中小企業基本法に基づく、中小企業の範囲、中小企業政策の基本方針。
製造業は「資本金3億円以下または従業員数300人以下」であれば中小企業に該当します。
卸売業は「資本金1億円以下または従業員数100人以下」であれば中小企業に該当します。
小売業は「資本金5千万円以下または従業員数50人以下」であれば中小企業に該当します。
サービス業は「資本金5千万円以下または従業員数100人以下」であれば中小企業に該当します。
中小企業基本法では、その第5条で中小企業政策の基本方針が示されている。
1) 経営の革新および創業の促進(ならびに創造的な事業活動の促進)
2) 中小企業の経営基盤の強化
3) 経済的社会的環境変化への適応の円滑化
4)資金供給の円滑化および自己資本の充実
中小企業憲章の基本原則および行動指針で「公正な市場環境を整える」と定めています。
中小企業等経営強化法で規定されている政策の柱。
中小企業等経営強化法は、中小企業の新しい事業活動を支援するための法律です。
①経営革新支援、
②新連携支援、
③創業支援、
④技術革新の支援、
⑤地域における支援、
⑥経営力向上の支援、
⑦事業継続力強化の支援です。
中小企業等経営強化法に規定する新事業活動。
新事業活動は
①新商品の開発または生産、
②新役務(サービス)の開発または提供、
③商品の新たな生産または販売の方式の導入、
④役務(サービス)の新たな提供の方式の導入
の4つです。
経営革新計画として承認されるための計画期間と成果。
経営革新計画として承認されるためには、「付加価値額または従業員1人当たりの付加価値額」と「給与支給総額」の伸び率について、下表の要件を満たす必要があります。(令和2年の中小企業等経営強化法の改正に伴い、経営革新計画認定の指標のうち、「経常利益」は、「給与支給総額」に変更となりました。)
計画終了時 | 「付加価値額または従業員1人当たりの付加価値額」の伸び率 | 「給与支給総額」の伸び率 |
3年計画の場合 | 9%以上 | 4.5%以上 |
4年計画の場合 | 12%以上 | 6%以上 |
5年計画の場合 | 15%以上 | 7.5%以上 |
付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費、
従業員1人当たりの付加価値額=付加価値額÷従業員数、
給与支給総額=役員報酬+給料+賃金+賞与+各種手当
経営革新計画として承認されると受けられる支援措置。
主な支援策には、融資、信用保証の特例、税制の優遇措置、投資、特許料の減免、販路開拓コーディネート事業などがあります。
JAPANブランド育成支援事業
JAPANブランド育成支援事業の支援の種類は、中小企業等を対象にした「全国・海外展開等事業」と、「全国・海外展開等サポート事業」があります。
JAPANブランド育成支援事業の内容のうち、「全国・海外展開等サポート事業」の補助率と上限。
「全国・海外展開等サポート事業」は民間支援事業者や地域の支援機関等による複数の中小企業者を対象とした取組に対する支援ですので、補助金額が大きくなっています。
1~2年目は、補助率3分の2、上限2,000万円、
3年目は、補助率2分の1、上限2,000万円となっています。
ちなみに「全国・海外展開等事業」は、
1~2年目は、補助率3分の2、上限500万円、
3年目は、補助率2分の1、上限500万円となっています。
サポイン事業(戦略的基盤技術高度化支援事業)。
戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)とは、「特定ものづくり基盤技術高度化指針」に合致した研究開発を支援する事業です。
戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の補助金の内容。
内容 | |
対象者 | 中小企業・小規模事業者、大学・公設試験研究機関等、川下製造業者などの2者以上の共同体 |
補助金額 | 単年度 4,500万円(3年間の合計で9,750万円以内) |
補助率 | 中小企業・小規模事業者等:2/3以内 |
事業期間 | 2~3年 |
外部有識者で構成される採択審査委員会において提案内容が審査され、採択先が決定し、各経済産業局から補助金の交付決定が通知されます。
小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資)。
