直前対策講座 企業経営理論 財務・会計

資本資産評価モデルを前提とした場合、以下の資料に基づく株式の期待収益率として最も適切なものを、下記の解答群から選べ。

〔資料〕

市場ポートフォリオの期待収益率:8%

無リスク資産の期待収益率:3%

β:1.4

実効税率:40%

CAPM=無リスク資産の期待収益率:3%+β:1.4*(市場ポートフォリオの期待収益率:8%ー無リスク資産の期待収益率:3%)
=3%+1.4*5%
=3%+7%
=10%

現在、2つの投資案(投資案A、投資案B)について検討している。各投資家の収益率は、景気や為替変動などによって、パターン①~パターン④の4つのパターンになることが分かっており、パターンごとの予想収益率は以下の表のとおりである。なお、この予想収益率は投資額にかかわらず一定である。また、各パターンの生起確率はそれぞれ25%と予想されている。投資案Aおよび投資案Bの予想収益率の共分散は-15、相関係数は-0.95である。【平成28年第15問より】

    パターン①パターン②パターン③パターン④
投資家A  2%    5%   11%   14%
投資家B  12%    7%   5%    3%

①期待値
期待値=Σ(値X確率)
投資案Aの期待値=(2%+5%+11%+14%)*0.25%=8%
投資案Bの期待値=(12%+7%+5%+3%)*0.25%=6.75%
②偏差
※ 偏差=値-期待値
パターン① 投資案A:2‐8=-6% 投資案B:12-6.75=5.25%
パターン② 投資案A:5‐8=-3% 投資案B:7-6.75=0.25%
パターン③ 投資案A:11‐8=3% 投資案B:5-6.75=-1.75%
パターン④ 投資案A:14‐8=6% 投資案B:3-6.75=-3.75%
③共分散
共分散=Σ(Xの偏差XYの偏差X確率)
共分散=Σ((-6)X5.25+(-3)*0.25+3*(-1.75)+6*(-3.75))*0.25=‐15
④分散
分散=Σ(偏差²X確率)
投資案Aの分散=Σ((-6)²+(-3)²+3²+6²)*生起確率0.25)=22.5
投資案Bの分散=Σ(5.25²+0.25²+(-1.75)²+(-3.75)²)*生起確率0.25≒11.2
⑤標準偏差
標準偏差=√分散
投資案Aの標準偏差=√22.5=4.74%
投資案Bの標準偏差=√11.2=3.34%
⑥相関係数
相関係数は、符号は共分散と同じで、動きの大きさを-1から1の間で表す係数
相関係数=共分散/(Xの標準偏差XYの標準偏差)
相関係数=-15/(4.74*3.34)
=-15/15.8316
=-0.95

ポートフォリオ理論におけるリスクに関する記述として最も適切なものはどれか。

ア安全資産とは、リスクがなく、期待収益率がゼロである資産のことである。×

イ収益率が完全な正の相関を有する2つの株式へ分散投資しても、リスク分散効果は得られない。〇

ウ同一企業の社債と株式への投資を比較すると、リスクが高いのは社債への投資である。×

エ分散投資によって、リスクをゼロにすることができる。×

1年後の配当は105千円、その後毎年3%の成長が永続することを見込んでいる。割引率(株主資本コスト)が年5%である場合、配当割引モデルに基づく企業価値の推定値は、2,100千円である。【平成28年第16問より

配当割引モデルに基づく企業価値の推定値
=FCF/(資本コストr-毎年成長率g) (r>g)
=105千円/(割引率(株主資本コスト)‐年5%毎年3%の成長)
=105/(0.05-0.03)
=105/0.02
=5250

現在A社は、全額自己資本で資金調達しており、その時価は10,000万円である。A社は毎期600万円の営業利益をあげており、この営業利益はフリー・キャッシュ・フローに等しい。MM理論が成り立つとし、法人税は存在しない場合、A社が利子率2%の借入を行うことによって2,000万円の自己株式を買入消却し、負債対自己資本比率を20:80に変化させたとき、A社の自己資本利益率は6%になる。【平成26年第15問より】

自己資本利益率=利益÷自己資本
利益=営業利益600
自己資本=10000*0.8=8000
借入利息=2000*2%=40
借入後営業利益=600-40=560
自己資本利益率=利益560÷自己資本8000
=7%

A社が資本構成を変化させたとき、法人税が存在する場合(法人税率は40%とする)、資本構成変化後のA社の企業価値は10,000万円となる。【平成26年第15問より】

負債比率が高まるほど節税効果の現在価値分だけ企業価値は上昇。
企業価値の上昇分=負債額2,000万円X法人税率40%=800万円

資本構成変化前の企業価値10,000万円より800万円増加した10,800万円が、資本構成変化後のA社の企業価値。

PBR(Price Book-valueRatio)は株価純資産倍率と呼ばれ、株価が純資産の何倍であるかを示す指標。よって、「PBR =株価÷1株当たり純資産」

現在、1株当たり配当金が40円であり、毎年同額の配当が支払われると予想される株式の理論価格は、株主の期待収益率を5%とすると、800円と計算される。

=FCF/自己資本コスト
=40/0.05
=800

配当性向=1株当たり配当額÷1株当たり当期純利益、
株価収益率=株価÷1株当たり当期純利益、
配当利回り=1株当たり配当額÷株価から、
配当性向=株価収益率×配当利回りになります。

