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知的財産権の全体像

知的財産権に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 知的財産権を大きく分類すると、文化的な創作に関する産業財産権と、産業上の創作に関する著作権などに分けられる。×

イ 産業財産権とは、特許権、実用新案権、意匠権、肖像権の4つである。×

ウ 特許権、実用新案権ともに発明を保護するものであるが、実用新案権は特許権よりも簡単な発明を保護する。×

エ 産業財産権は登録により発生するが、著作権は登録しなくても発生する。〇

特許権:定義・要件1

 特許法に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 機械や装置だけでなく、それらの製造方法も特許の対象となりうる。〇

イ ニュートンの万有引力の法則のような発見も特許の対象となりうる。×「自然法則を利用した技術的思想の創作」である必要がありますので、自然法則の発見そのものは特許の対象にはなりません。

ウ 日本では、最初に出願した者に権利を与える先願主義を採用している。〇

エ 個人的にしか利用できないもので、産業の発展に貢献しないような発明は、特許の対象にならない。〇

特許権:定義・要件2

 特許法における発明の新規性に関し、新規性喪失の例外規定の対象となりうる発明として、最も不適切なものはどれか。

ア 特許出願前に、試験販売して公知にしてしまった発明。〇

イ 特許出願前に、自身がした外国での特許出願について公報に掲載されて公知になってしまった発明。〇×?国内外を問わず「特許、実用新案、意匠又は商標に関する公報に掲載されたもの」は新規性喪失の例外規定の対象外

ウ 特許出願前に、自社のパンフレットに掲載して公知にしてしまった発明。〇

エ 特許出願前に、自らの意思に反して新聞に掲載されて公知になってしまった発明。〇

特許権:取得手続き

 特許権の取得手続きに関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 方式審査が終了して、出願日から1年6ヶ月が経つと出願公開となり、出願した発明の内容が特許公報に掲載される。〇?出願公開は、出願日から1年6ヶ月が経つと強制的に実行

イ 特許の実体審査は、審査請求書を提出することで開始されるが、審査請求が出願日から3年間無かった場合は、自動的に実体審査が行われる。×出願は取り下げ

ウ 実体審査の結果である査定には、許可査定と拒絶査定があり、許可査定は、審査に合格したことを意味している。?×特許査定と拒絶査定

エ 実体審査の拒絶査定に対して、拒絶査定不服審判を起こしても拒絶理由が解消されなかった場合、地方裁判所に審決取消訴訟を提起することができる。×知的財産高等裁判所

特許権:効力

 特許権の効力に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 物の発明の場合、「発明の実施」には、対象となる発明に係る物の、生産、使用は含まれるが、輸出入は含まれない。×輸出、輸入なども含まれます。

イ 事業目的ではなく、個人的に特許発明を実施する場合でも、特許権の侵害になる。×?特許権は「業として」特許発明を独占的に実施する権利

ウ 第三者が試験研究のために特許発明を実施する場合は、特許権の侵害にあたらない。〇

エ 特許権の存続期間は、登録によって権利が発生し、終了は登録日から20年となっている。×出願日から20年

特許権:効力2

特許発明の「実施」として、最も不適切なものはどれか。

ア 自動車の発明について特許がされている場合に、その自動車を販売店の店舗で展示する行為。〇譲渡の申出であり、特許発明の実施

イ 自動車の燃費を測定する方法の発明について特許がされている場合に、その測定に用いる機器を販売する行為。〇×方法の発明に当たり、その測定方法の使用のみが実施となり、それに関連する機器を販売しても特許発明の実施とはなりません。

ウ 自動車の生産方法について特許がされている場合に、その生産方法により生産した自動車を運転する行為。〇その物の使用であり、特許発明の実施

エ 自動車のエンジンの制御プログラムについて特許がされている場合に、そのプログラムをインターネットを介してダウンロードさせる行為。×〇物の発明に当たり、そのプログラムをインターネットを介してダウンロードさせることは譲渡であり、特許発明の実施

特許権:活用

 特許権の活用に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 特許権は、財産権という権利に分類され、財産権には所有権や債権などを含んでいる。〇

