企業経営理論 組織と人材 人的資源管理 中小企業経営・政策 経営基盤の強化

目標設定理論【令和元年 第16問】

 E.ロックやG.レイサムらにより体系化された目標設定理論において指摘されている、組織メンバーの努力や成果を引き出す目標の特徴として、最も適切なものはどれか。

  1. 目標と報酬(昇給や昇進など)の間の関係が明示されていること。〇?×目標設定理論はあくまで目標設定とモチベーションの関係の探索が対象であり、目標と報酬の関係の探索ではない
  2. 目標の達成困難度が顕著に高いこと。×達成困難度が顕著に高い目標は、むしろモチベーション低下要因
  3. 目標の達成度合いについてのフィードバックが得られること。〇達成度合いについてフィードバックが得られることでモチベーション効果はより高くなることが確認
  4. 目標の内容が組織運営上合理的であること。〇?組織運営上合理的であることは、目標の難易度を示しているわけではない
  5. 目標の内容が抽象的であること。×具体的に示された明確な目標のほうが成果は上

フィードバックはその回数よりも、早い時期にフィードバックを与えられる方が、遅い時期にフィードバックを与えられる場合に比べて最終的な業績は向上

モチベーション理論 【平成26年 第16問】

 モチベーション理論の多くは、満足や不満足を知覚する内容やそのプロセスを個人の特性としてとらえようとしてきた。これに対して、モチベーションに影響する要因には、職務として与えられた仕事それ自体の特性があることが知られている。

 仕事を構成する中核的職務特性に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 与えられた仕事ではなく、自ら仕事を選ぶことに関する「自律性」。×自分で計画したり工夫できる余地があるか、という特性

イ 仕事の結果について、品質をチェックする専門部局から与えられる正確な情報に基づいた「フィードバック特性」。×仕事の成果についての情報を直接的に得られるか、という特性。「品質をチェックする専門部局」から成果の情報が得られても、仕事そのものから直接的に情報が得られるわけではありません。

ウ 既に有するスキルや才能を利用して、どれほど多様な業務がこなせるかに関する「技能多様性」。×様々なスキルを必要とするか、という特性。「多様な業務がこなせるか」ではありません

エ 他者に対してではなく、自分自身にとってその仕事が重要であることを示す「タスク重要性」。〇×他の人にとって重要で価値があるか、という特性

オ 自らがかかわる仕事が自己完結していて、全体像がつかめる「タスク完結性」。〇自分の仕事が職務の一部分であるよりも、職務として完結しているか、という特性。「仕事が自己完結していて、全体像がつかめる」と動機づけが高

職務特性モデルでは、モチベーション(動機づけ)を高めるための5つの中核的職務特性。

1.技能多様性

 必要とされるスキルの多様性。ある仕事をするのに、様々なスキルを必要とするほど動機づけが高まる。

2.完結性

 仕事の流れの全体に関与できること。自分の仕事が職務の一部分であるよりも、職務として完結しているほど動機づけが高まる。

3.重要性

 仕事の出来栄えが他の人(社内や顧客)にとって重要なこと。自分の仕事が他の人にとって重要で価値があるほど動機づけが高まる。

4.自律性

 自分で工夫できる裁量が大きいこと。ある仕事をするのに、自分で計画したり工夫できる余地があるほど動機づけが高まる。

5.フィードバック

 仕事そのものからフィードバックを得られること。仕事の成果についての情報を直接的に得られるほど動機づけが高まる。

職務拡大 【平成27年 第17問】cw

 職務再設計とは、職務を通じた動機づけを目的とした管理方法の総称であるが、その方法のひとつである職務拡大に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 新たな上司や同僚との調整コストが発生するというデメリットがある。〇×?仕事の範囲を広げるだけですので、新たな上司や同僚が現われるということはありません。

イ 個人が行うタスクの数や種類を増やし、職務に多様性を持たせる。〇仕事の範囲を水平的に拡大して、個人が行うタスクの数や種類を増やし、職務に多様性を持たせるもの

ウ 仕事のやりがいが感じられなくなった場合、同一レベルで同様のスキルを要する職務に配置換えを行う。×?職務拡大は、既存の業務に加え、他の業務を受け持たせること。配置換えと職務拡大は定義が異なる

エ 職務の計画、実施、評価を、自分自身で管理できるようにする。×仕事の計画や判断など責任と権限を拡大する職務充実(ジョブ・エンリッチメント)