小規模事業者経営改善資金融資制度は、小規模事業者が経営改善を行うための資金を無担保、無保証人、低利子で融資する制度です。この制度では、日本政策金融公庫(国民生活事業)が融資を行い、商工会・商工会議所が経営指導を行います。貸付対象者は、小規模事業者である商工業者です。(常時使用する従業員が20人以下、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)の場合は5人以下の法人・個人事業主)
商工会・商工会議所の経営指導を 6 か月以上受ける必要があります。
貸付限度額は1,000万円ではなく2,000万円です。
運転資金7年以内(据置期間1年)、設備資金10年以内(据置期間2年以内)です。
日本政策金融公庫の審査を経て、無担保無保証の融資が実施される制度です。
小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資)を受けるための要件。
小規模事業者経営改善資金融資制度の貸付対象者は、小規模事業者である商工業者です。(常時使用する従業員が20人以下、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)の場合は5人以下の法人・個人事業主)。
融資を受けるためには要件は、商工会・商工会議所の経営指導員による経営指導を6カ月以上受けることです。また、税金を完納しており、同一地区内で1年以上事業を行っていること、日本政策金融公庫の融資対象業種を営んでいることが要件になります。
上記の通り、6カ月以上ではなく同一地区内で1年以上事業を行っていることです。
商工会・商工会議所の会員であることは要件ではありません。
商工会・商工会議所の経営指導員による経営指導を原則3カ月ではなく6カ月以上受けていることが必要です。
法人税の軽減税率。
中小企業では、大企業と比べて低い法人税率が適用されます。具体的には、期末資本金が1億円以下の中小法人では、法人税が軽減されます。中小企業の法人税率は、年間所得が800万円を超える部分には大企業と同様に法人税率23.2%が適用されますが、年間所得が800万円以下の部分には軽減税率15%が適用されます。
中小企業等の法人税率の軽減は、法人税の本則において、年800万円以下の所得金額については19%(令和3年3月31日までの時限的な軽減税率は15%)に軽減されている。
対象となるのは、資本金1億円以下の中小法人等である。
中小企業の交際費等の損金算入の特例。
交際費のうち、接待飲食費の50%に相当する金額は損金算入が認められます。なお、接待飲食費とは、交際費のうち飲食に類する費用のことです。また、期末資本金が1億円以下の法人は、接待飲食費の額の50%相当額の損金算入か、 定額控除限度額までの損金算入かを選択して適用できます。定額控除限度額までの損金算入を選択した場合、最大で年間800万円までの交際費の全額を経費に算入することができます。
中小法人は、以下①、②のうち、どちらかを選択して損金算入することができます。① 支出した 交際費 等のうちの 800 万円までの 全額 ② 支出した 接待飲食費 のうちの 50%
中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)。
1年以上継続して事業を行っている中小企業者で、掛け金納付月数が6カ月以上ある加入者について、取引先企業が倒産した場合、売掛金や受取手形などの回収が困難になった額と、積み立てた掛け金総額(上限積立可能額 800万円)の10倍に相当する額のうち、いずれか少ない額の貸付が無担保、無保証人、無利子で受けられる。毎月の掛け金は5,000円から 20万円の範囲内で設定できる。
中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)。
中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)は取引先企業が倒産した場合には無担保、無保証、無利子で貸し付けが行われます。
掛金の2/3ではなく、全額が損金または必要経費とされます。
臨時に事業資金を必要とするときは、解約手当金の範囲内で貸し付けを受けることができる一時貸付制度があります。
日本政策金融公庫ではなく、中小企業基盤整備機構が運営する共済制度です。
下請取引の範囲。
資本金2千万円の親事業者が、資本金1千万円の下請事業者に物品の製造を委託する。資本金1千万円超3億円以下の親事業者と資本金1千万円以下の下請事業者に該当します。
