直前対策講座 企業経営理論

損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率

限界利益率は1-変動費率

当期の売上高と費用の内訳は次のとおりである。他の条件に変化はないものとして、販売価格が1,700円に低下した場合の損益分岐点売上高の変化(単位:千円)。

売上高(価格2,000円、数量400個)800千円

変動費320千円

固定費360千円

売上高(価格2,000円、数量400個)800千円時の損益分岐点売上高
=固定費360千円÷(1-変動費率(変動費320千円÷売上高800千円=0.4)
=360÷0.6=600

販売価格が1,700円に低下した場合の損益分岐点売上高
=固定費360千円÷(1-変動費率(変動費320千円÷売上高(価格1700円*数量400個=680)=0.47)
=360÷0.53=679

当社は、来年度の期首に新設備を購入しようと検討中である。新設備の購入価額は100百万円であり、購入によって毎年(ただし、5年間)の現金支出費用が30百万円節約されると期待される。減価償却方法は、対応年数5年、残存価額がゼロの定額法を採用する予定である。税率を40%とするとき、この投資案の各期の税引後キャッシュ・フローは18百万円である。【平成29年第15問改題】

この投資案の各期の税引後キャッシュ・フロー
=税引後の支出削減額+減価償却費*税率
税引後CF=現金支出費用30*(1-0.4)+(100÷5)*0.4=18+8=26

来年度の当社の売上高は、好況の場合20億円、通常の場合15億円、不況の場合7億円と予想されている。好況になる確率が20%、通常の場合が70%、不況となる確率は10%と予想されているとき、当社の来年度の売上高の期待値は15.2億円となる。【平成29年第16問改題】

期待値は売上高に確率を乗じたものの和

期待値=20億円*20%+15億円*70%+7億円*10%=15.2%

D社は、4つの投資案(①~④)の採否について検討している。同社では、投資案の採否を正味現在価値法(NPV法)に基づいて判断している。いずれの投資案も、経済命数は3年である。4つの投資案の初期投資額および第1期末から第3期末に生じるキャッシュ・フローは、以下の表のとおり予測されている。初期投資は第1期首に行われる。なお、法人税は存在せず、割引率は8%とする。投資案②のNPV(空欄A)は33百万円であり、投資案③のNPV(空欄B)は30百万円となる。なお、NPVの計算にあたっては、以下の表を用いるものとする。【平成27年第16問より】

初期投資第1期第2期第3期NPV
投資案①-12050607033
投資案②-120706050A36.2
投資案③-160808080B46.4
投資案④-120404040C-16.8

割引率8%の場合の複利現価係数および年金現価係数
1年 2年 3年
複利現価係数0.93 0.86 0.79
年金現価係数0.93 1.78 2.58

A=-120+0.93*70+0.86*60+0.79*50=-120+65.1+51.6+39.5=36.2

B=-160+80*2.58=46.4

4つの投資案は相互に独立しており、D社は複数の投資案を採択することが可能である。しかし、資金の制約があり、初期投資額の上限は380百万円である。このとき、採択すべき投資案の組み合わせは、投資案①および投資案③である。なお、D社は他の投資案を有しておらず、380百万円のうち初期投資に使用されなかった残額から追加のキャッシュ・フローは生じないものとする。【平成27年第16問より】

C=-120+40*2.58=-120+103.2=-16.8

③>②>①
160+120=280
採択すべき投資案の組み合わせは、投資案③および投資案②

A社は現在、相互に排他的な2つのプロジェクトX案とY案の評価を行っている。X案とY案のNPVとIRRは下表のとおりである。なお、2つのプロジェクトとも初期投資を行った後はプロジェクト期間の終わりまで常にプラスのキャッシュ・フローをもたらす。表のとおり、割引率10%のもとでNPVはY案のほうが高いが、IRRはX案のほうが上回っている。そこで、Y案のキャッシュ・フローからX案のキャッシュ・フローを差し引いた差額キャッシュ・フローのIRRを計算したところ、10.55%であった。したがって、資金制約がなく割引率が10.55%未満の時は差額キャッシュ・フローのNPVはプラスとなり、Y案が採択されることになる。【平成26年第16問より】

現在、3つのプロジェクト(プロジェクト①~プロジェクト③)の採否について検討している。各プロジェクトの初期投資額、第1期末から第3期末に生じるキャッシュ・フロー、および内部収益率(IRR)は以下の表のとおり予測されている。いずれのプロジェクトも、経済命数は3年である。初期投資は第1期首に行われる。なお、法人税は存在しないと仮定する。

初期投資第1期第2期第3期IRR
プロジェクト①-5001202002808.5%
プロジェクト②-500200200200
プロジェクト③-500300200607.6%

200 ×年金現価係数-500 =0

∴年金現価係数=500 ÷200 =2.5

経済命数が3年の場合の複利現価係数および年金現価係数の表を見ると、年金現価係数が2.5になる内部収益率は、9%と10%の間になります。

負債と純資産の構成が2:1の企業がある。この企業の税引前負債資本コストが3%(税率は40%)、株主資本コストが12%であるときの加重平均資本コストは5.8%である。