オ 複数の職務を横断させることでスキルの拡張を図る。〇×?仕事の範囲を広げることにはなりません。

職務拡大というのは、仕事の範囲を水平的に拡大することで、従業員に成長の実感を与えること

内発的動機づけ 【平成30年 第15問】

 働き方や価値観の多様化とともに、外発的動機づけに加え、内発的な動機づけがいっそう重要になっている。内発的な動機づけに関わる代表的な論者による説明として、最も不適切なものはどれか。

 ア A.マズローの欲求段階説における自己実現欲求は、外発的に動機づけられるものではなく、自分自身の理想を追い求め続けることを通じた内発的な動機づけとも考えられる。〇

 イ E.メイヨーとF.レスリスバーガーのホーソン実験では、従業員が自分たちの作業条件を決定することによって内発的に動機づけられていたことを発見し、これをホーソン効果と呼んだ。×ホーソン実験の成果は、生産に影響を与える要因は作業条件ではなく、非公式な人間関係が重要

 ウ M.チクセントミハイは、特定の作業に没頭する中で、自身や環境を完全に支配できているという感覚が生まれることをフロー経験と呼び、そうした経験は他者からのフィードバックも必要とせず、給与などの報酬とも無関係であるとした。〇

 エ R.W.ホワイトが提唱するコンピテンス(有能性)概念では、環境と相互作用する有機体の能力自体が、「うまくいった」という内発的な動機づけの源泉となる。?〇コンピテンスとは環境に対する適応能力を指す概念で、「個人が経験・学習を通して獲得した能力をある状況下であれば有効に作用するだろうと考える潜在能力を持つこと」、「その状況下でその潜在能力を有効に活用することで自分の有能さを発揮しようと動機づけられること」の2つを統合した概念

 オ 内発的動機づけを概念として広く知らしめたE.デシは、報酬のためにやらされているのではなく、自分の好きにやっているという自己決定が重要であるとした。?〇内発的動機づけとは、人は生まれながらに有能感と自己決定への欲求をもっており、この2つがモチベーションの重要な源泉となっているとするものです。有能感(competence)とは、自己がおかれている環境に効果的に対処できる能力をいい、自己決定(self-determination)とは、この能力にもとづき、自分の意思で行為を選択すること

リーダーシップ理論 【平成22年 第12問】

 リーダーシップの諸学説に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア ハウスによるパス・ゴール理論は、リーダーの職務は部下の業務目標の達成を助ける ことであり、そのために必要な方向性や支援を与えることにあるとした。〇?パス・ゴール理論は、リーダーはメンバーに対して目標(ゴール)を示し、それに至る経路(パス)を明確にすることで目標を達成するように導くことが重要だという理論


イ フィードラーによるコンティンジェンシー理論では、環境の不確実性が高い場合には有機的なリーダーシップが、不確実性が低い場合には機械的リーダーシップが望ましいとした。?×「有機的なリーダーシップ」、「機械的リーダーシップ」という言葉が使われていますが、有機的なリーダーシップは人間関係中心型、機械的リーダーシップは仕事中心型。リーダーが統制しやすい状況の場合は仕事中心型の方が良く、また、逆にリーダーが統制しにくい状況の場合も、仕事中心型の方が良い結果になりました。状況がどちらでもない中間的なときは人間関係中心型のリーダーシップの方が良い結果


ウ ブレイクとムートンによるマネジリアル・グリッドは、「構造作り」と「配慮」という二軸でリーダーシップ特性を分類し、9-9型が最も高い成果を生むとした。?×人間の関心と業績の関心が共に高いタイプが、最も高い業績を上げる。「構造作り」と「配慮」いう言葉は、シャートルのオハイオ研究で使われる言葉。「配慮」とは、組織のメンバーに注目し、より良い人間関係を維持、構築することを重視する行動。「構造づくり」とは、仕事自体に注目し、組織が確実な成果を上げられるように、インフラを整えたり、組織の構造を明確にすることを重視する行動。「配慮」型のリーダーは、感情を重視するため、部下からは信頼され好かれる傾向。一方の「構造づくり」型のリーダーは、論理重視のため、部下からはあまり好かれない。オハイオ研究では、この「配慮」型と「構造づくり」型は両立するとの考えで、両方の行動がともに高いリーダーが優れたリーダーであるとしています。


