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株主総会の招集 【令和元年 第6問】(設問1)

 X株式会社(以下「X社」という。)は、取締役会及び監査役会を設置している会社 (公開会社ではなく、かつ大会社ではない)である。中小企業診断士であるあなたは、2019年1月に、今年(2019年)の株主総会のスケジュール等について、X社の株主総会担当者の甲氏から相談を受けた。以下の会話は、その相談の際のものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲 氏:「当社の事業年度は、4月1日から翌年3月31日までです。2019年は6月27日(木)に株主総会を開催したいと考えています。株主総会の招集通知はいつまでに発送すればよいですか。」

 あなた:「御社では、株主総会に出席しない株主に、書面による議決権の行使や、電磁的方法による議決権の行使を認める制度を設けていますか。」

 甲 氏:「いいえ。設けていません。」

 あなた:「そうすると、御社は、取締役会を設置している会社ですが、公開会社ではありませんし、また、書面による議決権の行使や、電磁的方法による議決権の行使を認める制度を設けていないので、(  A  )までに招集通知を発送する必要があります。」

 甲 氏:「分かりました。ところで、今回の株主総会でも、昨年と同様、3年前まで当社の取締役であった乙氏が、「自分を取締役に選任しろ」という議案を株主提案として提出してくると聞いています。どのような点に注意した方がよいでしょうか。」

 あなた:「御社では、定款で株主提案に関する何らかの規定は設けていますか。」

 甲 氏:「いいえ。定款では特に規定は設けていません。」

 あなた:「(  B  )」

(設問1)

会話の中の空欄Aに入る記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 株主総会の日の1週間前〇
  2. 株主総会の日の2週間前
  3. 原則として株主総会の日の1週間前ですが、定款で1週間を下回る期間を定めた場合にはその期間の前
  4. 原則として株主総会の日の2週間前ですが、定款で2週間を下回る期間を定めた場合にはその期間の前〇×

株主総会の招集 【令和元年 第6問】(設問2)

 X株式会社(以下「X社」という。)は、取締役会及び監査役会を設置している会社 (公開会社ではなく、かつ大会社ではない)である。中小企業診断士であるあなたは、2019年1月に、今年(2019年)の株主総会のスケジュール等について、X社の株主総会担当者の甲氏から相談を受けた。以下の会話は、その相談の際のものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

 甲 氏:「当社の事業年度は、4月1日から翌年3月31日までです。2019年は6月27日(木)に株主総会を開催したいと考えています。株主総会の招集通知はいつまでに発送すればよいですか。」

 あなた:「御社では、株主総会に出席しない株主に、書面による議決権の行使や、電磁的方法による議決権の行使を認める制度を設けていますか。」

 甲 氏:「いいえ。設けていません。」

 あなた:「そうすると、御社は、取締役会を設置している会社ですが、公開会社ではありませんし、また、書面による議決権の行使や、電磁的方法による議決権の行使を認める制度を設けていないので、(  A  )までに招集通知を発送する必要があります。」

 甲 氏:「分かりました。ところで、今回の株主総会でも、昨年と同様、3年前まで当社の取締役であった乙氏が、「自分を取締役に選任しろ」という議案を株主提案として提出してくると聞いています。どのような点に注意した方がよいでしょうか。」

 あなた:「御社では、定款で株主提案に関する何らかの規定は設けていますか。」

 甲 氏:「いいえ。定款では特に規定は設けていません。」

 あなた:「(  B  )」

(設問2)

 会話の中の空欄Bに入る記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 御社の場合、株主が、株主提案について、議案の要領を株主に通知することを求めるには、株主総会の日の6週間前までに請求することが必要です。このため、乙氏が株主提案をしてきた場合は、この要件を満たしているのかを確認してください。×
  2. 御社の場合、株主が、株主提案について、議案の要領を株主に通知することを求めるには、総株主の議決権の100分の3以上の議決権又は300個以上の議決権を、6か月前から引き続き有していることが要件となります。このため、乙氏が株主提案をしてきた場合は、この要件を満たしているかを確認してください。×
  3. 株主の提案する議案が、実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、会社は、その株主提案を拒絶することができます。乙氏は、昨年の株主総会でも同様の株主提案をしてきたとのことですので、乙氏が株主提案をしてきた場合は、まず昨年の賛否の状況を確認してください。〇?
  4. 株主の提案する議案が、法令や定款に違反する議案の場合であっても、株主提案は、株主の基本的な権利ですので、議案の要領を株主に通知する必要があります。このため、乙氏が株主提案をしてきた場合は、その提案が法令に違反するものであっても、必ず、議案の要領を株主に通知してください。×

株主が、株主総会の「議題」を提案し、または株主総会での特定の議題について提出しようとする議案の要領を株主に「通知」することを請求するには、定款に別段の定めがない限り、取締役会設置会社では、総株主の議決権の100分の1以上または300個以上の議決権を6ヶ月前から引き続き有することが必要で、かつ、会日の8週間前までに取締役に請求する必要

株主が、株主総会において、特定の議題に関する「議案」を提出する場合には、取締役会設置会社でも、こうした保有議決権数や株式保有期間の制限はありません。しかし、株主の提案する議案が法令や定款に違反する場合、または実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合には、定款に別段の定めがない限り、会社は、その提案を拒絶することができます。

社外取締役の要件 【平成27年 第1問】

 以下の者のうち、X株式会社において、社外取締役の要件を満たさない者はどれか。なお、経過規定については考慮しないものとする。

 ア 15年前まで、X 株式会社に勤務していた者〇

 イ X 株式会社の親会社の業務執行取締役×

 ウ X 株式会社の業務執行取締役の甥〇

 エ X 株式会社の主要な取引先の業務執行取締役〇

社外取締役の要件が改正されました。主な内容は次の通りです。

・現在、もしくは過去10年以内にその会社または子会社の業務を執行する取締役、執行役、使用人等となったことがないもの

・親会社等の関係者(取締役、執行役、使用人等)でないこと

・兄弟会社の業務執行取締役等でないこと

・経営者等の近親者(配偶者・2親等内の親族)でないこと

監査役の設置【平成24年 第18 問】

 会社法では、機関の設計が柔軟化され監査役を設置しない株式会社も認められる。監査役の設置に関連した説明として最も適切なものはどれか。

ア 株式会社が指名委員会等設置会社の場合は、監査役を設置することはできない。〇会計監査人を必ず設置する必要があり一方、指名委員会等設置会社では監査役を設置することができません。

イ 株式会社が、公開会社でも会計監査人設置会社でもない場合は、監査役を設置することはできない。×監査役を設置できないのは株式会社が指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社の場合であり、それ以外は原則として設置できます。

ウ 株式会社が、大会社でも指名委員会等設置会社でもない場合は、監査役の設置は任意となる。×公開会社などの場合は、必ず監査役を設置する必要があります。

エ 株式会社が、大会社でも公開会社でもない場合は、監査役の設置は任意となる。×会計監査人を設置した場合は、必ず監査役を設置する必要があります。

監査役の設置は原則任意となっていますが、例外が2つあります。1つ目は取締役会を設置した場合で、この場合、原則は監査役を設置する必要があります。ただし、株式譲渡制限会社で取締役会を設置した場合、会計参与を設置すれば、監査役は必要ありません。2つ目の例外として、会計監査人を設置した場合も、必ず監査役を設置する必要があります。ただし、指名委員会等設置会社および監査等委員会設置会社の場合は、会計監査人を設置する必要がある一方、監査役を設置することはできません。

