経営法務 事業再編と持分会社 契約とその他の法律知識

吸収合併 【平成23年 第3問】

 A株式会社(以下「A社」という。)と、B株式会社(以下「B社」という。)は、A社を吸収合併消滅会社、B社を吸収合併存続会社として、おおむね以下のスケジュールで吸収合併を実施する予定である。その際、A社の吸収合併の手続に関する記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、A社の定款には、関連する事項についての特段の定めはなく、また、A社は、発行する株式の全てが譲渡制限株式であり、かつ、取締役会設置会社であるものとする。

 平成24 年2月20 日(月) 吸収合併契約の調印

 平成24 年3月14 日(水) 吸収合併契約承認の株主総会

 平成24 年4月1日(日) 吸収合併の効力発生日

[解答群]

ア A社では、吸収合併契約書を本店に備え置く必要があるが、本件の場合、吸収合併契約調印の翌日の平成24 年2月21 日から備置きを実施しなければ、本吸収合併は無効となる。?〇×合併契約に関する書面を備え置く期間は、原則として、合併の承認を受ける株主総会の日の2週間前の日から、合併の効力発生日後6ヶ月を経過する日まで。

イ A社の株主に対しては、株主総会の招集通知と株式買取請求権に関する通知をしなければならないが、前者は株主総会の1週間前まで、後者は吸収合併の効力発生日の20 日前までと決まっているので、同時に通知することはできない。×3月6日(火)までに、同時に行うことが可能

ウ A社の債権者が1社だけの場合であっても、A社では、その債権者に対して本件吸収合併について通知するだけでなく、吸収合併の公告を行わなければならない。?×〇債権者が1社だけであっても同様

エ 今回の吸収合併の場合、効力発生日が日曜日にあたり、法務局で登記を受け付けてもらえないため、A社の登記上、解散の理由は、実際に登記申請した日に合併した旨記載され、平成24 年4月1日に合併した旨は記載されない。×会社間で定めた効力発生日に発生

会社分割 【平成22年 第4問】

 甲株式会社(以下「甲社」という。)では、営業部門を会社分割の手続を利用して分社化することとしているが、その中で、従業員A~Dの所属について、以下の対応を検討している。これら従業員のうち、「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」第2条第1項に基づく通知が必要となる者の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、分社化により新たに設立される会社を乙株式会社(以下「乙社」という。)とする。

 従業員A:入社以来、営業部門に従事している者であるため、会社分割に際しても、乙社所属とする。〇?×〇分割する事業に従事する労働者に該当するため、会社の分割契約に関する通知が必要

 従業員B:総務部門に従事する者であるが、乙社での総務担当者がおらず、従業員Bは過去に営業部門に関連する総務業務も担当していたことがあるため、会社分割に際しては、乙社所属とする。〇会社分割後は乙社の所属となります。従って、通知が必要

 従業員C:経理部門に従事し、営業部門に関連する経理も若干担当していたことはあるものの、会社分割に際しては、甲社所属とする。〇×

 従業員D:一昨年の人事移動で、営業部門に異動となり、その後約2年間その業務に従事していたが、適性の問題もあることから、会社分割に際しては、甲社所属とし、異動前の部署に戻す。〇乙社に承継される事業に従事していますが、会社分割後は甲社の所属となります。従って、通知が必要

[解答群]

ア A、B、C

イ A、B、D×〇

ウ A、C、D

エ B、C、D〇×

 新設分割 【平成28年 第3問】(設問1)

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X社は、αの製造販売事業(以下「α事業」という。)を営んでいる。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲氏:「おかげさまで弊社のα事業は好調です。そこで、業容を拡大したいと考えていたところ、先日ちょうど、取引銀行を通じて、弊社と同じα事業を営んできたY社から、事業の選択と集中を進めたいから同事業を買収しないかという話をもらいまして、現在前向きに検討しています。Y 社は、α事業以外の事業も営んでいるので、新設分割でα事業をいったん切り出して子会社Z社を設立し、弊社がY社からZ社の全株式を現金で買い取るスキームを考えています。何か注意しておいた方がいいことはありますか。」

 あなた:「(A)。それから、同業他社から競合する事業を買収することになりますから、独占禁止法に抵触するかどうかも問題になります。少なくとも公正取引委員会への届出の要否については検討しなければなりません。」

 甲氏:「(B)。」

 あなた:「(C)。いずれにせよ、事業の買収、特に買い手の場合には、大小様々なリスクを伴いますから、その分野に詳しい専門家からアドバイスを受けないと後で痛い目を見ますよ。ちょうどいい人を知っていますから紹介しますよ。」

 甲氏:「ありがとうございます。」

(設問1)

 会話の中の空欄Aに入る記述として、最も不適切なものはどれか。

ア α事業に関係する債務は、Z社が承継する債務から除外することはできないので、α事業に関係する簿外債務がないかどうかの調査が重要になります×

イ Y社がα事業に関して締結している契約の中に、会社分割が解除事由として定められているものがないかの確認が重要になります〇

ウ Z社においてα事業を営むのに新たに許認可を取得することが必要な場合には、その許認可を得るのに必要な期間やコストを把握しておく必要があり、そのコストをX社が負担するのかY社が負担するのか交渉する必要があります〇

エ 契約の分割等の要否を検討するために、Y社が、α事業とそれ以外の事業の双方で、同一の契約に基づいて使用しているリース資産やシステムがないかどうかの確認が必要になります〇

新設分割 【平成28年 第3問】(設問2)