エ リッカートによる参加型リーダーシップでは、リーダーは部下の意思決定に積極的に参加し、影響力を行使することが重要であるとした。×システム4理論。独善的専制型、温情的専制型、相談型、参加型の4 つ のタイプに分類。参加型では、リーダーは部下を支持し、集団的な意思決定。また高い業績目標を設定するという特徴により、集団のモチベーションを高め、成果を上げることが出来る。

組織文化とリーダーシップ 【平成29年 第19問】

 組織メンバーに共有された価値観や信念など、目に見えない基本的過程に対処するためには、具体的な組織文化の類型についての知識が必要となる。組織文化の特徴と管理者に求められるリーダーシップに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 安定性と予測可能性を重視するハイアラーキー文化では、信頼性の高い製品やサービスを提供するために、規則や手続きを遵守するリーダーシップが求められる。?〇明確な階層構造がある官僚的組織

イ 企業を親しい仲間達の集まりのようなものと見なすクラン文化では、自らの経営理念を組織内部に浸透させ、従業員に共有された強い価値観を作り出すために、さまざまな社会化研修を行うなど教育者としての強いリーダーシップが求められる。?×支援的リーダーシップ。従業員はそれぞれの価値観を尊重され、自主的に選択された研修プログラムが提供。社会化研修として画一的な教育を受けるのではない

ウ 競争環境への対応を優先するマーケット文化では、規則や手続きなどの組織内プロセスよりも、市場シェアの向上などの結果を重視し、現実主義的なリーダーシップが求められる。〇?プロセスよりも市場シェア拡大等の結果を重視するといった点で現実主義的なリーダーシップ

エ 変化する環境下で直面する課題に即興的に対応するアドホクラシー文化では、イノベーションと創造性が重視され、リスクを進んで取っていこうとする企業家的なリーダーシップが求められる。〇?「権限が常に移動している組織で、関係者間の相互調整により、インフォーマルなコミュニケーションや有能なプロフェッショナル同士の相互作用」を特徴。常に創造性を発揮し、組織外部に発信していくようなベンチャー企業をイメージ。従って、リスクを進んで取っていこうとする企業家的なリーダーシップが求められる

クラン(一族、仲間)文化支援的リーダーシップ
アドホクラシー(《ad hoc(臨時の、その場限りの)と-cracy(制度、体制)からの造語》その時々の状況に応じて柔軟に対処する姿勢。)文化革新者的リーダーシップ
ハイアラーキー(ハイアラーキー(hierarchy)は英語読みで、ドイツ語だとヒエラルキー。「階層構造」)文化規則や手続きの遵守
マーケット文化現実主義的リーダーシップ

 組織文化 【平成22年 第17問】

 ある程度歴史を持った企業同士が、買収や合併をうまく遂行して高い成果に結びついていくためには、事前にそれぞれの企業の組織文化、観察可能な人工物や標榜されている価値観レベルだけでなく、とくに暗黙に共有された仮定レベルの文化を明らかにしておく必要がある。このような組織文化を明らかにする方法として、最も適切なものはどれか。
ア 社員によるグループを構成し、そのメンバーたちに率直に組織文化について語りあってもらう。〇×組織文化は暗黙的なもので、ほとんどの場合は社員自らが気づいていないものです。そのため、これを言葉で説明するのは難しいため、「組織文化を明らかにする」のは困難


イ 組織メンバー全員を対象に、どのような価値観を標榜しているかについて、質問紙調査法による調査を行う。〇×暗黙知を言語化することは困難


ウ その企業で重要な役割を果たしている個人に、どのような組織文化を持っていると思うかインタビューする。×インタビューという方法でも、直接的に組織文化を言語化することは難しい


エ その企業の具体的な問題解決の場面に、外部のファシリテータを介入させ、メンバーが暗黙のうちに前提としている考え方を自ら気づくようにする。〇外部のファシリテータを介入させることで、メンバーの気づきを引き出すことができます。

組織アイデンティティ 【平成29年 第21問】

組織を取り巻く環境の変化が激しくなるにつれて、絶えざる組織変革が求められる一方で、組織アイデンティティの重要性が認識されてきている。組織アイデンティティに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 異なる利害関係者が関わる組織においては、コンフリクトなどが頻繁に発生するため、組織アイデンティティは効果を発揮することができない。×組織アイデンティティによって異なる利害関係者が関わる組織において、異なる利害を一つに集約したり、コンフリクトに対する方向性を決めることができます。