監査役、会計参与 【平成20年 第1問】

 株式会社の機関である、会計参与、監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある監査役及びかかる限定がない監査役について、以下の①から④の点について比較した。この比較結果を記載した表のうち、誤った内容が含まれているものを下記の解答群から選べ。

① 役員(会社法第329 条第1項)に該当するか否か。

② 株主総会への出席義務があるかないか。

③ 取締役会への出席義務があるかないか。

④ 監査役会の構成員となることが可能か否か。

会計参与監査役
(会計監査に限定)
監査役
(会計監査に限定されない)
該当する該当する該当する
ありありあり
一定の場合にありありあり
不可能不可能可能

[解答群]

ア ①〇

イ ②〇

ウ ③×監査権限が会計監査に限定されない監査役は、取締役会への出席義務があり、権限が会計監査に限定される監査役は、取締役会への出席義務がありません。

エ ④〇会社法では、「監査役会は、すべての監査役で組織する。」と規定されています。従って、会計参与は監査役会の構成員とはなれません。また、監査権限が会計監査に限定された監査役は、設置することができるのは株式譲渡制限会社であって、監査役会や会計監査人を設置していない会社のみとなります。つまり、監査権限が会計監査に限定された監査役を設置している会社においては、監査役会は存在しないことになり、監査役会の構成員になることができません。

執行役と執行役員 【平成23年 第5問】

 次の文章は、中小企業診断士であるあなたと、顧客であるX株式会社の代表取締役の甲氏との間の会話である。この会話の空欄AとBに入る用語の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 甲氏:「私の会社もある程度大きくなって、取引先も大手の会社が増えてきたから、社員の肩書を変えようかと思いましてね。」

 あなた:「どのようなものをお考えなんですか。」

 甲氏:「何かこう見栄えのいいのがいいなあと思いましてね。取引先でもらう名刺なんか見ると、エグゼクティブ何とかとか、何ちゃらプレジデントとか、何とか( A )とか、いろいろあるからそれを参考にして、営業本部長を業務( B )とかそういった名前にしようかなと思っているんですよ。」

 あなた:「えっ、その( B )という肩書ですと、本当は会社法上の機関でないのに、会社法上の機関、役員と間違われてしまいますよ。」

 甲氏:「えっ、役員ということは取締役と一緒ということですか。それじゃあうまくないなあ。そうすると、( A )というのも、機関というものになるわけですか。」

 あなた:「いいえ、( A )という名称は、法律上にこれといった根拠があるものではなく、最近の実務慣行で使われるようになった名称ですので、会社法上の機関ではありません。そういったこともあって、取締役といった役員の名称とは別に、( A )という名称を使っている場合もあります。」

 甲氏:「へえ、じゃあ( A )」という名称はどういったときに使えばいいんですか。」

 あなた:「いろいろなケースがあるので一概にはいえませんが、会社との間の契約の内容も様々といわれています。」

[解答群]

ア A:CFO B:執行役員〇×

イ A:執行役 B:CFO

ウ A:執行役 B:執行役員

エ A:執行役員 B:執行役〇

執行役は会社法上で定められた機関

株主総会と取締役会 【平成25年 第18問】

 公私混同が激しく株式会社の存続を危うくする代表取締役Aを解職して、代表権をはく奪したい。さらにAを取締役から解任したい。この場合の記述として最も適切なものはどれか。なお、当該株式会社は取締役会設置会社であり定款による別段の定めがないことを前提とする。

ア 代表取締役Aを解職して代表権のない取締役にするには、株主総会において議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行わなければならない。×代表取締役の解職は、株主総会の決議事項ではなく取締役会決議が必要

イ 代表取締役Aを解職して代表権のない取締役にするには、取締役会において議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、出席取締役の過半数の決議によらなければならない。〇

ウ 取締役Aを解任するには、株主総会において議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。×

エ 取締役Aを解任するには、取締役会において議決に加わることができる全取締役が出席し全員の同意によって行わなければならない。×

株式会社の役員の任期と解任 【平成28年 第1問】

 株式会社の役員に関する記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a 定款で定めれば、株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上の割合を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって、監査役を解任することができる。×監査役の解任には、株主総会の特別決議が必要です。特別決議の定足数は、定款によって過半数から3分の1以上まで軽減できます。しかし、議決要件は、出席株主の総議決権のうち3分の2以上の賛成が必要であり、軽減はできません。

b 定款で定めれば、増員として選任された監査役の任期を、他の現任監査役の任期の満了する時までとすることができる。〇×監査役の任期は、原則4年であり、短縮は認められていません。4年未満となる例外は補欠監査役の場合であり、前任者の任期を引き継ぎます。しかし、増員監査役の場合は、短縮を認められていません。

c 公開会社でない株式会社は、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社でない限り、取締役の任期について、定款で定めることにより、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで伸長することができる。〇公開会社でない株式会社(株式譲渡制限会社)では、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社でない限り、取締役・監査役の任期を、定款の定めにより最大10年まで延長することができます。

d 正当な理由なく取締役を解任された者は、解任によって生じた損害の賠償を株式会社に対して請求することができる。ここでいう損害には、残存任期中に支給を受けるはずだった取締役の報酬等も含まれる。〇取締役は、株主総会の普通決議で解任できます。解任の理由に会社法上の制限はありません。しかし、解任について正当な理由がない場合は、解任された取締役は株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができます。ここでいう損害とは具体的には、残りの任期中に支給を受けるはずだった取締役の報酬等を指します。

[解答群]

ア aとb

イ aとd

ウ bとc

エ cとd〇

発起人・発起設立と募集設立

 発起人と発起設立・募集設立に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 自然人・法人を問わず発起人となることができる。〇

イ 発起設立においては、3人以上の発起人がいないと株式会社を設立できない。×1人以上の発起人が必要

ウ 株式会社の設立手続きには、発起設立と募集設立の2つの方法がある。〇

エ 募集設立においては、幅広く出資者を募ることができる。〇

定款の作成

 定款に記載する内容に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 定款に記載する内容は、絶対的記載事項、総合的記載事項、任意的記載事項の3つに分けられる。×「相対的記載事項」定款に記載しなくとも定款自体は有効であるが、定款で定めないとその事項の効力が認められない事項

イ 絶対的記載事項は、会社の目的、商号、本店の所在地など定款に必ず記載しなければならない事項をいう。〇

ウ 変態設立事項には、金銭以外の現物出資、財産引受、発起人が受ける特別な利益、会社が負担する設立費用などがある。現物出資については、その財産の額が800万円以下の場合は検査役の調査が原則として不要である。× 500万円以下

エ 任意的記載事項には、事業年度、取締役や監査役の員数、発起人の氏名と住所、株主総会の時期、発行可能株式総数などがある。×

 種類株式2

 種類株式に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 会社が発行する全ての株式が譲渡制限株式の会社のことを「株式譲渡制限会社」という。〇

イ 全部取得条項付株式とは、会社が株主総会の決議によって、その種類株式を全て取得できるものをいう。〇

ウ 「黄金株」とは一般的には拒否権付株式のことをいう。×?〇一般的には拒否権付株式は「黄金株」と呼ばれています。この株式を持つ株主は他の一般株主に比べ強力な権利を持ちます。