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X社は、αの製造販売事業(以下「α事業」という。)を営んでいる。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲氏:「おかげさまで弊社のα事業は好調です。そこで、業容を拡大したいと考えていたところ、先日ちょうど、取引銀行を通じて、弊社と同じα事業を営んできたY社から、事業の選択と集中を進めたいから同事業を買収しないかという話をもらいまして、現在前向きに検討しています。Y 社は、α事業以外の事業も営んでいるので、新設分割でα事業をいったん切り出して子会社Z社を設立し、弊社がY社からZ社の全株式を現金で買い取るスキームを考えています。何か注意しておいた方がいいことはありますか。」

 あなた:「(A)。それから、同業他社から競合する事業を買収することになりますから、独占禁止法に抵触するかどうかも問題になります。少なくとも公正取引委員会への届出の要否については検討しなければなりません。」

 甲氏:「(B)。」

 あなた:「(C)。いずれにせよ、事業の買収、特に買い手の場合には、大小様々なリスクを伴いますから、その分野に詳しい専門家からアドバイスを受けないと後で痛い目を見ますよ。ちょうどいい人を知っていますから紹介しますよ。」

 甲氏:「ありがとうございます。」

(設問2)

 会話の中の空欄BとCに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア B:株式買取りのスケジュールには影響しますか

  C:公正取引委員会が短縮を認めてくれない限り、最短でも届出を受理されてから、30日を経過するまでは、株式を取得することはできないので、スケジュールに影響しますね?×〇原則として公正取引委員会の株式取得の届出受理の日から30日を経過するまで、会社は株式取得を禁止

イ B:届出を行うのは、X 社ですか。Y社ですか

  C:Y社です×

ウ B:届出を行う前に、公正取引委員会に相談に行くことはできるのですか

  C:できません×

エ B:どんな規模でも届出が必要になるのですか

  C:X社の企業グループ全体の国内売上高が10億円以上の場合で、かつ、Z社とその子会社の国内売上高の合計が1億円以上の場合に、届出が必要になります?〇×企業結合集団の国内売上高の合計額が200億円を超える会社が、国内売上高が(子会社も含めて)50億円を超える会社の株式を取得しようとする場合で、一定の要件に該当するときに、株式取得の届出が必要

組織再編 【平成24年 第4問】

 あなたの顧客であるX 株式会社(以下「X 社」という。)の代表取締役甲氏からの、X 社の組織再編に関する以下の相談内容を前提に、Y 株式会社(以下「Y 社」という。)のC 部門を独立した1つの会社とする手続きとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【甲氏が持参した書面】

 X 社では、100 パーセント子会社としてA 株式会社(以下「A 社」という。)を保有している。

 一方、Y 社では、B 部門とC 部門の2つの事業を行っており、このうち、C 部門の事業は、A 社の事業と同じである。

 X 社としては、事業を拡大するため、Y 社のC 部門を譲り受けたい。

 譲り受けるにあたっては、A 社とY 社では、従業員の処遇に違いがあることから、一度に統合することは難しい可能性もある。そのため、C 部門をそのまま切り出して、直接1つの独立した会社とした後に、その株式を譲り受け、A 社と同様に、X 社の100 パーセント子会社とすることとしたい。

[解答群]

ア 吸収合併×

イ 吸収分割〇×分割した事業を別の会社が承継する方法

ウ 事業譲渡×

エ 新設分割〇完全親会社と完全子会社の関係を作ることができるのは、新設分割 新設分割は、事業を切り離して分社化したい時などに使われます。

 事業譲渡 【令和元年 第2問】

会社法が定める株式会社の事業譲渡に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、反対株主の買取請求権に関する会社法第469条第1項第1号及び第2号については考慮しないものとする。

  1. 事業譲渡の対価は、金銭でなければならず、譲受会社の株式を用いることはできない。×
  2. 事業譲渡をする会社の株主が、事業譲渡に反対する場合、その反対株主には株式買取請求権が認められている。〇
  3. 事業の全部を譲渡する場合には、譲渡会社の株主総会の特別決議によって承認を受ける必要があるが、事業の一部を譲渡する場合には、譲渡会社の株主総会の特別決議による承認が必要となることはない。×事業を全部譲渡する場合のほか、事業のうち重要な一部を譲渡する場合にも、株主総会の特別決議の承認が必要
  4. 当該事業を構成する債務や契約上の地位を譲受人に移転する場合、個別にその債権者や契約相手方の同意を得る必要はない。×当該事業を構成する債務や契約上の地位まで譲受人に移転するには、個別にその債権者や契約相手方の同意を得る必要

事業譲渡と会社分割 【平成20年 第4問】(設問1)

 中小企業診断士であるあなたは、X株式会社の全株所有者である甲社長から相談を受けた。以下は、あなたと甲社長との会話の一部である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲社長:「私もだいぶ高齢になったので、そろそろ引退しようと思っているんですが、会社にはどうも適当な後継者がいないんですよ。
それで、どうしようかと思っていたら、どうもY株式会社が引き継いでくれそうな感じなんです。私が持っている100 パーセントの株式をY株式会社に譲渡しようかと思ったのですが、当社は、若干ですが、不動産の賃貸業もやっていますから、Y株式会社に引き継いでもらうとしても本業だけにして、不動産の賃貸業は残しておこうかと思うんです。
賃貸業でもちょっとした収入になりますから、私の生活の足しにもなりますし、私一人でできますから。そういったこともできますかね。」

 あなた:「事業譲渡、会社分割の方法で可能になると思いますよ。」

 甲社長:「事業譲渡というのは、わかるのですが、会社分割というのを使うとどういう形に進めるわけですか。」

 あなた:「( A )」

 甲社長:「なるほど。事業譲渡と会社分割なら、どちらの方がいいわけですか。」

 あなた:「どちらにも一長一短ありますし、Y株式会社の都合にもよりますから、何ともいえません。」

 甲社長:「じゃあ、この2つの方法で、何か違うところがあるのですか。」

 あなた:「ありますよ。例えば、( B )」

(設問1)