イ 特許権について専用実施権を他者に与えた場合、設定した範囲内において、特許権者自身も特許発明を実施することはできない。〇

ウ ライセンス契約でミニマムロイヤリティを設定すると、ライセンシーの売上がいくらであってもライセンサーは一定の金額以上を得ることができる。〇販売額などが一定額以下の場合でも、最低限の金額を保証することをミニマムロイヤリティ

エ 特許権について実施権を許諾された者が更に第三者に実施権を与えることを、クロスライセンスと言う。×サブライセンス

特許権:通常実施権の当然対抗制度

 特許法の通常実施権の当然対抗制度に関する次の文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

特許権について実施権を付与された者は、特許権者が第三者に特許権を譲渡した場合、特許庁の特許原簿に( A )、第三者からの差止請求等に対抗できます。

 また、( B )が破産した場合にも、破産管財人による通常実施権のライセンス契約の解除に対抗することができます。

 通常実施権の当然対抗制度は、特許法だけでなく、実用新案法にも導入されていますが、( C )には導入されていません。

ア A:登録していれば   B:ライセンサー  C:意匠法

イ A:登録していなくても〇? B:ライセンシー  C:意匠法

ウ A:登録していなくても〇? B:ライセンサー〇  C:商標法

エ A:登録していればB:ライセンシー  C:商標法

A:特許原簿への登録をしていなくても対抗できるようにしたものが、通常実施権の当然対抗制度。

C:通常実施権の当然対抗制度は、特許法だけでなく、実用新案法、意匠法にも導入されていますが、商標法については導入されていません。

職務発明

 特許法の職務発明に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 職務発明とは、従業者等がした発明で、使用者等の業務範囲に属し、従業者等の現在または過去の職務に属する発明をいう。〇

イ 発明した従業者が特許を受けた場合、使用者は専用実施権を持つ。×通常実施権

ウ あらかじめ就業規則などに特許権の承継を定めていた場合は、使用者は発明した従業者から特許権を承継することができる。〇

エ 職務発明に関する相当の利益について、必ずしも勤務規則に定めておく必要はない。〇勤務規則に定めておいた方が望ましいですが、定めておかなければならないと決められているわけではありません。

特許権:職務発明と共同発明

 特許法の職務発明と共同発明に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 従業員がした発明が職務発明にあたる場合、就業規則等で定めがなくても、企業は無償で発明を実施することができる。〇

イ 共同発明などで特許を受ける権利が共有されている場合、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡することはできない。〇

ウ 特許権が共有に係る場合であっても、原則として、共有者単独で特許発明を実施することができる。〇

エ 企業内で企業等の資金・設備・人員を用いて従業員が職務に属する発明をした場合、当該企業と従業員の共同発明となる。×単なる資金等の提供者や命令者は含まれません。

特許権:侵害と対応策1

 特許権の侵害に対する対応に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 差止請求権は、侵害行為が行われていない段階では差止請求を行うことができず、実際に侵害行為を行われた段階で差止請求できる権利である。×
  2. 差止請求が認められると相手の侵害行為を止めさせることはできるが、侵害行為を行うための設備の除去までは認められない。×
  3. 損害賠償請求は、相手の侵害が故意や過失である場合に認められ、権利者は、権利の侵害による損失額を立証する必要がある。ただし、立証を容易にするよう損害額を推定する規定が設けられている。×〇
  4. 損害賠償請求権は、損害および加害者を知ったときから5年で時効となり消滅する。〇×特許権侵害に対する損害賠償請求権の消滅時効は、損害および加害者を知ったときから3年

特許権:侵害と対応策2

特許権の侵害に対する対応に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 不当利得返還請求権は、他人の特許権を利用して利益を受けた者に対して、その利益の返還を求めることのできる権利であり、相手の故意や過失を要件としない。?〇?

イ 不当利得返還請求権の消滅時効は3年である。〇?×不当利得返還請求権の消滅時効は、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年

ウ 信用回復措置請求権は、特許権の侵害によって信用を失った場合、相手に謝罪広告を掲載させるなどの信用回復措置を請求できる権利である。〇

エ 信用回復措置請求権は、特許権を侵害した者に対して、相手の故意または過失がなければ請求できない権利である。×?〇

特許権:他社からの警告

 A社の社長から、自社の製品について、B社から特許権の侵害に関する警告書が送られてきたときの対応を相談された。その際のアドバイスとして、最も不適切なものはどれか。

  1. 専門家に相談して、相手の特許権の範囲や状態などを調査し、権利侵害に当たらない場合は、その旨の回答を書面で行う。〇
  2. 自社に対してB社から先使用権を付与されるように交渉を行う。×〇×先使用権はB社から付与されるものではありません
  3. 特許無効審判を請求して、相手と通常実施権のライセンス契約の締結に向けた交渉を行う。〇
  4. 自社の製品の製造・販売を中止して、製品を回収する。×〇状況によっては適切なアドバイスとなりえます。