エ 取締役・監査役選任権付株式は、株式譲渡制限会社であれば発行できる。〇×「取締役・監査役選任権付株式」は、公開会社や指名委員会等設置会社では発行することができません。「株式譲渡制限会社」(=「公開会社でない会社」)でも、その会社が指名委員会等設置会社の場合、この株式は発行することができません

株式の発行・募集株式の発行手続き

 株式の発行・募集株式の発行手続きに関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 発行可能株式総数は、あらかじめ決められた発行できる株式の総数のことである。発行可能株式総数は取締役会設置会社においては取締役会決議で、それ以外の場合は代表取締役が決める。×

イ 公開会社では、発行可能株式総数には制限があり、会社設立時の株式数は、発行可能株式総数の5分の1を下回ることができない。〇×?4分の1

ウ 募集株式の発行をするためには、公開会社では、原則として取締役会の決議が必要である。ただし、第三者に対して特に有利な条件で株式を割り当てる場合は、株主総会の特別決議が必要になる。〇募集株式の発行をするためには、公開会社では、原則として取締役会の決議が必要です。ただし、第三者に対して特に有利な条件で株式を割り当てる場合は、株主総会の特別決議が必要

エ 募集株式の発行をするためには、株式譲渡制限会社の場合は原則として株主総会の普通決議が必要になる。ただし、定款に定めがある場合は、取締役会の決議で発行を行うことができる。また、第三者への有利発行をする場合でも、定款に定めがあれば株主総会の普通決議で発行できる。×株式譲渡制限会社の場合は、原則として株主総会の特別決議が必要になります。ただし、株主総会の委任がある場合は、取締役会の決議で発行を行うことができます。また、株式譲渡制限会社の場合は、第三者への有利発行をする場合でも、株主総会の委任があれば取締役会の決議で発行できます。

単元株制度

 単元株制度に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 単元株制度を導入するには、定款に定める必要がある。1単元の株数は自由に決定できるが、100株を超える単元株制度は導入できない。×1000株を超える単元株制度は導入できません。

イ 単元株の単位を増加するには、株主総会の特別決議が必要である。×〇単元株の単位が大きくなると、株主にとっては、単元未満株が多く発生します。単元未満株は、議決権が認められないため、単元株の単位を増やすことは株主にとって不利になります。単元株の単位を増加するには、株主総会の特別決議が必要

ウ 単元株の単位を減少する場合には、株主総会の普通決議が必要である。×単元株の単位を減少する場合には、株主総会によらず、取締役会(取締役会非設置会社の場合は取締役)で定款の定めを変更できます。

エ 単元未満株を所有している株主は、単元未満株を会社が買い取ることを請求できる。このことを株式取得条項と呼ぶ。〇×「単元未満株式買取請求権」と呼びます。「株式取得条項」ではありませんので、記述は誤りです。取得条項付株式は、会社側に株式を買い取る権利がある株式のことをいいます。

自己株式

 自己株式に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 株主が所有していた株式を自社が買い取ると、自己株式となる。〇

イ 自己株式を取得する場合は、原則として株主総会の特別決議が必要となる。特に、特定の株主から自己株式を取得する場合は、株主総会の特殊決議が必要になる。〇×原則として株主総会の普通決議が必要となります。特に、特定の株主から自己株式を取得する場合は、株主総会の特別決議が必要

ウ 市場取引や公開買付けによって自己株式を取得する場合は、あらかじめ定款に定めを置くことで、取締役会の決議で取得できる。〇×?〇あらかじめ定款に定めを置くことで、取締役会の決議で取得できます。

エ 自己株式を取得する場合には、その金額が分配可能額を超えてはならないという規制がある。〇金額が分配可能額を超えてはならないという規制

新株予約権2

 新株予約権に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 新株予約権の発行は、公開会社では、原則として株主総会の普通決議で発行される。ただし、第三者に対して特に有利な条件で新株予約権を割り当てる場合は、株主総会の特別決議が必要になる。×?新株予約権の発行は、公開会社では、原則として取締役会の決議で発行されます。ただし、第三者に対して特に有利な条件で新株予約権を割り当てる場合は、株主総会の特別決議が必要

イ 新株予約権の発行は、株式譲渡制限会社では、原則として株主総会の特別決議が必要になる。ただし、株主総会の委任がある場合は、取締役会の決議で発行を行うことができる。〇

ウ 会社は、一定の事由が生じたことを条件として、発行済みの新株予約権を取得できるような条項を付けることができる。このような条項が付けられた新株予約権を、取得請求権付新株予約権と呼ぶ。〇×?「取得条項付新株予約権」

エ 新株予約権を発行する場合は新株予約権証券を発行しなければならない。×新株予約権証券」を発行することもできます。ただし、新株予約権証券は、発行しなくても構いません

社債

 社債に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 社債は、取締役会設置会社においては取締役会の決議によって発行することができる。〇?社債は、取締役会の決議(取締役会非設置会社では取締役の決定)によって発行することができます。

イ 社債管理者は金融機関である銀行や信託会社がなることができるが、証券会社は社債管理者にはなれない。〇?証券会社は含まれません。

ウ 社債を発行する際、社債管理者は必ず設置しなければならない。×各社債の金額が1 億円以上の場合など、一定の条件を満たす場合は、社債管理者を置く必要はありません。これは、大規模な社債を引き受ける社債権者は金融機関などが多いため、社債権者の保護の必要が少ないと考えられるためです。

エ 社債券は発行することができるが、発行しなくてもよい。〇社債でも、株式における株券と同じような社債券を発行することもできます。ただし、無記名社債を除き、社債券は、発行しなくても構いません。

資本金と資本準備金

 資本金と資本準備金に関する説明として、最も適切なものはどれか。


ア 現在の会社法では、資本金が10,000円以上であれば、会社を設立することができる。×「資本金の最低金額」は定めが無くなっています。現在では、資本金がゼロ円でも、会社を設立することができます。(ただし、資本金の額は登記する必要があります。)

イ 増資などの際、株主の払込み金額のうち、2 分の1については、資本準備金に組み入れなくてはならない。×2分の1を超えない額については資本金ではなく、資本準備金に組み入れることが容認

ウ 減資をするためには、原則として株主総会の普通決議が必要になる。〇×株主総会の特別決議が必要

エ 資本準備金の額を減少する場合には、株主総会の特別決議ではなく、原則として普通決議で決定することができる。×〇資本準備金の額を減少する場合には、株主総会の特別決議ではなく、原則として普通決議で決定することができます。この場合には原則として、債権者保護手続きが必要になります。ただし、準備金を取崩してその全額を資本金に割り当てる場合などは、債権者の不利益にならないため、債権者保護手続きは必要ありません。

配当

 配当に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 分配可能額は、資本金の額を基準にして、自己株式の帳簿価額や自己株式の処分対価などを控除するなどの調整を行うことで計算する。×資本金ではなく剰余金の額を基準にして、自己株式の帳簿価額や自己株式の処分対価などを控除するなどの調整を行うことで計算

イ 純資産の額が300万円を下回る場合には、配当を行うことはできない。〇純資産の額が300万円を下回る場合には、配当を行うことはできません。

ウ 配当をするためには、原則として株主総会の普通決議が必要になる。〇?原則として株主総会の普通決議が必要になります。ただし、取締役の任期が1年以内で会計監査人と監査役会が設置されている会社や、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社は、定款に定めることによって取締役会の決議で配当を行うことができる特例があります。