 会話の中の空欄Aに入る文章として最も適切なものはどれか。

ア 不動産業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、本業を行う子会社を作ります。それから、その子会社の株式をY株式会社に譲渡します。〇〇

イ 本業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、不動産業を行う子会社を作ります。その子会社設立と同時に、その子会社の株式を全部Y株式会社に割り当てます。×

ウ 本業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、不動産業を行う子会社を作ります。それから、X株式会社の株式をY株式会社に譲渡します。〇×

エ 本業を分割して、当然にY株式会社の一部門とすることができますから、その結果、甲社長もY株式会社の株主となることができます。〇×Y社株式の交付先は甲氏ではなくX社となるため、甲氏がY社の株主となるわけではありません。

事業譲渡と会社分割 【平成20年 第4問】(設問2)

 中小企業診断士であるあなたは、X株式会社の全株所有者である甲社長から相談を受けた。以下は、あなたと甲社長との会話の一部である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲社長:「私もだいぶ高齢になったので、そろそろ引退しようと思っているんですが、会社にはどうも適当な後継者がいないんですよ。
それで、どうしようかと思っていたら、どうもY株式会社が引き継いでくれそうな感じなんです。私が持っている100 パーセントの株式をY株式会社に譲渡しようかと思ったのですが、当社は、若干ですが、不動産の賃貸業もやっていますから、Y株式会社に引き継いでもらうとしても本業だけにして、不動産の賃貸業は残しておこうかと思うんです。
賃貸業でもちょっとした収入になりますから、私の生活の足しにもなりますし、私一人でできますから。そういったこともできますかね。」

 あなた:「事業譲渡、会社分割の方法で可能になると思いますよ。」

 甲社長:「事業譲渡というのは、わかるのですが、会社分割というのを使うとどういう形に進めるわけですか。」

 あなた:「( A )」

 甲社長:「なるほど。事業譲渡と会社分割なら、どちらの方がいいわけですか。」

 あなた:「どちらにも一長一短ありますし、Y株式会社の都合にもよりますから、何ともいえません。」

 甲社長:「じゃあ、この2つの方法で、何か違うところがあるのですか。」

 あなた:「ありますよ。例えば、( B )」

(設問2)

 会話の中の空欄Bに入る文章として最も適切なものはどれか。

ア 事業譲渡の場合は、金銭が対価でなければなりませんが、会社分割の場合は、法律上、Y株式会社の株式が対価でなければなりません。Y株式会社にとっては、会社分割の方が、資金手当てが必要でない点がメリットとなります。×

イ 事業譲渡の場合は、譲渡した部分は、Y株式会社の一部として組み込まれますが、会社分割の場合は、法人格を保ったまま、会社ごと、Y株式会社の子会社になります。〇

ウ 事業譲渡の場合は、譲渡の対価は当然にY株式会社から甲社長に支払われますが、会社分割の場合は、譲渡の対価は当然にY株式会社からX株式会社に支払われることになります。×

エ 事業譲渡の場合は、取引先も従業員も当然にY株式会社に引き継がれますが、会社分割の場合は、取引先や従業員から個別の同意が必要となります。×

 事業譲渡 【平成25年 第14問】

 中小企業診断士であるあなたと、顧客である SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)運営会社の社長甲氏との以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「今度、当社の SNS事業を、乙社に譲渡することになりました。」

あなた:「やはり、最近外資系の SNS サイトや無料通話アプリに押され気味でしたものね。」

甲 氏:「これからいろいろ面倒な手続があるみたいですけど。」

あなた:「そうですね、譲渡資産の帳簿価額が御社の総資産額の( A )であれば、株主総会の( B ) による事業譲渡契約の承認が必要ですし、従業員の雇用の引継ぎについても、( C )が適用されるのは( D )の場合ですから、事業譲渡では原則に戻って労働者から個別に乙社への移籍について同意を得る必要があります。」

甲 氏:「知的財産の権利関係はどうなりますか。当社は独自開発した SNSの機能について特許を複数取得しており、その一部は SNS の運用ソフトウェアやデザインの著作権とまとめてライセンスに出しているんですが。」

あなた:「特許については登録をしなくてもライセンシーが乙社に通常実施権を対抗できます。著作権については、登録制度はライセンシーから乙社に対して利用権を対抗するための手段ではないので、ライセンシーが利用を継続するには乙社の許諾が必要です。」

会話の中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

ア A:15% 超 B:普通決議 C:労働契約法 D:会社整理

イ A:20% 超〇 B:特別決議〇 C:労働契約法 D:合併

ウ A:20% 超〇 B:特別決議〇 C:労働契約承継法〇 D:会社分割〇

エ A:30% 超 B:普通決議 C:労働契約承継法 D:支配株主の変更

簡易組織再編 【平成21年 第2問】

 A株式会社(以下「A社」という。)は、100 パーセント子会社であるB株式会社に対し、A社の事業の一部を分割し、吸収させることを検討している。A社の貸借対照表及び分割を検討している資産等の状況は下記のとおりである。これを前提とした簡易吸収分割(会社法第784 条第3項)に関する説明のうち、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

A社貸借対照表 (単位:百万円)

A社が分割を検討している資産、負債の項目及び帳簿価額 (単位:百万円)

[解答群]

ア 分割対象となる資産合計額から負債合計額を控除した額は1億3,000 万円で、A社の総資産額の5分の1を下回っているが、20 分の1を超えるので、簡易吸収分割の規定が適用とならず、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がある。?×

