有効需要の原理、セイの法則 【平成20年 第4問】
次の古典派マクロ経済学に関する文章中の空欄AおよびBに入る最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
古典派マクロ経済理論では、市場の価格調整メカニズムが万全であり、物価および名目賃金が上下に伸縮的であると考える。このため、労働市場では常に完全雇用が実現し、GDPは完全雇用GDPの水準と一致する。古典派マクロ経済理論では( A )が成立し、( B )サイドからGDPが決定されると主張する。
[解答群]
ア A:セイの法則〇 B:供給〇
イ A:セイの法則 B:需要
ウ A:有効需要の原理 B:供給
エ A:有効需要の原理 B:需要
古典派マクロ経済学が提唱したこととの代表的な1つとして、「セイの法則」があります。
効率賃金理論 【平成28年 第6問】
賃金に関する考え方の1つに効率賃金理論がある。効率賃金理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 企業が支払う効率賃金の下で完全雇用が実現すると主張する。×
イ 均衡賃金に等しい水準の賃金を支払うことが企業の効率的な生産につながると主張する。×
ウ 均衡賃金を超える水準の賃金を支払うことが生産性を高め、企業の利潤を増やすと主張する。〇
エ 均衡賃金を下回る水準の賃金を支払うことが生産性を高め、企業の利潤を増やすと主張する。×
効率賃金理論とは、効率を重視して賃金は決められるため、実質賃金は限界生産力よりも高くなる、すなわち、均衡賃金よりも企業が実際に支払う賃金は高くなると考えるものです。
総供給曲線 【平成25年 第5問】
労働のみを用いて生産を行っている企業を考える。この企業が生産物1単位を生産するのに必要な労働量は一定であり、生産物価格と名目賃金率に基づいて利潤が最大になるように生産量を決定する。他方、労働者は、実質賃金率の水準に応じて、労働供給量を決定する。縦軸に物価水準を、横軸に生産量をとり、これら企業と労働者の行動から導き出された総供給曲線を描くとき、その形状として、最も適切なものはどれか。
ア 垂直〇
イ 水平
ウ 右上がり
エ 右下がり
古典派では、物価水準がどのような値に変化しても、名目賃金が柔軟に変化するため、必ず労働市場が均衡し完全雇用が実現します。
自然失業率仮説 【平成27年 第8問】
中央銀行は、名目貨幣量を拡大させる金融緩和政策を実施することがある。この名目貨幣量拡大により、総需要が増加することで、名目賃金率と物価が上昇し始めると、企業側は総供給を増やそうとする。このときの労働者側の短期における行動について、自然失業率仮説の記述として最も適切なものはどれか。
ア 物価上昇は認識せず、名目賃金率上昇のみを認識するため、労働供給量を増やす。〇労働者は期待物価上昇率に基づいて行動することになり、この期待物価上昇率は必ずしも現実の物価上昇率に一致しません。
イ 名目賃金率上昇と物価上昇をともに認識し、労働供給量を増やす。×労働者が名目賃金率上昇と物価上昇をともに認識すると、労働供給量を増やすことはしません。
ウ 名目賃金率上昇と物価上昇をともに認識せず、労働供給量を変えない。×短期において、労働者は物価上昇を認識しませんが、名目賃金率上昇は認識します。
エ 名目賃金率上昇は認識せず、物価上昇のみを認識するため、労働供給量を減らす。×短期において、労働者は物価上昇を認識しませんが、名目賃金率上昇は認識します。
需給ギャップ 【平成29年 第5問】
需給ギャップ(GDPギャップ)は景気や物価の動向を把握するための有効な指標であり、マクロ経済政策の判断において重要な役割を果たしている。日本では、内閣府や日本銀行などがこれを推計し、公表している。
需給ギャップに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア オークンの法則によれば、需給ギャップがプラスのとき、雇用市場は過少雇用の状態にあると考えられる。〇×需給ギャップがプラスのときは、実際のGDP>潜在GDPですから、好景気の状態です。
イ 需給ギャップのプラスが拡大しているとき、物価はディスインフレーションの状態にあると考えられる。×リフレーション
ウ 需給ギャップのマイナスが拡大しているとき、景気は後退していると考えられる。〇実際のGDP<潜在GDPですので、不景気でデフレーションが継続している状況です。
エ 需給ギャップは、(潜在GDP-実際のGDP)/実際のGDP によって計算される×需給ギャップ=(実際のGDP-潜在GDP)÷潜在GDP
消費の理論 【平成23年 第3問】