実用新案権:定義・要件

 実用新案権に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 実用新案法における考案とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」である。×「高度のもの」である必要はありません。
  2. 実用新案法における考案には、方法の考案も対象となっている。〇×方法の考案は対象になっていません。一方で、特許法における発明では、方法の発明も対象
  3. 実用新案法における考案には、自然法則の発見や自然法則を利用していない人為的な取り決めは該当しない。〇自然法則の発見や自然法則を利用していない人為的な取り決めは該当しません。
  4. 実用新案の要件には、「産業上利用できる」「先願である」「公序良俗に違反しない」といったものがあるが、新規性は求められていない。×新規性があること

実用新案権:取得手続き

 実用新案権の取得に関する次の文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 実用新案権の取得手続きは、特許権と違い、無審査という特徴があり、( A )審査は行われない。

 実用新案登録出願は、特許出願と同じように「願書」、「明細書」、「実用新案登録請求の範囲」、「要約書」、「図面」を特許庁に提出する。図面は提出が必須となって ( B )。

 実用新案権の登録料は、実用新案公報への掲載の( C )に納付する。

ア A:実体〇   B:いる〇   C:前〇

イ A:実体   B:いない  C:後

ウ A:方式   B:いる   C:後

エ A:方式 B:いない  C:前

方式審査のみで実体審査は行われません。
図面の提出が必須
出願時に登録料を納める必要

実用新案権:効力

 B社の社長から、自社の製品と同一の構造を保有していると思われるC社製品の製造・販売を止めさせたいと相談された。B社は当該製品に関して実用新案権を保有している。その際のアドバイスとして、最も不適切なものはどれか。

ア B社の登録実用新案に係る製品と、C社製品の構造が同一であるかを調べる必要がある。〇

イ 特許庁から実用新案技術評価書を発行してもらい、C社に提示する。〇警告などを行うには、特許庁より実用新案技術評価書を発行してもらい、それをC社に提示する必要

ウ 実用新案権の存続期間は出願の日から10年であるため、実用新案登録出願の出願日を確認する必要がある。×?〇特許権の存続期間は出願の日から20年であるのに対して、実用新案権の存続期間は出願の日から10年

エ 実用新案登録無効審判を起こして、C社製品の製造・販売の中止を求める。×?第三者が、その登録を無効とする請求を行えるものです。今回の相談の場合、実用新案登録無効審判を起こすとすればC社

 実用新案権:実用新案登録に基づく特許出願

 実用新案登録に基づく特許出願に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 実用新案権者は、出願日から5年以内であれば、実用新案登録を基にした特許出願をすることができる。×?3年以内
  2. 出願人もしくは実用新案権者から、実用新案技術評価書の申請が事前にあった場合は、実用新案登録に基づく特許出願はできない。〇?
  3. 実用新案登録に基づく特許出願を行った場合、元の実用新案権を放棄することにはならない。×元の実用新案権は放棄
  4. 特許出願を実用新案登録出願に変更することはできない。×?特許出願を実用新案登録出願に変更することができます

特許権 【令和元年 第13問】

 特許権に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 他人の特許権又は専用実施権を侵害しても、その侵害の行為について過失があったものと推定されない。×
  2. 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得なければ、特許発明の実施をすることができない。×
  3. 特許権について専用実施権を設定した場合には、特許権者は専用実施権者が専有する範囲について業として特許発明の実施をすることができない。〇
  4. 特許権の存続期間は、登録の日から20年をもって終了する。×