イ 組織アイデンティティは、業界内の自社の競争上のポジションなどを認識することを通じて確立されるもので、トップマネジメントが経営理念や組織文化に反映していく自社のイメージを意味する。×競争上のポジションという競争戦略レベルで確立されるものではなく、「我々は何者なのか」という問いに対する中心的、本質的な答え

ウ 組織アイデンティティは、組織の構成員による自己認識であるため、組織の外部からの影響を受けて変化する可能性が少なく、組織に強い一体感をもたらす効果がある。×他者からの評価に影響を受け変化し得るもの

エ 組織 アイデンティティは、他者から自社がどう見られているかを映し出すとともに自社のイメージを他者に印象付け、組織文化に埋め込まれると同時に組織文化の理解を表したものとなる。〇組織アイデンティティは、他者からの評価により組織構成員が自社に対する認識を変えるように、他者からの評価を映し出すものです。また、組織アイデンティティが強くなれば、組織文化に埋め込まれ、他者に自社イメージを印象付けて組織文化として理解されます。

オ 単一の組織アイデンティティは外部環境への適応に対する抵抗要因となるため、複数の組織アイデンティティを持つことが、環境への過剰適応を生み出す可能性がある。×単一の組織アイデンティティでは環境変化への適応の抵抗要因になりえます。組織は、例えば拠点や部門ごとに組織アイデンティティが異なるなど、複数の組織アイデンティティを有することが少なくなく、環境変化に柔軟に対応することを可能にしています。一方で組織内の調整コストやコンフリクトが生じるという問題がありますが、環境に過剰適応を生み出すとは言えません。

組織開発 【平成27年 第18問】

 組織の有効性や従業員のウエルネス(心身ともに良好な状態)の改善を目指して、人間的かつ民主的価値観のもとで計画的に組織変革に介入するマネジメント手法として、古くから組織開発が実践されてきた。組織開発が重視している価値観として、最も不適切なものはどれか。

ア 階層的な権威や支配にこだわらない。〇組織開発では当事者中心の価値観が重視されており、当事者が現状と変革に関与し、自ら主体的に変革に取り組むもの

イ 信頼関係で結ばれ、他者に対して開かれ、協力的な環境を持った組織が効果的で健全である。〇組織開発では人間尊重の価値観を重視したうえで、人と人との間に起こっている関係的な側面に働きかける必要があると考えています。そのため、組織開発においては、信頼関係で結ばれ、他者に対して開かれ、協力的な環境を持った組織が効果的で健全であるという価値観が重視

ウ 組織メンバーは、責任感をもち、誠実で思いやりがある存在として尊敬に値する。〇組織開発では人間尊重の価値観を重視しており、人間は基本的に善であり、最適な場が与えられれば、自律的・主体的にその人間の能力を発揮するものであるととらえています。そのため、組織開発においては、組織メンバーは、責任感をもち、誠実で思いやりがある存在として尊敬に値するという価値観が重視

エ 変革の影響を受ける人を決定に参加させ、変革の実行に関与させる。〇組織開発では、民主的な価値観を重視しており、意思決定する際には、関連するできる限り多くの人が参加し関与した方が意思決定の質が高まると考えられています。そのため、変革の影響を受ける人を決定に参加させ、変革の実行に関与させることが重視

オ 問題解決の結果にはこだわらず、取り組みのプロセスを重視する。×組織開発の目的は,組織の健全さ、効果性を高めることにあります。そのため、取り組みのプロセスを重視するとともに、問題解決の結果にはこだわることになります。問題解決の結果にはこだわらないという点が誤り

部門間コンフリクト【令和元年 第15問】

 コンフリクトは、意思決定の標準メカニズムの機能不全を意味する。組織における部門間コンフリクトの原因、それへの対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 組織内のスラックが豊富に存在すると、部門間の目標の独立性が減少し、部門間コンフリクトが発生しやすくなる。×目標達成ができない場合に他部門に対し責任を負わせるようなコンフリクトは起こりづらくなります
  2. 組織内の部門間コンフリクトは、共同意思決定の必要性が高ければ高いほど、また予算など限られた資源への依存度が大きければ大きいほど、発生する可能性が高まる。〇×〇共同意思決定の必要性が高ければ高いほど、部門間の意見の違いが際立つ機会が多くなります。また、予算など限られた資源への依存度が大きいほど、他部門との調整を困難にするため、コンフリクトの発生可能性は高
  3. 命令の一元性が確保されていると、部門間の目標や知覚の分化が進むため、部門間コンフリクトが起きる可能性は低下する。〇×命令の一元性が確保されても、部門間コンフリクトは生じるため、双方の因果関係はありません。
  4. 目標が共有されている部門間でコンフリクトが生じた場合、その基準を満たす解決策を探索するために、政治的工作やバーゲニングが使用される可能性が高くなる。〇×政治的工作は失敗するとコンフリクトの深刻さを増しますし、成功しても、部門内のメンバーにとって納得感が得られないこともあり、表面的な和解がされるにとどまります。