イ 分割対象となる資産合計額から負債合計額を控除した額は1億3,000 万円で、A社の純資産額の5分の1を下回っているので、簡易吸収分割の規定が適用となり、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がない。?〇

ウ 分割対象となる資産額合計は2億3,000 万円で、A社の純資産額の5分の1を下回っているが、20 分の1を超えるので、簡易吸収分割の規定は適用とならず、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がある。?×

エ 分割対象となる資産額合計は2億3,000 万円で、A社の総資産額の5分の1を下回っているので、簡易吸収分割の規定が適用となり、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がない。?〇?〇

分割会社の場合は、純資産額ではなく総資産額の5分の1
承継会社では、分割の対価が承継会社の純資産額の5分の1

簡易組織再編と略式組織再編 【平成30年 第2問】

 下表は、合併及び会社分割の各手続において、簡易手続及び略式手続の有無を整理したものである。空欄A〜Dに入る記号の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 なお、該当する手続があるものについては「○」、ないものについては「×」を記載することにしている。

〔解答群〕

ア A:○  B:×  C:×  D:○

イ A:○  B:×  C:×  D:×

ウ A:×  B:○  C:○  D:○?〇×

エ A:×  B:○  C:○  D:× ×〇

持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問1)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問1)

 合同会社と有限責任事業組合は共通点も多い。次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。

ア 合同会社、有限責任事業組合の債権者は、当該会社または組合の営業時間内は、いつでも、作成した日から5年以内の計算書類または財務諸表の閲覧または謄写の請求をすることができる。×〇

イ 合同会社の常務に属する業務以外の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。有限責任事業組合も重要な財産の処分および譲受けや多額の借財という業務執行を決定するには、総組合員の過半数の同意によらなければならない。?〇×有限責任事業組合の場合、業務執行には原則として総組合員の同意が必要

ウ 合同会社の設立手続きは、社員になろうとする者が定款を作成し、設立の登記をする時までにその出資の全額を払い込みまたは給付を行う。有限責任事業組合では、各当事者が組合契約書を作成し、それぞれの出資に係る払込みまたは給付の全部を履行する。いずれも、設立時に公証人の定款認証を受ける必要はない。〇?

エ 合同会社は定款、有限責任事業組合は総組合員の同意により、その出資者の損益分配の割合を出資の価額に応じたものと異なる割合に定めることができる。〇?

持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問2)

 合同会社と有限責任事業組合との相違点の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 合同会社は、合同会社名義で特許権の出願ができる。これに対し有限責任事業組合では、有限責任事業組合名義で特許権の出願をすることはできない。〇?有限責任事業組合は、組合員同士の契約という位置付けとなり、法人格はありません。そのため、組合名義での特許出願を行うことはできません。

イ 合同会社は、合名会社、合資会社、株式会社に組織変更することができる。これに対して有限責任事業組合は、このような組織変更ができず、当該有限責任事業組合を解散し、新たに会社を設立しなければならない。〇有限責任事業組合は法人格が無いため、合併などの事業再編や、株式会社への移行といった組織変更ができません。

ウ 合同会社は社員1名でも設立できる。これに対し有限責任事業組合は、2名以上の個人または法人の組合員が必要となる。ただし、組合員のうち過半数以上は、日本の居住者または内国法人でなければならない。?×1人以上が日本の居住者または内国法人でなければならない

エ 合同会社は、配当額が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。有限責任事業組合の組合財産は、その分配の日における純資産額から組合員の出資総額と300 万円のいずれか小さい額を控除した額を超えて分配することができない。?×〇

 持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問3)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問3)

 特定非営利活動法人の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 特定非営利活動法人の役員として、理事3名以上および監事1名以上を置かなければならない。なお、役員のうち報酬を受ける者の数は役員総数の3分の1以下でなければならない。?×〇

イ 特定非営利活動法人は、特定非営利活動を目的としなければならないが、特定非営利活動の事業に支障のない範囲で、その他の事業を行うことができる。〇

ウ 特定非営利活動法人は、毎事業年度初めの3か月以内に、前事業年度の事業報告書等ならびに役員名簿等を作成し、定款等とともに、その社員その他の利害関係人が閲覧できるよう主たる事業所に備え置かなければならない。?〇

エ 特定非営利活動法人を設立するためには、定款、役員名簿、社員7名以上の名簿、設立趣旨書などの必要書類を添付した申請書を所轄庁に提出して、設立の認証を受けなければならない。×社員10 名以上

持分会社 【令和元年 第1問】

 合同会社、合名会社、合資会社の比較に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、会社成立後に新たに社員を加入させることができる。〇?
  2. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、社員は2名以上でなければならない。×
  3. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、定款の定めによっても、一部の社員のみを業務執行社員とすることはできない。×定款の定めによって、一部の社員のみを業務執行社員とすることができます。
  4. 合同会社と合名会社の社員は無限責任社員のみで構成されるが、合資会社の社員は無限責任社員と有限責任社員により構成される。×

吸収合併 【平成23年 第3問】

 A株式会社(以下「A社」という。)と、B株式会社(以下「B社」という。)は、A社を吸収合併消滅会社、B社を吸収合併存続会社として、おおむね以下のスケジュールで吸収合併を実施する予定である。その際、A社の吸収合併の手続に関する記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、A社の定款には、関連する事項についての特段の定めはなく、また、A社は、発行する株式の全てが譲渡制限株式であり、かつ、取締役会設置会社であるものとする。

 平成24 年2月20 日(月) 吸収合併契約の調印

 平成24 年3月14 日(水) 吸収合併契約承認の株主総会

 平成24 年4月1日(日) 吸収合併の効力発生日

[解答群]