特許権(職務発明2) 【平成28年 第7問】

 以下の文章は、特許法等の一部を改正する法律(平成27年7月10日法律第55号)のうち、主に職務発明に関するものである。

 文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 グローバル競争が激化する中、わが国のイノベーションを促進するためには、研究者の研究開発活動に対するインセンティブの確保と、企業の競争力強化を共に実現するための環境整備が重要である。このような事情に鑑み、知的財産の適切な保護及び活用を実現するための制度を整備し、わが国のイノベーションを促進することを目的として、まず、職務発明制度の見直し、次に、特許料等の改定、さらには、(A)及び商標に関するシンガポール条約の実施のための規定の整備を行うこととした。

 なお、従来の職務発明制度の柱は、まず、特許を受ける権利は(B)に帰属し、(C)が特許出願をするには、その権利を譲り受ける形となる点、及び、(B)は、特許を受ける権利を(C)に承継させた場合、その対価を請求することができる(いわゆる「対価請求権」)というものであった。

 また、従来の職務発明制度では、異なる(C)における共同発明者甲及び乙が存在する場合、(C)が、自社の発明者(甲)から特許を受ける権利を承継する場合、他社の発明者(乙)の同意も得る必要があるため、権利の承継に係る手続負担が課題となっていた。また、例えば共同研究の途中で、従業者(共同発明者)の人事異動が発生した場合は、再度、当該従業者から同意を取り直す等、権利の承継に係る手続がより複雑化していた。これらは、昨今共同研究の必要性が高まる中、企業のスピーディーな知財戦略実施の阻害要因のひとつとなっていた。

 そこで、特許を受ける権利を初めから(C)に帰属させることにより、この問題を解決することとした。

[解答群]

ア A:特許協力条約 B:使用者等 C:発明者

イ A:特許協力条約 B:発明者〇  C:使用者等〇

ウ A:特許法条約  B:使用者等 C:発明者

エ A:特許法条約〇  B:発明者〇  C:使用者等〇

手続の統一化と簡素化を目的とした条約とは、特許法条約(PLT)

特許権(効力) 【平成20年 第6問】(設問1)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 特許権も( A )であるから、特許発明を自由に使用し、収益、処分することができる。これを特許権の効力の1つとしての( B )という。そして、このことを特許法は第68 条で規定している。特許権のもう1 つの効力は( C )である。この( C )のなかには差止請求権、損害賠償請求権、侵害物廃棄請求権、不当利得返還請求権、( D )等がある。

(設問1)

 文中の空欄A~Dに入るものとして、最も不適切なものはどれか。

ア A:財産権〇

イ B:専用権〇

ウ C:排他権〇

エ D:特許権の取消請求権×

特許権(効力) 【平成20年 第6問】(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 特許権も( A )であるから、特許発明を自由に使用し、収益、処分することができる。これを特許権の効力の1つとしての( B )という。そして、このことを特許法は第68 条で規定している。特許権のもう1 つの効力は( C )である。この( C )のなかには差止請求権、損害賠償請求権、侵害物廃棄請求権、不当利得返還請求権、( D )等がある。

(設問2)

 文中の下線部の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 差止請求権とは、特許権が侵害され、又は侵害されるおそれのある場合にその停止又は予防を請求する権利である。〇

イ 侵害物廃棄請求権とは、権利侵害物の廃棄や侵害の行為に供した設備の除去を請求する権利である。〇

ウ 損害賠償請求権とは、権利侵害によって生じた損害の賠償を請求する権利であり、この権利は損害発生の事実を知った日から5年で時効により消滅する。×3

エ 不当利得返還請求権とは、法律上の原因なくして他人の特許権を利用して利益を受けた者に対し、その利益の返還を求めることのできる権利であり、故意過失を要件とはしない。〇

特許権(警告書への対処) 【平成21年 第7問】

 A社の代表取締役社長からの次の質問に対する回答として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【A社の代表取締役社長からの質問】

 「当社は、平成16 年(2004 年)7月に設立され、設立時から苛性ソーダの製造・販売を主な事業としていますが、このたびB社から『貴社の苛性ソーダの製造方法について弊社の保有する苛性ソーダの製造方法に関する特許権に抵触するので直ちに製造・販売を中止し、現在市場に出回っている苛性ソーダを回収するように。』との警告を受け取りました。当社内で調べたところ、この警告書に記載されたB社の保有する特許権の番号から特許出願がなされたのは平成17 年(2005 年)5月であることが分かりました。この警告書に対してどのように対処すればよいでしょうか。」

[解答群]

