可能。・デメリット(委託側):製造技術の蓄積ができない。・デメリット(受託側):自社ブランドの育成が困難。市場ニーズの直接入手が困難。
ファウンドリ・概要:半導体業界で、半導体メーカーやファブレスからの受託を受けて、半導体チップの製造を行う企業。・メリット(受託側):安定した生産規模の確保が可能。・メリット(委託側):半導体製造にかかる莫大な設備投資の抑制が可能。
EMS(Electronics Manufacturing Service)・概要:電子機器の受託生産を専門に行う企業製品の設計も実施・メリット(受託側):安定した売上や設備稼働率の確保が可能、技術的経験が得られノウハウの蓄積が可能。・メリット(委託側):自社の製品ブランドを持ち、製品の企画やマーケティングに集中が可能。

ウ ×:

 ファブレスとは、自社で工場を持たずに、製造を完全に外部に委託している製造業のことです。このため、内外製区分はせずに、生産は全て外作となります。よって記述は不適切です。

IE(Industrial Engineering)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア IEは、生産性を高めるための工学的な手法の体系である。

イ IEは、製品だけでなく、システム全体を最適に設計・改善・運用する手法である。

ウ IEを大きく分けると、「方法研究」と「時間研究」から構成される。

エ IEの「方法研究」は、さらに「工程分析」と「動作研究」に分けられる。

イ ○:

 IEが対象にするのは、製品だけでなく、人や物、設備、情報などを含めたシステム全体です。よって記述は適切です。

ウ ×:

 IEを大きく分けると、「作業測定」と「方法研究」から構成されます。(時間研究ではありません)「時間研究」は「作業測定」の構成要素となります。よって記述は不適切です。

エ ○:

 「方法研究」は、さらに「工程分析」と「動作研究」に分けられます。「工程分析」は、生産工程や運搬工程を分析する手法です。「動作研究」は、作業者の動作を細かく分析し、最適な作業方法を求めるための手法です。よって記述は適切です

次に示す作業者の動きを、作業者工程分析により、分析記号「○」、「◇」、「D」、「⇒」を用いて分析した。「○」記号の数として、最も適切なものはどれか。

①部品倉庫に生産に必要な部品を取りに行く。

②部品棚に保管してある部品梱包箱から、使用する部品を取り出す。

③部品を持って現場に戻る。

④部品Aと部品Bを接着材で固定する。

⑤接着が乾くまで待つ。

⑥部品Cの数か所にドリルで穴を開ける。

⑦部品Aを部品Cにネジで固定する。

⑧トルク試験機でネジの締付けトルクを確認する。

⑨出荷が出来るように製品梱包箱に入れる。

⑩発送場まで梱包箱を移動する。


ア 6個

イ 5個

ウ 4個

エ 2個

工程分析は、工程を分析する手法で、大きく分けて「製品や作業者の工程分析」と、「運搬の分析」があります。 工程分析では、作業や物の流れを表すために、工程図記号を使って工程図を作成します。 工程図記号には、「加工」「運搬」「停滞」「検査」があります。さらに「停滞」には「貯蔵」と「滞留」、「検査」には「数量検査」と「品質検査」があり、内容は次のようになります。


正解:イ 5個

 本問の①~⑨の行動を工程図記号を用いて表すと次のようになります。

 ①部品倉庫に生産に必要な部品を取りに行く。(運搬 ⇒)

 ②部品棚に保管してある部品梱包箱から、使用する部品を取り出す。(加工○)

 ③部品を持って現場に戻る。(運搬⇒)

 ④部品Aと部品Bを接着材で固定する。(加工○)

 ⑤接着が乾くまで待つ。(滞留D)

 ⑥部品Cの数か所にドリルで穴を開ける。(加工○)

 ⑦部品Aを部品Cにネジで固定する。(加工○)

 ⑧トルク試験機でネジの締付けトルクを確認する。(品質検査◇)

 ⑨出荷出来るように製品梱包箱に入れる。(加工○)

 ⑩発送場まで梱包箱を移動する。(運搬⇒)

 ②は実際の製品を組み立てるための部品ピックアップになりますので付加価値を生む作業(加工)になります。また⑨は、製品梱包箱も製品の一部であり、複数の部品を組立てる作業(加工)と同一視できます。よって「○」記号は5個となるため、正解はイとなります。

工程分析に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 製品工程分析では、工場などのレイアウト図の上に、工程図記号を記入することで、工程の流れを表す。

イ 流れ線図は、製品が加工される流れを、運搬、検査、停滞を含めて表し、問題点を明らかにする。

ウ フロムツーチャートは、工程間の物の流れを分析する手法で、各工程間でどれぐらいの物が滞留しているかを分析する。

エ 作業者工程分析は、作業者の作業を中心に分析するもので、作業手順や作業の無駄を改善する際に利用される。

IE全体における、工程分析の位置づけは次のようになっており、各手法があります。 各手法の詳細は次のようになっています。※( )内は別の呼び名●単純工程分析(オペレーション・プロセス・チャート)・概要:原材料や部品が投入され、加工される過程を、工程図記号を用いて明らかにして分析する手法。・手法:運搬や貯蔵、滞留は記入せず、加工と検査のみを表す。そのため、加工の流れが単純に表現でき、原材料からの加工プロセスの全体の流れをつかみやすい。・適用場面:工場のレイアウト設計や、詳細な工程分析を行う前の基礎資料として利用。
製品工程分析(フロー・プロセス・チャート)・概要:製品が加工される流れを、運搬、検査、停滞を含めて明らかにして分析する手法。・手法:工程ごとに、作業の種類を表す工程図記号を線で結び、線の場所によって、どこに問題があるかを明確にする。・適用場面:製品の工程改善など。特に滞留工程(時間)の削減に活用。
流れ線図(フロー・ダイアグラム)・概要:工場などのレイアウト図の上に、工程図記号を記入し、工程の流れを表したもの。・手法:機械・設備などの配置を記載したレイアウト図に、工程図記号を記入して、物の動きを具体的に表し、工程の流れを分析する。・適用場面:レイアウト設計や工程の流れの改善などに利用。
作業者工程分析・概要:作業者の作業を中心に、加工・移動・手待ち・検査を含めて、工程図記号で明らかにして分析する手法。・適用場面:作業手順や作業の無駄の改善などに利用。
フロムツーチャート(流入流出図表)・概要:各工程の間でどれぐらいの物量が流れているかを分析する手法。・手法:工程の一覧を縦と横に記載した表を作成し、ある工程(From)から別の工程(To)に流れた運搬重量、もしくは移動距離を表の中に記入する。これにより、工程上を正流方向(前から順)に流れている物量と、逆流している物量を明らかする。・適用場面:多品種の製品で、それぞれの加工経路が異なる場合でも表現できるため、多種少量生産の工程の分析や、工場レイアウトの設計に利用。

ウ ×:

 フロムツーチャートでは、各工程間でどれぐらいの物量が流れているかを分析します。滞留の分析ではありません。よって記述は不適切です。

ある食品加工の工場において、生産管理の分析手法を用いて問題点を解決する場合の取組みとして、最も不適切なものはどれか。


ア 現在の状況を大まかに把握するため、まず単純工程分析を行った。

イ 滞留時間が長い、工程Aと工程Bの間の作業のラインバランスを見直した。

ウ レイアウトの見直しを行うため、作業者工程分析を行った。

エ 製品工程分析で明らかになった問題を改善するため、ECRSを活用した。

実際に工程分析を行う際には、最初に分析の目的を明確にすることが重要です。例えば、レイアウトを改善したいのか、作業方法を改善したいのかなどの目的によって、分析の手法や範囲が変わってきます。各分析手法の適用場面は次のようになります。
 また、工程分析を基に、改善をする場合には、付加価値を生んでいない作業をいかに削減していくかが重要です。ここでは、以前学習したECRSの原則を用いることで、改善のヒントが得られます。 例えば、停滞に関しては無駄が生じているので、ラインバランシングを行ったり、段取り替えを改善することが考えられます。 運搬に関しては、距離や回数を減らしたり、運搬をより自動化することが考えられます。 検査に関しては、必要ない検査を減らしたり、加工と同時に検査をしたり、検査自体の効率を上げることが考えられます。
 各分析手法が、それぞれどんな場面で使われるか、また、明らかになった問題をどんな方法で解決するのか、しっかりと理解しましょう。