ア A社では、吸収合併契約書を本店に備え置く必要があるが、本件の場合、吸収合併契約調印の翌日の平成24 年2月21 日から備置きを実施しなければ、本吸収合併は無効となる。×

イ A社の株主に対しては、株主総会の招集通知と株式買取請求権に関する通知をしなければならないが、前者は株主総会の1週間前まで、後者は吸収合併の効力発生日の20 日前までと決まっているので、同時に通知することはできない。×

ウ A社の債権者が1社だけの場合であっても、A社では、その債権者に対して本件吸収合併について通知するだけでなく、吸収合併の公告を行わなければならない。〇

エ 今回の吸収合併の場合、効力発生日が日曜日にあたり、法務局で登記を受け付けてもらえないため、A社の登記上、解散の理由は、実際に登記申請した日に合併した旨記載され、平成24 年4月1日に合併した旨は記載されない。

 会社分割 【平成22年 第4問】

 甲株式会社(以下「甲社」という。)では、営業部門を会社分割の手続を利用して分社化することとしているが、その中で、従業員A~Dの所属について、以下の対応を検討している。これら従業員のうち、「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」第2条第1項に基づく通知が必要となる者の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、分社化により新たに設立される会社を乙株式会社(以下「乙社」という。)とする。

 従業員A:入社以来、営業部門に従事している者であるため、会社分割に際しても、乙社所属とする。〇

 従業員B:総務部門に従事する者であるが、乙社での総務担当者がおらず、従業員Bは過去に営業部門に関連する総務業務も担当していたことがあるため、会社分割に際しては、乙社所属とする。〇

 従業員C:経理部門に従事し、営業部門に関連する経理も若干担当していたことはあるものの、会社分割に際しては、甲社所属とする。×

 従業員D:一昨年の人事移動で、営業部門に異動となり、その後約2年間その業務に従事していたが、適性の問題もあることから、会社分割に際しては、甲社所属とし、異動前の部署に戻す。〇

[解答群]

ア A、B、C

イ A、B、D〇

ウ A、C、D

エ B、C、D

新設分割 【平成28年 第3問】(設問1)

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X社は、αの製造販売事業(以下「α事業」という。)を営んでいる。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲氏:「おかげさまで弊社のα事業は好調です。そこで、業容を拡大したいと考えていたところ、先日ちょうど、取引銀行を通じて、弊社と同じα事業を営んできたY社から、事業の選択と集中を進めたいから同事業を買収しないかという話をもらいまして、現在前向きに検討しています。Y 社は、α事業以外の事業も営んでいるので、新設分割でα事業をいったん切り出して子会社Z社を設立し、弊社がY社からZ社の全株式を現金で買い取るスキームを考えています。何か注意しておいた方がいいことはありますか。」

 あなた:「(A)。それから、同業他社から競合する事業を買収することになりますから、独占禁止法に抵触するかどうかも問題になります。少なくとも公正取引委員会への届出の要否については検討しなければなりません。」

 甲氏:「(B)。」

 あなた:「(C)。いずれにせよ、事業の買収、特に買い手の場合には、大小様々なリスクを伴いますから、その分野に詳しい専門家からアドバイスを受けないと後で痛い目を見ますよ。ちょうどいい人を知っていますから紹介しますよ。」

 甲氏:「ありがとうございます。」

(設問1)

 会話の中の空欄Aに入る記述として、最も不適切なものはどれか。

ア α事業に関係する債務は、Z社が承継する債務から除外することはできないので、α事業に関係する簿外債務がないかどうかの調査が重要になります×

イ Y社がα事業に関して締結している契約の中に、会社分割が解除事由として定められているものがないかの確認が重要になります〇

ウ Z社においてα事業を営むのに新たに許認可を取得することが必要な場合には、その許認可を得るのに必要な期間やコストを把握しておく必要があり、そのコストをX社が負担するのかY社が負担するのか交渉する必要があります〇

エ 契約の分割等の要否を検討するために、Y社が、α事業とそれ以外の事業の双方で、同一の契約に基づいて使用しているリース資産やシステムがないかどうかの確認が必要になります〇

新設分割 【平成28年 第3問】(設問2)

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X社は、αの製造販売事業(以下「α事業」という。)を営んでいる。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲氏:「おかげさまで弊社のα事業は好調です。そこで、業容を拡大したいと考えていたところ、先日ちょうど、取引銀行を通じて、弊社と同じα事業を営んできたY社から、事業の選択と集中を進めたいから同事業を買収しないかという話をもらいまして、現在前向きに検討しています。Y 社は、α事業以外の事業も営んでいるので、新設分割でα事業をいったん切り出して子会社Z社を設立し、弊社がY社からZ社の全株式を現金で買い取るスキームを考えています。何か注意しておいた方がいいことはありますか。」

 あなた:「(A)。それから、同業他社から競合する事業を買収することになりますから、独占禁止法に抵触するかどうかも問題になります。少なくとも公正取引委員会への届出の要否については検討しなければなりません。」

 甲氏:「(B)。」

 あなた:「(C)。いずれにせよ、事業の買収、特に買い手の場合には、大小様々なリスクを伴いますから、その分野に詳しい専門家からアドバイスを受けないと後で痛い目を見ますよ。ちょうどいい人を知っていますから紹介しますよ。」

 甲氏:「ありがとうございます。」

(設問2)

 会話の中の空欄BとCに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア〇 B:株式買取りのスケジュールには影響しますか