消費の決定に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 倹約のパラドクスでは、美徳とされる倹約の推奨が経済全体では消費支出とGDP の減少を引き起こすと考える。〇
倹約のパラドクスとは、個人が倹約することは美徳であるが、経済全体にとっては好ましくない結果をもたらすという理論です。
イ 消費の習慣仮説では、景気の後退局面においても、消費の減少に対して歯止めが作用すると考える。〇消費の習慣仮説とは、消費は過去の所得水準や、消費習慣に影響を受けるとする考えです。
ウ 絶対所得仮説では、1回限りの減税によって変動所得が増加しても消費は一定にとどまると考える。〇×絶対所得仮説とは、ケインズ型消費関数のことです。
エ ライフサイクル仮説では、生涯所得の増加が消費の増加を引き起こすと考える。×〇ライフサイクル仮説では、「個人の今期の消費は、今期の所得ではなく、一生の間に得られる所得によって決められる」と考えます。
等価定理 【平成25年 第8問】
政府は一時的な減税を行うのと同時に、公債を発行するものとする。家計が生涯所得に依存して消費を決定し、また子孫世代のことを考慮に入れる場合、このような公債発行が家計行動に与える影響として、最も適切なものはどれか。
ア 家計に流動性制約がある場合、現時点の貯蓄を増加させる。× 政府が景気を刺激するために、政府支出を拡大する財源について公債を発行する場合、もし家計が、将来、政府が公債を償還する際に増税するだろうと予想するならば、家計は将来の増税に備えて、消費を減らし、貯蓄することになります。
イ 家計は公債が償還される将来を見通して行動するため、現時点の消費を増加させる。×リカード=バローの等価定理によると、政府が景気を刺激するために、政府支出を拡大する財源について公債を発行する場合、もし家計が、将来、政府が公債を償還する際に増税するだろうと予想するならば、家計は将来の増税に備えて、消費を減らし、貯蓄することになります。
ウ 公債償還時に借換債の発行が行われ続けることが予想されると、現時点の貯蓄を減らす。×公債償還時に借換債の発行が行われ続けることが予想される場合、公債の償還が先送りされるために、子孫世代のことを考慮に入れると、現時点の消費を減らし、貯蓄を増やすことになります。
エ 公債の償還が自らの生存中にないことが分かっている場合、現時点の消費を減らす。〇政府が一時的な減税を行うのと同時に公債を発行する場合、子孫世代のことを考慮に入れると、家計は現世代と子孫世代の合計所得に依存して消費を決定することになります。
投資の理論 【平成22年 第4問】
投資決定の説明として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a ケインズの投資理論では、投資の限界効率が利子率を下回るほど、投資を実行することが有効になると考える。×ケインズの提唱した「投資の限界効率」理論では、投資の限界効率が利子率を上回る時に、投資が実行されると考えます。
b 資本のレンタル料が資本の限界生産物価値を上回る場合、投資が増加し、資本ストックの積み増しが生じる。×
資本のレンタル料とは、資本ストックを1 単位追加するのにかかる費用のことです。
c 投資の加速度原理では、生産拡大の速度が大きくなるほど、投資も拡大すると考える。〇
投資の加速度原理では、「投資は、国民所得の変化分に比例して変動する」と考えます。
d トービンのq理論では、株価総額と負債総額の合計である企業価値が、現存の資本ストックを再び購入するために必要とされる資本の再取得費用を上回るほど、設備投資が実行されると考える。〇
トービンのq理論では、投資を検討するとき「企業の株式市場での評価」と「現存の資本ストックを買い換える費用」の2 つをもとに判断します。
[解答群]
ア aとb
イ aとc
ウ bとc
エ bとd
オ cとd〇
投資の理論2 【平成29年 第8問】
投資の決定に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a ケインズの投資理論によれば、利子率の低下は投資を増加させる。〇
b 資本ストック調整原理によれば、投資の調整速度が大きいほど、投資が減少する。〇×
資本ストック調整理論とは、資本ストックの調整が実現されるのに時間がかかるもので伸縮加速子(今期の投資として実現される割合)を用いてモデル化しています。
c 投資の限界効率とは、投資収益の現在価値の合計を投資費用に等しくさせる収益率である。×〇投資の限界効率は投資収益の現在価値の合計を投資費用に等しくさせる収益率で追加的な投資から得られる利益率です。