ア B社の特許権に係る特許出願の時点で、すでに御社がB社の特許と同一の方法により苛性ソーダの製造を行っていたことを立証できれば、B社の特許権が存続していても将来にわたり苛性ソーダの製造方法を実施する権利があります。〇

イ B社の特許権は、平成17 年(2005 年)5月に出願されており、まだ特許出願日から20 年を経過していないため、現在でも有効に存続していることから、すぐに製造・販売を中止し、市場に出回っている御社の苛性ソーダを回収しましょう。×

ウ 御社が用いている苛性ソーダの製造方法が、B社の保有する特許権に係る特許発明の技術的範囲に属するか否かの判定を特許庁に請求するのがよいと思います。×特許庁の判定には法的拘束力がない

エ 御社は、B社の特許権に係る特許出願前から苛性ソーダの製造方法を実施していたので、B社の特許権に係る特許発明は特許出願前に公然実施された発明に該当するとして特許無効の審判を裁判所に請求して、B社とのライセンス交渉を行うことがよいと思います。×特許無効審判は、裁判所ではなく特許庁に請求するもの

特許権(特許を受ける権利) 【平成25年 第7問】

 特許を受ける権利に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 産業上利用することができる発明をした場合であっても、その発明について特許出願がなされなければ、発明者に特許を受ける権利が発生しない。×特許出願がなされなくても、特許を受ける権利は発生

イ 特許を受ける権利が A とBの共有に係る場合、A と B は、それぞれ他の共有者の同意を得ずに、自己の持分について譲渡することができる。×

ウ 特許を受ける権利は、譲渡により移転することができる。〇特許を受ける権利を譲り受けた者は、「出願人」として特許庁に出願することができます。

エ 特許を受ける権利は、抵当権の目的とすることができる×特許には抵当権規定がないため、抵当権の目的とすることはできません。

特許権(実施権) 【平成25年 第8問】

 特許権及び実施権に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 特許権者 A が保有する特許権について、B に専用実施権の設定の登録がなされた。この場合、当該設定行為で定めた範囲内において、特許権者Aと専用実施権者 B とは、当該特許発明の実施をする権利を共有する。×

イ 特許権者 C から専用実施権の設定の登録を受けた D は、当該特許権を侵害する者に対して、差止請求権を行使することができる。〇通常実施権者は専用実施権者と異なり、差止請求権は与えられていません。

ウ 特許権者は、専用実施権者があるときは、当該専用実施権者の承諾を得た場合に限り、その特許権を放棄することができる。〇専用実施権者があるとき、特許権者が自らの権利を放棄するには、専用実施権者の承諾が必要

エ 日本国内において、特許権の設定の登録の日から継続して3年以上、その特許発明の実施が適当にされていないとき、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。ただし、その特許発明に係る特許出願の日から4年を経過しているものとする。〇協議が成立しないか、協議をすることができない場合に裁定請求をすることができます。

特許権と実用新案権 【平成21年 第6問】

 特許法における発明(特許法第1条、第2条)と実用新案法における考案(実用新案法第1条、第2条)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 実用新案法における考案には、方法の考案も対象となっている。×実用新案法における考案は「物品の形状、構造または組み合わせに係る」ものに限定されており、「方法」は対象に含まれません。

イ 特許法における発明及び実用新案法における考案には、ニュートンの万有引力の法則のような発見や自然法則を利用していない人為的な取り決めは該当しない。〇

ウ 特許法における発明には、物の発明ばかりではなく、方法の発明も対象となる。〇

エ 特許法における発明は技術的思想の創作のうち高度のものをさしているが、実用新案法における考案については高度という限定はなく、技術的思想の創作の程度のいかんを問わない。〇考案に該当するかどうかと言う点では創作の程度を問いませんが、実用新案権の登録要件としては一定の程度が要求されることには注意が必要

特許権と実用新案権 2【平成30年 第10問】

 特許と実用新案に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 権利侵害に基づく差止請求権を行使する場合、特許権は事前に相手方に警告を行わなければならないが、実用新案権はその際、さらに技術評価書を提示しなければならない。×特許権くらいは調べておくべきですので、警告なくいきなり差止請求されても仕方がありません。

イ 他人の特許権又は実用新案権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定する。〇×実用新案権では調査義務が課されていないと考えられるため、過失も推定されません。