ウ ×:

 作業者工程分析は、作業者の作業を中心に分析するものです。レイアウトの見直しを行う場合は、流れ線図を用いた流れ分析や、フロムツーチャートを用いた分析を行うのが一般的です。よって記述は不適切です。

エ ○:

 製品工程分析で明らかになった問題を改善するためは、以前学習したECRSの原則(E:やめる、捨てる / C:一緒にする / R:置き換える、順番を変える / S:単純化する)を用いて改善方法を考えることで、多くのヒントが得られます。よって記述は適切です。

ある製品について行った製品工程分析の結果は下図の通りである。この図から読み取ることができる記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

ア ①の工程では、保管された倉庫から台車で運搬された後、検査を受けている。

イ ②の工程では、検査が終わった後、保管されたことを示している。

ウ ③の工程では、主目的は加工後の品質検査であるが、数量検査もチェックされる。

エ ①~③の工程では、加工が1回行われている。

●工程図記号 工程図記号は、一般にJISで定められているものを使用します。「加工」は、「○」で表されます。加工は、元の原材料、部品の形状や性質に変化を与えることです。「運搬」は、「o」か「⇒」で表されます。運搬は、物の位置を変えることを表します。「停滞」には2つの種類があり、1つは「貯蔵」で「▽」で表されます。もう1つは、「滞留」で「D」で表されます。「検査」にも2つの種類があり「数量検査」は「□」で表され、「品質検査」は「◇」で表されます。 また、2つの作業を1つの工程で同時に行う場合には、複合記号で表すことができます。この場合は、主となる作業を外側に書き、従属する作業を内側に書きます。例えば、品質検査を主として行いながら、数量検査も同時に行なう場合は、品質検査の「◇」を外側に書き、数量検査の「□」をその内側に記入します。

ア ×:

 ①の工程では、一時的に仮置きされた場所から、台車等で運ばれ加工されたことを示しています。従って、記述は不適切です。

イ ×:

 ②の工程では加工が終わった後に、台車等で運ばれ、検査がされたことを示しています。従って、記述は不適切です。

ウ ×:

 ③の工程における検査は複合図となっています。複合図では、外側が主たる作業で内側が従属する作業です。□が外側ですので数量検査が主目的であり、◇が内側ですので品質検査が従属する目的となりますので、記述は不適切です。

エ 〇:

 加工は、②工程の「〇」が該当します。従って、加工が1回行われているという記述は適切です。運搬の「o」と混同しないようにしましょう。

運搬分析に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア マテリアルハンドリングとは、原材料、仕掛品、完成品などの、運搬や取扱いに関することである。

イ 台記号における平(ひら)は、物が床や台の上にひら置きされている状態で、活性示数は1である。

ウ 加工する材料を資材倉庫に取りに行く作業は、空運搬に該当する。

エ 配置式運搬工程分析は、レイアウト図の上に運搬工程記号を記入して、運搬の流れを分析する手法である。

IE全体における、運搬分析の位置づけは次のようになっており、主な手法として、運搬工程分析、運搬活性分析、空運搬分析があります。運搬自体は、付加価値を生まないため、できるだけ削減したり、効率化することが重要です。
 運搬分析に関する具体的な内容は次のようになります。
運搬工程分析記号 運搬分析においても、工程分析と同様に運搬の工程を表すために次のような記号を用いて分析を行います。

運搬工程分析の種類 上記の運搬分析記号を使って物の移動を表現します。分析方法として、直線式運搬工程分析と、配置式運搬工程分析があります。・直線式運搬工程分析:製品工程分析のように、直線的に運搬の流れを記号で表し、運搬の流れや問題点を分析します。・配置式運搬工程分析:レイアウト図の上に運搬工程記号を記入して、レイアウトや運搬距離などの問題点を視覚的にわかりやすくして、運搬の流れを分析します。
空運搬分析 空運搬とは、物の移動を伴わずに、人や運搬機器のみが移動することです。空運搬分析では、空運搬の割合を表すために、次の式で示す空運搬係数を計算します。空運搬係数を、できるだけ小さくするため、人のみの移動を極力減らす必要があります。
 活性化示数は0から始まり、平の状態が最も低く活性度が0になります。間違えやすいので注意しましょう。尚、運搬活性分析については、次の問題で詳しく解説します。


ア ○:

 生産拠点内や物流拠点内における、物の運搬や取り扱いのことを、マテリアルハンドリング、略してマテハンと呼びます。よって記述は適切です。

イ ×:

 平の状態における記述は正しいです。しかし、活性化示数は最も低い0になります。運搬活性分析では、運搬のしやすさを表す数値として0~4の活性示数を使用します。よって記述は不適切です。

エ ○:

 配置式運搬工程分析では、流れ線図のように、レイアウト図の上に運搬工程記号を記入することで、レイアウトや運搬距離などの問題点を視覚的にわかりやすくします。よって記述は適切です。

次に示す工程の平均活性示数の値として、最も適切なものはどれか。

①鉄の棒材が床に平置き。

②搬送用の箱に鉄の棒材を入れる。

③パレットに搬送用の箱を乗せる。

④フォークリフトでパレットを運ぶ。

⑤トラックにパレットを積み、加工工場に運ぶ。

⑥フォークリフトでパレットを降ろす。

⑦パレットを所定場所に置く。


ア 2.4

イ 3.5

ウ 4.4

エ 5.5

運搬活性分析図 活性示数を使って運搬の工程を表したのが、運搬活性分析図です。次のように、運搬の工程ごとの活性示数をグラフで表すことで、運搬活性が低い工程が一目でわかります。
平均活性示数 工程全体の平均活性示数は次の式で求められます。 上図の例では、活性示数の合計が13、工程数が6ですので、平均活性示数は約2.2となります。平均活性示数を計算することで、ライン間の運搬活性を比較したり、運搬の改善前後の比較ができます。
 平均活性示数については、各活性示数の状態を覚えていれば簡単に回答できます。繰返しになりますが、活性示数は既に省かれている手間の数を表し、平の状態が最も低くになります。


正解:ア 2.4


本問の①~⑦の状態を活性示数は、それぞれ次のようになります。


 この中で④~⑥は少し判断に迷ったかもしれません。既に動いている状態は最も活性度が高い4となります。以上を踏まえると活性示数の合計が17、工程数が7ですから、平均活性示数は「17÷7」より約2.4となります。よって正解はアとなります。


マテリアルハンドリングに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 平均活性示数は、停滞工程の活性示数の合計を停滞工程数で除した値として求められる。

イ マテリアルハンドリングによって、運搬の自動化や効率化が図れるようになる。

ウ 運搬管理の改善には、レイアウトの改善、運搬方法の改善、運搬制度の改善がある。

エ 運搬活性示数は、置かれている物品を運び出すために必要となる取り扱いの手間の数を示している。

物の運搬や取り扱いのことを、マテリアルハンドリングと言います。略してマテハンと呼ばれることがあります。一般的に、マテリアルハンドリングは輸送機械や自動化装置を指す場合が多いですが、こういった運搬に関して自動化することで運搬を効率化することができます。

ア ○:

 平均活性示数は、停滞工程の活性示数の合計を停滞工程数で割った値として求めることができます。値が小さいほど物の置き方が非効率であり、移動のために多くの手間を要することになります。よって記述は適切です。

イ ○:

 マテリアルハンドリングによって、運搬の自動化や効率化が図れるようになります。よって記述は適切です。

ウ ○:

 運搬管理を改善するには、非効率な部分をなくすことが必要になります。具体的には、レイアウトの変更、運搬方法の改善、運搬制度の改善があります。これらの改善に取り組むことによって、運搬の効率化が図れるようになります。よって記述は適切です。

エ ×:

 運搬活性示数は、物を移動するときに「すでに省かれている手間の数」を表し、0から4の間の数値を取ります。例えば、活性示数0は、床にバラ置きしてあるものを運搬する状態のことを指します。活性示数1は、箱に入っているものを運搬する状態のことで、まとめるという手順を省くことができます。このように、活性示数は大きいほうが効率的に運搬している状態となります。よって記述は不適切であり、これが正解です。