PER=株価が1株あたり利益(EPS)の何倍で評価されているかを示す指標
PER =株価÷EPS

「PBR =株価÷1株当たり純資産額」の式から、PBRの値が1より小さい場合には、株価が1株当たり純資産より低く評価されていることになります。

企業価値評価では、一般的にPBR やPER などの諸比率を用いたマルチプル法(乗数法)に代表されるマーケット・アプローチと呼ばれる手法のほか、企業の期待キャッシュ・フローの割引現在価値によって評価額を推計するDCFアプローチ、企業の保有する資産や負債の時価などから企業価値を評価するコスト・アプローチといった手法も用いられている。【平成26年第20問より】○

「PER =株価÷EPS」より、「株価=PER ×EPS」というように計算することができるので、マルチプル法(乗数法)と呼ばれます。

次の資料に基づき当社のPBRと配当性向の数値として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

【資料】

当期純利益2億円

当期支払配当総額3,000万円

純資産額20億円

発行済株式数100万株

株価5,000円

PBR=株価純資産倍率
=株価÷BPS(一株当たり純資産額)
一株当たり純資産額=純資産額20億円÷発行済株式数100万株
=2000円
PBR=株価5000÷一株当たり純資産額2000
=2.5倍
配当性向=配当総額÷当期純利益
=3,000万円÷2億円
=0.15*100
=15%

【解答群】

アPBR:25倍配当性向:0.15%

イPBR:25倍配当性向:15%

ウPBR:2.5倍配当性向:0.15%

エPBR:2.5倍配当性向:15%

他の条件が一定であるとき、金利が高ければコール・オプションの価値は高くなる。【平成26年第22問より抜粋】○

当社の前期末の1株当たり配当金は160円であり、今後毎年2%の定率成長が期待されている。以下のデータに基づいて算定した場合の当社の理論株価として最も適切なものウである。

【データ】

安全利子率:2%

市場ポートフォリオの期待収益率:4%

当社のベータ値:1.5

ア3,264円イ4,080円ウ5,440円エ8,160円

CAPM=安全利子率:2%+当社のベータ値:1.5*(市場ポートフォリオの期待収益率:4%ー安全利子率:2%)
=2%+1.5(2%)
=5%
第0期の理論株価=第1期の配当額/(割引率-配当成長率)
=(160*(1+0.02))/(5%-2%)
=163.2/0.03
=5440

当社の前期末の1株当たり配当金は120円であり、今後毎年2%の定率成長が期待されている。資本コストを6%とすると、この株式の理論価格として最も適切なものは選択肢ウである。【平成29年第18問より抜粋】

理論価格=(0期の配当額*(1+定率成長率))/(資本コストー定率成長率)
=(120*(1+0.02))/(0.06-0.02)
=122.4/0.04
=3060

1年後の配当は105千円、その後毎年3%の成長が永続することを見込んでいる。割引率(株主資本コスト)が年5%である場合、配当割引モデルに基づく企業価値の推定値【平成28年第16問より抜粋】

配当割引モデルに基づく企業価値の推定値=FCF/(r-g)
=(1年後の配当は105千円)/(0.05-0.03)
=105/0.02
=5250

A社の配当は60円で毎期一定であると期待されている。このとき、以下のデータに基づいてA社の理論株価を算定。

【データ】

安全利子率:2%

市場ポートフォリオの期待収益率:4%

A社のベータ値:1.5

A社株主資本コストCAPM=安全利子率:2%+A社のベータ値:1.5*(市場ポートフォリオの期待収益率:4%ー安全利子率:2%)
=2%+1.5(2%)
=5%

A社の理論株価=60/0.05
=1200

受注生産では、顧客からの注文に速やかに対応できるよう生産リードタイムを短くする必要がある。

***

この日は近場でキッズフリマがあるということで久しぶりに家族サービス外出しました。夏休みなのに仕事と勉強で何処にも連れて行ってあげれていないので申し訳ないです。もっとも2時間位外出しただけで熱中症ぽくなってしまう暑さなので、せめて家の室内で宿題等のサポートをしながら一緒に過ごしています。

一方、勉強の方では直前対策講座が想像以上に直前対策に相応しく、コンパクトに科目が纏まっていて直前総復習に大助かりの講座になりました。

2021年08月01日 (日) の学習履歴
中小企業診断士講座
6時間
直前対策講座-1次試験全科目セット[2021年度試験対応]3時間29分(1レッスン終了)
直前対策講座3時間29分
直前対策講座-企業経営理論1時間20分
直前対策講座-財務・会計2時間09分
その他の学習履歴2時間31分
ビデオ講座2時間31分
中小企業診断士
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