エ 配当を行う場合、その配当額の10分の1を、資本準備金または利益準備金として計上する必要がある。ただし、準備金の合計額が資本金の4分の1 に達していれば、準備金への積み立ては必要ない。〇

計算書類

 株式会社が作成する計算書類に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 株式会社では、決算や事業の内容を記載した計算書類を作成し、5年間保存する義務がある。×10 年間保存する義務があります。なお、事業報告については5年間保管

イ 計算書類は取締役が作成する。監査役や会計参与を設置した会社は、その監査役または会計参与が監査を行う。〇×計算書類は取締役が作成しますが、会計参与設置会社では、会計参与は取締役と共同して計算書類を作成します。会計参与は監査を行いません。監査役設置会社では、計算書類は監査役の監査を受ける必要があります。

ウ 株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告する必要があり、さらに大会社では、貸借対照表に加えて損益計算書も公告する必要がある。ただし、有価証券報告書を提出している会社は、決算公告の必要はない。×〇有価証券報告書を提出している会社は、決算公告を行う必要はありません。これは、有価証券報告書の中で計算書類の内容が開示されているためです。

エ 決算公告は、官報か日刊新聞への掲載のいずれかから定款に定めた方法で公告しなければならない。×Webサイトを使用する電子公告も認められています

株式会社の設立 【平成20年 第16問】(設問2)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 個人事業を営んでいるA氏は、事業の信用を高めるため株式会社の設立を準備中である。かねてから親交のある中小企業診断士であるあなたに、会社法が平成18 年5月に施行されたことにより会社の設立方法が変わったと聞いたがどのようになったのか質問があった。また、資本金はいくらにすればよいか、設立後に注意しなければならないことについてアドバイスを求められた。

(設問2)

 資本金は、大きいほど資金面でみれば有利にみえる。しかし、資本金額によっては各種の法律上の適用が異なることも留意点になる。次の中で、最も不適切なものはどれか。

ア 会社法では、最終事業年度に係わる貸借対照表に計上した資本金が5億円以上の会社は大会社となり、会計監査人を置かなければならない。〇最終事業年度の資本金が5億円以上、または負債総額が200億円以上の株式会社を大会社と定めています。大会社では会計監査人の設置が必須

イ 株式会社の設立登記時に納める登録免許税は、資本金の額に1,000分の7を乗じた金額となる。ただし、その金額が15万円に満たないときは、15万円となる。〇

ウ 消費税法上、資本金1千万円以下の会社については設立年度の消費税の納税義務が免除される。〇?×消費税法では、資本金1千万円未満の会社については、設立年度の消費税の納税義務を免除することを規定しています。基準の資本金額は1千万円「以下」ではない

エ 法人事業税では、各事業年度終了の日において資本金の額が1億円を超える法人は外形標準課税が適用され、所得のほか、付加価値額と資本金等の額に応じて課税される。〇地方税法では、法人事業税は、各事業年度終了の日において資本金の額が1億円を超える法人は、外形標準課税が適用されることを定めています。これによって、法人事業税において、所得のほか、付加価値額と資本金等の額に応じて課税

株式会社の設立 【平成20年 第16問改題】(設問3)

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 個人事業を営んでいるA氏は、事業の信用を高めるため株式会社の設立を準備中である。かねてから親交のある中小企業診断士であるあなたに、会社法が平成18 年5月に施行されたことにより会社の設立方法が変わったと聞いたがどのようになったのか質問があった。また、資本金はいくらにすればよいか、設立後に注意しなければならないことについてアドバイスを求められた。

(設問3)

 会社の設立後には、各種機関への届出が必要になる。次の中で、最も不適切なものはどれか。

ア 給与等を支払う法人を設立した日から1か月以内に、給与支払事務所等の開設届出書を税務署に提出しなければならない。×?〇

イ 従業員を使用する法人を設立した日から5日以内に労働保険関係成立届、雇用保険適用事業所設置届を労働基準監督署に提出しなければならない。〇×設立後10日以内

ウ 常時従業員を使用する法人を設立した日から5日以内に健康保険・厚生年金保険新規適用届を年金事務所に提出しなければならない。〇

エ 法人を設立した場合には、設立の日から2か月以内に法人設立届出書を税務署に提出しなければならない。〇

株式会社の設立2 【平成22年 第1問】

 甲は、株式会社を設立することとし、設立時発行株式は、発行価額5万円で1,000 株を予定している。甲は、発起人として600 株を引き受ける予定であるが、残り400 株については募集設立の方式を使って募集することとし、申込期間を7月1日から7月30 日までとして募集したところ、A~Dの4名から、以下のとおり、申込みがあった。

申込日時引受希望株式数
7月5日 午前9時200 株
7月21日 午前10時300 株
7月21日 午後3時400 株
7月28日 午前11時100 株

 甲は、引受人及びその引受株式数を決定することとしているが、募集に際し、決定方法は特に定めなかった。甲としては、申込者の4名の中では、今後の取引関係等を考慮すると、BとDに引き受けてもらうのが最も望ましく、他の方法は、法律上やむを得ない場合に実施したいと考えている。かかる前提で、会社法の制約の範囲内で、甲の希望を最大限に実現する割り当て方法として最も適切なものはどれか。

ア A: 0 株 B:300 株 C: 0 株 D:100 株〇

イ A: 80 株 B:120 株 C:160 株 D: 40 株

ウ A:200 株 B: 86 株  C:114 株 D: 0 株

エ A:200 株 B:200 株 C: 0 株 D: 0 株

外国会社 【平成25年 第17問】

 外国会社が日本において取引を継続して行うこと(営業活動)を計画している。この場合、会社法上留意すべき事項に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 外国会社が日本において営業活動を行う場合には、外国会社の登記が必要である。この場合には、日本における営業所を設置しその住所を登記しなければならない。×

イ 外国会社が日本において営業活動を行う場合には、外国会社の登記が必要である。この場合には、日本に住所を有する代表者を最低1名定め登記しなければならない。〇

ウ 外国会社が日本において営業活動を行う場合には、外国会社の登記が必要である。これは、これから行う営業活動の準備として、もっぱら市場調査や情報収集を行うだけの場合でも同様である。×

エ 外国会社が日本において営業活動を行う場合には、 当該国の法律に従うため、日本の会社法は適用されない。×

譲渡制限株式 【平成23年 第6問】(設問1)

 中小企業診断士であるあなたと、顧客であるX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役の甲氏との会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X社は、発行する株式の全てが譲渡制限株式であり、取締役会設置会社であるとする。また、定款に特段の定めもないものとする。

 甲氏:「そういえば、こんな書類が昨日来たんだよね。」

 あなた:「えーと、Aさんが持っている御社の株式をBさんに譲渡したいから承認して欲しい……。株式の譲渡承認請求の通知ですね。」

 甲氏:「うん。そうなんだよ。この譲渡人って書いてあるAさんは、元々はうちの取引先だったんだけど、20 年近く前に店を閉めてしまってね。その後もずっとうちの株を持っていてくれていたんだけど、もうさすがに譲渡したいということのようなんだ。株主が他の人に交代するのは仕方がないかなとは思うけど、ただ、今回来た書類に書いてあるBさんという人は全然知らない人だから、不安なんだよね。」