動作研究に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア マイクロモーション分析により、通常より遅いスピードで撮影すると気がつかない無駄な動きを発見できる。

イ 連合作業分析により、作業者の多工程持ちや、適正な配置人員を検討できる。

ウ メモモーション分析は、通常よりも早いスピードで撮影することで、細かい動作が分析できる。

エ サーブリッグ分析の第1類に分類される作業は、必要のない動作である。

IE全体における、動作研究の位置づけは次のようになっており、作業者の動作を詳細に分析することで、作業者の無駄な動きをなくしたり、最適な動作を検討していきます。


各分析手法の具体的な内容は次のようになります。
サーブリッグ分析・概要:作業者の動作を18の基本動作に分解して、微動作を分析。・分析内容:18の基本動作を、次の3つに分類して分類毎の改善を図る。


両手動作分析・概要:作業者の両手の動作を分析。・分析内容:作業者の動作プロセスごとの、左手と右手の動きを工程図記号などを使って表し分析する。左右のバランスを取ったり、無駄な動きを排除する。
VTR分析・概要:作業をビデオなどで撮影し、再生することで作業を分析。・分析内容:スロー再生やコマ送りなどで、動作を細かく分析する。
メモモーション分析・概要:通常よりも遅いスピードで撮影し、高速再生して作業を分析。・分析内容:高速再生することで、ゆっくり再生すると気がつかない無駄な動きなどを分析する。
マイクロモーション分析・概要:通常よりも早いスピードで撮影し、スロー再生して作業を分析。・分析内容:ゆっくり再生することで、細かい動作を分析する。
連合作業分析・概要:作業者と機械、2人以上の作業者が共同(連合)して行う、作業の状況を分析。・分析内容:作業者と機械の連合作業では、作業者と機械の関連する作業を時系列で記録したマン・マシンチャートを用いて、作業者の手待ちや機械の稼働状況などを分析する。ムダが発生していれば、作業順序を変更したり、多工程持ちなどを検討し、配置人員を適正にする。
 「マイクロモーション:高速撮影、ゆっくり再生、細かい動作確認」


ア ×:

 選択肢の記述は、メモモーション分析に関する内容です。マイクロモーション分析では、通常よりも早いスピードで撮影し、ゆっくり再生します。遅いスピードで再生することで、細かい動作を分析するのが狙いです。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 選択肢の記述は、マイクロモーション分析に関する内容です。メモモーション分析では、通常よりも遅いスピードで撮影し、高速に再生します。高速に再生することで、ゆっくり再生すると気がつかない無駄な動きなどを発見するのが狙いです。よって記述は不適切です。

エ ×:

 サーブリッグ分析で、「必要のない動作」に分類されるのは、第3類です。第1類は、「作業の基本となる動作」です。よって記述は不適切です。

次の作業改善を、動作経済の原則に照らした場合、最も不適切なものはどれか。


ア 作業台の上に置いて使用していた電動ドライバを、伸縮ロープに付けて天井から吊るすようにした。

イ 手が疲れないよう、両手を同時に使う作業を極力減らすように組み立て手順を検討した。

ウ 使用する工具の形状にくり抜いたマットを用意して、マット上に使う工具を順番に並べた。

エ 横にいる次工程の作業者に加工品を手渡す際に、真横ではなく、少し前に置くように作業指導した。

動作経済の原則は、疲労を少なくして、できるだけ少ないエネルギーで楽に作業をするための原則です。この原則には次のような内容があります。

 動作経済の原則について問われた時には、「動きが自然で疲労が少ないか」「無駄がないか」という観点で考えると良いでしょう。


ア ○:

 工具や設備に関する原則に「手で保持する代わりに工具などで保持すること」があります。机にドライバが置いてある場合、使用時に持ち上げたり、使用中に保持する力が必要になります。天井からドライバを吊るすことで、これらの動作を排除したり、緩和することができます。よって記述は適切です。

イ ×:

 身体の動作に関する原則に、「両手を同時かつ左右対照的に動かすこと」があります。両手を同時に動かすことで生産性を高める狙いと、動作を対照的に進めることで、保持・手待ちなどを解消してリズミカルな動作にする狙いがあります。よって記述は不適切です。

ウ ○:

 作業場の配置に関する原則に「材料や工具は作業順序に合わせて置くこと」があります。工具を所定の場所に安定した状態で置いたり、使う順番に並べたりすることで、工具を取りやすくしたり、探す手間を省くことができます。よって記述は適切です。

エ ○:

 作業場の配置の原則に、「物は手の届く範囲で体の前方に配置すること」があります。作業者の前に物を配置することで、作業がしやすくなります。また、手渡す側も真横に渡すより、前方に置く方が、動作が自然になります。よって記述は適切です。

稼働分析の手法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア 連続観測法は、ワークサンプリングと比較して測定に手間がかかる。

イ 稼働率は、「実際の稼働時間」を、「実際の稼働時間と非稼働時間の合計」で除して求めることができる。

ウ ワークサンプリングは、隠れて観測することで作業者が観測されることを意識せず、偏りのないデータが取れる。

エ 連続測定法は、非繰返しの作業の観測に適している。

 IE全体における、稼働分析の位置づけは次のようになっています。稼動分析では、作業者や機械の作業効率や無駄な稼動を分析します。


 実際に稼動状況を調査する方法には、大きく分けて、ワークサンプリングと連続観測法の2種類があり、具体的な内容は次のようになります。
ワークサンプリング 作業を瞬間的に観測して、稼働状況を統計的に求める方法です。時々観測を行い、その時の作業内容を記録して、最後に集計することで稼動内容や稼働率の分析を行います。この方法の特徴は次のようになります。.
連続観測法(連続稼働分析) 観測対象に付きっ切りで観測する方法です。この方法の特徴は次のようになります。

イ ○:

 稼働率は、「稼働率 = 実際稼働時間 ÷ 総時間」で求めることができます。ここで総時間は、「実際の稼働時間+非稼働時間」となります。よって記述は適切です。

エ ○:

 連続観測法は観測対象に付きっ切りで観測するため、非繰返しの作業がある場合の観測に適しています。仮に、同じ作業をワークサンプリングで観測した場合、非繰返し作業が観測されない可能性があります。よって記述は適切です。

ワークサンプリングに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア ワークサンプリングは、瞬間的な観測のため深い分析に不向きである。

イ ワークサンプリングのメリットには、少ない労力で観測できる点が挙げられる。

ウ ワークサンプリングでは、1人の観測者が多くの観測対象を観測することが難しい。

エ ワークサンプリングは、連続観測法のように、観測対象に付きっきりになる必要がない。

ワークサンプリングは、作業を瞬間的に観測して、稼働状況を統計的に求める方法です。この方法では、時々観測を行い、その時の作業内容を記録します。そして、最後に集計をすることで稼動内容や稼働率の分析を行います。
●ワークサンプリングのメリット・少ない労力で観測できる・1人の観測者で多くの観測対象の観測ができる・作業者が観測されることを意識しないため、偏りが少ないデータが取れる
●ワークサンプリングのデメリット・瞬間的な観測のため深い分析には不向きである・サンプル数が少ない場合に誤差が大きくなる

ア ○:

 ワークサンプリングは、瞬間的な観測のため深い分析には向いていません。よって記述は適切です。

イ ○:

 ワークサンプリングは、時々観測を行うため、少ない労力で観測することができます。よって記述は適切です。

ウ ×:

 ワークサンプリングでは、1人の観測者で多くの観測対象を観測することができます。よって記述は不適切です。

標準時間に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 余裕時間のうち、機械を調整し、打合せをするなどの余裕は、人的余裕に含まれる。