WACC=負債コスト*(1-税率)+株主資本コスト
=2÷(2+1)*(1-0.4)*3%+1÷(2+1)*12%
=1.2%+4%
=5.2%

加重平均資本コスト(WACC)は、株主資本(自己資本)コストと他人資本コストを、その運用形態ではなく、資本構成に応じて加重平均することで求められる。【平成28年第14問改題】

加重平均資本コスト(WACC)を計算する際に、加重平均に用いるのは、理論的には株主資本(自己資本)コストと他人資本コストの簿価ではなく、時価である。【平成28年第14問改題】

加重平均資本コスト(WACC)を計算する際に、他人資本コストにはレバレッジ効果ではなく、節税効果を考慮する必要がある。【平成28年第14問改題】

加重平均資本コスト(WACC)を計算する際に、他人資本コストに限界税率ではなく、(1 -限界税率)を乗じることで、節税効果を考慮した他人資本コストを求める。【平成28年第14問改題】

以下のB社の資料に基づいて加重平均資本コストを計算すると、7.375%となる。なお、B社は常に十分な利益を上げているものとする。【平成27年第14問より】
株主資本(自己資本)コスト10%
他人資本コスト5%
限界税率40%
負債の簿価600 百万円
負債の時価600 百万円
株主資本の簿価1,000 百万円
株主資本の時価1,400 百万円

資本資産評価モデル(CAPM)において、均衡状態においては、すべての投資家が、危険資産として市場ポートフォリオを所有する。【平成27年第18問より】

資本資産評価モデル(CAPM)において、市場ポートフォリオの期待収益率は、市場リスクプレミアムに無リスク資産の利子率を加えたものになります。

(CAPMにおいて)βとは、株式市場が1%変化したとき当該証券のリターンが何%変化するかを表します。β=0 である資産を安全資産と呼びます。【平成28年第12問より抜粋】

(CAPMにおいて)β=1 であるリスク資産の期待収益率は、市場ポートフォリオの期待収益率と同じである。【平成28年第12問より抜粋】

CAPMの計算式にβ=1を代入すると、次のようになります。

リスク資産の期待収益率

=リスク・フリー・レート+β×市場リスクプレミアム

=リスク・フリー・レート+β×(市場ポートフォリオの期待収益率-リスク・フリー・レート)

=リスク・フリー・レート+市場ポートフォリオの期待収益率-リスク・フリー・レート)

=市場ポートフォリオの期待収益率

(CAPMにおいて)β=2 であるリスク資産の予想収益率の分散は、β=1 であるリスク資産の予想収益率の分散の2倍ではない。【平成28年第12問より抜粋】

相関係数=個別証券と市場ポートフォリオの共分散÷(個別証券の標準偏差×市場ポートフォリオの標準偏差)より個別証券と市場ポートフォリオの共分散
=相関係数×(個別証券の標準偏差×市場ポートフォリオの標準偏差)
β=個別証券と市場ポートフォリオの共分散÷市場ポートフォリオの分散
=相関係数×(個別証券の標準偏差×市場ポートフォリオの標準偏差)÷市場ポートフォリオの分散
=相関係数×個別証券の標準偏差÷市場ポートフォリオの標準偏差
個別証券の標準偏差=β×市場ポートフォリオの標準偏差÷相関係数
よって、個別証券の標準偏差および分散は、βだけでなく相関係数にも依存している。

β<1のとき、個別証券のリターンは市場よりも小さく動きます。よって、価格が下落することもありえます。

資本資産評価モデルを前提とした場合、以下の資料に基づく株式の期待収益率は10%である。【平成28年第12問より】

〔資料〕

市場ポートフォリオの期待収益率:8%

無リスク資産の期待収益率:3%

β:1.4

実効税率:40%

CAPM=リスクフリーレート+β*(市場ポートフォリオの期待収益率:8%ー無リスク資産の期待収益率:3%)
=無リスク資産の期待収益率:3%+β:1.4*5%
=3%+7%
=10%

A証券および市場ポートフォリオの収益率に関する以下のデータに基づいて、A証券のベータ値を計算すると、0.8となる。【平成26年第18問より】

標準偏差

A証券10%

市場ポートフォリオ5%

A証券と市場ポートフォリオとの相関係数:0.4

ベータ値(β)=A証券の収益率と市場ポートフォリオの収益率の共分散÷市場ポートフォリオの収益率の分散

「市場ポートフォリオの収益率の共分散=(市場ポートフォリオの収益率の標準偏差)2」より、「ベータ値(β)=A証券の収益率と市場ポートフォリオの収益率の相関係数×A証券の収益率の標準偏差÷市場ポートフォリオの収益率の標準偏差=0.4×10%÷5%=0.8」となります。


***

この日は経営発表大会で3社が作成された事業計画書発表で助言学習しました。他社の経営の課題点を実際に診断することで、思いつく助言の質と量を現状のスキルアップ課題として認識することが出来、アウトプット学習にも繋げることが出来ました。

2021年07月31日 (土) の学習履歴
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