 あなた:「もし、Bさんが株主となるのが、御社では好ましくないとお考えなら、今回の譲渡を拒否することもできるはずですよ。」

 甲氏:「そうなの、どうすればいいの。」

 あなた:「えーと、確か、拒否するんだったら早いうちに回答をしないといけないはずで、回答しないと認めたことになってしまうと思いますよ。私も細かいところまでは分かりませんので、弁護士を紹介しますから、すぐに相談に行かれてはいかがですか。」

 甲氏:「ありがとう。早速相談に行ってみるよ。」

(設問1)

 会社法では、譲渡制限株式の譲渡について、譲渡承認請求がなされた日から一定期間内に、会社がその承認の可否に関する決定の通知をしなかった場合には、会社がその譲渡を承認したものとみなす旨の定めがある。この場合の一定期間として最も適切なものはどれか。

ア 1週間

イ 2週間〇承認請求の日から2 週間以内に、承認するか否かの決定を通知しなければなりません。なお、2 週間を下回る期間を定款で定めた場合は、その期間内に承認するか否かの決定をする必要

ウ 20 日間〇×

エ 1か月

譲渡制限株式 【平成23年 第6問】(設問2)

 中小企業診断士であるあなたと、顧客であるX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役の甲氏との会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X社は、発行する株式の全てが譲渡制限株式であり、取締役会設置会社であるとする。また、定款に特段の定めもないものとする。

 甲氏:「そういえば、こんな書類が昨日来たんだよね。」

 あなた:「えーと、Aさんが持っている御社の株式をBさんに譲渡したいから承認して欲しい……。株式の譲渡承認請求の通知ですね。」

 甲氏:「うん。そうなんだよ。この譲渡人って書いてあるAさんは、元々はうちの取引先だったんだけど、20 年近く前に店を閉めてしまってね。その後もずっとうちの株を持っていてくれていたんだけど、もうさすがに譲渡したいということのようなんだ。株主が他の人に交代するのは仕方がないかなとは思うけど、ただ、今回来た書類に書いてあるBさんという人は全然知らない人だから、不安なんだよね。」

 あなた:「もし、Bさんが株主となるのが、御社では好ましくないとお考えなら、今回の譲渡を拒否することもできるはずですよ。」

 甲氏:「そうなの、どうすればいいの。」

 あなた:「えーと、確か、拒否するんだったら早いうちに回答をしないといけないはずで、回答しないと認めたことになってしまうと思いますよ。私も細かいところまでは分かりませんので、弁護士を紹介しますから、すぐに相談に行かれてはいかがですか。」

 甲氏:「ありがとう。早速相談に行ってみるよ。」

(設問2)

 X社で、本件の譲渡承認請求の可否について決定すべき機関として、最も適切なものはどれか。

ア 株主総会〇?×

イ 代表取締役

ウ 代表取締役又は株主総会のいずれか

エ 取締役会〇譲渡承認請求がされた場合、その可否を決定する機関は、取締役会設置会社の場合は取締役会が、それ以外の会社では株主総会が該当します。なお、別の機関を決定機関とする旨を定款で定めることもできます。

募集株式の発行 【平成30年 第4問】

 募集株式の払込金額(募集株式1株と引換えに払い込む金銭の額)が募集株式を引き受ける者にとって特に有利な金額になる第三者割当増資を株式会社が行うには、株主総会の特別決議が必要になる。

 現在のX株式会社(以下「X社」という。)の発行可能株式総数は20株であり、発行済株式総数は、10株である。また、X社の企業価値は、100億円である。したがって、1株当たりの企業価値は、10億円である。

 現在、X社は、40億円の投資を行うことによりX社の企業価値が50億円増加して150億円になる新規プロジェクトを計画しており、この40億円を第三者割当ての方法による募集株式の発行により調達しようとしている。

 この場合において、募集株式の払込金額が募集株式を引き受ける者にとって特に有利な金額になる募集株式の数に関する記述として、最も適切なものはどれか。

なお、X社には債権者がいないこと及び募集株式の全てを引き受けてくれる投資家が存在することを前提とする。

  1. 募集株式の数を2株とする。×
  2. 募集株式の数を4株とする。〇×既存株式と比較して有利ではありません。
  3. 募集株式の数を5株とする。×募集株式の1株当たり価額は8億円、1株当たり企業価値増加分は10億円となります。この場合、前者は既存株式よりも20%有利ですが、後者は既存株式と同等で有利とは言えません。
  4. 募集株式の数を10株とする。〇募集株式の1株当たり価額は4億円、1株当たり企業価値増加分は5億円となります。この場合、既存株式の1株当たり企業価値を大きく下回っており、既存株主が被る不利益が大きいと判断できます。

株式分割・株式併合・単元株 【平成24年 第2問】

 株主管理のコストに関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、顧客である株式会社の代表取締役甲氏との間で、平成24 年6 月6 日に行われたものである。その前提で、会話中の空欄に当てはまる語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

甲氏:「実は、当社では、株主管理のためのコストが問題となっていまして…。」

あなた:「御社の株主の状況はどうなっていましたっけ。」

甲氏:「この書面のとおりです。」

あなた:「ええっ、本当ですか…。この1株ずつ持っている500 名はどういった人ですか。」

甲氏:「取引先の経営者かその関係者です。何十年も前に、取引先にも株を持ってもらおうということで、先代の社長が実施しまして、当社は資本金が5,000 万円しかないのに、株主は約500 名という形になりました。これでも当初は取引先とも関係がよくなるなどメリットは多かったのですが、その後の長い間に取引先も代替わりや廃業などがあって、現在では、メリットは失われ、毎年の株主総会の招集通知を送るコストだけでもばかにならないよという話になってきまして。」

あなた:「なるほど。そうしますと、( A )あるいは( B )を利用することが考えられると思います。」

甲氏:「そうするとどうなるのですか。」

あなた:「どちらでも、例えば、今の10 株を1つのまとまりにしてしまう、といったことができます。そうすると、その他500 名の方に、株主総会の招集通知を送る必要がなくなります。」

甲氏:「2つの方法では何が違うのですか。」

あなた:「( A )の場合、これらの500 名の方は、最終的には、お金が支払われ、御社の株主ではなくなります。( B )の場合は、買取請求をされたりした場合には株主でなくなりますが、そうでなければ、これらの500名の方も株主であり続けます。」

甲氏:「今年の招集通知を送らなくても済む方法を使いたいのですが。」

あなた:「残念ながら、どちらの方法も、株主総会での特別決議がないと実施できないので、最短でも、今回の総会で承認決議をしてからということになります。」

【甲氏が持参した書面】

当社株式合計1万株
(内訳)
6,200 株
X 氏2,200 株
Y 氏2,200 株
Z 氏100 株
その他500名各1株

[解答群]

ア A:株式分割 B:単位株制度×

イ A:株式併合 B:単元株制度〇

ウ A:単位株制度 B:株式併合

エ A:単元株制度 B:株式分割×

1株ずつしか持っていない500名は、みな株式併合後の1株に満たないことになるため、最終的には代金が分配され、甲氏の会社の株主ではなくなります。よって、空欄Aには「株式併合」が入ります。

自己株式の取得 【平成27年 第2問】(設問2)

 自己株式の取得に関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の総務部門の担当者である甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X社は、公開会社ではなく、取締役会設置会社であるとする。また、定款に特段の定めもないものとする。