ウ 特許権の存続期間の起算日は出願日であるが、実用新案権の存続期間の起算日は登録日である。〇×特許権の存続期間は特許出願の日から20年、実用新案権は実用新案登録出願の日から10年

エ 方法の発明は特許を受けることができるが、方法の考案は実用新案登録を受けることができない。〇実用新案法の保護対象となる考案は、物品の形状、構造又は組合せに係るものに限られ、方法の考案は対象となりません。

実用新案権 【平成21年 第8問】

 X社の代表取締役社長からの次の質問に対する回答として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。

【X社の代表取締役社長からの質問】

 「当社は、以前からその製造・販売に係る特殊な構造を有するシャープペンシルについて実用新案権を保有していますが、競争会社Y社が最近同一の構造を有すると思われるシャープペンシルを製造・販売するようになりました。この製造・販売を止めさせたいと思いますが、どのようにすればよいでしょうか。」

[解答群]

ア 御社の実用新案権に係る登録実用新案と競争会社Y社の製造・販売に係るシャープペンシルの構造が同一であるか調べる必要があります。〇

イ 実用新案権の存続期間は、特許権の存続期間より短く、実用新案登録出願の日から10 年で終了するので、実用新案登録出願の日がいつだったかを確認することが必要です。〇

ウ 実用新案権は、特許権と同様に排他的独占権の性質を有しているので、特許庁の審査官が作成した実用新案技術評価書を提示しなくても、競争会社Y社の製造・販売の中止を求めることはできます。×

エ 当初3年間分の登録料は、実用新案登録出願時に一時に納付されていますが、実用新案権は、第4年分以降の各年分の登録料を特許庁に納付しないと消滅しますから、確認が必要です。〇

意匠権:定義・要件

 意匠法に関する次の文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 意匠法では、意匠は「物品の形状、模様もしくは色彩またはこれらの( A )、建築物の形状等または画像であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」と定義されている。

 意匠登録の要件としては、「( B )利用できる」、「( C )がある」、「創作非容易性がある」、「先願である」、「不登録事由に該当しない」などがある。

ア A:結合〇 B:工業上 C:新規性〇

イ A:結合 B:産業上 C:進歩性

ウ A:方法 B:工業上 C:進歩性

エ A:方法 B:産業上 C:進歩性

特許法における発明や実用新案法における考案が登録されるためには、「産業上利用できる」という要件がありますが、意匠法では「工業上利用できる」という要件になっています。これは、意匠が工業製品を対象

意匠法では「創作非容易性がある」という要件

意匠権:登録

 意匠登録の要件に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 意匠は、感覚に訴えるものであれば登録の可能性があり、例えば香水や食品の香料など香りの意匠も登録できる。×視覚を通じて美感を起こさせるものである必要があります。そのため、香りのように目に見えないものは意匠登録されることはありません。

イ 他人の意匠と同一でなければ、類似する意匠であっても登録の対象となる。×意匠権の効力は類似する意匠にまで及ぶ

ウ 1点ものの芸術作品の意匠は、意匠登録を受けることができない。〇工業的に反復して量産できる必要

エ その機能を確保するために不可欠な形状のみによる意匠も登録の対象となる。×意匠権は美感を起こさせるデザインを保護するものなので、製品の機能を確保するためだけの形状は意匠登録することはできません。

意匠権:登録2

 意匠登録の要件に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、その意匠に類似する意匠について意匠登録出願したときは、その出願は新規性がないとして拒絶される。〇
  2. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、その意匠が公然と知られるようになったのと同じ日にその意匠について意匠登録出願すれば、その出願は新規性がないとして拒絶されない。×比較は日だけでなく時分まで考慮
  3. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、その乗用自動車と形状の類似する「自動車おもちゃ」について意匠登録出願したときは、その出願は新規性がないとして拒絶される。×
  4. 「乗用自動車」の意匠が公然知られている場合に、意匠登録を受ける権利を有する者の行為により公然と知られるようになったものでなければ、その後その意匠について意匠登録出願をしても、その出願は新規性がないものとして拒絶される。×新規性のない意匠であっても新規性喪失の例外規定が適用される可能性