組織学習 【平成20年 第19問】

 企業が長期に成長・発展していくためには、シングルループ学習とダブルループ学習を適切に切り替えて行っていく必要がある。このことに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 業績評価基準を成果主義型から過程重視型にシフトすることを通じて、シングルループ学習を抑え、ダブルループ学習を促進する可能性が高くなる。〇×「過程重視型」とは従来型の業績評価方法であり、そのような評価基準のもとでは、既存の枠組みの中で行われるシングルループ学習が促進


イ 計画策定部門と執行部門を明確に区分し、適切なコミュニケーションを確保する組織を構築することで、シングルループ学習とダブルループ学習を適切に切り替える可能性が高くなる。×?〇シングルループ学習を展開しがちな執行部門と、ダブルループ学習を行う素地がある計画策定部門とを「明確に区分」することで、それぞれの学習を促進。適切なコミュニケーションを行うことで、それぞれの学習成果を伝達でき、「シングルループ学習とダブルループ学習を適切に切り替える」ことも可能


ウ 執行部門により多くの権限を委譲することを進めると、シングルループ学習を促進し、ダブルループ学習を阻害する可能性が高くなる。×執行部門により多くの権限を委譲することで、執行部門においてもダブルループ学習を促進できる可能性が高


エ 職務を細分化し、過程別専門化を進めていくことが、シングルループ学習を阻害し、ダブルループ学習を促進する可能性を高める。×「職務を細分化し、過程別専門化を進めていく」と、それぞれの組織が別々に組織学習を進めていくことになり、シングルループ学習へと陥っていきます。


オ 専門化された各部門の責任・権限を明確化することを通じて、シングルループ学習を抑え、ダブルループ学習を促進する可能性が高くなる。、各部門はより一層高い壁を築いてしまい、ある部門の学習成果は他部門へ伝播しにくくなります。すると、ダブルループ学習が阻害

シングルループ学習とは、低次学習とも呼ばれ、既存の枠組みのなかで行う学習です。組織がゆっくり進化している時に必要なのは低次学習です。

 ダブルループ学習とは、高次学習とも呼ばれ、既存の枠組みを超えた学習です。組織が革新的に進化する時に必要なのは高次学習です。つまり、既存の枠組み自体を変革するための学習が高次学習です。

組織変革 【平成24年 第19問】

 次のケースを読み、この工場で組織変革がうまくいかなかった理由または採るべきであった手法に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 「ある耐久消費財メーカーの経営者は、需要の変動に対応するために、それまでバッチ生産システムを採っていたアセンブリー工場に、新たにセル生産システムを導入しようと考えた。経営者ならびに工場長は、この工場の日常業務に影響を与えないよう配慮し、コンサルタントを秘密裏に導入して従業員の行動を分析させるとともに、工場とは離れた本社で変革案を作成した。



 最終的に変革案がまとまった段階で、従業員全員を一堂に集め、会社のおかれた状況を説明し、明日からセル生産システムに移行すること、その移行の手続きについてほぼ一日かけて説明した。従業員は疲れていたようだが、ただ黙っていただけで特に反論もなかった。
 その後、新しい職務訓練を経て、セル生産システムへの移行を実施したが、生産性は著しく低下してしまった。」



[解答群]



ア 現場と離れた本社で変革案を作成するのではなく、セル生産への移行プロセスに工場の実態を反映させるために、工場内で従業員が帰ってから作成すべきだった。×


イ 従業員に対する説明の時間が長過ぎて、疲れてしまったため理解が得られなかったので、説明時間をもっと簡潔にすべきだった。×


ウ セル生産システムへの移行について説明した際に、従業員から反論がなかったのは良く理解できなかったからであり、従業員一人一人を対象に説明をすべきであった。×


エ 変革案の作成ならびに執行計画について、従業員たちを参加させ、フェアプロセスを経ていると実感させるべきであった。〇

組織変革2 【平成27年 第20問】

 組織は、ときに環境変化に対して抵抗することがある。組織が変化へ抵抗する理由として、最も不適切なものはどれか。

  1. 個人が変革を志向していたとしても、グループの規範がこれを抑制する慣性をもつから。〇
  2. 組織が有する公式化されたルールが、既存のルールに従うよう組織メンバーを社会化するから。〇
  3. 組織固有の特殊スキルを持つグループが、組織の外部へと専門家ネットワークを広げているから。×
  4. 組織内で大きな予算を有し決定権限を持つグループが、自らの利益や権力を守ろうとするから。〇
  5. 組織を構成するサブシステムが存在するため、変化が部分的なものにとどまりがちになるから。〇