イ 標準時間は、正味時間と余裕時間の和で求められ、外掛け法で算出された余裕率を使う場合は、「標準時間 = 正味時間 X (1+余裕率)」によって計算される。

ウ 標準時間は、「その仕事に習熟した作業者が」、「適切な所定の作業条件のもとで」、「必要な余裕を持ち」、作業するのに必要となる時間である。

エ 作業時間を観測した作業者のペースが、基準より早い場合は、レイティング係数の値は100%よりも小さくなる。

IE全体における、時間研究の位置づけは次のようになっています。時間研究は、作業を分解し、各作業の標準時間を設定するための手法です。

時間研究に関する具体的な内容は次のようになっています。
標準時間 標準時間の定義には、次の4つの条件があります。
①習熟した作業者であること 
②適切な所定の作業条件の元であること 
③必要な余裕を持つこと 
④正常な無理のない作業ペースで作業することです。
この4つの条件を全て満たした時の、作業にかかる時間が、標準時間となります。 標準時間は図のように、「主体作業時間」と「準備段取り作業時間」から構成されます。標準時間を設定するには、作業測定などで時間を測定した上で、正味時間と余裕時間を合計する必要があります。このとき、余裕率とレイティングという考え方を用います。
余裕率 標準時間もしくは正味時間に占める、余裕時間の割合で、外掛け法と、内掛け法の2つの計算方法があります。
・外掛け法 正味時間に対する余裕時間の割合で、次の式で求めます。 
また、外掛け法による余裕率を使って、標準時間を求める式は次になります。 
標準時間 = 正味時間 X(1+余裕率)
・内掛け法 標準時間に対する余裕時間の割合で、次の式で求めます。 
また、内掛け法による余裕率を使って、標準時間を求める式は次になります。
レイティング 実際に観測した作業時間を、正味時間に修正することです。例えば、非常に作業が早い作業者を基に正味時間を設定すると、標準作業時間としては不適切になるため、標準的な作業者の時間に修正する必要があります。これがレイティングです。 レイティング係数は、基準とする作業ペースを100%とした場合の、その作業者の作業ペースで、この係数を用いて正味時間を次のように計算します。正味時間 = 観測時間の基準値 X レイティング係数 また、標準時間の設定は、観測時間からレイティングで調整することで、正味時間を求めます。次に、正味時間から余裕率を考慮して標準時間を設定します。これを、図のように、主体作業時間と準備段取作業時間について行い、作業全体の標準時間を求めることができます。


ア ×:

 人的余裕に含まれるのは、休憩やトイレに行くなど人間的な要素で必要な余裕です。選択肢の記述にあるような、作業の管理に必要な余裕は、管理余裕になります。よって記述は不適切です。

イ ○:

 外掛け法による余裕率は、正味時間に対する余裕時間の割合です。このため、「余裕時間 = 正味時間 × 余裕率」 となります。また、「標準時間 = 正味時間 +余裕時間」となりますから、この式に最初の式を代入すると、「標準時間 = 正味時間 X(1+余裕率)」となります。よって記述は適切です。

ウ ×:

 標準時間を設定する際は、選択肢の記述に対して「正常な無理のない作業ペースで作業する」を加えた、4つの条件が必要になります。これら4つの条件を全て満たした上で作業にかかる時間が、標準時間となります。よって記述は不適切です。

エ ×:

 レイティング係数は、基準とする作業ペースを100%とした場合の、作業者の作業ペースです。基準値より作業者のペースが早い場合は、レイティングは100%より大きくなります。よって記述は不適切です。

標準時間を設定する手法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア ストップウォッチ法を用いて標準時間を設定する際は、レイティング操作を行う必要がある。

イ 標準時間資料法は、作業時間のデータを分類・整理した図表などを用いて標準時間を設定する方法である。

ウ 実績資料法では、過去のデータを基礎として標準時間を設定する方法で、個別生産でよく利用される。

エ PTS法は、繰返しの少ない作業の標準時間の設定に適しており、標準時間の設定も容易にできる。

ストップウォッチ法 作業の要素ごとにストップウォッチで時間を測定し、レイティングを行って標準時間を設定する方法です。また余裕率については、ワークサンプリング法などで求めます。
実績資料法 過去の実績から標準時間を見積る方法です。この方法は、新たに測定の必要が無いため手間があまりかからないメリットはありますが、精度が低いというデメリットがあります。
標準時間資料法 直接時間を観測せずに、あらかじめ用意しておいた作業要素別の標準時間を合計することで、標準時間を合成する方法です。この方法は、毎回観測をせずに標準時間を求めることができるメリットがあります。ただし、事前に細かい作業単位で標準時間を定めておく必要があります。
PTS法(Predetermined Time Standard System) 
動作を微動作(サーブリッグ)のレベルに分解し、あらかじめ定められた微動作ごとの標準時間を合計する方法です。この方法は、標準時間資料法より、さらに細かい微動作まで分解するのが特徴です。
 これらの標準時間の設定法のうち、ストップウォッチ法は直接時間を測定するため、レイティングが必要となります。一方、残りの方法は、時間を測定せずに資料から間接的に標準時間を求めるため、レイティングは不要です。


ア ○:

 ストップウォッチ法では、作業の要素ごとにストップウォッチで計測した値にレイティングして正味時間を求め、余裕時間を付加して標準時間を設定します。よって記述は適切です。

イ ○:

 標準時間資料法は、直接時間を観測せずに、あらかじめ用意しておいたデータや作業要素別の標準時間を用いて、標準時間を合成する方法です。よって記述は適切です。

ウ ○:

 実績資料法は、過去の実績から標準時間を見積もる方法で、個別生産でよく利用されます。比較的容易に標準時間を設定できる一方で、見積もり精度は低くなる傾向にあります。よって記述は適切です。

エ ×:

 PTS法は、動作を微動作(サーブリッグ)のレベルに分解し、あらかじめ定められた微動作ごとの標準時間を合計する方法です。作業者を直接計測する必要がなく、繰返しの多い作業の標準時間の設定に適しています。一方で、作業を微動作レベルまで分析する必要があるため、手間がかかります。よって記述は不適切です。

品質管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 不合格になるはずのロットが合格になる確率を、消費者危険と呼ぶ。

イ 設計品質は、適合の品質とも呼ばれる。

ウ 安全性能が要求される医療機などは、通常抜取検査が実施される。

エ TQMでは、生産部門の担当者が改善を行って不良の流出を防止する。

品質管理の定義 JISの定義では「買い手の要求に合った品質の品物またはサービスを経済的に作り出すための手段の体系」としています。つまり品質管理は、顧客要求を満たすために、質が高い製品をできるだけ安いコストで提供するための管理と言えます。
品質管理の種類①設計品質(ねらいの品質) 設計時に、顧客の要求を満たすための目標として設定した品質。②製造品質(結果の品質)(適合の品質) 製品の製造時に結果として生じた品質。製造品質をできるだけ設計品質に近づけるためには、製造プロセス自体の品質向上や、品質検査により基準値に対する適合判定が必要となります。そのため、製造品質は「適合の品質」と呼ばれることもあります。
品質管理のキーワード①品質管理は、Quality Control(略してQC)とも呼ばれる。②TQC(Total Quality Control:全社的品質管理) 品質管理を効果的に実施するために、生産現場だけではなく、製品の企画や設計、購買、アフターサービス、人事・教育など、製品を提供する全ての段階で全社的に行う③TQM(Total Quality Management:総合的品質管理) 顧客満足の向上を重視し、経営戦略としてトップダウンで顧客満足や、それを実現するために品質を向上させる手法。④QC サークル 小集団による、現場からのボトムアップの品質改善活動。⑤ISO9000シリーズ(国際標準規格) 製品やサービスの品質保証を通じて、顧客満足向上と品質マネジメントシステムの継続的な改善を実現する国際規格。
品質保証の活動 品質保証では、「検査」「製造」「設計」の3 つの活動が重要です。 品質保証の基本は、①上流の設計時から、より安全で品質の高い製品を作り込む活動を行い ②次に製造工程の品質を高めて不良品を作らないように活動し、③最後に検査で不良品を社外に出さないように活動することで、品質保証を実現します。
検査の種類①全数検査 ・概要:ロット内の全ての製品を検査する方法。 ・メリット:不良品を確実に除外することが可能。 ・デメリット:検査の手間やコストがかかる。 ・適用:高価な製品や、医療機など品質が重視される製品。②抜取検査・概要:ロット内からサンプルを抜取って検査し、その結果でロット全体の合否を判定。・メリット:全数検査よりも手間やコストがかからない。・デメリット:合格となったロットの中にも不良品が含まれる可能性がある。 不合格にしたロットの中にも良品が含まれる可能性がある。・適用:電子部品など、比較的安価で大量に生産する製品。 抜取検査では次のようなリスクが発生します。 ・生産者危険本来は合格にするはずのロットを不合格にしてしまうため、生産者側に発生するリスク。 ・消費者危険本来は不合格にするはずのロットを合格にしてしまうため、消費者側に発生するリスク。