意匠権:取得手続き

 意匠権の取得手続きに関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 意匠登録出願には、願書、意匠登録請求の範囲、図面を提出する。〇特許出願では、「特許請求の範囲」を提出し、実用新案登録出願では、「実用新案登録請求の範囲」を提出しますが、意匠登録出願には、これらに該当する書面はありません。

イ 意匠権の取得において、方式審査を通過した後に、審査請求を行うことにより、実体審査が行われる。×

ウ 意匠権の取得において、出願時に登録料を納める必要がある。×?意匠権の登録料は、実体審査の結果、登録査定となった後に納付

エ 意匠登録出願が登録査定となった場合は、出願人に登録査定謄本が送られてくる。〇

意匠権:効力と活用

 意匠権の効力および活用に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

  1. 意匠権では、同一の意匠だけでなく類似する意匠にも効力が及ぶため、許諾を受けていない第三者が類似する意匠に係る物品を生産・使用した場合も、権利侵害となる。〇
  2. 意匠権者の許諾を受けていない第三者が、試験研究のためにその意匠権者の有する登録意匠を実施した場合は、意匠権の侵害とはならない。〇
  3. 意匠法に規定されるライセンス付与には、専用実施権と通常実施権の2つの形態がある。〇
  4. 意匠権の存続期間は、出願日から20年となっている。×出願日から25年

意匠権:特徴1

 意匠法の制度に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 同一の物品について、複数の部分意匠を出願することができる。〇

イ 部分意匠の出願において、先に全体意匠を出願していた場合、全体意匠の意匠公報の発行日の前日までであれば、部分意匠を出願することが可能である。〇?部分意匠の出願は、全体意匠と同日に行うことでも可能

ウ 組物意匠として意匠登録をした場合、組物の構成物ごとの模倣品に対しても権利を行使することができる。×

エ 組物意匠として登録できる物品は、経済産業省令により指定されている。〇

 意匠権:特徴2

 意匠法の制度に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 関連意匠において、意匠権の移転は本意匠と別に行うことができる。?合わせて行う必要

イ 関連意匠の存続期間は、本意匠の登録日から10年となっている。?本意匠の出願日から25年

ウ 秘密意匠制度を利用すると、登録日から3年間は、意匠を公開せずに秘密にしておくことができる。〇?登録日から最大3年間

エ 意匠の出願時に秘密意匠とする請求をしなければ、出願後に秘密意匠とすることはできない。×出願時にする他に、登録料を納付する際にすることができます。

定義・要件

 商標権に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 商標法では文字や図形など目に見えるものが登録の対象とされ、目に見えないものは登録されることはない。×

イ 識別力を持たない商標は登録できない。〇

ウ 商標登録出願では、目に見える商品を指定することはできるが、目に見えない役務を指定することはできない。×商品だけでなく役務(サービス)について商標登録をすることが可能

エ 類似の商品やサービスについて、登録されている他人の登録商標と同一の商標は登録できないが、類似する商標は登録できる。×

商標権:登録

 商標登録の要件に関する記述として最も適切なものはどれか。なお、いずれの商標も普通に用いられる方法で表示されているものとする。

ア A社は自社が販売する乗用自動車に使用する商標として、商標「車」を商標登録することができる場合はない。〇?×〇「車」は商品の普通名称に当たる

イ A社は自社が販売する乗用自動車に使用する商標として、商標「速い」を商標登録することができる場合はない。×

ウ A社は自社が販売する乗用自動車に使用する商標として、商標「佐藤」を商標登録することができる場合はない。×

エ A社は自社が販売する乗用自動車に使用する商標として、商標「A」を商標登録することができる場合はない。×

 商標権:取得手続き

 商標権の取得手続きに関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 商標登録出願には、願書や図面を提出する必要があり、図面は必須となっている。×

イ 商標登録出願において、商品や役務を指定するが、1つの商標登録出願で複数の区分に属する商品や役務を指定することはできない。×

ウ 商標登録出願の審査では、方式審査と実体審査が行われるが、方式審査後に審査請求を行う必要がある。×

エ 商標登録がされた後に、その商標権を無効と主張する商標登録無効審判や登録異議申立てという制度がある。〇

商標権:効力

 商標権に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 楽曲を収録したCD-ROMに商標を付して販売する行為は、役務についての商標の使用にあたらない。〇