レヴィンの解凍-変化-再凍結モデル 【平成29年 第22問】

 組織の計画的変革にはさまざまな手法があるが、その多くの背後には K.レヴィン(Lewin)らが主張した、解凍-変化-再凍結モデルがある。この計画的変革モデルに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 解凍の際には、新しいことを学ぶだけでなく、その人のパーソナリティや社会関係と一体化していることをやめることが含まれるため、変わろうというモチベーションを起こさせることが重要である。〇

イ 解凍の際に変革に対して組織メンバーを動機づけるためには、自分たちの過去の失敗を認めることに対する不安や脅威を持たないよう、組織が危機に直面しているという意識を持たせないよう配慮する必要がある。×

ウ 再凍結の過程では、新しい行動様式を身につけた人にとって重要な他者たちから、その行動や態度を認めてもらえるかどうかを試す機会を持たせる必要がある。〇

エ 再凍結の過程では、新しい役割や行動が、その人のアイデンティティにあっているかどうか、パーソナリティと矛盾しないかどうかを確認する機会を持たせる必要がある。〇

オ 変化の過程では、模範的な役割を演じるロールモデルや信頼のおける仲間たちとの同一視と、そうした人々の立場から新しいことを学ぶことが必要である。〇すでに新しい考え方や行動様式を身につけている人々の立場に立つことにより、そうした考え方や行動様式の必要性が実感できる

SECIモデル 【平成29年 第20問】

 組織的知識創造プロセスとして、野中郁次郎が提唱する SECI モデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. SECI モデルにおける共同化ないし社会化(Socialization)とは、新入社員の研修活動を通じて組織文化に適応させることを意味し、組織メンバーとしての自覚を促すことによって社内での行動パターンを身につけさせることを促す。〇?×新入社員の研修活動は、形式化された知識創造学習
  2. SECI モデルにおける表出化(Externalization)とは、新製品のイメージなどが具体的な言葉によって新製品コンセプトとして表現されていくような、社会化を通じて獲得された暗黙知を形式知に転換するプロセスを意味する。〇?×〇具体的な言葉によって新製品コンセプトとして形式知化して表現することは表出化
  3. SECI モデルにおける内面化(Internalization)とは、実践を繰り返すことを通じて、内面化された知識を他者にも伝えていくことを意味する。×〇?×他者に伝えていくプロセスではありません。
  4. SECI モデルにおける連結化(Combination)とは、形式知と暗黙知が組み合わされることを通じて、すでに言語で表現されている既存の製品コンセプトが、新製品コンセプトへ転換されていくことを意味する。×連結化とは、形式知と形式知を組み合わせて新たな形式知を生み出すプロセスですので、形式知と暗黙知が組み合わされるプロセスではありません。

・共同化ないし社会化(Socialization)

個人の持つ暗黙知を、別の個人が、自分の暗黙知として取り込むプロセスです。複数の個人が共通の体験をすることにより、特定の個人が持つ、言葉にならないノウハウのようなものを、別の個人が吸収することができます。

・表出化(Externalization)

個人が持つ暗黙知を、他人に伝わりやすくするため、言語や図表などを使って形式知にするプロセスです。表出化を実現させるためには、他人と対話をしたり、一緒に考えたりすることが有効です。

・連結化(Combination)

個別の形式知を組み合わせて、新たな形式知を生み出すプロセスです。たとえば、文章にされた個別のメモを体系立ててマニュアルを作るようなケースです。

・内面化(Internalization)

個人が形式知を理解し、自分自身のノウハウやスキルとして体得(暗黙知化)するプロセスです。

以上のプロセスを繰り返すことにより、組織に共有の知識(形式知)が蓄積されていきます。

非正社員の質的基幹化 【平成29年 第23問】

 契約社員やパートタイマー、派遣労働者、請負労働者など、正社員以外で組織に雇用される労働者は、広く非正社員と呼ばれてきたが、近年は定型的・補助的な職務にとどまらず、正社員と同じ責任を持って職務に従事する質的基幹化が起こっている。質的基幹化に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 機密事項の漏洩が発生しやすくなっている。〇