甲氏:「今、有償での自己株式の取得を検討しているのですが、手続について教えてもらえませんか。株主総会の決議が必要なのは分かっているのですが。」

あなた:「株主との合意によりX社の株式を取得するということですよね。有償で自己株式を取得する場合、取得対価の帳簿価格の総額が(A)を超えてはいけないことになっているのですが、その点は大丈夫ですか。」

甲氏:「はい。それは既に確認しているので大丈夫です。」

あなた:「よかったです。では、手続ですが、株主全員に譲渡の勧誘をする方法(①の方法)と特定の株主から取得する方法(②の方法)の2つがあります。②の方法では、特定の株主だけから株式を取得するので、その株主の氏名を株主総会で決議する必要があります。ただ、②の方法の場合、他の株主は、自己を取得の相手に加えるように請求することができます。」

甲氏:「なるほど。2つの方法で株主総会の招集手続に違いはありますか。」

あなた:「書面又は電磁的方法による議決権行使を認めないことを前提とすると、総会の日の(B)前までに招集通知を発送しなければならないのは、①の方法でも②の方法でも変わらないのですが、②の方法の場合、自己を取得の相手に加える旨の請求を行う機会を与えるために、その請求ができることを招集通知の発送期限までに株主に通知しなければなりません。この通知と招集通知を兼ねるとすると、②の方法の場合の方が、①の方法の場合よりも早く招集通知を発送しなければならないことになります。」

甲氏:「決議要件はどうでしょうか。」

あなた:「(C) 」

甲氏:「なるほど。ありがとうございました。」

あなた:「今回の場合にどちらの手続が具体的に良いのかは、専門家にきちんと相談した方がいいと思います。顧問弁護士の先生に連絡を取ってみてはどうでしょうか。」

(設問2)

 会話の中の空欄Bに入る期間として最も適切なものはどれか。

ア 5日

イ 1週間〇

ウ 2週間〇×

エ 1か月

会社が公開会社の場合は、株主総会開催の日の2週間前までに通知を発する必要があります。また、公開会社ではない会社でも、書面や電磁的方法による議決権行使の定めがある場合、同じく期間は2週間前になります。

 会社が公開会社ではなく、書面や電磁的方法による議決権行使の定めがない場合は、株主総会開催の日の1週間前に招集通知を発する必要があります。さらに、取締役会設置会社ではない場合、定款で短縮できます。

自己株式の取得 【平成27年 第2問】(設問3)

 自己株式の取得に関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の総務部門の担当者である甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X社は、公開会社ではなく、取締役会設置会社であるとする。また、定款に特段の定めもないものとする。

甲氏:「今、有償での自己株式の取得を検討しているのですが、手続について教えてもらえませんか。株主総会の決議が必要なのは分かっているのですが。」

あなた:「株主との合意によりX社の株式を取得するということですよね。有償で自己株式を取得する場合、取得対価の帳簿価格の総額が(A)を超えてはいけないことになっているのですが、その点は大丈夫ですか。」

甲氏:「はい。それは既に確認しているので大丈夫です。」

あなた:「よかったです。では、手続ですが、株主全員に譲渡の勧誘をする方法(①の方法)と特定の株主から取得する方法(②の方法)の2つがあります。②の方法では、特定の株主だけから株式を取得するので、その株主の氏名を株主総会で決議する必要があります。ただ、②の方法の場合、他の株主は、自己を取得の相手に加えるように請求することができます。」

甲氏:「なるほど。2つの方法で株主総会の招集手続に違いはありますか。」

あなた:「書面又は電磁的方法による議決権行使を認めないことを前提とすると、総会の日の(B)前までに招集通知を発送しなければならないのは、①の方法でも②の方法でも変わらないのですが、②の方法の場合、自己を取得の相手に加える旨の請求を行う機会を与えるために、その請求ができることを招集通知の発送期限までに株主に通知しなければなりません。この通知と招集通知を兼ねるとすると、②の方法の場合の方が、①の方法の場合よりも早く招集通知を発送しなければならないことになります。」

甲氏:「決議要件はどうでしょうか。」

あなた:「(C) 」

甲氏:「なるほど。ありがとうございました。」

あなた:「今回の場合にどちらの手続が具体的に良いのかは、専門家にきちんと相談した方がいいと思います。顧問弁護士の先生に連絡を取ってみてはどうでしょうか。」

(設問3)

 会話の中の空欄Cに入る記述として最も適切なものはどれか。

ア ①の方法の場合でも②の方法の場合でも特別決議です。

イ ①の方法の場合でも②の方法の場合でも普通決議です。

ウ ①の方法の場合には特別決議ですが、②の方法の場合には普通決議です。

エ ①の方法の場合には普通決議ですが、②の方法の場合には特別決議です。〇

資本金と資本準備金 【平成29年 第4問】(設問2)

 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、新株発行による資金調達を行おうとしているX株式会社の代表取締役甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「新株発行により 3,000 万円を調達しようと考えています。株式の発行に際して払い込まれた金額は、資本金か資本準備金かのどちらかに計上しなければならないと聞きましたが、具体的にいくらにすればいいのでしょうか。」

あなた:「会社法上の規定により、3,000 万円のうち、少なくとも( A )円は、資本金として計上しなければならないので、残りの( B )円についていくらを資本金にするのかが問題になります。資本金の額が許認可の要件となっている事業を行う場合などを除き、一般的には資本金に計上する金額を少なくした方が有利なことが多いように思います。」

甲 氏:「資本金を増やす特別な理由がないのであれば、資本金に計上する金額は少なくした方がいいみたいですね。今回は、( B )円を資本準備金の金額としておきます。」

(設問2)

会話の中の下線部に関連し、最も適切なものはどれか。

ア 資本金の金額によって、監査役設置会社において会計監査人を設置しなければならないかどうかが影響を受けることはない。×資本金の金額によって会計監査人を設置しなければならないかどうかに影響を受けます。

イ 資本金の金額によって、個人情報の保護に関する法律に定める個人情報取扱事業者に該当するかどうかが影響を受けることはない。〇資本金の金額によって、個人情報の保護に関する法律に定める個人情報取扱事業者に該当するかどうかが影響を受けることはありません。

ウ 資本金の金額によって、下請代金支払遅延等防止法によって保護される下請事業者に該当するかどうかが影響を受けることはない。×

エ 増える資本金の額が多くなっても、資本金の額の変更に係る登記に要する登録免許税の金額が増えることはない。×増える資本金の額が多くなると、資本金の額の変更に係る登記に要する登録免許税の金額が増えることとなります。

株式会社の配当 1【平成30年 第7問】

 資本の部の計数の増減に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 資本金の額を減少させ、その減少させた金額と同じ金額だけその他資本剰余金の額を増やすためには、債権者異議手続を行う必要がある。〇×〇

イ 資本金の額を減少させ、その減少させた金額と同じ金額だけ利益準備金の額を増やすためには、債権者異議手続を行う必要がある。〇×資本金と準備金の間での移動では分配可能額は変化しません。したがって、債権者異議手続は不要

ウ 資本準備金の額を減少させ、その減少させた金額と同じ金額だけ資本金の額を増やすためには、債権者異議手続を行う必要がある。×

エ その他資本剰余金の額を減少させ、その減少させた金額と同じ金額だけ資本金の額を増やすためには、債権者異議手続を行う必要がある。×

株式会社の配当2 【平成22年 第20問】

 会社法における株式会社の剰余金の配当規定に関連する説明として、最も不適切なものはどれか。なお、本問における株式会社は、取締役会設置会社であるが会計監査人設置会社ではないものとする。