  C:公正取引委員会が短縮を認めてくれない限り、最短でも届出を受理されてから、30日を経過するまでは、株式を取得することはできないので、スケジュールに影響しますね

イ B:届出を行うのは、X 社ですか。Y社ですか

  C:Y社です

ウ B:届出を行う前に、公正取引委員会に相談に行くことはできるのですか

  C:できません

エ B:どんな規模でも届出が必要になるのですか

  C:X社の企業グループ全体の国内売上高が10億円以上の場合で、かつ、Z社とその子会社の国内売上高の合計が1億円以上の場合に、届出が必要になります

組織再編 【平成24年 第4問】

 あなたの顧客であるX 株式会社(以下「X 社」という。)の代表取締役甲氏からの、X 社の組織再編に関する以下の相談内容を前提に、Y 株式会社(以下「Y 社」という。)のC 部門を独立した1つの会社とする手続きとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【甲氏が持参した書面】

 X 社では、100 パーセント子会社としてA 株式会社(以下「A 社」という。)を保有している。

 一方、Y 社では、B 部門とC 部門の2つの事業を行っており、このうち、C 部門の事業は、A 社の事業と同じである。

 X 社としては、事業を拡大するため、Y 社のC 部門を譲り受けたい。

 譲り受けるにあたっては、A 社とY 社では、従業員の処遇に違いがあることから、一度に統合することは難しい可能性もある。そのため、C 部門をそのまま切り出して、直接1つの独立した会社とした後に、その株式を譲り受け、A 社と同様に、X 社の100 パーセント子会社とすることとしたい。

[解答群]

ア 吸収合併

イ 吸収分割

ウ 事業譲渡

エ 新設分割

事業譲渡 【令和元年 第2問】

会社法が定める株式会社の事業譲渡に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、反対株主の買取請求権に関する会社法第469条第1項第1号及び第2号については考慮しないものとする。

  1. 事業譲渡の対価は、金銭でなければならず、譲受会社の株式を用いることはできない。×
  2. 事業譲渡をする会社の株主が、事業譲渡に反対する場合、その反対株主には株式買取請求権が認められている。〇
  3. 事業の全部を譲渡する場合には、譲渡会社の株主総会の特別決議によって承認を受ける必要があるが、事業の一部を譲渡する場合には、譲渡会社の株主総会の特別決議による承認が必要となることはない。×
  4. 当該事業を構成する債務や契約上の地位を譲受人に移転する場合、個別にその債権者や契約相手方の同意を得る必要はない。×

 事業譲渡と会社分割 【平成20年 第4問】(設問1)

 中小企業診断士であるあなたは、X株式会社の全株所有者である甲社長から相談を受けた。以下は、あなたと甲社長との会話の一部である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲社長:「私もだいぶ高齢になったので、そろそろ引退しようと思っているんですが、会社にはどうも適当な後継者がいないんですよ。
それで、どうしようかと思っていたら、どうもY株式会社が引き継いでくれそうな感じなんです。私が持っている100 パーセントの株式をY株式会社に譲渡しようかと思ったのですが、当社は、若干ですが、不動産の賃貸業もやっていますから、Y株式会社に引き継いでもらうとしても本業だけにして、不動産の賃貸業は残しておこうかと思うんです。
賃貸業でもちょっとした収入になりますから、私の生活の足しにもなりますし、私一人でできますから。そういったこともできますかね。」

 あなた:「事業譲渡、会社分割の方法で可能になると思いますよ。」

 甲社長:「事業譲渡というのは、わかるのですが、会社分割というのを使うとどういう形に進めるわけですか。」

 あなた:「( A )」

 甲社長:「なるほど。事業譲渡と会社分割なら、どちらの方がいいわけですか。」

 あなた:「どちらにも一長一短ありますし、Y株式会社の都合にもよりますから、何ともいえません。」

 甲社長:「じゃあ、この2つの方法で、何か違うところがあるのですか。」

 あなた:「ありますよ。例えば、( B )」

(設問1)

 会話の中の空欄Aに入る文章として最も適切なものはどれか。

ア 不動産業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、本業を行う子会社を作ります。それから、その子会社の株式をY株式会社に譲渡します。〇

イ 本業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、不動産業を行う子会社を作ります。その子会社設立と同時に、その子会社の株式を全部Y株式会社に割り当てます。×

ウ 本業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、不動産業を行う子会社を作ります。それから、X株式会社の株式をY株式会社に譲渡します。

エ 本業を分割して、当然にY株式会社の一部門とすることができますから、その結果、甲社長もY株式会社の株主となることができます×

事業譲渡と会社分割 【平成20年 第4問】(設問2)

 中小企業診断士であるあなたは、X株式会社の全株所有者である甲社長から相談を受けた。以下は、あなたと甲社長との会話の一部である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲社長:「私もだいぶ高齢になったので、そろそろ引退しようと思っているんですが、会社にはどうも適当な後継者がいないんですよ。
それで、どうしようかと思っていたら、どうもY株式会社が引き継いでくれそうな感じなんです。私が持っている100 パーセントの株式をY株式会社に譲渡しようかと思ったのですが、当社は、若干ですが、不動産の賃貸業もやっていますから、Y株式会社に引き継いでもらうとしても本業だけにして、不動産の賃貸業は残しておこうかと思うんです。
賃貸業でもちょっとした収入になりますから、私の生活の足しにもなりますし、私一人でできますから。そういったこともできますかね。」

 あなた:「事業譲渡、会社分割の方法で可能になると思いますよ。」

 甲社長:「事業譲渡というのは、わかるのですが、会社分割というのを使うとどういう形に進めるわけですか。」

 あなた:「( A )」

 甲社長:「なるほど。事業譲渡と会社分割なら、どちらの方がいいわけですか。」

 あなた:「どちらにも一長一短ありますし、Y株式会社の都合にもよりますから、何ともいえません。」

 甲社長:「じゃあ、この2つの方法で、何か違うところがあるのですか。」

 あなた:「ありますよ。例えば、( B )」

(設問2)