d トービンの q とは、企業の市場価値を資本の割引価値で除したものである。×トービンのqは、企業価値(株式時価総額+負債時価総額)を資本の割引価値ではなく、資本ストックの再調達価格総額で割ったものです。
[解答群]
- a〇とc〇
- a〇とd
- bとc
- bとd
為替レート【令和元年 第7問】
為替レートの決定に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解 答群から選べ。
a 金利平価説によると、日本の利子率の上昇は円高の要因になる。〇金利平価説では、日本の利子率の上昇は、外国通貨を売って、日本円を買う資金移動が生じることから円高要因となります。
b 金利平価説によると、日本の利子率の上昇は円安の要因になる。×日本の金利上昇は円高要因であり、円安要因ではありません。
c 購買力平価説によると、日本の物価の上昇は円高の要因になる。×購買力平価説では、日本の物価上昇は、日本円の購買力を低下させるため、円安の要因になります。
d 購買力平価説によると、日本の物価の上昇は円安の要因になる。〇日本の物価上昇は日本円の購買力を低下させるため、円安の要因になります。
〔解答群〕
- aとc
- aとd〇
- bとc
- bとd
ISバランスアプローチ(貯蓄投資バランス) 【平成30年 第6問】
マクロ経済循環では貯蓄と投資の均衡が恒等的に成り立つことが知られており、これは「貯蓄投資バランス」と呼ばれている。貯蓄投資バランスに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 経常収支が黒字で財政収支が均衡しているとき、民間部門は貯蓄超過である。〇×〇経常収支(黒字) =純貯蓄 + 財政収支(ゼロ)は、純貯蓄が黒字のときに成り立ちます。
イ 経常収支の黒字を民間部門の貯蓄超過が上回るとき、財政収支は黒字である。〇× ISバランスは、財政収支=経常収支-純貯蓄、と変形することができます。
ウ 国内生産よりも国内需要が少ないとき、経常収支は赤字である。〇×輸出は国内の生産が国内の需要を上回るため輸出されます。
エ 国内の純貯蓄がプラスであるとき、海外の純資産は減少している。〇×ISバランスは国内の純貯蓄、財政収支、経常収支の関係を説明するもので、国内の純貯蓄と海外の純資産との関係を説明するものではありません。
過去問セレクト演習-5-7 労働市場と主要理論 98日ぶり! 正答率75.00% 12点(12月)→16点(2月)→15点(今回)復習量少ない割に定着感、次回以降に期待。古典派総供給曲線は横軸に対して垂直。ケインズ経済学の総供給曲線は、物価が低い時は右上がりで、完全雇用を達成した後は横軸に対して垂直。絶対所得仮説とは、消費は今期の所得に比例するという考え方。
スマート問題集:5-1 消費者行動と需要曲線 56日ぶり 正答率60.00% 8点(12月)→7点(2月)→7点(4月)→10点(今回)間違いまくりの乱打戦。初見状態も多く未定着。需要の価格弾力性は、価格を1%変化させたときに、「需要量」が何%変化。需要量が増加すればするほど需要の価格弾力性の値は小さくなり、需要量が減少すればするほど需要の価格弾力性の値は大。ギッフェン財の場合、需要曲線は右上がり。
要復習チェック残1次試験全体(合格模試及び平成30年度令和元・2年度1次試験過去問題除く)1645問中520問→496問。
(企業経営理論447問中残125問 財務・会計342問中残106問 運営管理434問中残73問 経営情報システム335問中残17問 経済学・経済政策331問中残90問 経営法務321問中残81問 中小企業経営・政策379問中残34問)
経済学・経済政策の要復習チェック残114問→90問へ24問減らせました!
2021年05月28日 (金) の学習履歴
6時間30分
スマート問題集-1次試験全科目セット [2021年度試験対応]26分00秒
科目5 経済学・経済政策26分00秒
スマート問題集:5-1 消費者行動と需要曲線26分00秒
過去問セレクト講座-1次試験全科目セット[2021年度試験対応]1時間54分(1レッスン終了)
科目5 経済学・経済政策1時間54分
過去問セレクト演習-5-7 労働市場と主要理論1時間54分 15/20点
1次2次合格コース[2021年度試験対応]01分00秒
1次基礎講座01分00秒
科目4 経営情報システム01分00秒
4-3 システム構成とネットワーク01分00秒
その他の学習履歴4時間09分
問題集3時間54分
その他15分00秒
中小企業診断士
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