ア 株式会社の純資産が300 万円を下回らない限り、株主総会の決議によっていつでも剰余金の配当をすることができる。×〇

イ 株主総会の決議によって、配当財産を金銭以外の財産とする現物配当をすることができる。ただし、当該株式会社の株式等を配当財産とすることはできない。〇剰余金の配当では、金銭以外の財産とする現物配当をすることが可能。しかし、会社の株式や社債、新株予約権などを現物配当の配当財産とすることはできません。

ウ 事業年度の一定の日を臨時決算日と定め、臨時計算書類を作成して取締役会および株主総会で承認を受けた場合は、臨時決算日までの損益も分配可能額に含まれる。〇

エ 定款で定めることにより一事業年度の途中において何回でも取締役会の決議によって中間配当をすることができる。ただし、配当財産は金銭に限られる。×

株主総会の普通決議により承認を受けた場合の剰余金の配当は、何回でも行うことができますが、定款に定めた場合には一事業年度中1回に限り、取締役会決議による剰余金の配当をすることができます。

 なお、例外的に、一定の要件を満たす会計監査人設置会社では、取締役会決議によりいつでも剰余金の配当が可能です。本問における株式会社では会計監査人設置会社ではないため、この特則による配当をすることはできません。

計算書類【平成24年 第20問】

 株式会社が作成する計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の取扱いに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

 なお、本問の前提となる株式会社は、取締役会および監査役を置くが、会計参与、会計監査人は設置していない。

ア 株式会社は、計算書類を作成した時から10 年間、当該計算書類とその附属明細書を保存しなければならない。〇

イ 計算書類及び事業報告については監査役の監査を受けなければならないが、附属明細書は監査役監査の対象とはならない。×監査役設置会社では、計算書類および事業報告とこれらの附属明細書は監査役の監査を受ける必要があります。

ウ 事業報告は、株式会社の状況に関する重要な事項を記載し、定時株主総会の日の2週間前の日から5年間その本店に備え置かなければならない。〇

エ 取締役は、計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、計算書類については承認を受けなければならないが、事業報告については内容の報告で足りる。〇

金融商品取引法 【令和元年 第8問】

 下表は、金融商品取引法に定める縦覧書類の公衆縦覧期間をまとめたものである。空欄A~Cに入る数値の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

縦覧書類の名称公衆縦覧期間
有価証券報告書受理した日から( A )年を経過する日まで
半期報告書受理した日から( B )年を経過する日まで
内部統制報告書受理した日から( C )年を経過する日まで

〔解答群〕

  1. A:5  B:3〇  C:3
  2. A:5〇  B:3〇  C:5〇
  3. A:7〇×  B:3  C:3
  4. A:7  B:5  C:5

合併1

 合併に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 合併は、2つ以上の会社が契約によって1つになることであり、合併の種類には吸収合併と新設合併がある。〇

イ 吸収合併は、複数の会社のうち1つの会社が存続し、残りの会社は消滅する。吸収合併では、合併によって消滅する会社の権利義務の全部を、合併後に存続する会社が承継する。〇

ウ 新設合併は、新たな会社を新設し、合併前に存在した会社は消滅し、それらの会社の権利義務の全部を、新しく設立した会社に承継する。×〇

エ 吸収合併では、両会社の株式比率等利害調整が複雑になるため、実際には合併の多くは新設合併となっている。×新設合併では、吸収合併に比べて、会社の設立や許認可の再取得などの事務手続きが複雑になります。新設合併では、新しい会社を設立するため、その会社の営業のための許認可を取ったり、上場企業の場合は上場の手続きをしなければなりません。そのため、実際には合併の多くは吸収合併

合併2

 合併に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 合併をするためには、合併契約について常に株主総会の特別決議による承認を受けることが必要になる。×

イ 合併に反対する株主は、原則として株式買取請求権を持ち、これにより、株主が自分の保有する株式の買取を、会社に請求することができる。〇

ウ 合併をするためには、会社は債権者保護手続きが必要になる。債権者保護手続きでは、会社は合併に関する事項を官報等に公告する必要がある。債権者が異議を申し立てた場合は、会社は合併ができない。×

エ 合併では、株式会社は、持分会社も含めて合併できるが、持分会社同士では合併することができない。×

会社分割1

 会社分割に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 会社分割は、会社が事業の一部または全部を、他の会社に承継させることであり、吸収分割と新設分割という2つの種類がある。〇

イ 吸収分割は、分割した事業を別の会社が承継する方法であり、事業を他の会社に売却したい時などに使われる。〇例えば、A社の事業Xを、吸収分割によってB社に承継させることができます。

ウ 新設分割は、分割した事業を新しく設立した会社が承継する方法であり、事業を切り離して分社化したい時などに使われる。〇

エ 新設分割では、会社を新しく設立し、新設会社が発行した全ての株式は、事業を分割した会社に割り当てられる。このとき、事業を分割した会社と新設会社との間に完全親会社と完全子会社の関係が成立するとは限らない。×新設分割では会社を新しく設立しますが、新設会社が発行した全ての株式は、事業を分割した会社に割り当てられます。このとき、分割会社が新設会社の株式を全て所有するため、完全親会社と完全子会社の関係が成立

会社分割2

 会社分割に関する次の文中の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


 会社分割を行う場合は、労働者に与える影響が大きいため、( A )法によって労働者が保護されている。

 まず、会社分割を理由に労働者を解雇することはできない。

 さらに、労働者が元の会社に残るか、分割する事業と一緒に承継するかという問題がある。

 分割する事業に従事する労働者は、原則として事業と一緒に承継される。この場合、労働者本人の同意( B )とされている。また、分割する事業に従事する労働者が、事業と一緒に承継( C )場合は、労働者は異議を申し立てることができ、この場合は事業と一緒に承継( D )。

 一方、分割する事業に従事していない労働者を承継する場合は、労働者本人の同意が必要になる。


ア A:労働契約承継〇 B:は不要〇 C:されない〇 D:される〇

イ A:労働契約承継 B:が必要 C:されない D:される

ウ A:労働契約承継 B:は不要 C:される D:されない

エ A:労働基準 B:は不要 C:されない D:される

株式交換と株式移転1

 株式交換と株式移転に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 株式交換は、ある会社の株主が所有している全ての株式を、他の会社の株式と交換する方法であり、これにより、既存の2社が完全親会社と完全子会社の関係になる。〇?

イ 株式交換は、複数の会社の場合でも行うことができ、この場合は、親会社が1社新設され、もとの会社は全て子会社となる。〇?×株式移転は、新たに会社を設立し、新設した会社との間で株式を交換する方法です。株式移転の場合は、新設会社が親会社となります。

ウ 株式移転を利用すると、持株会社を作ることができ、持株会社は、企業グループの親会社として、子会社を支配することになる。〇?