ア ○:

 抜取検査のサンプルの品質がたまたま合格基準を満たしているため、本来は不合格のはずのロットを合格にしてしまう確率を、消費者危険と呼びます。消費者危険とは消費者側のリスクという意味です。よって記述は適切です。

イ ×:

 設計品質は、顧客の要求を満たすための品質を、目標として設定したもので「狙いの品質」と呼ばれます。「適合の品質」と呼ばれるのは、製造品質です。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 医療機や自動車など安全上の品質が重視される製品や、高価な製品は、不具合の見逃しが許されません。このため全数検査を行うのが一般的です。よって記述は不適切です。

エ ×:

 TQMではより高い視点に立った、顧客満足の向上を重視しています。そのため、製品を現場で改善するだけでなく、経営戦略としてトップダウンで顧客満足や、企業全体の経営の品質を向上させていきます。よって記述は不適切です。

TQM(総合的品質管理)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア TQMでは、結果だけに着目するのではなく、プロセスの改善により品質を向上させることを重視している。

イ TQMの原則には、「目的に関する原則」、「手段に関する原則」、「組織の運営に関する原則」の3つがある。

ウ TQMでは、会社利益の優先ではなく、顧客第一の考え方で活動を進めることを重視している。

エ TQMの「組織の運営に関する原則」の中には、リーダーシップ、重点志向、人間性尊重、教育訓練の重視がある。

TQMは、顧客満足の向上や利益創出を実現するために、戦略的に企業活動全体の品質を向上させる手法です。「目的に関する原則」、「手段に関する原則」、「組織の運営に関する原則」の3つの原則に基づき、経営者をはじめ、管理者・監督者・作業者など全員が参加して、企業全体の経営品質を向上させるように活動していきます。 3つの原則は、具体的に次のような考え方から成り立っています。 


ア ○:

 TQMの「手段に関する原則」における、「プロセス重視」の考え方になります。良い結果を継続的に得るためのプロセス(仕事の仕組み・やり方)に着目し、これを管理し、向上させていく。という考え方です。よって記述は適切です。

イ ○:

 TQMには、「目的に関する原則」、「手段に関する原則」、「組織の運営に関する原則」、の3つがあります。よって記述は適切です。

ウ ○:

 TQMの「目的に関する原則」における、「品質第一」や「マーケットイン」の考え方になります。顧客を第一に考え、顧客の中に入りニーズやウォンツを的確に把握し、これを満たす良い製品やサービスの提供を優先させていく考え方です。このような活動が結果的には会社の利益に結びつきますが、最も重視されるのは、顧客満足となります。よって記述は適切です。

エ ×:

 「重点志向」は、「手段に関する原則」に含まれます。よって記述は不適切です。なお、「組織の運営に関する原則」には、選択肢の記述の他に「全員参加」が含まれます

品質管理におけるQC手法を用いる場面の説明として、最も適切なものはどれか。

ア X-R管理図を用いて、ブザーの音量と電流値の関連性を調べた。

イ 散布図を用いて、塗装ムラが発生する予想原因を複数のメンバーで議論した。

ウ ヒストグラムを用いて、100個の製品重量のバラツキを調べた。

エ 層別を用いて、製品の重さが許容値内であるか管理した。

QC7つ道具については、次のようなものがあります。


ア ×:

 (X-R)管理図は、ある対象物の特性を管理するための管理図の一つです。データの平均値を表すX(エックスバー)のグラフと、データの範囲を表すRのグラフを縦に並べて表示します。例えば、ロットから抜取りで重さの検査を行い、サンプルの重さの平均値をX(-)管理図に表示、サンプルの重さの最大値から最小値を引いた範囲を求めてR管理図に表示して、異常やバラツキの傾向を管理します。選択肢の例のように、2つの特性の相関関係の有無を調べる場合には、散布図を用いるのが適当です。よって記述は不適切です。

イ ×:

 散布図は、2つの特性をX軸とY軸に取り、データを点でプロットすることで、2つの特性の間の相関関係を把握するために使います。選択肢のような状況で、問題の発生原因を議論するのであれば、特性要因図を用いるのが適当です。よって記述は不適切です。

ウ ○:

 ヒストグラムは、度数分布図とも呼ばれ、データ範囲ごとのデータの個数、つまり度数を表示したグラフです。選択肢の例であれば、100個の製品について、重量を測定した結果を、1g間隔のデータ範囲に分けてヒストグラムを作ることで、製品重量のバラツキを調べることができます。よって記述は適切です。

エ ×:

 層別は、データの母集団を幾つかの層に分割する際に用います。例えば、外観不良の原因を調べる場合であれば、「塗装ムラ」「傷」「欠け」「指紋」などの項目にデータを分けた上で調査を進めることができます。選択肢の例のように、ある特性の範囲を管理する場合は、管理図を用いるのが適当です。よって記述は不適切です。

品質管理におけるQC手法の内容について、最も不適切なものはどれか。


ア 管理図には、管理限界を示す2本の線が引かれる。

イ 散布図の偽相関とは、2つの特性の間に一見関係がないように見えても、実際に相関があることをいう。

ウ ヒストグラムのデータの分布は、一般には正規分布となる。

エ 特性要因図は、QCサークルで実際に取組む活動内容を決める際に役立つ。

管理図 管理図は、測定した値を折れ線グラフにと共に、上下に管理限界線という線を引いているのが特徴です。上の線を上方管理限界線、下の線を下方管理限界線と呼びます。測定したデータが、管理限界線を越えた場合は、異常と判定します。また、管理限界線を超えない場合でも、データが連続して増加もしくは減少している、管理限界線に近い点が連続している場合などは、工程などに異常がある可能性があります。
パレート図 パレート図は、取り組むべき重点課題を明確にするのに役立ちます。例えば、不良原因別に不良数を表示するパレート図を作成することで、不良対策の重点項目が分かります。ヒストグラムが特定の項目のデータを扱うのに対して、パレート図は複数の項目を層別(種別)にして、出現頻度を多い順に並べます。
ヒストグラム ヒストグラムの分布は、通常、中央が高くなり、その左右が対象に裾野のように広がる正規分布となります。この左右の裾野が広いほどバラツキが大きいということになります。また仮に、分布が正規分布とならない場合はなんからの異常が考えられます。例えば、切削加工品であれば途中で取付けが緩む、機械が壊れるなどの異常を疑う必要があります。
散布図 散布図は、2つの特性をX軸とY軸に取り、データを点でプロットします。この時、点の集合が右下がりになる場合を「負の相関関係」、逆に点の集合が右上がりの場合を「正の相関関係」、点が全体に散らばっている場合を「無相関」であると言います。 また、散布図上で一見相関があるように見えても、実際は第3の要因によって、相関に見えているだけで直接関係がない場合を、「偽相関」と呼びます。例えば、ビールの売上と、熱中症の患者数を散布図にした場合、正の相関関係が見えるかもしれません。しかし、これは気温という第3の要因が上昇すると、ビールが売れて、熱中症の患者が増えるためです。このように、2つの特性の間に直接の関係がない場合は、偽相関となります。
特性要因図 ある特性と、それをもたらす様々な要因の関係を図で表したものです。特性要因図はデータがない場合などに、QCサークルなど複数のメンバーが集まり、ブレーンストーミングなどをしながら要因を抽出して整理するのに向いています。グループで自由に意見を出し合い、問題の原因を特性要因図に記入していきます。
チェックシート チェックシートはさまざま使い方があります。例えば、データの取得項目を一覧にして、各項目の値を記録したり、外観検査で確認する箇所を一覧にして、実際に対象箇所を確認しながら、○/×などのマークをつけたりします。また、チェックシートで確認項目別の不良数を集計して、後にパレート図などで不良品の分析を行うといった使い方もできます。
層別 層別は、ここまで紹介した6つの手法とは少し異なり、特定の図などは存在しません。層別は、データの母集団を幾つかの層に分割して、他の6つの手法と組み合わせて使用します。例えば、外観不良の原因を調べる場合であれば、外観不良として一纏めで扱うのではなく、「塗装ムラ」「傷」「欠け」「指紋」などの項目(層別)にデータを分けた上で、パレート図で不良内容の高い順に並べて分析するといった使い方です。