資本金1億円の親事業者が、資本金2千万円の下請事業者に物品の製造を委託する。資本金1千万円超3億円以下の親事業者ですが、下請事業者は資本金1千万円を超えます。
資本金3千万円の親事業者が、資本金2千万円の下請事業者にプログラムの作成を委託する。資本金1千万円超3億円以下の親事業者ですが、下請事業者は資本金1千万円を超えます。
資本金3億円の親事業者が、資本金3千万円の下請事業者にプログラムの作成を委託する。資本金1千万円超3億円以下の親事業者ですが、下請事業者は資本金1千万円を超えます。
下請代金支払等遅延防止法における親事業者の義務。
- 書面の交付義務:親事業者が発注する際には、直ちに取引条件などを書いた書面(注文書)を交付する必要があります。
- 発注書類を保管する義務:親事業者は注文した内容などについて記載した書類を作成し、2年間保管する必要があります。
- 下請代金の支払期日を定める義務:親事業者は注文品などを受け取った日から60日以内かつできるだけ短い期間となる、支払期日を定める必要があります。
- 遅延利息の支払義務:親事業者が注文品などを受け取った日から60日を過ぎても代金を支払わなかった場合は、遅延利息を加算して支払う義務があります。
- 下請代金の減額の禁止:親事業者は、下請事業者に責任がないにもかかわらず、下請代金の額を減じてはならない。
事業引継ぎ支援センター。
「事業引継ぎ支援センター」は、産業競争力強化法に基づき、中小企業者等の後継者マッチング等を支援するために設立された専門機関です。後継者不在などの悩みを抱える中小企業者等からの相談に対して、助言、情報提供を行うほか、M&A等を活用した後継者マッチング支援を行います。
事業引継ぎ支援センターは各都道府県に設置されていますが、よろず支援拠点に属するものではありません。
士業等の専門家を活用して支援を得ることはマッチング相手がすでにいる場合でも対象となります。
経営承継円滑化法ではなく、産業競争力強化法に基づいて設立された専門機関です。
事業承継に関する相談対応や、相談案件の登録機関(仲介業者、金融機関等)への取り次ぎ、マッチング支援などを行っています。
新創業融資制度。
創業予定者や税務申告を2期終えていないものに対して、事業計画等の審査を通じ、日本政策金融公庫が融資をする制度である。
新創業融資制度。
新創業融資制度は、創業や新事業を行う者に対して、日本政策金融公庫(国民生活事業)が無担保・無保証人での融資を行う制度です。この制度では、担保や過去の勤務経験ではなく、事業計画の適確性を基に融資を行います。
融資の対象になるのは、新たに事業を始める者や、既に開業している場合でも税務申告を2期終えていない者です。創業する場合は、創業資金の10分の1以上の自己資金が確認できる必要があります。
貸付の限度額は、3,000万円(運転資金1,500万円)で、原則として、無担保、無保証人となっており、代表者の保証も不要となっています。
無担保、無保証融資を受けられますが、法人代表者等の保証を付けられれば利率が低減されます。
対象となる方は、原則として創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できるという要件を満たさなければならない。例外として「現在勤めている企業と同じ業種の事業を始める者」等に該当する場合は、本要件を満たすものとみなす場合があります。
日本政策金融公庫と沖縄振興開発金融公庫が貸付機関となっています。
設備資金及び運転資金で貸付金額は3,000万円が上限となりますが、運転資金はそのうち1,000万円ではなく、1,500万円が上限となります。
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中々投稿するまでに力尽きて投稿までに辿り着けない日々が続きます。。
2021年07月28日 (水) の学習履歴
中小企業診断士講座
5時間
合格模試[2021年度試験対応]4時間25分
模試受験・問題練習56分00秒
合格模試-問題1企業経営理論40秒
合格模試-問題2財務・会計15秒
合格模試-問題3運営管理10秒
合格模試-問題7中小企業経営・政策54分55秒
解説講義3時間29分
合格模試-解説1企業経営理論2時間16分
合格模試-解説2財務・会計1時間03分
合格模試-解説3運営管理09分00秒
その他の学習履歴35分00秒
添削35分00秒
中小企業診断士
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