エ 株式移転を行う場合には、株式移転計画を作成し、原則として株主総会の特別決議による承認を受けることが必要である。×?〇株式交換や株式移転を行う場合には、株式交換の場合は株式交換契約、株式移転の場合は株式移転計画を作成し、原則として株主総会の特別決議による承認を受けることが必要

株式交換と株式移転2

 株式交換と株式移転に関する説明として、最も不適切なものはどれか。


ア 株式交換や株式移転に反対する株主は、原則として株式買取請求権を持つ。〇

イ 株式交換や株式移転では原則として債権者保護手続きは必要ない。〇

ウ 株式交換や株式移転を行う場合には、原則として株主総会の特別決議による承認を受けることが必要である。〇

エ 株式交換や株式移転では、完全親会社になれるのは、株式会社と持分会社の一種である合同会社で完全子会社になれるのは株式会社のみである。×
 株式交換では、完全親会社になれるのは、株式会社と持分会社の一種である合同会社です。また、完全子会社になれるのは株式会社のみです。株式移転では、完全親会社、完全子会社ともに、株式会社だけがなることができます。株式移転は、持分会社には認められていません。

事業譲渡

 事業譲渡に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 事業譲渡は、事業を対象とした売買契約を行うことと位置付けられるため、事業譲渡では事業価値に見合った金銭が原則となる。×〇会社分割では対価が原則として株式になるのに対して、事業譲渡では事業価値に見合った金銭が原則

イ 事業を全部譲渡する場合や、事業のうち重要な一部を譲渡する場合には、譲渡会社において株主総会の特別決議の承認が必要になる。〇×〇

ウ 事業譲渡に反対する株主は、原則として株式買取請求権を持つ。〇

エ 事業譲渡ができるのは、株式会社だけであり、持分会社との間では行うことができない。×事業譲渡は、株式会社だけでなく、持分会社との間でも自由に行うことができます。

会社分割と事業譲渡

 会社分割と事業譲渡の相違に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 会社分割をするためには、必ず株主総会の特別決議による承認を受けることが必要だが、事業譲渡を行うにあたっては、株主総会の決議が不要な場合がある。〇×分割する事業が小さい場合には、簡易組織再編という手続きによって、株主総会の承認は必要ありません。

イ 会社分割では分割対象事業に従事する従業員を承継会社に引き継ぐ場合は、個々の従業員の同意が不要であるが、事業譲渡では譲渡対象事業に従事する従業員を譲受会社が引き継ぐ場合は個々の従業員の同意が必要である。×〇会社分割では分割対象事業に従事する労働者は、原則として事業と一緒に承継されます。この場合、労働者本人の同意は不要とされています。一方、事業譲渡では、譲渡対象事業に従事していた労働者を雇い入れる場合は、労働者個人と個別交渉が必要

ウ 会社分割では分割対象事業の債務の移転に際して債権者保護手続きが必要となるが、事業譲渡では個々の債権者から同意を得ずに譲渡対象事業の債務を移転することができる。×事業譲渡では債権者保護手続きは不要ですが、債務を移転するには債権者ごとに個別に同意を取り付ける必要

エ 会社分割では譲渡対象事業の対価として必ず株式を発行しなければならないが、事業譲渡の対価は金銭とすることが可能である。×会社分割では原則として譲渡対象事業の対価は株式となりますが、吸収分割では対価の柔軟化が認められており、金銭やその他の財産でも対価とすることができます。そのため、会社分割において、必ず株式を発行しなければならないわけではありません。

簡易組織再編

 簡易組織再編に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 吸収合併において、合併の対価として交付する株式などの財産価額の合計が、存続会社の純資産額の5分の1を超えない場合、存続会社では簡易組織再編が認められる。〇

イ 吸収分割において、分割の対価として交付する株式などの財産価額の合計が、承継会社の純資産額の5分の1を超えない場合、承継会社では簡易組織再編が認められる。〇

ウ 新設分割において、分割する資産の帳簿価額の合計が、分割会社の純資産額の5分の1を超えない場合、分割会社では簡易組織再編が認められる。〇?×純資産額ではなく総資産額が基準

エ 株式交換において、完全子会社の株主に交付する株式などの財産価額の合計が、完全親会社の純資産額の5分の1を超えない場合、完全親会社では簡易組織再編が認められる。×〇

略式組織再編

 略式組織再編に関する次の文中の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 略式組織再編は、親会社が( A )以上の株式を保有している子会社において、組織再編の際の株主総会の承認を不要とする制度である。

 親会社が( A )以上の株式を保有している子会社で株主総会を開いても、株主である親会社の意向に沿わない決定がされることはない。つまり、株主総会を開催する意味がないため、会社法の改正によって、子会社での株主総会は原則として不要とされた。

 ただし、子会社が( B )会社であって、その株式の発行や移転を伴う組織再編を行う場合は、略式組織再編は利用できない。

 また、略式組織再編には、子会社の( C )を保護するための規定がある。子会社の( C )は略式組織再編が、法令違反していたり、不当な条件で行われることにより不利益を受けるおそれがある場合は、略式組織再編の差止め請求を行うことができる。


ア A:9割 B:株式譲渡制限 C:少数株主〇

イ A:9割 B:公開〇× C:債権者〇×

ウ A:8割 B:公開〇× C:少数株主

エ A:5割 B:株式譲渡制限 C:債権者

子会社が株式譲渡制限会社であって、その株式の発行や移転を伴う組織再編を行う場合は、略式組織再編は利用できません。

略式組織再編には、子会社の少数株主を保護するための規定があります。子会社の株主は略式組織再編が、法令違反していたり、不当な条件で行われることにより不利益を受けるおそれがある場合は、略式組織再編の差止め請求を行うことができます。

三角合併

 三角合併に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 三角合併において、親会社は、子会社との関係はなくなるが、他の会社は買収できる手法である。×

イ 三角合併では、現金を必要とせず、別の会社を買収できることがその特徴であるといえる。〇三角合併は、現金ではなく、親会社の株式を使用することになります。

ウ 三角合併は、会社法が対象としている日本国内の企業に適用されるもので、外国法人が日本に子会社を設立する際には利用できない。×外国法人が日本に子会社を設立し、その子会社を利用して、別の日本企業を買収することも可能

エ 三角合併の手法は、2000年ころから一般化し、いまでは代表的な合併の手法となった。×2007年の会社法改正によって、「対価の柔軟化」が認められたことにより、可能になったものです。それまでは、このような手法は認められませんでした。

持分会社1

 持分会社を株式会社と対比した記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 株式会社では、出資者である社員はすべて有限責任社員である。一方、すべての持分会社では無限責任社員が存在する。×

イ 株式会社への出資は財産出資のみであるが、持分会社の無限責任社員は、財産出資以外にも労務や信用による出資が認められている。〇

ウ 株式会社では株主総会と取締役は必置機関であるが、持分会社は、取締役や監査役などの機関は無い。×〇

エ 株式会社では、出資者の権利を株式と呼ぶが、持分会社では、社員の地位を持分と呼ぶ。〇

持分会社2

 合同会社に関する記述として、最も不適切なものはどれか。



ア 合同会社は、米国のLLC(Limited Liability Company:有限責任会社)の日本版として導入された。〇

イ 合同会社は、株式会社と同じように有限責任社員だけから構成され、株式会社よりも定款による自治の範囲が広く、設立などの手続きが簡単という特徴がある。〇

ウ 合同会社は、社員は原則として業務執行社員となるが、業務執行社員を定款で定めることもできる。

エ 3種類の持分会社の間の種類変更も相互に行うことができるが、持分会社から株式会社に組織変更することはできない。×

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