ア ○:

 管理図には、上下に管理限界線があります。上の線を上方管理限界線、下の線を下方管理限界線と呼びます。測定したデータが、管理限界線を越えた場合は、異常と判定します。よって記述は適切です。

エ ○:

 特性要因図は、ある特性の結果が、複数の要因によりもたらされている場合の情報の整理に役立ちます。このため、QCサークルでテーマを決めた後、品質を高めるために実際に行う活動や、取組む優先順位を決めるのに役立ちます。例えば、外観の不良削減をテーマに上げた上で、外観の不良に繋がるような要因を抽出して特性要因図にまとめ、その中からもっとも大きな要因を特定し、その問題を解決するといった使い方です。よって記述は適切です。

品質管理における新QC7つ道具と、分析内容の組合わせとして、最も適切なものはどれか。


ア 連関図法 ― ばらばらの情報をグループにまとめ、問題などを整理する。

イ 親和図法 ― 目標を設定し、そこにいたるまでの手段を系統立てて展開する。

ウ マトリックス図法 ― 数値データを用いて、2つの要素の問題を整理する。

エ PDPC法 ― 予め発生しそうな問題とその対応策を考えておき、プロジェクトを運営する。

新QC7つ道具の内容は次のようになります。

・ 「連関図法」と「親和図法」、「マトリックス図法」と「マトリックスデータ解析法」は、似たような名称なので、混乱しないように注意しましょう。また、新QC7つ道具の中ので、データを扱うのは、マトリックスデータ解析のみである点も押さえておきましょう。


ア ×:

 連関図法とは、原因と結果、目的と手段が絡みあった問題について、関係を明確にする方法です。選択肢の記述は親和図法に関する内容です。よって記述は不適切です。

イ ×:

 親和図法とは、ばらばらの情報をまとめ、問題などを明確にする方法です。選択肢の記述は、系統図法に関する内容です。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 マトリックス図法では、2つの要素間の関係は、図記号(例えば◎、△、×)や英数字等を用いて、関係の強さなどを定性的に表わします。数値データを用いて関係性を分りやすくするのは、マトリックスデータ解析です。よって記述は不適切です。

エ ○:

 PDPC法は、選択肢の記述のとおり、予め発生しそうな問題と、その対応策を考えておき、それに沿った行動や新しい手法を考える方法です。よって記述は適切です。


設備保全活動に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア プレス機がよく停止するため、故障が起こりにくくなるように改善した。これを予防保全と呼ぶ。

イ 加工機のオイルの交換時期がきたので交換した。これを事後保全と呼ぶ。

ウ 新しい切削マシンの導入時に、現行機種の保全実績を考慮して機種を選定した。これを保全予防と呼ぶ。

エ 測定器の電池が切れたので新品に交換した。これを改良保全と呼ぶ。

設備保全は、設備の性能を維持するための活動です。大きく分けて、設備を維持する活動と、改善する活動があり、内容は次のようになります。
設備を「維持する活動」設備を「改善する活動」
「予防保全」と「保全予防」については混乱しやすいので、「い・よ・か・ほ」( 維持(い)は予防(よ) / 改善(か)は保全(ほ) )と語呂合わせで覚えておくとよいでしょう。


ア ×:

 設備そのものを、故障しにくくなるように改善する活動は、改良保全に該当します。よって記述は不適切です。

イ ×:

 消耗部品等の定期交換により故障を防止する活動は、予防保全に該当します。よって記述は不適切です。

ウ ○:

 過去の保全実績に基づき、新しい設備の導入を計画したり、設計する活動は、保全予防に該当します。よって記述は適切です。

エ ×:

 動作不能な状態になった後での復旧処置は、事後保全に該当します。よって記述は不適切です。

TPM(Total Productive Maintenance)における自主保全活動に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 経営トップから第一線の従業員にいたるまで全員が参加し、ロス・ゼロを達成するための自主保全活動である。

イ 自主保全活動は7つのステップで実施され、最後のステップは「自主管理の徹底」となる。

ウ 設備を中心とするゴミ・ヨゴレの一斉排除と給油、増締めは、「自主点検」のステップで実施される。

エ 必要な保全作業や点検を短時間で確実に実施し、維持するための行動基準の作成は、「自主保全仮基準の作成」のステップで実施される。

TPM(Total Productive Maintenance)における自主保全活動の内容を問われています。 TPMとは、生産部門をはじめ、開発・営業・管理などのあらゆる部門にわたってトップから第一線従業員にいたるまで全員が参加し、ロス・ゼロを達成する保全活動です。TPMにおける保全活動は、次の7つのステップに分けて実施します。


ア ○:

 TPMによる保全活動の特徴は、全員参加のもと、ロス・ゼロを目指します。よって記述は適切です。

イ ○:

 自主保全活動は7つのステップで実施されます。「初期清掃(清掃・点検)」から始まり、最後は「自主管理の徹底」となります。よって記述は適切です。

ウ ×:

 「自主点検」のステップで実施されるのは、能率よく確実に維持できる、各種点検基準や点検チェックシートの作成と実施です。選択肢にある活動は、「初期清掃(清掃・点検)」となります。よって記述は不適切です。

エ ○:

 「自主保全の仮基準の作成」のステップでは、短時間で清掃・給油・増締め・点検等の必要な保全作業が、確実に実施かつ維持できる行動基準が作成されます。よって記述は適切です。

環境保全に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 環境基本法では、事業者の責務として、廃棄物の適正処理、公害防止、環境負荷の低減、再生資源の利用などを挙げている。

イ 廃棄物削減に取組む3つの観点として、リジェクト、リユース、リサイクルがある。

ウ 循環型社会形成推進基本法では、廃棄物の処理の優先順位を ①発生抑制、②再生利用、③再利用、④熱回収、⑤適正処分 の順で決めている。

エ 企業が排出する廃棄物の量をゼロにする取組みのことを、ゼロディフェクトと呼ぶ。

環境基本法 基本理念として、環境への負荷が少ない社会を構築すること、国際的協力による環境保全を推進することなどを挙げています。また、事業者への責務として、廃棄物の適正処理、公害防止、環境負荷の低減、再生資源の利用などを挙げています。さらに、これを推進するために、環境基本計画として長期的な目標が定められています。
循環型社会形成推進基本法 環境基本法に基づいた循環型社会の形成を目的に制定された法律です。この法律では環境負荷をできるだけ低減して、循環型社会を構築できるように、廃棄物の処理の優先順位を次のように定めています。①発生抑制、②再利用、③再生利用、④熱回収、⑤適正処分です。尚、この中で、②~④を循環資源としています。
個別法 循環型社会形成推進基本法に基づいて、循環型社会の形成を推進するための個別の法律として次のような法律があります。


廃棄物の処理・管理・廃棄物削減の3R「リデュース(廃棄物の発生抑制)」「リユース(再使用)」「リサイクル(再利用)」の3つの頭文字をとったものです。尚、この3Rに「リフューズ(廃棄物になるものを買わない)」を加えて4R、さらに「リペア(修理して使う)」を加えて5Rと言う場合もあります。・ゼロエミッション 企業が廃棄物をゼロにする取組みのことで、廃棄物を捨てるのではく、3Rなどを推進することで、廃棄物をゼロにすることを目指します。


ア ○:

 環境基本法では、選択肢の記述の通りの内容を挙げています。また、これを推進するために、環境基本計画として長期的な目標が定められています。よって記述は適切です。

イ ×:

 廃棄物削減の3Rとは、「リデュース(廃棄物の発生抑制」「リユース(再使用)」「リサイクル(再利用)」の3つの頭文字をとったものです。リジェクトではありません。よって記述は不適切です。

ウ ×:

 廃棄物の処理の優先順位は、環境に与える負荷が少なくなる順番で定められています。この観点で考えると、選択肢の記述は②と③が逆となります。よって記述は不適切です。

エ ×:

 廃棄物の量をゼロにする取組みは、ゼロエミッションと呼ばれています。ゼロディフェクトは不良の発生をゼロにすることです。よって記述は不適切です。


LCA(ライフサイクルアセスメント)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア LCAは、製品の原材料の調達、製造から販売に至る一連の過程で使用するエネルギーや、排出物に関する環境影響評価を行う手法である。

イ LCA調査には4つの段階があり、最初に「目的及び調査範囲の設定」を行う。

ウ 「ライフサイクルインベントリ分析」では、ライフサイクルで投入される資源、エネルギー及び、排出物を定量的に把握する。

エ 「ライフサイクル解釈」では、実施されたLCAの結果に基づき、設定した目的及び調査範囲に関して、結論や提言を得るための考察や議論を行う。

LCAとは製品やサービスに対して、原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して環境に与える影響を客観的に評価する手法です。ISO14040ではLCAを、次の4つの段階で規定しています。


ア ×:

 LCAは、製品の廃棄もしくは、リサイクルまでをライフサイクルと捉えて実施します。選択肢の記述は、対象が販売までとなっています。よって記述は不適切です。

イ ○:

 LCAでは最初に、評価するプロセスとその範囲や環境負荷を決め、評価の目的を明らかにする「アセスメントの目的及び調査範囲の設定」を実施します。よって、記述は適切です。

ウ ○:

 「ライフサイクルインベントリ分析」では、選択肢の記述にあるような情報を定量的に把握します。よって記述は適切です。なお、この分析結果は、消費された資源、環境中への排出物、として一覧表に纏められます。

エ ○:

 「ライフサイクル解釈」では、選択肢の記述にあるような考察や議論を行います。よって記述は適切です。

省エネ法 (エネルギーの使用の合理化に関する法律) に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 省エネ法の目的は、「内外のエネルギーを巡る経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保」と「工場、輸送、建築物および機械器具についてのエネルギーの使用の合理化を総合的に進めるための必要な措置を講ずる」ことなどである。

イ 省エネ法における「エネルギー」とは、燃料、熱、電気を対象としている。

ウ 省エネ法では、一定規模以上の事業者などは、省エネ計画の提出やエネルギーの使用状況の報告が求められる。

エ チェーン展開する流通業や小売業は、省エネ法の対象外である。

省エネ法とは、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の略称であり、昭和54年に制定されました。 目的としては、「内外のエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保」と「工場、輸送、建築物および機械器具についてのエネルギーの使用の合理化を総合的に進めるための必要な措置を講ずる」ことなどとしています。
 省エネ法における「エネルギー」とは、燃料、熱、電気を対象としています。また、規制する分野としては、工場・事業場、輸送、住宅・建築物、機械器具を対象としています。一定規模以上の工場や輸送主は、省エネ計画の提出やエネルギーの使用状況の報告などが求められます。
 また、一層のエネルギー使用の合理化を進めるため、省エネ法は平成20年度に改正されました。改正のポイントは、住宅・建築物分野の対策の強化やエネルギー管理の工場単位から事業者単位への変更などです。この改正により、チェーン展開する流通業や小売業なども規模によっては新たに規制対象となりました。対象となったのは、企業全体としてのエネルギー使用量が年間1,500kl以上の事業者です。規模の目安としては、小売業であれば約3万平方メートル以上、コンビニエンスストアであれば30~40店舗以上とされています。

ア ○:

 省エネ法の目的としては、「内外のエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保」と「工場、輸送、建築物および機械器具についてのエネルギーの使用の合理化を総合的に進めるための必要な措置を講ずる」ことなどとしています。よって記述は適切です。

イ ○:

 省エネ法における「エネルギー」とは、燃料、熱、電気を対象としています。よって記述は適切です。

ウ ○:

 省エネ法では、一定規模以上の事業者は、省エネ計画の提出やエネルギーの使用状況の報告などが求められます。よって記述は適切です。

エ ×:

 平成20年度の省エネ法改正により、チェーン展開する流通業や小売業なども規模によっては新たに規制対象となりました。よって記述は不適切です。

コンピュータを用いた開発・設計の情報システムに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 強度に不安がある部品のモデルをコンピュータ上に作成し、強度のシミュレーションを行うのに、「CAD」を用いた。

イ 新製品を開発するにあたり、前モデルと同じ部品を使用する部分については、その部品の「CAE」データを再利用しながら設計を進めた。

ウ コンピューター上の部品設計データを、「CAM」を用いて加工機械で使えるデータに変換した。

エ 設計・開発に関わるすべての情報を一元化して管理し、複数部門で共有ができるように、「CAI」を導入した。

CAD(Computer-Aided Design) コンピュータを利用して行う製品の設計システムです。CADでは製品の形状やその他の属性データからなるモデルをコンピュータ内部に作成し、製品の設計を進めます。作成した設計データをモデルと呼び、このデータにサイズなどのパラメータで与えることで、似たような部品のバリエーションを簡単に作成できます。このように、CADを利用することで設計作業を効率化することができます。
CAM(Computer-Aided Manufacturing) コンピュータ内部に作成したモデルの情報を、加工機械などに直接インプットするシステムです。CAMでは、CADなどで設計したモデルを、実際に生産ができるようにNC工作機械などにインプットします。
CAE(Computer-Aided Engineering) コンピュータ内部に作成したモデルの情報を基に、製品や部品の解析評価を行うシステムです。CAEは、製品を実際に作る前に、強度や安定性、性能などの解析やシミュレーションによる評価ができます。CAEを利用することで、実際に試作品を作る前にある程度の確認がコンピュータ上でできるため、設計のリードタイムを短縮することができます。
PDM(Product Data Management:製品情報管理システム) CADで作成した製品の設計情報や、部品構成を表す部品表、製品の開発プロセス、およびこれらの変更履歴などを管理するシステムです。PDMの導入によって、製品情報が一元的に管理できるため、関連部門間で情報を共有しながら同時進行で設計を行う、コンカレントエンジニアリングの実現が可能となります。 製品開発とは異なる分野ですが、コンピュータを用いたシステムとしてCAIがあります。
参考:CAI(Computer-Aided Instruction) コンピュータを用いた教育システムです。複数の人に同時に教えながら、個々の理解力や進度に合わせた個別教育も行えます。


ア ×:

 「CAD」は、製品の設計をコンピュータを利用して行うシステムです。選択肢の記述は「CAE」に関する内容です。よって記述は不適切です。

イ ×:

 「CAE」は、コンピュータ上のモデルの情報を基に、製品のシミュレーションを行うシステムです。選択肢の記述は「CAD」に関する内容です。よって記述は不適切です。

ウ ○:

 「CAM」は、選択肢の記述にあるように、「CAD」などで設計したコンピュータ上のモデル情報を、実際の生産に必要な情報に変換し入力するシステムです。よって記述は適切です。

エ ×:

 「CAI」は、コンピュータを用いた学習システムです。選択肢の記述は「PDM」に関する内容です。よって記述は不適切です。


製造の情報システムの内容の組合せとして、最も不適切なものはどれか。


ア NC - 入力された、切削用工具の刃先の加工動作情報をもとに、動作する機械。

イ MC - 自動工具交換機能をもち、1台でさまざまな加工ができる機械。

ウ FMC - まとまった工程を自動化できるように、機械を組み合わせたもの。

エ FMS - 生産だけでなく、受注や設計、物流なども含めて全体を管理するシステム。

NC(Numerical Control) CADなどの設計データから作成したプログラムを使って、自動的に製品を加工するように数値制御される工作機械です。また、コンピュータが組み込まれたNCのことをCNC(Computer Numerical Control)と呼びます。
MC(Machining Center) 機械に多数の工具がセットされており、工具を自動的に使い分けながら加工する工作機械です。MCは、1台で様々な加工が行える特徴があります。
FMC(Flexible Manufacturing Cell) NCやロボットなどの個々の機械を組み合わせたものです。FMCは、まとまった工程を自動化するものです。
FMS(Flexible Manufacturing System) 工程全体をコンピュータで管理する生産システムです。FMSは、複数のFMCや自動搬送装置から構成された工程を管理します。FMSにより、1つの生産ラインで様々な製品を生産できるため、多品種少量生産に対応することができます。
FA(Factory Automation) 工場全体を管理するシステムです。
CIM(Computer Integrated Manufacturing) 生産だけでなく、受注や設計、物流など、製造業のオペレーション全体を管理するためのシステムです。
 FMCのC:Cell(狭い範囲)、FMSのS:System(広い範囲・ライン全体)