 会話の中の空欄Bに入る文章として最も適切なものはどれか。

ア 事業譲渡の場合は、金銭が対価でなければなりませんが、会社分割の場合は、法律上、Y株式会社の株式が対価でなければなりません。Y株式会社にとっては、会社分割の方が、資金手当てが必要でない点がメリットとなります。×

イ 事業譲渡の場合は、譲渡した部分は、Y株式会社の一部として組み込まれますが、会社分割の場合は、法人格を保ったまま、会社ごと、Y株式会社の子会社になります。〇

ウ 事業譲渡の場合は、譲渡の対価は当然にY株式会社から甲社長に支払われますが、会社分割の場合は、譲渡の対価は当然にY株式会社からX株式会社に支払われることになります。×

エ 事業譲渡の場合は、取引先も従業員も当然にY株式会社に引き継がれますが、会社分割の場合は、取引先や従業員から個別の同意が必要となります。×

事業譲渡 【平成25年 第14問】

 中小企業診断士であるあなたと、顧客である SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)運営会社の社長甲氏との以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「今度、当社の SNS事業を、乙社に譲渡することになりました。」

あなた:「やはり、最近外資系の SNS サイトや無料通話アプリに押され気味でしたものね。」

甲 氏:「これからいろいろ面倒な手続があるみたいですけど。」

あなた:「そうですね、譲渡資産の帳簿価額が御社の総資産額の( A )であれば、株主総会の( B ) による事業譲渡契約の承認が必要ですし、従業員の雇用の引継ぎについても、( C )が適用されるのは( D )の場合ですから、事業譲渡では原則に戻って労働者から個別に乙社への移籍について同意を得る必要があります。」

甲 氏:「知的財産の権利関係はどうなりますか。当社は独自開発した SNSの機能について特許を複数取得しており、その一部は SNS の運用ソフトウェアやデザインの著作権とまとめてライセンスに出しているんですが。」

あなた:「特許については登録をしなくてもライセンシーが乙社に通常実施権を対抗できます。著作権については、登録制度はライセンシーから乙社に対して利用権を対抗するための手段ではないので、ライセンシーが利用を継続するには乙社の許諾が必要です。」

会話の中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

ア A:15% 超 B:普通決議 C:労働契約法 D:会社整理

イ A:20% 超〇 B:特別決議 C:労働契約法 D:合併

ウ A:20% 超 B:特別決議 C:労働契約承継法〇 D:会社分割

エ A:30% 超 B:普通決議 C:労働契約承継法 D:支配株主の変更

簡易組織再編 【平成21年 第2問】

 A株式会社(以下「A社」という。)は、100 パーセント子会社であるB株式会社に対し、A社の事業の一部を分割し、吸収させることを検討している。A社の貸借対照表及び分割を検討している資産等の状況は下記のとおりである。これを前提とした簡易吸収分割(会社法第784 条第3項)に関する説明のうち、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

A社貸借対照表 (単位:百万円)

A社が分割を検討している資産、負債の項目及び帳簿価額 (単位:百万円)

[解答群]

ア 分割対象となる資産合計額から負債合計額を控除した額は1億3,000 万円で、A社の総資産額の5分の1を下回っているが、20 分の1を超えるので、簡易吸収分割の規定が適用とならず、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がある。×

イ 分割対象となる資産合計額から負債合計額を控除した額は1億3,000 万円で、A社の純資産額の5分の1を下回っているので、簡易吸収分割の規定が適用となり、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がない。×

ウ 分割対象となる資産額合計は2億3,000 万円で、A社の純資産額の5分の1を下回っているが、20 分の1を超えるので、簡易吸収分割の規定は適用とならず、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がある。

エ 分割対象となる資産額合計は2億3,000 万円で、A社の総資産額の5分の1を下回っているので、簡易吸収分割の規定が適用となり、A社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がない。〇

簡易組織再編と略式組織再編 【平成30年 第2問】

 下表は、合併及び会社分割の各手続において、簡易手続及び略式手続の有無を整理したものである。空欄A〜Dに入る記号の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 なお、該当する手続があるものについては「○」、ないものについては「×」を記載することにしている。

〔解答群〕

ア A:○  B:×  C:×  D:○

イ A:○  B:×  C:×  D:×

ウ A:×  B:○  C:○  D:○

エ A:×  B:○  C:○〇  D:×〇

持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問1)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問1)

 合同会社と有限責任事業組合は共通点も多い。次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。

ア 合同会社、有限責任事業組合の債権者は、当該会社または組合の営業時間内は、いつでも、作成した日から5年以内の計算書類または財務諸表の閲覧または謄写の請求をすることができる。〇

イ 合同会社の常務に属する業務以外の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。有限責任事業組合も重要な財産の処分および譲受けや多額の借財という業務執行を決定するには、総組合員の過半数の同意によらなければならない。×

ウ 合同会社の設立手続きは、社員になろうとする者が定款を作成し、設立の登記をする時までにその出資の全額を払い込みまたは給付を行う。有限責任事業組合では、各当事者が組合契約書を作成し、それぞれの出資に係る払込みまたは給付の全部を履行する。いずれも、設立時に公証人の定款認証を受ける必要はない。

エ 合同会社は定款、有限責任事業組合は総組合員の同意により、その出資者の損益分配の割合を出資の価額に応じたものと異なる割合に定めることができる。

持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問2)

