「中小企業家しんぶん」に有益な記事が掲載されていました。
「東日本大震災、台風被害などを経験した宮城同友会では、これまでの経営指針成文化運動をもとに、非常時においては「当面の対応」と「先々を見据えて今まで以上に視野を広げること、本質的に物事を見ること」の両方の視点が必要になるとし、経営計画の見直しを呼びかけています。
「経営計画の見直し」の考え方と手順
同会の「新型コロナウイルス感染症対策ニュースVol・5」(A4判4ページ)に紹介された「『経営計画の見直し』の考え方と手順」は、「現状を掴む」「今後の策を練る」「資金繰りの対応」の3つから構成(図)。分かりやすく図解され、自社の財務状況を把握し、必要資金や計画の見直しが明確にできるように作られています。
「現状を掴む」では、自社の収益構造を変動損益計算書の作成から売上・変動費・固定費を見直す手順を記載しています。
「今後の策を練る」では、売上は事業別、部門別に把握すること、変動費は売上に連動して増減があるのか、影響が無いのかを把握すること、固定費は以上を踏まえて削減可能な部分を把握し、特に人件費を下げないために各項目を見直すことの重要性を記載しています。
「資金繰りの対応」では、売上が減少している場合は損益分岐点を下げる策を、売上が減少していない、もしくは増加している場合、今は融資の必要性が無くても今のうちに融資枠を確保、確認しておくことの策を記載しています。
視野を広げ本質的にみる
当面は「企業存続」が主となることから全体的に近視眼的になる可能性があります。現状への対応は重視しつつも、先行き不透明だからこそ、半歩先、一歩先を見ることが求められます。
先々を考えると「視野を広げること」「本質的に見ること」が重要となるため、同会ではこれまで同友会大学の講師を依頼してきた学識者から、
(1)「今、起こっていることをどのように見るか?」、(2)「今、動かなければならないこと(備えなければならないこと)は何か?」、 (3)「現段階の今後の見通し(現段階で)について」の3点について、メッセージを依頼して随時発信しています。
「ありとあらゆる場面で取捨選択が急速に進むタイミングとなる可能性もある。ピンチの中でも必ずチャンスもあるのが非常時」と呼びかけています。
同ニュースは宮城同友会ホームページから。
<見直しの手順>
(1)今後の売り上げの予測
⇒ 事業別or得意先別など
⇒ 第1案、第2案など作成
(2)固定費の見直し
⇒ 経費削減策の検討
⇒ 人件費は手を付けない
(3)収益性、成長性の高い事業の模索
⇒ 収益性の高い事業へシフト
⇒ 成長性の高い事業へシフト
(4)資金繰り対応
⇒ 予測から必要資金を把握
⇒ 金融機関等へ申込(日本政策金融公庫・メイン銀行など)
⇒ 生命保険の契約者貸付検討
⇒ 倒産防止共済の活用
<利用できる助成金など>
(1)衛生環境激変対策特別貸付(飲食店営業・喫茶店営業・旅館業)
(2)セーフティネット4号、5号
(3)雇用調整助成金(対象拡大)
(4)小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援(新設)」