ア ○:

 「NC」は、CAD などで作成した設計情報から生成したプログラムを使い、数値制御により自動加工を行う工作機械です。よって記述は適切です。

イ ○:

 「MC」は、機械に多数の工具がセットされており、工具を自動的に使い分けながら、1台で様々な加工ができる工作機械です。よって記述は適切です。

ウ ○:

 「FMC」は、「NC」やロボットなどの個々の機械を組み合わせ、セル単位で作業を自動化するものです。「FMS」がライン全体を自動化するのに対して、「FMC」はもう少し小さい範囲の自動化です。これにより作業の柔軟性を確保しています。よって記述は適切です。

エ ×:

 FMSは、複数のFMC や自動搬送装置を組み合わせて構成された工程全体をコンピュータで管理する生産システムです。選択肢の記述はCIMに関する内容です。よって記述は不適切です。


開発や生産段階で用いられるシミュレーション技術について、最も不適切なものはどれか。

ア ロバスト法を用いて入力パラメータをランダムに生成し、複数の条件下における、ロボットの動作を解析した。

イ 自動車の開発費用と期間を減らすために、ディジタルモックアップを用いて、空力性能を評価した。

ウ 製品の立上げをスムーズに行うために、バーチャルマニファクチャリングを用いて、製造ラインの人・物・設備などの動きを事前に解析した。

エ 自動車の乗り心地を評価するため、音響解析、振動解析、強度(剛性)解析を行った。

バーチャルマニファクチャリング 製品の開発・設計・製造(生産設備 / 作業者)・検査など、生産に関わる全てをコンピュータの中に構築します。なるべく少ない情報を用いて、現実に近い生産システムのモデルを作り、実際に生産する前に仮想的に生産を行う、シミュレーションシステムです。
モンテカルロ法 乱数(ランダムに変動する変数)を用いて、シミュレーションや数値計算を行う、統計的推測法の総称です。コンピュータにより発生させた乱数を、疑似データとしてモデルに入力して挙動解析を行う、シミュレーションシステムです。

構造解析も含めて、コンピュータ上に仮想モデルを作り評価する手法は、CAE / シミュレーションのどちらの名称でも表現される点を理解しておきましょう。


ア ×:

 ランダムにパラメータ(乱数)を生成する手法はモンテカルロ法となります。ロバスト(性)とは定常状態にある対象物に外乱を加えた場合の安定性のことです。例えば、乾いた路面で走っている車が、急に濡れた路面に乗った時にどの程度安定した状態を保つかを示します。通常は、モンテカルロ法などによって生成したパラメータをモデルに入力して挙動を調べ、ロバスト(性)を確認します。よって記述は不適切です。

ウ ○:

 現実に近い生産システムのモデル(バーチャルマニファクチャリング)を作り、実際に生産する前に仮想的に生産を行うことで、製品の立上げをスムーズに行うことができます。よって記述は適切です。

 

サプライチェーンマネジメントについて、JISの定義の中では、その目標を次のように記載している。文中の空欄A~Dに入る用語の組合せとして、もっとも適切なものはどれか。

 SCMの目標は、( A )マネジメントを実現するとともに、最新情報技術及び制約理論、APSというサプライチェーン計画などの管理技術に基づき、( B )の変化に対してサプライチェーン全体を( C )に変化させ、ダイナミックな環境のもとで部門間や企業間における業務の( D )を図ることである。


ア A:キャッシュフロー B:景気 C:俊敏 D:効率最適化

イ A:顧客重視 B:市場 C:柔軟 D:全体最適化

ウ A:キャッシュフロー B:市場 C:俊敏 D:全体最適化

エ A:顧客重視 B:景気 C:柔軟 D:効率最適化

サプライチェーンマネジメント(SCM:Supply Chain Management)は、材料から生産、販売を経て製品が消費者に渡るまでの一連のサプライチェーン(供給連鎖)の全体を最適化するための手法で、イメージは次の図のようになります。


 ここでは、サプライチェーンの中で需要情報や販売情報、生産情報などをリアルタイムで共有し全体を最適化します。これにより、最適な量の製品を迅速に提供できるようになるため、在庫を削減し、リードタイムを短縮するなどの経営の効率化が図れます。
 また、JISではその内容と目標を次のように定義しています。
JISのサプライチェーンマネジメントの定義 サプライチェーンマネジメントは、資材供給から生産、流通、販売に至る物又はサービスの供給連鎖をネットワークで結び、販売情報、需要情報などを部門間又は企業間でリアルタイムに共有することによって、経営業務全体のスピード及び効率を高めながら顧客満足を実現する経営コンセプトである。 
備考:SCMの目標は、キャッシュフローマネジメントを実現するとともに、最新情報 技術及び制約理論、APSというサプライチェーン計画などの管理技術に基づき、市場の変化に対してサプライチェーン全体を俊敏に変化させ、ダイナミックな環境のもとで部門間や企業間における業務の全体最適化を図ることである。


 JISの定義の中では、サプライチェーンマネジメントの目標を、前述の解説のように記載しています。よって正解はウとなります。

 サプライチェーンマネジメントでは、企業間で情報共有することで、市場のニーズに迅速に対応して顧客満足を高めるとともに、各企業で抱える安全在庫や、死蔵在庫を削減することでキャッシュフローを高める目的があります。

ブルウィップ効果の抑制に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア サプライチェーンの企業間における情報共有が進むことで抑制ができる。

イ 小売業の物流センターの在庫をサプライヤーが管理して、必要量を補充した。

ウ 卸売業者や小売業を介さずに、製造メーカーが直販店を作り販売することにした。

エ 卸売業者から小売店に納品する回数を月に4回から2回に減らした。

ブルウィップ効果(Bullwhip Effect)とは、需要を予測しながら発注する形態の流通経路で見られる現象です。川下にある小売店での需要の変化が、卸業者、メーカーと川上に向かっていく段階で、その変動幅が拡大してしまい、全体で過剰な在庫を生み出してしまいます。これは流通経路の各段階で、独自の判断によって通常より多く注文してしまうことが原因です。 ブルウィップとは、もともとは牛追いの鞭(ムチ)の意味で、手元では少しの振りでも先端にいくと大きな振りとなることから、在庫が拡大していくイメージと重ねてこう呼んでいます。

 ブルウィップ効果を抑制するためには、川下の需要情報や在庫情報を川上でも共有する必要があります。具体的には、卸売業が小売業のPOS データを自らの在庫管理に活用する、メーカーが小売業の販売実績データを入手し自社の生産計画に活用するなどです。 そのため、サプライチェーンマネジメントの導入や、ベンダー主導型の在庫管理であるVMI(Vendor Management Inventory)の導入が、ブルウィップ効果の抑制に効果的です。


ア ○:

 川下にある小売店での需要の変化が、卸業者、メーカーと川上に向かっていく段階で、独自の判断により需要が水増しされ、在庫の拡大が連鎖します。この結果、ブルウィップ効果が発生します。サプライチェーンの各段階における業者での情報共有が進めば、より適切な判断が出来ますから、ブルウィップ効果を抑制できます。よって記述は適切です。

イ ○:

 選択肢の記述にあるような内容は、VMI(Vendor Management Inventory:ベンダー主導型在庫管理)と呼ばれます。ベンダー(サプライヤー)が、小売店の販売量、すなわち需要の変化を正確にリアルタイムで把握することで、ブルウィップ効果を抑制できます。よって記述は適切です。

ウ ○:

 製造メーカーが直販店を運営して、販売量すなわち需要の変化を正確に把握すれば、ブルウィップ効果を抑制できます。よって記述は適切です。

エ ×:

 納品回数が減る、すなわち発注頻度が減るため、その分在庫量を増やす必要があります。また、需要予測の期間も長くなることから、需要予測の精度が下がり、小売店は余裕を持って注文する傾向が強くなります。このため、ブルウィップ効果は大きくなります。よって記述は不適切です。

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