イ 商標を付した商品を輸出する行為は、商標の使用にあたる。〇

ウ ピアノについて登録した商標に関して、第三者が時計に類似する商標を使用した場合、商標権者は商標の使用の禁止を求めることができる。×

エ 商標権の存続期間は、登録日から10年となっているが、更新をすることができる。〇

 商標権:移転

 商標権の移転に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 商標権が共有に係るときは、各共有者は他の共有者の同意を得なくても、その持分を譲渡することができる。×

イ 2以上の指定商品・指定役務を指定する商標権は、指定商品・指定役務ごとに分割して移転することができる。×〇

ウ 団体商標に係る商標権は、一般社団法人や事業協同組合に移転することができるが、株式会社に移転することはできない。〇?×団体商標に係る商標権は、一般社団法人や事業協同組合だけでなく、株式会社に移転することもできます。ただし、株式会社に移転した場合は、通常の商標権に変更されたものとみなされます。

エ 地域団体商標に係る商標権は事業協同組合に譲渡することができるが、株式会社に譲渡することはできない。〇×地域団体商標に係る商標権は譲渡することができません。

商標権:特徴

 商標権に関する次の文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

「夕張メロン」のように、地域名と普通名称を組み合わせた名称を商標として登録できる制度を( A )と言う。この制度は地域ブランドを育成するために制定されており、農業協同組合や( B )などが出願することができる。

 また、( A )にて登録が認められるためには、( C )に及ぶ周知性が必要である。

  1. A:地域団体商標登録制度〇 B:株式会社   C:全国
  2. A:地域団体商標登録制度 B:事業協同組合〇 C:隣接する都道府県程度〇
  3. A:団体商標登録制度   B:事業協同組合 C:全国
  4. A:団体商標登録制度   B:株式会社   C:隣接する都道府県程度

地域団体商標登録制度では、事業協同組合農業協同組合などの組合は出願することができますが、株式会社や社団法人などは出願することができません。

商標権:小売等役務商標制度

 小売等役務商標制度に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 小売等役務商標制度は、小売業等を対象とした制度であり、卸売業は対象とならない。×

イ 他者が小売等役務商標の登録を受けた場合でも、平成19年4月1日よりも前から使用してきた商標であれば、従来の業務範囲内で商標を使い続けることができる。〇

ウ 「三河屋」というようなありふれた店名については、多くの事業者が使用している可能性があるため、商標登録を受けることは難しい。〇

エ 小売店が小売等役務商標を登録すれば、店の看板や従業員の制服などに登録商標を付すことも登録商標の使用として商標法の保護を受けることができる。〇

商標権:不使用取消審判

 不使用取消審判に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 商標権者が指定商品・指定役務について登録商標に類似する商標の使用をしていれば、不使用取消審判によって商標登録が取り消されることはない。×原則として登録商標に類似する商標の使用で不使用取消しを免れるものではありません。

イ 商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかが、指定商品・指定役務についての登録商標の使用をしていれば、不使用取消審判によって商標登録が取り消されることはない。〇×〇商標権者が使用をしていなくても、専用使用権者や通常使用権者が使用していれば不使用取消しを免れることができます。

ウ 不使用取消審判では、審判請求人が指定商品や指定役務について登録商標の使用をしていないことを証明しなければならない。×立証責任の転換

エ 不使用取消審判により商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権はその審決が確定したときから消滅する。〇×不使用取消審判では、商標権は審判請求登録の日に消滅したものとみなされます。

商標権:侵害と対応策

 甲社は乙社から、甲社が使用している商標Aは乙社が5年前に登録した登録商標Bの商標権を侵害しているため使用を中止するべしとの警告状を受け取った。このとき甲社が取りうる対応として、最も不適切なものはどれか。

ア 商標Aが商標Bの商標権の効力の範囲内に含まれるか否かについて、特許庁に判定を求める。〇

イ 商標Bが商標Bの指定商品について、継続して3年以上不使用の状態ではないかを調べる。〇差止請求の対抗手段とはなりますが損害賠償請求の対抗手段にはならない

ウ 商標Bに商標法で定める不登録事由がないかを調べ、あれば特許庁に対して異議申立てを行う。×登録から5年が経過しています。したがって、登録異議の申立てをすることはできません。

エ 乙社が実際に商標Bの登録を所有しているか否かを、商標登録原簿で調べる。〇

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