イ 職場の一体感が低下しやすくなっている。〇

ウ 正社員との賃金格差に非正社員が不満を感じやすくなっている。〇

エ 長期的な視点から見た正社員の育成が困難になっている。〇

オ 非正社員は正社員に期待されている役割を担うことができるようになっている。×

人事考課 【平成21年 第20問】

 人事考課に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 人事考課で最も重要なことは公正な評価が行われることであるが、人事考課にともないやすい評定誤差として、中央化傾向、寛大化傾向、論理的誤差および対比誤差などがある。〇心理的誤差として、中央化傾向、寛大化傾向、論理的誤差、対比誤差など


イ 人事考課の評価基準には、定められた基準(レベル)に基づいて評価する絶対評価と評価対象者の中での比較による相対評価があるが、絶対評価の代表的なものにはプロブスト法などがある。?〇プロブスト法とは人事考課の手法の1つであり、従業員の勤務態度、性格や能力などに関する具体的な説明文を列挙しておき、評価者がそれぞれの該当する項目について確信が持てる場合のみチェックをいれていく方法。「定められた基準(レベル)に基づいて評価する絶対評価」に分類することができ、その代表例


ウ 人事考課の評価項目には、能力考課、業績考課および情意考課があるが、そのうち情意考課とは職務に取り組む意欲や勤務態度、積極性や協調性などを評価するものである。〇人事考課は、職務遂行能力を評価する能力考課、職務遂行の度合いを評価する業績考課、そして情意考課から構成


エ 人事考課は、昇進・昇格、昇給・賞与の管理、配置転換や人事異動および能力開発や教育訓練のニーズの把握など、さまざまな人的資源管理の根拠となる。〇


オ ハロー効果とは、同じ考課者が同じ被考課者を評価しても、時間や順序が変わると異なった評価になる傾向のことをいう。×ハロー効果とは、ある目立つ特徴があると、他の要素の評価もそれに引きずられて歪められることです。例えば、行動力があり目立つ人の他の評価項目や仕事の成果を高く評価してしまうこと

ヒューリスティック、バイアス 【平成27年 第13問】

 人間や組織は、単純化や経験則に頼って意思決定をすることが多い。こうした単純化の方法は、ヒューリスティックと呼ばれ、時には論理的な意思決定に対してバイアスをかけてしまうこともある。このようなヒューリスティックやバイアスに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ある選択肢に好意を抱いた人は、その選択肢を支持するような証拠を探し求め、データをそのように解釈する「後知恵バイアス(hindsight bias)」に陥りやすい。〇×ある選択肢に好意を抱いた人は、その選択肢を支持するような証拠を探し求め、データをそのように解釈するものは、「確証バイアス(confirmation bias)」です。これは、追認バイアス。物事が起きてからそれが予測可能だったと考える傾向が、「後知恵バイアス(hindsight bias)」

イ 同じ業績であっても、上司のそばに席を置いている部下の方が、遠くの席の部下よりも高く評価される傾向がある場合には、「確証バイアス(confirmation bias)」が作用している可能性が高い。×「内集団バイアス(ingroup bias)」です。このように、内集団バイアスとは、自分が帰属している集団には好意的に考え、その外の集団には差別的に考えてしまう傾向

ウ 肯定的仮説検証現象が起きると、結果が出たあとにものごとを振り返った場合、他の結果も起こりえた可能性を無視してしまう「感情ヒューリステック(affect heuristic)」に陥りやすい。〇?×好き嫌いだけで意思決定をし、理由を後付けするのが、「感情ヒューリスティック(affect heuristic)」

エ 人間が意思決定する際に、「営業に適した人は社交性が必要だ」といったように、あらかじめ抱いている固定観念に合った特性を見いだそうとする「代表性ヒューリスティック(representativeness heuristic)」を利用する傾向がある。〇×〇この代表性ヒューリスティックは、典型的と思われることがらの起こる確率を過大に評価しやすいということで、「典型性ヒューリスティック」

オ 人間は天気の良い日には楽観的になって、株価が上昇したりするが、このような効果は「利用可能性ヒューリスティック(available heuristic)」に依拠する。×「利用可能性ヒューリスティック(available heuristic)」とは、想起しやすい事柄や事項を優先して評価してしまう傾向