 合同会社と有限責任事業組合との相違点の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 合同会社は、合同会社名義で特許権の出願ができる。これに対し有限責任事業組合では、有限責任事業組合名義で特許権の出願をすることはできない。〇

イ 合同会社は、合名会社、合資会社、株式会社に組織変更することができる。これに対して有限責任事業組合は、このような組織変更ができず、当該有限責任事業組合を解散し、新たに会社を設立しなければならない。〇

ウ 合同会社は社員1名でも設立できる。これに対し有限責任事業組合は、2名以上の個人または法人の組合員が必要となる。ただし、組合員のうち過半数以上は、日本の居住者または内国法人でなければならない。×

エ 合同会社は、配当額が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。有限責任事業組合の組合財産は、その分配の日における純資産額から組合員の出資総額と300 万円のいずれか小さい額を控除した額を超えて分配することができない。

 持分会社、組合、特定非営利活動法人 【平成21年 第16問】(設問3)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 有限責任制の人的会社制度として、会社法に合同会社制度が創設された。また、有限責任事業組合契約に関する法律により、新たな事業体としての有限責任事業組合の設立が可能となった。

 このほか人的資産の活用としては、民間の行う社会貢献活動の健全な発展を促進する目的で特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動法人を設立することが可能となっている。

(設問3)

 特定非営利活動法人の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 特定非営利活動法人の役員として、理事3名以上および監事1名以上を置かなければならない。なお、役員のうち報酬を受ける者の数は役員総数の3分の1以下でなければならない。

イ 特定非営利活動法人は、特定非営利活動を目的としなければならないが、特定非営利活動の事業に支障のない範囲で、その他の事業を行うことができる。

ウ 特定非営利活動法人は、毎事業年度初めの3か月以内に、前事業年度の事業報告書等ならびに役員名簿等を作成し、定款等とともに、その社員その他の利害関係人が閲覧できるよう主たる事業所に備え置かなければならない。

エ 特定非営利活動法人を設立するためには、定款、役員名簿、社員7名以上の名簿、設立趣旨書などの必要書類を添付した申請書を所轄庁に提出して、設立の認証を受けなければならない。×

持分会社 【令和元年 第1問】

 合同会社、合名会社、合資会社の比較に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、会社成立後に新たに社員を加入させることができる。〇
  2. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、社員は2名以上でなければならない。×
  3. 合同会社、合名会社、合資会社のいずれの会社も、定款の定めによっても、一部の社員のみを業務執行社員とすることはできない。×
  4. 合同会社と合名会社の社員は無限責任社員のみで構成されるが、合資会社の社員は無限責任社員と有限責任社員により構成される。×

行為能力 【平成29年 第14問】

 行為能力に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 制限行為能力者が、自らが制限行為能力者であることを告げずに契約を締結したことのみをもって、当該制限行為能力者は当該行為を取り消すことができなくなる。?×制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができません。

イ 被保佐人と契約をする場合には、その保佐人を代理人として締結しなければならない。?〇×保佐人の同意

ウ 不動産業を営むことを許された未成年者が、その営業に関して不動産を売却する場合は、法定代理人の同意を得る必要はない。〇

エ 未成年者が債権者との間で当該未成年者の債務を免除する契約を締結するには、法定代理人の同意を得なければならない。×

相殺 【平成30年 第19問】

 相殺に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はないものとする。

ア 時効によって消滅した自働債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていたとしても、相殺の意思表示をしたのが時効消滅後である場合は、相殺することはできない。〇?×債権が時効消滅した後であっても消滅以前に相殺に適するようになっていたときは相殺を可能

イ 相殺の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。?×〇相殺の意思表示の時ではなく、相殺に適するようになった時にさかのぼる

ウ 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合で、受働債権が弁済期にあれば、自働債権の弁済期が到来しなくても、相殺することができる。?×自働債権の弁済期前に相殺をすることはできません。

エ 不法行為から生じた債権を自働債権として相殺することはできない。〇×自己の損害賠償請求権を自働債権とする相殺をすることは可能 悪意による不法行為や人の生命または身体に対する不法行為に基づく損害賠償請求権を受働債権とする相殺(加害者からの相殺)はできません。

セールス電話で勉強が途切れるのを防止する為にスマホの「不明な発信者を消音」設定をオンにしました。今迄1日2・3回コピー機だのインターネット回線だの営業電話がかかって来ていたのをシャットアウト出来ると思えば精神的に快適です。

簡易組織再編と略式組織再編 持分会社、組合、特定非営利活動法人 いずれの設問も詳細の知識が問われており、忘却時間との追いかけっこです。

昔は「錯誤無効」とゴロ良く覚えてましたが、民法改正により「取り消すことができる」へと変更されたんですね。覚えてる内容がこれ以上改正されないうちに合格してしまいたいですw

スズキの鈴木修会長が会長を引退されましたが、何と91歳だったんですね!50や60や70で疲れたなんて言ってられません。。

2021年02月25日 (木) の学習履歴
5時間
過去問セレクト講座-1次試験全科目セット[2021年度試験対応]1時間58分(1レッスン終了)
科目6 経営法務1時間58分
過去問セレクト演習-6-6 事業再編と持分会社1時間47分 15/15点
過去問セレクト演習-6-7 契約とその他の法律知識11分00秒
スマート問題集-1次試験全科目セット [2021年度試験対応]1時間17分(1レッスン終了)
科目6 経営法務1時間17分
スマート問題集:6-7 契約とその他の法律知識1時間17分 20/20点
その他の学習履歴1時間44分
問題集1時間04分
その他25分00秒
テキスト・書籍15分00秒
中小企業診断士
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