360度評価 【平成28年 第20問】

 360 度評価は、上司が部下を評価するだけではなく、自分を取り囲む先輩や同僚、部下、場合によっては関係先の部署や取引先などの、さまざまな関係の人達から評価を受ける手法である。また、多様な評価を被評価者にフィードバックすることによる効果も期待されている。360 度評価の効果として、最も不適切なものはどれか。

ア 顧客や取引先が評価者となった場合には、被評価者の顧客志向が高まる。〇顧客や取引先を評価者に含めることで被評価者の顧客志向が高まることがあります。

イ 異なった評価を見ることによって、評価者を訓練する機会を提供する。〇評価者である上司に訓練の機会が提供

ウ 上司と部下のコミュニケーションの活性化が図られる。〇多様な評価者からの評価は被評価者の自信喪失や反発を生じることがあります。そのような反応を生じないよう従来の人事評価以上にていねいなフィードバックを行うことが重要になります。その過程において、上司と部下のコミュニケーションの活性化

エ 中立的な評価を行うことができる評価者を選抜することができる。×評価者の主観的判断への依存度を下げる効果がありますが、中立的な評価ができる評価者を選択する効果はありません。評価者は第三者的な中立性を持つわけではなく、上司の上司、同僚、他部門の関係者、顧客、取引先であり被評価者の関係者であるため中立的評価者とは言えません。また、360度評価は中立的評価者を選抜するためのものでもありません。

オ 普段の業務では得られない、さまざまな情報を入手できる。〇評価時点においてフィードバックを行う同僚からは被評価者が周囲からどのように思われているか等、普段では聞けない様々な情報を入手

成果評価と報酬制度 【平成23年 第14問】

 日本企業において人事制度の見直しが進んでいる。事業構造の再構築のなかで、成果に応じて格差のある報酬配分を行うことのメリットとデメリットを調和させた導入が重要になる。 これに関する記述として、最も不適切なものはどれか。


ア 新たな報酬制度を運用する際には、評価者と被評価者が意見を交わしながら目標管理シートを作成するなど、意思疎通の機会を通して満足感を高めるとよい。〇

イ 職場には既存の文化や風土、価値観が存在するため、新たな評価制度を導入する際には、その基準や手続きに関して十分に理解されるための時間が必要である。〇新たな評価制度を導入する際には、この組織文化と制度が親和的かを十分に検討する必要

ウ 評価者が被評価者の全般的な要望や意見を説明しながら評価を行ったならば、評価結果が期待したほどでない場合でも、不公正感が抑えられ、動機づけを高めることができる。〇×評価者(上司)が、被評価者(自分)の全般的な要望や意見を説明しながら評価を行ったとしても、その要望や意見が取り入れられていない場合は、動機づけは高まらないでしょう。

エ 評価に対する納得感は、自己比較とともに他者相対比較の側面もあることから、適切に動機づけを高めるためには、社内の公正な評価制度に関する情報開示が必要となる。〇動機づけを高めるためには、社内で、公正な評価制度が整備され、その内容が周知されていることが必要

オ 自らが投入した時間・努力量や成果と、それに対する評価・報酬とが見合うならば、人は公正感を感じる。〇×〇たくさん努力したため、評価された場合、あるいは、あまり努力しなかったため、評価されなかった場合は、人は納得感、公正感を感じやすい傾向

能力開発 【平成20年 第24問】

 企業経営の中で人材育成は不可欠の要件の1つである。その手法としての能力開発の体系や手法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア CDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)は、社員各自の希望と企業の人材ニーズに照らした長期的なキャリア・プランに基づく教育訓練と人事評価や処遇を合わせて行う必要がある。〇



イ OFF –JT は、集合教育、外部の講習会への参加などで、通常の業務遂行外で行われるため、計画的に実施することができる長所がある。〇



ウ OJTは、上司や先輩が部下に対して日常的に業務上の知識や技能を指導する方法で、その成果が仕事に直接反映されやすい長所がある。〇



エ 教育訓練は、一般に階層別教育訓練、職能別教育訓練および課題別教育訓練から構成される。〇



オ 自己啓発は、社員の自発性に根ざした自らが必要と考えている業務上の知識のレベルアップや他の知識の取得および自己の関心事について自ら挑戦することで、自己啓発意欲を支援する趣旨から企業がその費用の一部を支援する義務がある。×

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